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春うらら
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ラストコラム

 皆さん、こんにちは。梅雨の真っ只中ですが、いかがお過ごしですか?

 ついに最終回です。私もびっくりしています。
 ま、「廃刊」ではなく「休刊」ですので、また復活する可能性もあるのですが、とりあえず残念なことになってしまいました。
 こんな日が目前に迫っているとも知らず、私は今年の4月1日号でエイプリルフール・ジョークとして「コラム降ります」なんて書いてしまったんですが、あの言霊のせいではないかと、ちょっぴり後悔したりしています。

 私のコラムを楽しみにしていてくださっていたという読者の方からのメールもいただき、自分が残念であるのと同時に、とても申し訳ない気持ちになっています。
 「美月さんの文章で元気をもらった」などと書かれると、本当に嬉しかったし、一人でもそうおっしゃってくださる方がいらっしゃるなら、なんとしてでも続けなければと思ってはいたのですが、本当にごめんなさい!

 そこで最終回の今回は、私が何かを発信するであろうメディアやサークルなどをご紹介し、今後の活動について少し触れておきたいと思います。これまでにも書いてきたことなので、重複してしまうかもしれませんが、ラストですので今一度改めて知っていただければと思います。

 まずは、私が代表を務めているバリアフリー読書サークル「YAクラブ」です。
 こちらは、ヤング向けの小説の情報を交換し合うメーリングリストを開設し、そこで出た話題の本を録音図書(DAISY図書)として作成し、全国の会員に貸し出すことを中心に活動するサークルで、視力の有無を超えて楽しく交流しています。高学年向き児童書からライトノベル、SFやファンタジーなどを扱っています。
 また、メーリングリストでは、アニメの情報もやりとりしたりしています。
 ヤング向きだからといって、年齢制限は設けていないので、心が若々しい人なら誰でも歓迎します。ちなみに、今の最高齢者はもう80近い方です。
 詳しくは、YAクラブのHPをご参照ください。
http://ya-club.sakura.ne.jp/

 次に、副代表の片割れを担わせていただいている、バリアフリー映画鑑賞推進団体「CityLights」です。
 こちらは、視力の有無に関わらず、共に映画を楽しむサークルです。
 親しみを込めて「リーダー」と慕われている平塚千穂子代表率いるサークルで、音声(言葉)による画面解説=“音声ガイド”を研究し、既にDVDが手に入る作品にはしっかりと原稿を作り上げてガイドする「作りこみガイド」で、いま公開中の映画ならアドリブと感性で実況放送的にガイドする「ライブガイド」で、見えない仲間たちも“一緒”に“同時”に泣いたり笑ったり感動したりしています。
 この「同じ空間で、みんなと同じタイミングで泣いたり笑ったりできる」という感覚を味わったときから、私はこの活動の虜となり、時おりおこがましくも「音声ガイド講習会」の講師などをさせていただくに至っています。
 詳しくはシティライツのHPをご参照ください。
http://www.citylights01.org

 そして、メインの活動は、既にこちらでも何度も話題にしておりますが、演劇結社ばっかりばっかりでの芝居や朗読です。
 去る5月22日・23日の『帰ってきた朗定』には多くの皆様にご来場いただき、4公演全日程完売というとても嬉しい朗読会となりました。本当にありがとうございました!
 そこで次なる公演のご案内です。
  11月11日(木曜日)~14日(日曜日)に、第7回公演『アフター・エルフ』を、南阿佐ヶ谷の「アートスペースプロット」にて上演します!
 聴覚障害の役者さんを巻き込んで、「視覚障害者と聴覚障害者のコミュニケーション」という難関に迫る、でもやっぱりコメディ芝居になる予定です。
 私は、ミュージックバーの歌うママさんの役で、久々の自作曲を含めて歌います!
手話にも挑戦します!乞うご期待!!
 詳細は、追って以下の劇団HPに掲載します。
※こちらで、私の出演している朗読ドラマ『ななんちゃんのお店にようこそ』もお楽しみいただけます!
http://www.bakkaribakkari.net/
 (更新が遅れがちでごめんなさい!)

 以上が私の活動の3本柱なのですが、最後にそれら全ての要素を含んでときどき何やら書いては日記にしているmixiの私のページのidなどをご紹介しておきますので、mixiに参加しておられる読者の方は、良かったら覗きにきてみてください。

id=637685
名前:美月 めぐみ
ニックネーム:めーたん

 それでは皆さん、今までこのコラムをお読みいただきまして、本当にありがとうございました!!
 今後の皆さんのご多幸をお祈りしつつ、最終回の筆を置きたいと思います。
 どこかでお目にかかるその日まで、どうか皆さんお元気で!さようなら!!


P.S
 編集担当の水野さん、本当にお疲れ様でした!!

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 16:51  | Permalink

話芸の大切さ

 先日、私も参加していた筑波大学附属盲学校(旧・東京教育大学附属盲学校、現・筑波大学附属視覚特別支援学校)の落語研究会のOBを中心に活動している『楽笑会(らくしょうかい)』が25周年を迎えたということで、それを記念した4枚組みCDをいただきました。
 みんな、別に仕事を持ちながら、それでも落語が大好きで長年研鑽を積んできた人ばかりで、中にはプロの噺家顔負けの人も数名います。
 中でも、長年落語研究会とこの楽笑会の顧問としてお世話してくださっている鶴ノ屋一声(つるのや いっせい)師匠は、名人クラスの味わいのある素晴らしい話芸の持ち主です。ご自身も弱視で、私が学生だった当時までは理療科の先生をなさっておられました。詳しくは伺っていないのですが、きっとご自身が現役の盲学校生徒だったころから続けてこられたのではないかと思います。今回のCDには、楽笑会の前身である『帯の会』で演じられた「寄り合い酒」が収録されていたのですが、この録音がなんと昭和47年の物で、確かに音質は劣化していたものの、その音の悪さがさらに拍車をかけて、まるで志ん生や先代の金馬と並ぶ名人上手のお一人のように聞こえました。とにかく、江戸っ子らしい、実に軽妙な歯切れの良い演技なのです!改めて惚れ直してしまいました。
 他にも、魅力的な語り口を聞かせてくださる先輩がいっぱい!
 また、さすがに25年も経つと、メンバーもおとっつぁんになっていたりして、息子も高座に上がり、親子共演を果たしているケースもあり、感慨一入なのです。
 改めて、継続する力の強さに感動させられてしまいました。

 このCDを聞いているうちに、私は「視覚障害者にとっての話芸」に想いを馳せていました。
 古くは、琵琶の演奏をしながら弾き語りで平家の悲しい末路を語り継いだという「琵琶法師」がいました。有名な怪談である「耳なし芳一(ほういち)」が正にその琵琶法師です。
 また、江戸時代の盲人の職業の一つに、金貸し業というのがありましたが、おそらくこれも巧みな話芸が物をいう仕事だったに違いありません。

 そして、wikipediaによると、明治以降になると、プロの落語家にも、視覚障害の人が何人か見受けられるようです。
 すなわち、明治後期から大正前期に活躍した落語家、初代柳家小せん、(やなぎや こせん)通称「盲(めくら)小せん」。明治後期から大正前期に上方(かみがた)で活躍した落語家、3代目桂文三、通称「盲目の文三」。
 そして、現役で活躍中の上方落語の名手・笑福亭伯鶴(しょうふくてい はっかく)師匠も、盲目の落語家さんで、とても素敵なお声で語られます。

 実は、斯くいう私も、楽笑会で3回くらい高座に上がらせていただいたことがあるのですが、落語という物は単に話せれば良いわけではなく、手ぬぐいと扇子を巧みに操り、座布団という小さな空間の中でいろいろな所作をして、「見せる演技」も必要とするため、先天性の視覚障害者である私にはかなりきつい物でした。
 でも、私はその話芸の部分が、今の朗読や芝居にもつながっているのだろうなと思ったりしています。

 しかし、特技として見せたり聞かせたりする落語や朗読の技術を高めるということでなくても、視覚障害者にとって「話す力」はとても大切な物なのではないかと思います。
 多くの視覚障害者が携わっている三療業も、いわば接客業ですから、ラジオやテレビでいろんな話題を入手しては、治療しながら患者さんを楽しませることができれば、それだけリピーターも増えるかもしれません。
 さらに、日常生活においても、目やゼスチャーで語ることができない分、言葉で適切に伝える技術を持っているほうが、そうでない場合よりずっと生き易いのではないかと思うのです。自分の欲する物もロスタイムなく得られるでしょうし、また対人関係も良くなり、お友達も増えるかもしれません。

 というわけで、人皆全てそのほうが良いのですが、特に視覚障害者の同朋の皆さんは、ぜひとも「話す」ことを意識して暮らしてみませんか?


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 18:12  | Permalink

「ぶしつけ」という言葉

 突然ですが、「ぶしつけ」という言葉の意味をネット辞書で調べてみました。
 大辞泉によると、
『礼を欠くこと。無作法なこと。また、そのさま。』
であり、大辞林では
『礼儀作法をわきまえていない・こと(さま)。無作法。』
となっています。
 なぜこんな言葉の意味を調べたかといいますと、実は最近、この言葉が頭にポーン
と浮かんでくるような出来事があったからなのです。

 先週末、私は友人数名と楽しい温泉旅行に出かけていて、帰宅した翌朝である月曜日の朝に、丸2日間貯まっていたメールをチェックしていました。多くのスパムメールなどと闘いつつ200通以上にものぼるメールの山を片付けていると、『HP「全盲の舞台女優」より』という件名のメールが出てきました。この本文を読んだとき、正に「ぶしつけ」という単語が浮かんできたのです。個人が特定できないよう、何箇所か伏字にしてみましたので、まずはこのメールの文章をご覧ください。

『美月めぐみ様
教えてください。
○○区で点訳をやっている者です。××新聞5月21の映画のバリアフリーの中に美月めぐみがでてまいりますが、美月の読み方がネットで探せません。
「みづき」「みつき」どちらでしょうか?よろしくお願いいたします。今日中にお返事いただけるとうれしいです。』

 このメールは、22日土曜日に発信されていましたが、私が読んだのは24日の朝。もうとっくに時間切れでしたが、一応点訳に役立てていただけるのならとお返事は出しました。
 しかし、差出人がどんな方かという情報は「○○区で点訳をやっている」ということしか書かれていません。それはまるで、「点訳者」と書かれた手ぬぐいで頬被りした何かが性別も年齢も分らないロボットボイスで話しかけてきてるみたいに思えました。(お名前から察するに、女性のようではありましたが)
 宛名の次にいきなり「教えてください。」と書かれています。初めてなのに、いきなり用件です。
 しかも、「美月めぐみがでてまいりますが、美月の読み方がネットで探せません。
」と、まるで私の名前が何かの物質のように扱われているのにも驚愕しました。
 とても急いでらしたのは分りますが、その記事の感想の一つも書かれていたりすれば、少しは感じも良く思えたかもしれません。
 さらに、遅くなってしまったけれどお返事を返してみたのに、それに対して未だに何の反応もないのです。

 以前、ある著作権関係のシンポジウムで何人かの作家の方が、「図書館やボランティアグループから読み方の問い合わせがあるが、極めて事務的で、障害者のために崇高なボランティアをやってるんだから問い合わせにはなんでも応じるのが当たり前だろうといったような意識が見え隠れして、とても感じが悪い人がいる」と嘆いておられたことがあったのですが、「こういうことだったのか!」と実感した出来事でした。
 普段はあまり怒らない私なので、これは、私が46歳という年齢に達してきたから感じることなのかなとも考えてみたけれど、周りの人たちに話してみたところ一様に「普通怒るよね」との答えだったので思い切って書いてみました。

 斯く言う私も基本はうっかり者なので、礼を失してしまうことも多々あります。私は、劇団の関連でも、また私が代表を務めるバリアフリー読書サークルでも、作家の方やボランティアの方、スタッフの皆さんとのやり取りの中で、気をつけなければならないことが本当に多い立場でもあります。
 「人の振り見て我が振り直せ」
 この言葉を胸に、改めて自分自身を戒めることにもなった出来事でした。

 そうそう、私の芸名「美月めぐみ」の「美月」は「みづき」となります。以前お話ししたかもしれませんが、大好きだった元宝塚花組トップスター・故・大浦みずきさんのお名前の「みずき」の音だけいただいて当て字でつけた苗字が「美月(みづき)」なのです。読者の皆さんには覚えておいていただければ幸いです。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 17:53  | Permalink

錦(にしき)の御旗ではなく、そっと知らせる物であれ。

 夕べ、劇団の稽古の帰りの小田急線でのこと。
 私が座った席の向かい側は優先席でした。そこにドドーンと乗り込んできた一人の初老の男性。彼は、とにかく横柄な態度で角の席を譲らせ、そしてペースメーカー手帳なる物をかざしては「携帯は切ったかね!私はペースメーカーを入れとるんだから、電源から切りなさい!これがわかるかね、ペースメーカー手帳だよ!ほら、早くさっさと切りなさい!」と誰彼かまわず威圧的に命令しまくります。
 これは、実に正当な要求です。ペースメーカーの誤作動は、生命の危機につながる重大なものですから、自衛手段としては極めて大切なことではあります。ではありますが、この物言いはどうでしょう。
 今朝、気になってネットで調べてみると、「携帯電話は埋め込み式のペースメーカーがある心臓部分からは、22センチ以上離して使用すること」となっていました。
 ん?そうすると、角に座りたがった気持ちも分かってきます。彼の向きからすると、車両の間のしきりになっている側が左側、つまり心臓側になったのです。
 ということは、万が一隣の人が携帯の電源を切り損ねていても、ペースメーカーまでは22センチ以上の距離が保たれるということになります。
 「ほほう、なるほど」と感心しつつも、やはりあの男性の態度の印象としては不愉快さが残っています。

 そして、ふと気づくと、私たち視覚障害者も、このおじさんと似たようなことをやってしまっているように思えてきます。
 つまり、「障害者手帳さえ出せば、割引してもらえるのが当然の権利だ」といったような、ある種の傲慢さとでもいいましょうか。それは、障害者本人のみならず、介助者も含めて言える場合も多いようです。
 あのおじさんも、そして私たちも、「イレギュラーな配慮をしてもらうこと」に対するありがたさやちょっと申し訳なく思う気持ちを忘れてはいけないと、「人の振りみて、我が振りを省みる」ような経験になりました。

 そこで一つ考えたのですが、お互いにこんな嫌な想いをいちいちしなくてもすむように、ペースメーカー手帳や障害者手帳以外に簡単に識別できるような何かを身につけるということをすべきなんじゃないでしょうか。
 最近よく耳にするグッズの中に『マタニティ・バッジ』という、妊婦さんであることを示すバッジがあります。これは、あるマークに「BABY in ME<ベイビーインミー>」と表記された物が入っているバッジです。これを上着やバッグなどにつけておくと、まだお腹の膨らみがめだたないけれどとても辛い思いをしている妊婦さんも回りに理解してもらえる機会が増え、座席を譲ってもらえたりできるという物です。
 逆にいうと、このバッジを見かけたら、周りの人たちが積極的に気づいてあげられるようになるというわけです。
 これに習って、ペースメーカーバッジなる物も作られるべきではないかと思ったのです。それを見たら、優先席付近にいるのに電源を入れっぱなしにしてしまうようなうっかりさんにも、「おっといけねぇ」と気づいてもらいやすくなるでしょうし、周りでも不快なやり取りを、目に、耳にせずに済むようになると思うのです。

 同じく、障害の等級別で単独割引しか利かない障害者と、介助者も半額に割り引かれる等級の障害者の区別も、公営交通機関の乗降時に提示するパスの色を変えるなどして分かりやすくすれば、係員とのちょっとしたトラブルを減らせるのではないかと思います。コストがどの程度かかることなのかは分らないので無責任なことを言ってしまったかもしれませんが、これに気づいた時点で、私は都営地下鉄の駅長さんへ提案しておきました。

 いずれにせよ、ハンディに気づいてもらいやすくすると同時に、手帳などを、権利、いや権威の象徴として『錦の御旗』よろしく振りかざすのではなく、「配慮されていることなのだ」ということを心の隅に置いてありがたくそれぞれの制度やサービスを利用させていただきたいものです。

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 17:29  | Permalink

満員御礼、そして新たな出会い

 2月辺りからちょこちょこ騒いできた我が演劇結社ばっかりばっかりの朗読会『帰ってきた朗定~田町定食・町田定食~』ですが、ついに先週末の土日に開催され、私の経験上はじめての「全日程完売」という嬉しくてありがたい状況のうちに幕を閉じました。しかも、今までより1日増やしたにも関わらずです!
 ご来場いただいた皆さん、本当にありがとうございました!!
 また、今回お越しいただけなかった皆さんも、秋の芝居にはぜひご来場ください。
 11月11日(木)から14日(日)までの4日間8公演を予定しています。場所は、東京メトロ丸の内線南阿佐ヶ谷、もしくはJR中央線阿佐ヶ谷駅が最寄となる「アートスペースプロット」という小さな芝居小屋です。 今回は視覚障害と聴覚障害という、まるで反対な障害者同士の、究極のコミュニケーションをテーマにしたラブコメディをやる予定です。今から秋の予定に入れておいていただければ幸いです。

 さて、今回ご来場いただいた方は、ほとんどの方がリピーター、つまり前にも1度以上ばっかりばっかりの舞台を観にいらしてくださった皆さんで、「ああ、お気に召していただけてるのだなぁ」と大変ありがたく思った次第ですが、中には今回初めてご来場いただいた方もおられました。
 そんな方々の中から、嬉しい出会いとなった3人の方についてお話ししてみたいと思います。

 お一人は、今回朗読の演目の一つとして取り上げさせていただいた作品の作者さん
を出版社で担当している編集者の方でした。
 朗読許可をいただきたくてお手紙をお出しした直後から連絡を取り合い、私からの手紙やメールを作者さんご本人に転送してくださったり、当日にはご来場くださって最初から最後までお聞きくださったうえでお褒めの言葉やアドバイスまでいただきました。
 その作品を実際に読んだのは、我がばっかりばっかりのホープ・視覚障害の青年・大河内聡之(おおこうち としゆき)で、点字での朗読をしていたのですが、文脈の盛り上げ方の面白さやキャラ分けして読む面白さが際立ち、ご満足いただけたようで、私もほっとしました。
 劇団記録用として録音した物の編集が済んだら、それを作者の方にお送りする中継ぎもしてくださることになっています。
 今後も朗読会向きの作品をご提案いただけるとのことで、しっかりお付き合いが続いていきそうです。

 お二人目は、本番10日前くらいに突然メールをいただいた方で、「朗読会ナビ」というhpを運営しておられるHNぺんぺんさんという方でした。

『ぺんぺんの朗読会なび』
http://cocopen.sakura.ne.jp/

 最初は、ばっかりばっかりの朗読会についてネットで検索され、ちょっと心に留まったようで、ご自身のメルマガでフィーチャーしてご紹介くださり、そのメルマガを「事後承諾」という形で転送してくださったのです。
 さっそくその「朗読ナビ」を覗いてみると、極小さな朗読会から超有名な俳優さんや声優さんの朗読会まで、ありとあらゆる朗読会が網羅されたサイトでした。
 そんなに物凄い情報量の中から、私たちの朗読会をピックアップしてくださったことにまずは驚きを感じ、掲載事項をアレンジしていただくお願いにもすぐに応じてくださるに至って、私たちの朗読会へもお誘いしてみたくなりました。
 すると、そんなに多くの情報を得ておられるにも関わらず、しかも私たちが朗読会をやっている頃には有名な方の朗読会もいろいろ開催されていたにも関わらず、快くご来場くださったのです。
 そして、後日、ご自身も朗読者としての経験を多く積んでおられる立場から、これまたありがたいご感想をいろいろいただくことができました。
 とてもフレンドリーな彼女とも、今後ずっと仲良くお付き合いいただけそうな予感があります。

 最後にもうお一人。
 この方は、直接朗読会とは無関係なところから知り合いました。
 先月末のシティライツ映画祭直前に、山梨の網膜色素変性症の会のH氏からのご紹介がありまして、「同じ視覚にハンディがある舞台女優さんだから」ということで仲を取り持っていただきました。東野醒子(とうや さめこ)さんという方です。
 本当は映画祭のときにお目にかかることになっていたのですが、携帯の電波事情が悪く、翌日にようやく電話でお話しすることになりました。
 お話ししてみると、とても気さくな方です。私の方からも、これはぜひともお近づきになりたいと思い、今回の朗読会にお誘いしたところ、嬉しいことに二つ返事でご来場いただけました。
 老舗の小劇場系の劇団「激弾BKYU(「げきだんビーきゅう」と読みます。字は誤植じゃありません、念のため)」に四半世紀近く所属しておられる彼女は、私と年齢も近く、感覚も近いようで、朗読会にもご満足いただけたようでした。
 そしてつい昨日、一緒に地ビールの美味しいお店で2時間ほども話しこむに至って、芝居に対する考え方その他に共通点を多く見出し、これからもっともっと仲良しになれそうな予感を抱いて帰ってきました。
 同じ視覚障害でも、先天性の私と、視野が大幅に欠損してはいてもまだピンポイントの視力なら0.5残っている中途失明の彼女では、悩むポイント・工夫すべきポイントもずいぶん違うとは思うけれど、自分たちのやっていることでお客さんにきっちり楽しんでいただきたいと思うほっこりとした想いは同じですので、ここから何か生まれていったらいいなと思っているところです。

 他にも、初めて観にきてくださった方、リピーターの方、それぞれの皆さんと、とても良い出会いをしていると思います。
 これからもこういった「出会い」「つながり」を大切に、新たな舞台に挑戦していきたいなと思っている美月なのでした。

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 16:31  | Permalink

ネットスーパー活用の薦め

 前回のコラム欄は、お休みしてしまってすみませんでした。
 で、本題に入る前に。
 お陰さまで、今週末の演劇結社ばっかりばっかり(私を含め2名の視覚障害者も参加している劇団)の朗読会(私たちは点字で朗読します)はほぼ完売となりました。
本日20日10時半の時点で、22日土曜日・23日日曜日共にお昼は完売、夜は22日の18時が残り3席、23日の18時が4席となっています。お申し込みし損ねたという方がいらっしゃいましたら、夜の部のみ可能性がありますので、至急ご予約ください。
 詳しくは下記hpをご参照ください。
http://www.bakkaribakkari.net/

 さて、ここからが本題です。
 公演が近づいてきて稽古やその他の下準備が立て込んでくると、どうしても食生活が乱れたりします。家で作って食べるのもおぼつかなくなったりもします。
 そんなとき、強い味方になってくれているのがネットスーパーです。
 これは、ネットで注文すれば、半日後には届けてくれるというサービスで、多くのスーパーマーケットがこのサービスを始めています。大手でいうと、イオン、ダイエー、ジャスコ、西友、サミット、マルエツ等等、他にも私が聞いたことがないような、ネットのみで展開しているスーパーもいろいろあるようです。

 私が利用しているのは、イトーヨーカ堂のネットスーパー「アイワイネット」
https://www.iy-net.jp/
なのですが、なかなか便利です。特に視覚障害者の場合は、パソコンじゃなくて、携帯で利用するほうが使いやすいようです。
 そんなこと、生協があれば良いではないかと言われる向きもおられるかもしれませんが、大きなメリットとしては、まず時間によってではありますが当日注文しても持ってきてくれることです。しかも、送料315円を払えば、おにぎり1個からでも持ってきてくれます。その送料も、一度に5千円以上まとめて買うと無料になります。
さらに、おそらく“ヨーカ”堂の嬉しいダジャレなのでしょうが、8日・18日・28日という8のつく日は、送料が80円になるのです!
 料金は、安心な「代金引換」でも、クレジットカード決済でも支払うことができます。カードを利用する場合、自分のカードの番号と有効期限を把握していれば、その入力もとても簡単です。
 また、一般の折込チラシなどを目にすることのできない視覚障害者にとって嬉しいのは、毎日メルマガで特売情報などを配信してくれることです。そろそろお米が乏しいなと思っているところに、「明日はお米割引」などという情報が入ってくると、さっそくアクセスして、値段と銘柄を見比べて吟味し、注文することができます。ちなみに、これで買ってびっくりしたのが、ブランド米の中で一番安かった山形のお米「はえぬき」が、物凄く美味しかったことです。ピカピカで綺麗な粒立ちで炊き上がり、ふんわりとした甘味があり、おかずなしでも食べられるくらい。(あ、おかず食べてますけど)
 ただし、パケ放題などのサービスに入っていないと携帯の料金が物凄いことになってしまうのでご用心!
 また、きちんとカテゴライズされた商品をいろいろ見ていくとたちまち時間が経ってしまい、「忙しいから利用しようとしてるのに、本末転倒」ということにもなりかねませんが、夜中でも注文しておけるので、寝床に入ってからごそごそ眺めて注文するなんていうこともできますので、時間も有効に使えそうです。
 私の失敗談としては、握り寿司購入に関しての話があります。「食品」というカテゴリーをみると、「お寿司お品書」というのがあったのでお寿司好きな私さっそく覗いてみました。すると、なんと全部一カンの値段で出ているのです。二人分なので、それぞれ注文数量を2にして買い物籠へ入れて、全12種類注文しました。(そのときは他にも洗剤等いろいろ買ったのですが)それでもそんなに高くはなかったので何も疑問に思わずにいたのですが、別な機会に「食品」の中の「お惣菜」を見てみると、なんといろんなお弁当やらサンドウィッチと一緒に各種お寿司セットがあるではありませんか!これに気づいていれば、一つ一つ選ぶ手間や時間も節約できたし、セットならずっと割安だったのに。うーっ、ヨーカ堂さん、「お惣菜」の項目を「お惣菜・お弁当など」としておいてくださいな。そうしたらちゃんとチェックしたのに。

 こんな失敗もしながら、適宜そのときのお財布事情と合わせながら、またときには買い物をせず「ケータイウィンドーショッピング」などもしたりして、楽しく有効にネットスーパーを利用していこうと思います。
 皆さんも、障害の有無に関わらず、体調を崩してお買い物にいけないときや、お水の箱買い・お米などの注文などに、ネットスーパーを利用してみてはいかがでしょうか。
 これに、ご高齢の方も利用できるよう、電話注文などのサービスも加わると、よりこの「福祉コラム」欄のネタとしてふさわしくなるかもしれませんね。

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「共に過ごすこと」とは?

 先週のコラムを読んだ方から、また新しい情報をいただいたのですが、まだご本人とやり取りできていないので、これはまた連休の彼方の5月13日号でご紹介してみます。

 さて、先週の後半で、「共に過ごすことが大切。福祉的な話題ではなく、夢中になれる共通の話題を持てることが大事。」といったようなことを書かせていただきました。
 この辺りについて、もう少し書いてみたいと思います。

 この「共に過ごす」ということは、決められた時間、決められた場所で集いあうことだけではありません。そこで知り合った人たち同士が、個人的にも仲良くなって、メールアドレスなどの連絡先を交換したり、一緒にお茶したりご飯食べに行ったり、お買い物行ったり、遊びに行ったりできる関係を築いて行けること。そしていつの間にか障害者側は何をしてほしいか、何ができるのかなどのお願いを率直に口にできるようになり、健常者側もサポートの匙加減が分ってくると同時に障害者側に必要と思われる情報やアドバイスを気軽に口にできるようになったりします。
 あれ?ちょっと待ってください。これって、障害の有無の差だけの問題でしょうか?
 実はそれだけではありません。人間誰しも、育ってきた環境、どんな人たちと付き合ってきたか、そしてどんな性格の持ち主なのか、見事に千差万別です。
 以前にも書いたことがあると思いますが、金子みすゞさんの『わたしと小鳥とすずと』の一説「みんな違ってみんないい」という言葉が大好きです。
 つまり、たまたま大きな違いとして「障害の有無」という物が意識されてしまうけれど、どんな人間同士でも、みんな違うんです。だから、付き合いながら相手を知り、自分を知ってもらうということについては同じなのです。そして、その付き合っていくきっかけはいろいろあっても良いのですが、その違いに着目しすぎるよりは、共通する趣味などで盛り上がれることが仲良くなっていくよすがになるのだと思います
。(ただし、理解し合う上で必要な場合は、ちゃんと障害についても話し合わなければならないでしょうね)

 そうして、そんな関係を築いて行った先には、親友とか恋人になるということも待っているかもしれません。そういう親密な関係になっていったら、そのときにこそ二人の違いについて、真正面から見つめあうことが必要になってきたりもします。
 かく言う私も、今の相方(晴眼者)との間で、最初の1年くらいはずいぶんお互いに傷ついて泣いたりしましたが、理解し合う努力は惜しまずにやってきたつもりです。
 もう傷つくことはほとんどありませんが、未だに些細な障壁を感じることがあり、そのつど二人で力を合わせてその壁を突き崩しています。ただし、その壁は、今や障害の有無であることはほとんどありません。

 さて、少し横道に逸れてしまいましたが、なぜ私がこの話題を振って、何週かに渡ってお話してきたかというと、もちろん春4月で「新しい季節に新しいことを始めよう」ということもありましたが、実は新しく大学に入った人たちや、就職した人たちに、勇気を持ってお友達を作ってほしいという想いもあったからなのです。
 楽しそうな集まりに顔を出したり、好きなことに関するサークルに参加したりしながら、仲良しになれるお友達と出会ってください。
 そして、「結婚」するためだけに出会いを必死で求める「結婚活動」略称「コンカツ」なんていう忌まわしい習慣や言葉を無くしてほしいものです。あ、もちろんそんな下心を持ってサークルに参加するってのはなしですよ。(笑)

 さぁ、明日は私の所属するバリアフリー映画鑑賞推進団体CityLightsの年に1度のビッグイベント、「第3回シティライツ映画祭」です。強度弱視のノンちゃん(点字使用者)が中心になって、障害の有無・性別・年齢など、いろいろな違いを超えた人たちが実行委員となり力を合わせて作り上げるお祭りには、あの・山田洋次監督もゲストで参加してくださいます。
 残念ながらもう完売してしまったイベントですので急にご来場いただくわけにはいかないのですが、この欄でも2回ほどご紹介してきたイベントですので、会場でお目にかかれる方もいらっしゃるかもしれませんね。「共に過ごして」作り上げてきた私たちのイベントをどうぞ楽しんでください。また、今回こられなかった皆さんも、次回はぜひいらしてくださいませ。


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共に過ごすことの大切さ

 前回・前々回と、「視覚障害者でもチャレンジできること」という視点でお話ししてきました。
 そして、その先にある物を考えてみたのですが、やはりこれはいろいろな人たちと仲間になれるという側面にもつながってるんじゃないかと思うのです。
 もう何度もお話しているので読者の皆さんは耳にタコかもしれませんが、この「仲間になる」ということが、障害者にとってなんと大切なことかと思うことが最近いくつかありましたので、今日はそんなお話しをしてみます。

 前々回のコラムで私は、「秋の芝居に向けて手話にチャレンジしたい」というお話をしました。するとそれに反応して、体験談を寄せてくださった方がおられました。
 彼女は重度の視覚障害者で、今は静岡県の西のほうにお住まいなのですが、10年ほど前、都内に住んでいた頃に、盲ろう二重障害の方たちの市民団体に参加され、手話と指文字を習っておられたそうです。
 そこで知り合った軽度の視覚障害を持つ聴覚障害の方とお友達になり、なんと通訳者なしで二人だけである催し物に出かけたというのです!
 いわく「彼女との1日は、『お互いのできること』を出し合えば怖い物は無いことを、ほんとうに身を持って経験した日でした。」 それはそうですね。私も手話を学ぶなら、そこまで徹底してやるべきかもしれません。また、こんなふうにも語ってくださいました。
 「彼女は見えますから、私の前を歩いてある程度の方向を示すし、やっぱり健常者は視線をとらえやすい彼女に話しかけるんだけど、彼女には通じないからその人の言葉をつたない手話で伝えたんですね。(ほぼ指文字でしたけど)店で買う時は、彼女が私の示す物をゲットしたり。」
 これぞ正に、当事者同士が触れ合うことによって得られた貴重な経験で、こういうことを重ねていくうちに、もっともっと分かり合えるようになれるのだと思います。
 残念ながら、この方はその後東京を離れ、今のお住まいのある地域へ引っ越されてしまったので、そんな機会を持てずにいるとのことです。

 さて、私自身のことをお話してみましょう。
 先週末の土日、久しぶりに京都へいってきました。
 今回は長年の付き合いのある「バリアフリー読書サークルYAクラブ」の関西支部が立ち上がったということで、その記念パーティーを兼ねての旅行となりました。
 そのツアーの2日目、私たちは数名で嵯峨嵐山辺りをぶらぶらと散策しました。このとき一緒に歩いていたのがもう10年の付き合いになる女性だったのですが、彼女と歩くのは実に楽しいのです。彼女自身も、見るもの聞くものに見事に反応する人だということもありますが、周りの状況を自然な形でどんどん伝えてくれるのです。正に、かゆいところに手が届く感じで、私が聞きたいと思った瞬間にはもう説明していてくれたり、何かを手に載せてくれてたりするのです。
 そんな調子で、竹細工のお店もオルゴール博物館も、通っていく道すがらにある物、そして出会う者たちの様子も、次から次へと説明してくれます。中でも「人力車を引いてるおにいちゃんたちって、ここでも浅草でも、どこ行ってもイケメンばっかりなんだよ。それも、ホストっぽいのじゃなくて、健康的なイケメン。なんでだろ」
というのには思わず吹いてしまいました。さらに、少し歩いていくと、一瞬ふと立ち止まる彼女。そしてこっそり一言。
「めーたん、初めて見たよ、イケメンじゃない人力車夫!!」
 あはは、いいんですよ、健康的でさわやかなら。ね?
 こんな楽しい珍道中を満喫できるのも、しょっちゅう仲良く話したりあっちこっち行ったりして接してきているからこそなのだと思います。そんなふれあいのうちに、お互いに自分の意思や想いを伝え合える関係ができてくるのです。

 いっぽう、あるシンポジウムの折に、某音訳グループの人たちに「接することが大事なんですよ」というと、「でも、私たちも目の不自由な方々との交流会を持ってご意見を伺おうと思ってるんですけど、皆さん『ありがとうございます』という感謝の言葉しかおっしゃってくださらないので、打ち解けることができない」と悩みを打ち明けてくださいました。
 でも、それは仕方がないですね。その集まりは“特別な機会”にすぎず、限られた時間で視覚障害者側から伝えることを優先的にチョイスするとすれば、それは正に“感謝の言葉”になってしまうからです。
 特別な“交流会”を持たねばならないというのは、果たして真に交流していると言えるのでしょうか。

 それよりはまず、読書でもいいし、ダンスでもダイビングでも何でもいいので、視力の有無などといった福祉的な話題以外に、お互いに夢中になれる共通の話題があること、それが大事なのかもしれません。

 またまた長くなってしまいましたが、来週もこの続きをちょっと語ってみたいと思います。

 また皆さんからの体験談などお寄せいただければ幸いです。

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 16:37  | Permalink

続・チャレンジの季節

 先週のコラムに関して、お二人の方から経験談をお寄せいただきましたので、今回はそれをご紹介してみたいと思います。

 お一人は、都内の視覚障害者の方で、美術鑑賞ツアーに参加しておられる方。ボランティアの方の説明を聞きながら、もう長年いろいろ鑑賞してこられているそうです。
このツアー、ときには芸大の先生が解説されたりもするとのことです。
 この方は中途失明の方なのですが、見えてらっしゃる頃には油絵をなさっていたそうで、やはり心に描く物も何か一味違う物をお持ちなのかもしれません。
 私は彫刻等の造形物を鑑賞することは好きでしたが、絵を見るのはどうかなと思っていました。ところが、この1月に友人が個展を開いたのでお付き合いの気持ちで行ってみたのですが、彼女自身と私の連れが一所懸命説明してくれるのを聞いていたらどんどんイメージが広がり、「見えなくても、絵を鑑賞するってこともできるんだなぁ!」と、妙に感動してしまいました。しかも、明確に「この絵が好き!」と言える物まで見出すこともできたので、タイミングさえ合えばこれからもちょくちょく美術鑑賞に出かけたいとも思ったところでした。

さて、またこの方の情報によりますと、大田区では「ユニバーサル駅伝」なるイベントが行なわれているそうです。このイベントは、障害の有無や国籍の違いを超えて多くの人が参加し、共に汗を流して交流を図ろうという物で、それぞれのペースで1kmを走り(人によっては歩いても)たすきをつなげていくという素敵な競技のようです。
この方ご自身も参加なさっておられるばかりか実行委員としてもご活躍されておられます。
 ちなみに、今年は6月6日に行なわれるとのことです。詳しくはこちらをご参照ください。
http://otaunieki.exblog.jp/

 続いて、先週のコラムの後半、「視覚障害者でもできるボランティア活動はないものか」という内容に関して経験談を寄せてくださった方がいらっしゃいましたのでご紹介してみます。
 この方は、長野市にお住まいのご高齢の視覚障害者の方ですが、長年盲学校の理療科教諭として活躍され、多くの治療家を世に送り出された方で、今でもとても元気に日々の暮らしを楽しんでおられます。
  この方の特技は音楽で、特にお筝はプロ級の腕前です。ときおり、テレフォンサービスで詩吟の伴奏などをしておられるので、機会があれば読者の皆さんもぜひお聞きください。
 近々の予定ですと、5月3日の朝9時から翌朝9時まで、音訳グループやまびこ会の方の詩吟に伴奏で参加された物を楽しませていただけるとのことです。
 テレフォンサービス:026-224-1122
 そして、この方からのメールによりますと、視覚に障害があっても、またご高齢であっても、やはり人の役に立ちたいというお気持ちは変わらないということで、デイサービスに集まったお年寄りの皆さんからのリクエストに応じてハーモニカを演奏され、とても喜ばれているとのことです。
 この方のお話しを伺い、長年治療家を世に送り出してこられたことも含め、間接的にせよ直接的にせよ、なんと多くの人の役に立ってこられたことかと、尊敬せずにはおられません。
 私も、非力ではありますが、自分の持ちうる力を少しでも高め、人の心を癒せる者になって行きたいと、改めて感じさせられた次第です。

 お二人、素敵なお話を本当にありがとうございました!!


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 15:19  | Permalink

チャレンジの季節

 4月です!物皆新しく輝いて感じられる季節…。ま、日々の寒暖差が激しく、今日の都内はそうも言っていられない肌寒さではありますが、でも“4月”というだけで、なんとなく気持ちが湧き立つものです。
 入学とか就職で新しい生活に入られた方も多いと思いますが、そうじゃない人でも何か新しいことをしてみたくなったりしませんか?

 そこで、視覚障害者もやっている実績の多い、でも一般の人が普通に想像したら「え?そんなことできるの?」と思ってしまうような趣味活動を、インターネットで調べたり友人から聞いた範囲でピックアップしてみました。
 ただし、私が日ごろ騒いでいるような演劇・映画の鑑賞や、カラオケやバンド、コーラスなどは、想像のつく範囲のようですので、今回は省略します。ま、もちろんこれらもれっきとした趣味活動ではありますが。

 まずは、美術鑑賞グループ。絵画や工芸品あるいは写真などを、ボランティアの人とペアを組んで説明してもらいながら想像を膨らませて鑑賞するグループが、幾つかの大きな都市を中心にできているようです。
 また、それら美術品の作り手となる視覚障害者も多くおられます。自分の作った結果を自分で確認することができない作品を作ることなど恐ろしくてできない私には信じられないことですが、盲人写真家の方も多く存在します。
 また、中途失明で絵を描かれていて大成功を収めておられるエムナマエさんのような方もいらっしゃいます。

 いっぽう、スポーツ関係にチャレンジしている視覚障害者もかなり多いようです。
ざっと、どんな競技があるのか挙げてみると…
マラソン、ブラインドサッカー、フロアバレー、ブラインドテニス、グランドソフトボール(いわゆる盲人野球)、サウンドテーブルテニス、ゴルフ、スキー、登山、フリークライミング、水泳、スキューバダイビング、タンデムサイクリング、ETC…
 運動音痴の私には本当に信じられないほど、皆さんアクティブにいろいろなスポーツを楽しんでらっしゃいますね。
 中でも、視覚障害のヨットマンたちが集うというこちらのグループには驚かされました。
 NPO法人 日本視覚障害者セーリング協会
http://www.jbsa.jp/

 さらに、「自分で確認できない芸術」のカテゴリーに入るので、興味はあってもなかなかチャレンジできずにいるのが、社交ダンスです。でも、視覚障害者の社交ダンス人口はかなり多いようで、2006年夏には全国選手権大会も開かれたとのことです。

 とはいえ、「ここまで本格的なことだと尻込みしてしまう」という方は、春のそよかぜに誘われるまま、近所をおさんぽしてみるだけでも、嬉しい気持ちになれるのではないでしょうか。せっかく各地にガイドヘルパーの方もいらっしゃることだし、ちょっとした運動不足の解消と気分転換に、一緒におさんぽしてもらうというのも良いのではないでしょうか。
 あるいは、せっかくネット社会の真っ只中にいるのですから、mixiなどのような比較的健全なコミュニケーションサイトなどを利用して、近所にお友達を作り、一緒におしゃべりしながらおさんぽするのも素敵なことですね。

 と、いろいろお薦めしてきましたが、斯く言う私はどうなんでしょう。
 特別新しいことは始めていないのですが、この秋に向けて、手話にチャレンジしてみたいと思っています。というか、必ずチャレンジします。
 実は、今年の秋に上演を予定している我が演劇結社ばっかりばっかりの新作のお芝居は、究極の難関交流「視覚障害者と聴覚障害者のコミュニケーション」をテーマにした物になります。そのお芝居に向けて手話を学ぶつもりなのですが、もしこれで好感触が得られれば、ゆくゆくは「視覚障害者の手話通訳者」の誕生も夢じゃなくなるかもなどと夢想しております。

 余談ですが、インターネットで「視覚障害者 ボランティア」で検索すると、「視覚障害者のためのボランティア」ばかりが出てきます。私は「視覚障害者ができるボランティア活動」を研究してみたかったのですが、キーワードを「視覚障害者ができるボランティア」に変えてみても、結局ほとんど同じ結果になってしまいました。
 厳密にいうと、視覚障害者は視覚障害者のためのボランティアならできるし、実際にパソボラとして活躍している視覚障害者も多くおられます。また、点訳の校正を手伝っている視覚障害者も大勢います。
 けれど、それだけではなくて、視覚障害の人以外のお役に立てるようなことがあったら、ぜひとも知りたいと思うのです。
 横道に逸れたようですが機会があれば、そんなことを研究して“チャレンジ”してみたいという気持ちは、“4月”という季節に限ることなく、常に心の片隅に腰を据えているのですから、あながち的外れな話でもないのかなと、最後にちょっとつぶやいてみたくなったのでした。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 18:09  | Permalink

福祉コラムを書いてきて

思えば、かれこれ4年になるでしょうか。このコラム欄を担当させていただいて、私自身、ただ漠然と街の中を歩くのではなく、常にバリアフリーはどうなっているか、遭遇する事柄が理不尽なことなのかどうかなど、いろいろ考えながら過ごすようになりました。今では、それが癖になっているくらいです。

 こうしていろいろなことを書いてきた私ですが、このあたりでコラム欄に一区切りをつけなければと思っています。
 皆さん、長い間私の拙い文章にお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。

 4年前と、いったい何が変わったのでしょう。変わったこともあるし、相変わらずのこともあります。
 昨日も、日本点字図書館に行こうと高田馬場の駅から歩いていると、いわゆる「誘導ブロック」の上に、大きな車両が停車しています。どうやら、近くにある自動販売機をどうにかしようとしている作業中のようです。狭い道なので仕方がないのかもしれませんが、ガードマン的な人も置かず、何かしらの作業を続けている様子です。「危ないでしょ?」と言ったら「すいませんね」と嫌な感じで反応されました。そこで、「この近くに視覚障害者がよくいく点字図書館があるのは認識してますか?」と聞いてみると「そんなのわかんないよ、わかんないったらわかんないんだよ、悪いかよ」と、暗く逆切れされてしまいました。

 いっぽう、技術的な進歩はこの4年の間にもありました。それは、視覚障害者関係のIT関連商品の小型化です。
 ブレイルメモポケットといい、プレクストークPTP1といい、どこでも読み書きが自由にできるようになっています。さらに、アメディアからは活字読み上げ拡大読書機を超小型軽量化した「携帯リーダー」も発売されました。友人はこれを日常生活用具の給付制度を利用して購入し、目の見えないご夫婦同士で便利に使っていると話してくれました。小さめの商品箱に書かれている内容の一部だけでも読み上げてくれれば、とても便利だと話してくれました。

 技術的バリアフリーの進歩に、人的バリアフリーも追いついてくれれば良いのにと、そんなふうに振り返ってしまった私でした。

 皆さん、長い間私の拙い文章にお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。…って、私がこのコラム欄を引退するような印象になりましたか?
 はい、本日は4月1日、エイプリルフールです。この日と、福祉情報の発行日の木曜日が重なったのはこれが初めてだと思います。
 というわけで、一度やってみたかっただけです。
 ま、4月ですので、気持ちを新たにしていくことは大事ですから、本当に気持ち的には区切りをつけてみますが、もちろんこれからも書かせていただきますので、皆さん、今後ともよろしくお付き合いくださいませ。

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 16:52  | Permalink

正に休養・保養の栃木旅

東京都は、都内に住む身体障害者手帳、精神保健手帳、愛の手帳を保持する人とその付き添い者に対し、バリアフリー的配慮をした指定宿泊施設(全国で40施設余り)を利用する上で、年間二泊分の宿泊補助を出してくれています。
本人は1泊に付き6490円、付き添いの人は3250円です。
 都から委託を受けてこの事業を行なっているのが、財団法人日本チャリティ協会で、 事業の名前は「 東京都障害者休養ホーム事業」といいます。
詳しくは、こちらをご参照ください。
http://www.charitykyokai.or.jp/jigyo/shogaiList.asp?QSid=13

 この制度、せっかくあるのに知らない方が多いようですので、ちょっと紹介してみました。いつから行なわれていたのかわかりませんが、私も10年前くらいに知ったのだと記憶しています。

 その指定宿泊施設の一つに、栃木県那須郡那珂川町にある「栃木県障害者保養センター那珂川苑」というところがあります。

 私は、2007年の早春にこちらを訪れて以来、すっかり気に入ってしまって、毎年2月か3月に利用しています。
 そんなわけで、今年も先週後半に行ってきました。

 那須高原まで上がる手前の気候温暖で静かな宿は、最初から障害者の利用を中心に考えられた宿で、小さいながらもとても居心地が良くできているし、従業員の皆さんがとても親切です。
東北本線の最寄駅である氏家駅からでも車で40分ほどかかってしまうこの場所は、本来なら自家用車でいくしかないようなところですが、宿の専属運転手の方が駅からの送迎をしてくださり、電車でしか行くことのできない私たちでも安心して利用できます。
 お風呂は温泉で、アルカリ単純泉の心地良い大浴場・中浴場の他に、時間予約制の家族風呂もあります。家族風呂といっても、そんなに狭い感じではなく、大きなお風呂で他人のお尻を蹴ってしまう心配のある人(私とか?)には、安心感があってなかなか良い感じです。もちろん、一番の利用者は絶対に介助の必要な車椅子ユーザーの方なのですが。さらに、料金を払うと、肢体不自由の方向けに入浴介助者をお願いすることもできるそうです。
 また、心のこもったお料理の数々は、地元の食材を生かした美味しい物ばかりで、食欲旺盛な私でも食べきるのが大変なくらいです。
 この宿を拠点に、那須高原に足を伸ばすもよし、近くの馬頭(ばとう)温泉や喜連川(きつれがわ)温泉、那珂川水遊園で遊ぶもよし、過ごし方はいろいろです。
 徒歩圏内には、最初の年に訪れた「いわむらかずお絵本の丘美術館」があり、なんと点訳された本まで置いてありました!
 また、その逆方向へ歩いていくと、馬頭ハムの工場があり、隣接された「田舎レストラン巴夢(ハム)」は、分厚いハムをジューッと焼いたハムステーキが絶品でとても気に入っているのですが、オフシーズンには気まぐれにしかやっていないようなので、電話で確認が必要です。ちなみに、私たちは残念ながら今回は振られてしまいました。

 ここで文字通り二日間のんびりと休養した私たちは、後ろ髪を引かれる想いで、帰途についたのでした。

 このサービス事業を利用しなくても、補助が受けられる金額以下の料金プランからありますので、どの地域の人も気軽に利用できるようです。リーズナブルに行きたいけれど、ちょっと贅沢な気分も味わいたいという、私と同じような庶民派の皆さんには、とてもお薦めの宿です。
 詳しくはこちらをご参照ください。
http://www10.ocn.ne.jp/~nakagawa/

 ところで、また嬉しい話がありました。
 上で紹介した気まぐれなレストラン「巴夢」の情報が知りたくて、mixi内にある那珂川町のコミュニティに書き込みしたところ、何人かの方から情報をお寄せいただくことができました。
 その中に、なんと那珂川苑の厨房で働いておられる方の娘さんもいらっしゃって、一番正確な情報をくださいました。もう帰ってきてしまってからだったのですが、とても嬉しくなってしまい、お母様に美味しかったご馳走に関しての感謝をお伝えいただいてしまいました。そして、やっぱりお友達になってしまったのでした。

 温かい宿、美味しいご飯、そしてオマケの嬉しい出会い…。
 ほっこり続きの今日この頃です。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 17:23  | Permalink

バリアフリーなお芝居と、ばっかりばっかり朗読会のお知らせ

 先週は映画関係のお知らせでしたが、今週は舞台のお知らせです。

 まず、私の所属する劇団ではないのですが、とても巧みな脚本でぐいぐい引き込んでくれる劇団のバリアフリー公演について簡単にご紹介します。
 この『劇団6番シード』という 都内の劇団は、我がばっかりばっかりより大分歴史がある上に、駅からの送迎や点字パンフ・音声パンフの作成、舞台装置の説明、イヤフォンによる音声ガイド、車椅子対応などのバリアフリー的配慮も、ずいぶん前から行なっています。
 この劇団の4月公演『ドライビングエンゼルフィッシュ』の音声ガイドのナレーターを、我がばっかりばっかりの主宰にしてバリアフリー映画鑑賞推進団体CityLightsの誇るディスクライバーの一人・鈴木大輔が担当させていただくことになりました!
 ミステリー要素とコメディ要素がふんだんに盛り込まれたこの芝居、ぜひ観にいらしてください。
 ちなみに、音声ガイドはライブで行なうのですが、このガイドを聞きながらのご観劇をご希望の方は、3月31日(今月いっぱい)までにお申し込みください。お申し込みいただいた方がいらっしゃる日時のみ音声ガイドが入るそうです。(お申し込みのない日は、音声ガイドは入りません)

劇場:東京芸術劇場小ホール2
日程:4月8日(木)~18日(日)
※12日13日は休演です。
 ストーリーや申し込み方法など、詳しくは、下記ページをご参照ください。
http://www.6banceed.com/what6c/6cayumi/kouenkiroku/daf/


 続いて、今度は私たち『演劇結社ばっかりばっかり』からのお知らせです。
 既に先月の『アメディア・レポート』などでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、5月に朗読会をやります。
 今までは、春の朗読会は1日限りの公演でしたが、今年は2日間4公演を予定しました。しかも、「朗読定食」略して「朗定(ろうてい)」の第二弾として、主に稽古している場所を名前につけた二つのプログラムを用意しました。シャレのようですが、偶然にも稽古場の地名が逆さまなのです。すなわち、「田町定食」と「町田定食」です。
 ただいま、ファンタジー、エッセイ、時代物など、バラエティに富んだメニューを、腕によりをかけて調理(稽古)中です。
 どうぞ皆様、ぜひとも耳で味わいにいらしてください!
 以下、詳細情報です。

第六回チャリティ公演(朗読会)
   『帰ってきた朗定(ろうてい)~田町定食・町田定食~』
日時:5月22日(土)・23日(日) 両日とも14時開演と18時開演(全4公
演)
会場:原宿・ギャラリーハセガワ(東京都渋谷区神宮前1-19-5)
交通:JR山手線原宿駅竹下口より徒歩2分。
料金:1公演1,000円、2公演通し1,800円
※ 純益の一部を、盲ろう二重障害の方々の支援のために寄付します。
定員:各回30名・完全予約制。
お申し込み先
TEL  090-3818-6424
Email  otegami@bakkaribakkari.net
※ お申し込みの際、以下のことをお伝えください。
○ 希望日時
○ 人数
○ 代表者の携帯番号
○ 原宿駅からの誘導希望の有無。
○ 点字パンフ希望の有無(ご希望の方は5月17日までにご連絡ください)

【公演日程と出演者】
5月22日(土)
14時:田町定食
18時:町田定食
5月23日(日)
14時:町田定食
18時:田町定食
出演者:石津正幸(主に田町定食)、大河内聡之(主に町田定食)、河村有美(客演
、町田定食のみ)、こんやゆうこ(主に田町定食)、水口真名(客演、主に田町定食
)、美月めぐみ・鈴木大輔(ご飯と味噌汁のごとく、どちらにもばっちり出演!)

 アウトドアの楽しい季節ではありますが、ぜひとも“心の旅情”もお楽しみください。

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 18:05  | Permalink

初夏のバリアフリー映画の祭典・「シティライツ映画祭」

 2月4日付け本誌332号のコラムでは、この春のバリアフリー上映を幾つかご紹介してみましたが、皆さんは足を運ばれましたでしょうか。
 その折に、ラスト部分でちらっとイントロだけお聞かせしましたが、いよいよ「第3回 City Lights 映画祭」の企画が固まり、前売りチケットの販売が開始されましたので、予告通りご紹介します。

 まず、ご存知ない方のために、このシティライツというのがどんな団体なのか、簡単にお話ししておきましょう。
 シティライツ、正式には「バリアフリー映画鑑賞推進団体 City Lights」は、2001年に発足した映画鑑賞サークルです。このサークルを立ち上げたのは、学生時代にアマレスをやっていたという屈強な、もとい、心優しい女性・平塚千穂子で、無類の映画好き。「大好きな映画を、多くの人と鑑賞したい。もちろん、視力のハンディがある人とも。その目的を果たすため、画面の説明=音声ガイドを研究して、より
多くの映画作品を視力の有無に関わらず一緒に楽しみたい。」彼女のそんな想いに共感した私たち仲間がどんどん集まって、いろんな意味でディープに活動してきたのが、このシティライツなのです。
 さらに詳しくお知りになりたい方は、公式ホームページをご参照ください。
http://www.ne.jp/asahi/city/lights/

 そんなシティライツが、独自でフィルムを借りてある程度のキャパを持つホールで上映会を行ない、多くの皆さんと一緒に映画の楽しさを味わってみようということで、2年前から毎年行なうことになったのが、「シティライツ映画祭」なのです。
 今回の正式なイベント名は、「第3回 City Lights 映画祭~あの懐かしの映画をもう一度~」で、邦画から1本、洋画から1本を上映します。もちろん、いずれも音声ガイド付きです。

 邦画は西田敏行さん主演の『虹をつかむ男』です。日本版『ニューシネマパラダイス』などとも言われる、映画を愛する人の想いがいっぱい詰まったこの作品は、正に映画祭にぴったり!その愛しい作品の音声ガイドは、シティライツメンバーの有志が腕によりをかけて作ってくれたガイド原稿を予め録音して流すスタイルで行なわれます。

 そして、とても嬉しいお知らせです!!なんと今回はこの『虹をつかむ男』や『寅さんシリーズ』『学校シリーズ』の監督としておなじみの山田洋次さんがゲストでお越しくださいます!!
 山田監督は、バリアフリー上映に関しても大変ご理解のある方のようですので、今からどんなお話しをしてくださるのか、とても楽しみです。

 そして洋画のほうは、シティライツ内部のメンバーで構成された「映画祭実行委員会」の人たちがピックアップしたなつかしの名画50作品の中から、メーリングリストに集う人たちに投票してもらって選ばれた作品なのです。結果選ばれたのが、音声ガイドをつけるには大変な“挑戦”になりそうな海外ミュージカル映画『雨に唄えば』でした。
 この映画の最大の魅力は主役のドン(ジーン・ケリー)のタップダンスなのですが、ビジュアル的に楽しむことはできなくても、軽やかなタップの音を聞いているだけでも胸がわくわく浮き立ってきます。全体がとても明るくて楽しい作品なのです。しかも、サイレント映画からトーキーに変わろうとする時期をとても楽しく描いた、これまた「映画祭」にぴったりな作品です。
 しかし、吹き替え版は存在せず、したがってシティライツメンバーから募った有志による“字幕朗読”が行なわれることとなりました。
 既に1月31日にその字幕朗読の収録は終わっているのですが、今回の主役の声は、このコラムにも度々登場している我が相方・演劇結社ばっかりばっかり主宰の鈴木大輔が担当しました。
 また、私自身は、この収録のときのレコーディングディレクターをやらせていただき、「見た目の雰囲気に合わせた演技をするのではなく、元の役者さんのトーンに合わせての“字幕朗読”を心がけて、浮き上がらないようにしてください」などと生意気なことを言わせていただいてました。もちろん、点訳した台本を使い、女性のボイストレーナーの声を担当させてもらったりもしていました。ちょい役なので、分かっ
ていただけるかどうか…。ご来場の際は、その辺りも楽しみにしていただけると嬉しいです。
 この収録の模様などは、映画祭blogで詳しくお読みいただけるだけでなく、このblogからのリンクで収録の様子やリハーサルの様子を動画で楽しんでいただけ
るようにもなっています。
 また、ビジュアル的に楽しい要素満載のこの映画のガイドは、アクションシーンやサイレントのライブガイドに定評のあるメンバー・役者の檀鼓太郎が中心になって、数名でライブガイドを行なうという画期的な試みもとても楽しみなところです。

 この映画祭の日時は4月29日木曜日・昭和の日で、一般的には休日です。翌日の30日金曜日に休暇を取ると、翌週の水曜日5月5日まで正にゴールデンウィークとなります。
 ということで、今回は遠くからお越しの方にも観光を兼ねて楽しんでいただけるように、クラブツーリズムのご協力により、旅行プランまで企画してしまいました。土俵があるちゃんこ屋さんで懇親会があったり、ホテル宿泊プラン、半日下町観光などというのもあるようです。

 また今回は、去年の大盛況による嬉しい混乱を大きな反省材料として、チケット完全前売り制となっています。
 その辺りの詳しいことは、映画祭専用の公式ページをご覧ください。このページは、前述のblogの入り口にもなっていますので、ぜひアクセスしてみてください。
http://www.ne.jp/asahi/city/lights/eigasai/2010.html

 最後に、公式ページから、最低限お伝えすべきと思われることを抜粋して今回のコラムを締めたいと思います。


会場:江戸東京博物館 大ホール(東京都墨田区横網1-4-1)
【アクセス】JR総武線 両国駅西口下車 徒歩3分
都営大江戸線 両国駅江戸東京博物館前A4出口 徒歩1分
日程:2010年4月29日(木曜・祝日)
定員:446名 入場料:1作品 500円
主催:
バリアフリー映画鑑賞推進団体 シティ・ライツ
協賛:日本映像翻訳アカデミー 花王株式会社・花王ハートポケット倶楽部 
財団法人 川喜多記念映画文化財団 日本アイ・ビー・エム株式会社  
フコク生命 ライオン株式会社 株式会社ダイイチ 有限会社 読書工房
協力 横浜ニューテアトル「シネマ・アシスト」シネマ雄  
株式会社 榮太樓總本鋪 有限会社 エムズシステム

プログラム
 11:30~開場
 12:30~開演
 12:35~「虹をつかむ男」+トークショー ~映画館にかける虹の橋~ ゲスト:
山田洋次監督
 =休憩=
 16:00~「雨に唄えば」

※両国駅からの誘導をご希望の視覚障がい者の方は、必ず、事前にお申し込み下さい
※ご入場には、必ずチケットが必要となりますので、4月15日までにチケットのご購
入をお願いします。

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 16:50  | Permalink

名古屋旅行記-ガイドブックにご用心(後編)

 2月13日、名古屋珍道中の続きです。
 かなりの長文になっていますが、お暇な時間にゆっくりお付き合いくださいませ。

 10時ちょっと前に名古屋駅に戻った私たちは、ガイドブックに載っていた別のモーニングサービスのことを思い出し、さらに闘志を燃やして挑みました。 これは、やはりドリンク料金だけで焼きたてパンが食べ放題のお店です。
 でも、前述したように、既に1.5人前ずつのモーニングを食べていた私たちは、当然そんなには食べられないのでどうしようかとは思ったのですが、やっぱりせっかくなので行ってみました。
 黒川から名古屋駅に戻るのに使った市営地下鉄東山線の南改札から近いところにあるサンロードに面した『シャポーブラン』というお店です。
 パンの食べ放題といっても、そんなにいろいろ楽しめるもんでもないだろうと思っていったらさにあらず。全てコロコロと一口大にカットされたパンたちなので、連れはコーヒー、私はココアで、何種類もの味のパンを堪能してこられました。まぁ、パンとしてはもっと美味しいところがいろいろあると思うのですが、やはりバイキングは楽しいのでした。
 こちらは、ドリンクがオール480円で、パンの食べ放題の他に、ゆで卵が一つ付きます。
モーニング:AM7:30~AM11:30
『シャホーブラン サンロード店』住所:愛知県名古屋市中村区名駅4-7-25サンロード地下街
TEL: 052-551-2551
 なお、この情報は、2005年に出たガイドブックの情報でも大丈夫でした。ま、ドリンクが100円上がってこの値段になっていたのですが。

 さて、朗読会を始めるための準備スタッフとの待ち合わせは12時です。
 この時点でまだ時間があったので、件の2005年番のガイドブックに従い、名古屋の駅ビルである『JRセントラルタワーズ』最上階の51回にあるという『パノラマハウス』という展望台に向かうことにしました。
 ガイドブックによると、地上245メートルのところにあり、天井まで6メートル、窓の高さが5メートルもある展望室で、360度の眺望が楽しめ、市内はもとより、アルプス連峰や御嶽山(おんたけさん)、伊勢湾も一望できると書かれているのです。
 私は全盲ですが、見える人と一緒の場合、その人の目でそれらの眺めを楽しんでもらい、その様子を聞くのが大好きなのです。だから、とても楽しみにしていきました。
 セントラルタワーズはツインタワーになっていて、高島屋のあるほうのより高いビルにあるはずです。
 ガイドブックに従い12回まで普通のエレベーターで移動し、底から展望台専用のエレベータに乗ります。
 ところがここで不思議なことが…。ガイドブックによれば、ここで大人は700円を支払わないと展望台にはいけないはずなのです。なのに、どこにもお金を払うところはなく、ただでエレベーターに乗れてしまったのです。上で払うのかなと思いながら行ってみましたが、降りたところにも何のチェック機構もありません。
 それどころか、なんと51回に降り立っても360度のパノラマなんて見えるような状態ではないのです。あるのは、エステ、美容室、カフェ、レストラン…。確かにそれぞれのお店に入ればそこの窓からの眺めは見事であるに違いありません。見れば、フロアーの天井もかなりの高さですから、ガイドブックに書かれていたフロアーに違いありません。
 狐につままれたような気持ちで12回に降りてきて、連れが見た物と私がガイドブックで調べた物をつき合わせてみると、ガイドブックには「パノラマハウス」と書かれていますが、そこにあったのは「パノラマサロン」なのでした。
 「きっと、商用で店舗として提供するほうが儲かるのかしらね」 などと寂しく想像しながら、いまさらのように本屋さんに立ち寄り、最新と思われるガイドブックを求める私と連れでした。
 もう時間もあまりなくなっていたので、ミニミニ名古屋観光はここで諦めて朗読会会場である盲導犬センターへと向かったのでした。

 後日、ゆっくり調べてみると、いやはやとても口惜しい事実を知りました。
 「パノラマハウス」は2005年9月で終了してしまったのですが、その理由が、なんとこのビルの道を挟んだ向かい側に新しいビル「ミッドランドスクエア」というのが完成し、地上245メートルの「パノラマハウス」より2メートル高い地上247メートルのところに、天井のない回廊式の展望室「スカイプロムナード」というのができたからだというのです。
 私は、この新しい展望室の存在を知らなかったため、ミニミニ名古屋観光を挫折のうちに終わってしまったのでしたが、そんなに近いところにそんなに素敵な展望室ができていたのなら、ぜひとも行ってみたかったものです。

 しかし、名古屋は逃げません。またそう遠くない時期に再訪して、こんどはお腹だけじゃなくて、心のスクリーンもしっかり満たしてきたいと思っています。

 そうそう、モーニングはいささか負け気味でしたが、翌日の夜、中日劇場の宝塚を堪能した後、地元の先輩に連れて行っていただいたお店で、しっかり名古屋飯を満喫しました。市営地下鉄名城線・東山線の栄駅の地下街にある『万年坂』というお蕎麦屋さんです。
 私たちがいただいたのは、その名もズバリ「名古屋名物定食」でした。天むす3個、味噌かつ、きしめん、お漬物でたったの千円!お腹いっぱいになったし、けっこう美味しいお店でした。定食類も充実しているし、リーズナブルだし、天むすのテイクアウトもあるし、近くに行ったら寄ってみると良いかもしれません。
 『万年坂 栄地下街店』
中区栄3-5-12 栄地下街
TEL: 052-971-6197
営業時間:11:00~21:00(L.O. 20:20)

 その後、遅い時間の新幹線に乗り込んだ私たちは、「尾張良いとこ一度はおいで」、いや、「終わり良ければ全て良し」といった充実感で、安眠しながら運ばれていったのでした。

 今回は、お店の情報をちょっと載せてみましたが、これもいつどうなるかわかりませんので、それぞれのお店にお越しの際は、一応電話で確認してみてくださいね、くれぐれも!実感を込めて!

(おわり)


P.S
 この記事を書くためにいろいろ調べ物をしていたら、面白いページを見つけましたので、貼り付けておきます。ぜひアクセスしてみてください。

車いす【くるみゃ~す】でいりゃあせ!名古屋めしバリアフリーマップ
http://www.crayon-box.jp/nagoyameshi/758meshi-index/topindex.htm

目の見えない子を支援するなら~点字定規セット「点字サポーターへの道」

(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 17:33  | Permalink

名古屋旅行記-ガイドブックにご用心(前編)

 2月13日・14日の2日間、名古屋に行ってきました。
 目的は、我が演劇結社ばっかりばっかりの初の地方公演としてのプチ朗読会と、そして大好きな宝塚の舞台を中日劇場で観劇することでした。
 その二つの目的は、十二分に果たすことができました。
 特に、朗読会へお越しいただいた皆さんには大感謝です。お楽しみいただけたようで、役者冥利に尽きました。この場をお借りして、お礼申し上げます。ありがとうございました!!

 さて、たった2日間のスケジュールでも、食いしん坊の私はしっかり名古屋名物を堪能したいと思いまして、ないーぶネットで落とした数冊のガイドブックでしっかり予習したつもりでした。
 特に心惹かれたのが、近年話題になっているサービス盛りだくさんの名古屋のカフェモーニング。通常のドリンクの値段、もしくはプラス100円くらいで、朝の時間帯のみ、セットメニューが楽しめるのです。
 中でも、バイキング形式で食べ放題の数店にはとても心惹かれ、さらにその中でも、『チェリー』というお店のモーニングバイキングは、焼きそばやパスタまで選べるとのことで、ぜひとも体験したくなりました。7時ちょっと前に夜行バスが名古屋駅に到着するやいなや、地下鉄2線乗り継いでまっしぐらに黒川駅へ向かいました。 ところが、7時半から空いているはずのこのお店が、8時ちょっと前になっていた
にも関わらず閉じたままなのです。連れによく見てもらうと、なんと9時からオープンとなっているではありませんか!
 愕然としながらも、その辺りの喫茶店数件を覗いて周り、地下鉄の入り口脇にあった『ツツミ』というお店の「赤卵付き」というのにちょっぴり興味を惹かれそこに落ち着くことにしました。
 店内に入ると、常連客らしきおじさんの一団が楽しげに語らっています。
 マスターもとても気さくな人で、「コーヒーでいい?ホットでいい?」と注文を取りに着ました。
 ちょっと圧倒されながらもそれでお任せしました。
 なんと、コーヒーに厚切りトーストと赤卵のゆで卵がついて、300円!しかも、どれもとても美味しい!赤卵の黄身って、本当に味がまろやかでコクがあるんですねぇ!
 それをいただいているうちに、ふと思いつきました。「9時まで待ってて、例のモーニングバイキングが始まったら、もう一度『チェリー』にいってみよう」と。
 なんとなく手持ち無沙汰になったので、久々にウィンナーコーヒーを飲んでみようかと注文すると、「モーニングはどうする?」との質問。なんと、この時間帯は、ドリンクの値段のみで、2杯目以降であってもトーストと卵が付くのです。
 自分の頭が止める間もなく、口は勝手に「お願いします!」と、小脳レベルで反応してました。
 というわけで、連れと二人で半分こにしましたが、既にこの時点で私たちは1.5人前ずつのモーニングをいただいてました。
 余談ですが、このお店、さらにびっくりしました。なんと、連れがトイレに行こうとしたら、「あ、うちはトイレがないから、地下鉄のに行ってね」と言われたのです!!もう、あまりのことに、怒るどころか、笑い転げてしまいました。
 結局、モーニング3人前で、締めて1050円でした。(コーヒー300円、ウィンナーコーヒー450円。味わい深いのは断然コーヒーのほうです!)
 『ツツミ』TEL  052-914-2661

 さて、『チェリー』です。
 ああ、なんと残念なことに、モーニングバイキングは跡形もなく消えうせて、飲み物の値段で厚切りトーストとゆで卵が付くという、名古屋としては普通のモーニングになってました。
 ということで、コーヒー350円のモーニングには「ごめんなさいね」と心の中でつぶやきつつ、黒川駅を後にしたのでした。

 それにしても、ガイドブックを鵜呑みにしてはいけませんね。もちろん、予め電話して確かめておけば良かったのですが、ネットでも話題になったままだったので、すっかり信じ切っていたのです。
 この記事を書くため、冷静になったいまお店に電話してみたら、
 「もう、モーニングバイキングは、6・7年前にやめたんですよ」
 とのお話しでした。
 ネットに慣れてしまい、パソコン点訳データに慣れてしまった私は、情報の確かさ、新しさを確認するところが抜けてしまっていたようで、大反省しつつも、各地のガイドブックが新版が出るつど点訳されたら良いのになと、心底願ってしまいました。

(つづく)

by amedia  at 18:23  | Permalink

春のバリアフリー上映会いろいろ

 久しぶりに、バリアフリー上映される映画の話題です。

 毎年3月辺りになると、調布映画祭とか日点チャリティ映画会など、画面の音声ガイド付きで映画を楽しめる機会が増えます。
 今回は、長野、大阪など、東京以外の情報も入っていますので、どうぞチェックしてみてください。


1. 調布シネサロン『豚と軍艦』(1961年、日活映画)
日時:2月9日(火曜日)
場所:調布市グリーンホール
(京王線調布駅中央口よりすぐ。)
上映開始:11時~と15時~の2回。(音声ガイド付き)

昨年10月享年76歳でお亡くなりになった南田洋子さんの代表作の一つです。
『うなぎ』でベルリン国際映画祭グランプリに輝いた巨匠・今村昌平監督が、戦後の安保体制の下、混迷しながら欲望の道へと突き進む日本人の姿を基地ヤクザにたとえ、痛切に批判した社会派ドラマです。

 ※ ちょこっと出てくる字幕を、美月も朗読しています。


2. 『ブタがいた教室』
日時:2010年2月27日(土)
時間:午前10時半~と午後2時~の2回
会場:飯田文化会館 (飯田市)
料金:高校生以上前売り1000円(当日1500円)小中学生800円(当日同額)
お問い合わせ
NPO法人飯田ボランティア協会
TEL:0265-52-9152

 新任教師と26人の小学生が挑んだ「ブタを食べる授業」。卒業までの1年間、子供たちが真剣に命と向き合った感動の実話を映画化した作品です。
出演は、妻夫木 聡(つまぶきさとし)、原田 美枝子、大杉 漣、田畑 智子ほか


3. 『その木戸を通って』
日時:2月27日(土)午後1時30分~4時
会場:日本ライトハウス4階会議室1・2
参加費:500円(ガイド一人無料)
定員:70人
 ※上映後「地デジの説明会」を予定しています。ぜひご参加ください。
お問い合わせ・お申し込み
 電話 10日(水)午後5時までに総務係(電話06-6441-0015)まで。
 Eメール 2月10日(水)までに、
warouza@iccb.jp
へ。
 題名に「わろう座2月申込み」と書き、氏名と電話番号、ガイド の有無を書いてください。

 70数本におよぶ市川崑作品の中で、ただ一本未公開となっていた幻の逸品です。
 城勤めをしながら、出世のための縁談を進める侍と、彼の屋敷に突然現れた記憶喪失の女“ふさ”の物語を描きます。
少し不思議で、やがて切ない‥‥崑監督の美学が隅々まで感じられる作品です。
 出演は浅野ゆう子、中井貴一、フランキー堺ほか。


4. 調布映画祭2010 音声ガイド付き上映3作品
会場:調布市グリーンホール/調布市文化会館たづくり
   (京王線調布駅中央口(南側出口)より 徒歩3分以内)
日程:3月6日(土)・7日(日)
料金:無料

主催:調布市 (財)調布市文化・コミュニティ振興財団
運営:調布映画祭2010実行委員会
音声ガイド協力: シティ・ライツ/川崎市アートセンター

◆プログラム━━━━━━━
A:3月6日(土曜日) 15時50分~17時47分 
会場:調布市グリーンホール 大ホール(定員800名)
『グラン・トリノ』 2007年/アメリカ映画/117分  
監督 クリント・イーストウッド
出演 クリント・イーストウッド ビー・ヴァン ブライアン・ヘイリーほか

B:3月7日(日) 10時20分~11時54分 
会場:調布市文化会館たづくり 2F くすのきホール
『静かなる決闘』 1949年/日本映画/94分  
監督:黒澤 明 
出演:三船 敏郎、三條 美紀、志村 喬、植村 謙二郎、千石 規子ほか

C:3月7日(日)12時35分~14時34分 
会場:調布市文化会館たづくり 2F くすのきホール
『トウキョウソナタ』 2008年/日本映画/119分
監督:黒澤 清 
出演:香川 照之 小泉 今日子 役所 広司ほか

■お申し込み■ 
[※お申し込み〆きりは、2月末日まで ]

宛先
chofu@citylights01.org
件名
鑑賞希望作品のアルファベットを明記してください。

本文に、以下のことを明記してください。
1.氏名
2.人数(障害者と晴眼者の内訳)
3.連絡先(誘導希望の方は、当日連絡のとれる携帯番号)
4.誘導の要・不要
5.ラジオ貸出の希望

電話:シティ・ライツ事務局  03-3917-1995

※音声ガイド付き上映作品以外にも、多数の映画が上映されています。
調布映画祭2010ホームページ
http://www.chofu-culture-community.org/forms/info/info.aspx?info_id=14928

※ 調布映画祭の作品に関する内容紹介は省略しました。お知りになりたい方は美月までメールしてください。


5. 日点春のチャリティ映画会『ディア・ドクター』
日時:2010年3月26日(金)19時開演(18:30開場/21:07終焉予定)
会場:なかのZERO大ホール
    (JR及び東京メトロ東西線中野駅南口より徒歩8分)
入場料:1,500円
※FM電波による音声解説と、聴覚障害者向け日本語字幕付
 当日は、西川美和監督の舞台挨拶も予定されているそうです。
お問い合わせ・お申し込み
電話:03-3209-0241(日本点字図書館)


なお、シティライツが関わっている調布シネサロンと調布映画祭をご鑑賞される方は、お手持ちのイヤフォン付きFMラジオをご持参ください。FM周波数88.5MHzで、場面説明・字幕朗読の音声ガイドをお聞きいただけます。
※ お持ちでない方には、貸し出し用のラジオもご用意しております。


 以上、ザザッとご紹介してきましたが、4月29日の昭和の日には、シティライツ
としてのビッグイベント『第三回シティライツ映画祭』が、都内・領国の江戸東京博
物館大ホールで行なわれます。邦画『虹をつかむ男』と、アメリカのミュージカル映
画『雨に唄えば』を予定しています。こちらに関するお知らせは、今暫くお待ちくだ
さい。ただ一つ言えるのは、明るい初夏にぴったりの楽しい作品だということです。
どうぞお楽しみに!!

by amedia  at 15:57  | Permalink

あの、私なんですけど…?

 視覚障害者にとってはミミタコな話題で失礼します。
 よく、「視覚障害者は人の顔を見て話さない」などと言われます。これは、一般常識に照らしてみればやはりあまり感じの良いことではありません。
 しかし、人によっては、横を向いている形でも、それこそ文字通り“耳を傾けて”
真剣にお話しを聞いていることもあるのです。私も、本当に相手の話を聞きたいと思うと、そうしたくなるのですが、形で捕らえ目を合わせることを“真剣”と捕らえる晴眼者の文化に合わせることにしています。それは、私の話もちゃんと聞いてほしいからです。

 しかし、こちらが一所懸命そうしようとしているにも関わらず、晴眼者の中には、視覚障害者が晴眼者の連れと一緒にいると、そちらにだけ話しかける人が多くいます。
 昨日もそうでした。NTTドコモに、携帯の充電の具合が悪いので見てほしいと思って行ったのですが、そのついでにキャンペーンに関する説明をしてきたスタッフ、なぜか私にでなく連れに話しかけ説明しようとしています。思わず、 「あの、私なんですけど…?」
と言うと、慌ててこちらに向きを変え説明し始めました。

 これは、ドコモに限らず、役所や買い物先などでもときどきあることです。
 昨日はそれ以上の不愉快な想いはしなかったのですが、場合によってはこれに加えて、こちらに顔を近づけ、幼児に話しかけるような調子で「わかりまちゅか」といわんばかりの説明をされたり、声を大きくしてゆーっくり説明されたりするという、ちょっと屈辱的な対応をされることもあります。同じ人の対応を何度か受けていくうちに徐々に変わっていってくれるケースもありますが、1回限りの接触だとそれを正す
間もなくて、「またこの人と接して嫌な想いをしてしまう障害者がいるのだろうな」と思いながら、正せなかった自分を反省してしまうこともあったりします。
 今まではあまり意識せず流してしまうことが多かったのですが、自分だけのことではないはずなので今後は面倒がらずに、今回ドコモでやったように、きちんとこちらを向いてもらえるような言葉を発していかなければと思っています。

 今回話題にさせていただいたような経験をお持ちの方は少なくないはずです。読者
の皆さんの経験談や対応など、よろしかったらお聞かせくださいね。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 16:42  | Permalink

今年の夢の第1歩とその礎

 前回のコラムの続きのようですが、今年こそはの第1歩について、中京地区方面の皆さんへのお知らせからスタートします。

 念願だったばっかりばっかりの地方公演の第1弾として、名古屋でごく小さな朗読会を行います。

 『ばっかりばっかり、朗読とおしゃべりの午後』
日時  2010年2月13日(土曜日) 午後2時から4時半。
場所  中部盲導犬協会盲導犬訓練センターボランティア交流室(愛知県名古屋市港区寛政町3-41-1)
交通  名古屋駅から、「あおなみ線」にて「荒子川公園」駅下車。徒歩3分。
 (ご希望により、最寄駅からの誘導をいたします。名古屋駅での合流をご希望の方は、別途ご相談ください)
出演:演劇結社ばっかりばっかり・鈴木大輔、美月めぐみ
内容:絵本から時代物まで、バラエティに富んだストーリーの朗読と、気楽なおしゃべりによる交流会。
料金  千円(おやつ代と同センターへの寄付)
定員  20名(完全予約制、定員に達し次第締め切ります)

 ご予約は、演劇結社ばっかりばっかり宛てにメールかお電話でお申し込みください。
 その際、お名前、人数、誘導希望の有無をお知らせください。

お問合せ・ご予約
TEL 090-3818-6424
Eメール otegami@bakkaribakkari.net

 中京地区周辺にお住まいの皆さんとお目にかかれるのを楽しみにしております。
 と、ここまでがお知らせでした。

 この企画の、私の気持ちとしての礎は、日本点字図書館、通称「日点」(にってん)が発行している『日点デイジーマガジン』の中の『ホームライフ』という婦人向け雑誌の1コーナーを担当させていただいているということにもあります。3ヶ月に1度の担当になりますが、『日々の暮らしに』というコーナーで、文字通り、日々の暮らしの中で関心を持ったことについて10分ほど一人で語るフリートークのコーナーです。
 もちろん、本誌『週刊福祉情報』や姉妹誌『アメディアレポート』を通じて全国の皆さんに私の拙い文章とお付き合いいただいているということもありますし、アメディアをはじめ、幾つかのメーリングリストを通じて双方向のメールのやり取りをさせていただいていることもありますが、このデイジーマガジンでは、実際の私の肉声をお聞きいただいているということもあり、より身近に感じていただけているのではな
いかと思うのです。
 そうなったら、やはり朗読や芝居にも接していただきたいという気持ちもふつふつと湧いてくるわけです。
 旅費や宿泊費、また会場を探すなど、いろいろな壁があり、なかなか東京周辺から飛び出すことができないのが現実なのですが、今回は私用での名古屋への旅があったので、思い切って地元の友人に相談に乗っていただき実現できたのです。
 ご参加いただける人数には限りがありますが、お気軽に、そしてお早めにご連絡いただければ幸いです。

 最後に、デイジーとは何か、そして『日点デイジーマガジン』とはどんなものかを簡単にご紹介しておきましょう。
いまさらと言われる向きも多いでしょうが、ご存知ない方のために、(財)日本障害者リハビリテーション協会、略称JSRPDのHP、http://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/
から一部引用してデイジー(DAISY)について解説してみますと…。
 DAISYとは、“Digital Accessible Information SYstem”の略称&通称で、視覚障害者や普通の印刷物を読むことが困難な人々のためにカセットに代わるディジタル録音図書の国際標準規格として開発された素晴らしいアクセシビリティを実現させたシステムです。
 DAISY録音図書の特徴のうち、視覚障害者がその恩恵に預かる物として、以下の3点が挙げられます。
1. 目次から読みたい章や節、任意のページに飛ぶことができる。
2. MP3などの最新の圧縮技術で一枚のCDに50時間以上も収録が可能。
3. 声の高さが変わらない状態で倍速以上の早聞きができる

 というわけで、この素晴らしい機能を利用すれば、手分けして作られた録音雑誌を複数収録して1枚のCDマガジンとして配布することが可能になり、それを実行してできたのがこの『日点デイジーマガジン』なのです。
 この中には、私が関わらせていただいている上記婦人雑誌『ホームライフ』の他に『にってんボイス』『ブックウェーブ』『ニュー用具タイムズ』『医学研究』『文藝春秋全文朗読版』。といった録音雑誌が、計50時間分ほど収録されています。購読は無料です。
 詳しくは下記ページをご参照ください。
http://www.nittento.or.jp/kasidasi/cd_magazine.htm

 なお、次回の『日々の暮らしに』の私の担当は2月号です。他の月のパーソナリティのお二人のトークと合わせて、どうぞお楽しみください。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)


by amedia  at 16:19  | Permalink

小さな夢、大きな夢

 皆さん、あけましておめでとうございます。
 今年もどうぞ、『週刊福祉情報』を、そしてこのコラムをじっくりお楽しみください。

 さて、新年最初の話題は「夢」です。
 皆さんは初夢を見ましたか?どんな夢だったのでしょうか。
 とは言いつつ、初夢っていつ見るのを言うのだろうと常に疑問に思っていたのでwikipediaで調べてみたところ、どうやら諸説あり、大晦日から元日の間、元日から2日の間、2日から3日の間となっています。
 で、とりあえずの主流派1日から2日の間のようなので、それを思い出してみようとしたのですが、どうにもこうにも思い出せません。ただ、キーワードとして富士山が入っていたような気が、うっすらとしています。
 ご存知のように、「一富士、二鷹、三茄子(いちふじ、にたか、さんなすび)」というのが良い夢とされているのですが、もしかすると今年はとっても良い年になるのかななどと新年早々わくわくしました。
 ちなみにwikipediaによると、四以降もあるそうですが、これも諸説あるそうです。一般的な物としては、
「四扇、五煙草、六座頭(しせん、ごたばこ、ろくざとう)」なんですって。座頭って、俗に盲人のことを指しますよね。もちろん厳密にいうと盲人全般じゃないんですけど、なんか良い夢の末端にあるのが面白いですね。でも、理由が駄洒落なんです。
「座頭=坊主頭→毛がない→怪我ない」なんだそうです。それで私は逆に知りました。座頭って、坊主頭なんですね!
 初夢についてのwikipediaの項目はこちらを参照してください。、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%9D%E5%A4%A2

 さて、ここまでトリビア的な雑談を書いてしまいましたが、せっかくですので、演劇結社ばっかりばっかり所属の舞台役者である私の夢を語らせてください。

 まず、今年の抱負といったような身近で小さな夢です。
 今年は、東京周辺だけでなく、ちょっと離れた都市での公演を、朗読会でもいいから開いてみたいと思っています。そして、いろいろな人たちと交流できたらいいなと願っています。
 その先駆けとして、2月にごく小さな朗読会を名古屋で開いてみようと思っていますが、本当に小規模なので一般向けにお声がけするのは難しいかもしれません。まずはとっかかりとして足を踏み出すことが大事だと思うので、チャレンジです。
 それから、今年の秋の芝居では、聴覚障害の方へのバリアフリーを研究すると共に、手話のこと、聞こえない世界のことをもっと知りたいと思っています。もちろん、盲ろう二重障害の方たちへの配慮についても、引き続き考えていきたいと思っています。
 こういったことは、自らの努力の積み重ねで実現し得る夢です。もちろん、協力してくださる方があるからこそ実現できることではあるのですが、そのご縁を大事にしていくこととか、学ぶ気持ちとか、そういったことの一つ一つが大切な「自らの努力」なのです。

 そうして積み上げていきながら実現していく小さな夢が更に重なっていけば、私たちの生み出すエンターテインメントを多くの人に知っていただく機会が、もっと多くのメディアに広がっていくかもしれないし、それによってそのエンターテインメントを生み出す側、それを受け取る側にいる障害者の人たちのバリアが取り払われていくきっかけになっていくかもしれません。
 今は「かもしれません」という形で可能性を語ることしかできませんが、ぜひとも現実の物にしていきたいと考えています。それが私の大きな夢なのです。
 そして、舞台上で、TV上で、スクリーン上で、一般の人の中に当たり前のように障害者が混在する情景を描き出すことによって、それを社会にフィードバックして、どんな集団の中にも普通に障害者が混在できる社会が現出したらどんなに素晴らしいだろうと、大きく大きく夢想しながら、今年も1歩ずつ着実に歩いていきたいと思っている美月なのです。

 ということで、本年も宜しくお付き合いくださいませ。

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 17:16  | Permalink

30年近い時を越えて

30年近い時を越えて
(美月めぐみ)

 昨日、恒例のアメディアフェアが開催され、私は相方の鈴木大輔と共に、今年も司会を務めさせていただきました。
 このアメディアフェア、なんと今年で第20回!!うーん、私もそれなりの年齢になるわけだ。ふぅー。

 そんな想いを胸に秘めつつ、浅草橋の東商センターの会場で朝1でお迎えしたゲストが、東京大学教授の福島智先生。ご存知の方も多いかと思いますが、福島先生は盲ろう二重障害の身でありながら、都立大学を卒業後、金沢大学助教授、東京大学助教授を経て、現在は同大学の教授となられた方です。
 この福島先生の講演『点字が切り開いた我が人生』が、今回のアメディアフェアのイベントのメインディッシュでした。
 福島先生は、とにかくお話しが楽しいので、司会の身でありながら、私は前々からとても楽しみにしていました。

 そして登壇されるに当たってのご紹介で、私は見事に会場の皆さんに告白しました。じつは、私は筑波大学附属盲学校の高等部普通化にいたころ、福島君とクラスメイトだった時期があることを!同じ教室で机を並べていた仲間でも、かたや天下の東大の
教授先生、かたやしがないバイト人をしながらの役者生活、みたいなことを言ったら、
会場からしっかり笑いをいただきました。
 そんなわけで、オフィシャルなプロフィール紹介ではやむなく「福島先生」という呼称を使ったものの、プライベートな話題になったときには、ついつい「福島君」とかニックネームである「トム」とか呼びそうになるところを、ぐっと堪えて「福島さん」と申し上げてました。(笑)

 今回のお話しの内容は、主に高校時代、既に失っていた視力に加え、聴力まで奪われていった過程とそのときの気持ち、そんな中で孤独になっていく魂を救ってくれた点字の本たちの話、そしてお母様が突然彼の指に指を重ねて点字タイプのように言葉をつむぎ出した「指点字」の始まりのこと。そこから想いを馳せて、バルビエの軍用文字から視覚障害の青年ルイ・ブライユが今の点字の原型を作ってくれたことへの感謝の気持ちまで語られましたが、私のような視覚単一障害の者たちよりも遥かに重み
のある言葉でした。

 印象に残ったことが幾つかあります。
 指点字を使うようになっても、トランプなどをしていて今一つ面白くない状況に突き当たり、ゲームその物が可能かどうかの問題ではなく、そこでゲーム参加者各自が発する言葉やちょっとした反応などに接することができないのがつまらなさの原因であることに思い至ったこと、それに気づいたのが、1対1のやり取りにだけ指点字を使うのでなく、他の人が話したことを“通訳”してもらうようになって、もう一度ト
ランプをやりながら楽しさを取り戻したときだったということ。
 また、実家で悶々としていたときに神戸の点字図書館から借りられた本は名著・名作の文学
らしい文学に偏り、芥川、太宰、三島、川端など「あれ?もしかして…!」と思わされるラインナップの本たちによって、、海底まで沈みこんだ後、その海底の砂を蹴って浮上できたと感じたこと。この2点は、非常に胸に刺さりました。

 そして、何より心打たれたのは、聴力と耳の良し悪しは違うのだと改めて感じさせられたこんな一言でした。
 「聞こえなくなってから知り合った人は、直接指点字で語り合っても声として想像ができないけれど、会場にいる人の中で、美月さんの声だけが、20うん年前の若々しい声のまま再現されてます。なぜなら、美月さんとは聞こえていた頃に知り合っていたからです。」
 「なるほど」と思うと同時に、私はあるコンサートを思い出していました。聞こえていた頃、とてもよく響く素敵な声で、見事なピアニストっぷりで弾き語りしていた福島君が、聞こえなくなって暫く経ってからのそのコンサートで、歌こそ歌わなかったものの、見事なピアノ演奏を披露していたことです。
 彼の耳には、聞こえていた頃の蓄積があり、それを30年近く経った今でも、頭の中で再生できるのだと気づき、変な言い方ですが、とても耳の良い人なのだと思ったのでした。

 その他にも、ハイテク機器の進歩は盲ろうの人たちにとっては必ずしもありがたいことばかりではないという事例として語られた、音声体重計の登場によって触読式の体重計が手に入らなくなり何十年前かに買った体重計を使い続けている話や、指点字通訳など必要な援助を受けるための社会制度が確立されていないことなど、本当に盲ろうの人の目線に経つと、解決したり切り開いたりしていかねばならない問題が山積しているのだと、今回の講演を通して、改めて認識できました。

 そんな困難な話を、会場に笑いを振りまきながらさわやかに語る福島君は、今や東大教授!状況を見つめなおしながら、私は、元クラスメイトとしての誇らしさだけでなく、本当にグレートな人なのだと心から思えた講演でした。
 福島先生、月並みな言葉しか出てこないわたしのボキャブラリーの貧困さを呪いたくなるけれど、これからもどうか元気に頑張っていってほしいと願っていますよ!

 さて、このコラムは、今年最後のコラムとなりました。
 読者の皆さん、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。


目の見えない子を支援するなら~点字定規セット「点字サポーターへの道」


(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 17:31  | Permalink

親子で楽しむ冬休み

 私自身の活動の都合上、どうしてもエンターテインメント系の話題に偏ってしまうことをお許しくださいね。
 今回は、親子のどちらかが目が不自由なファミリーが、共通の話題で盛り上がれる映像メディアのお話しです。

 以前から私が話題にしているバリアフリー映画鑑賞推進団体CityLightsは、「音声ガイド」という画面の説明を、ライブ、ないし録音した音声をFM電波に載せて送信し、それを視覚障害の観客がポケットラジオのイヤフォンで聞きながら映画を楽しむという活動をメインにしています。
 でも、じつはこれ、大人向けの作品ばかりを取り上げているわけではありません。
 来週末の土日には、それぞれファミリーで楽しめる映画の同行鑑賞会が企画されています。
 今回は、その鑑賞会のご案内です。

 一つ目 『カールじいさんの空飛ぶ家』
劇場: ユナイテッドシネマ としまえん
日時: 12月26日(土) 午後の回お希望中(時間は22日に決定)
集合: 上映一時間くらい前に、西武池袋線豊島園駅改札、
    もしくは大江戸線豊島園駅改札

 内容はこちらをご参照ください。(urlが複数行にまたっていたら、つなげてから
アクセスしてください)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%98%E3%81%84%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%AE%E7%A9%BA%E9%A3%9B%E3%81%B6%E5%AE%B6

 【申込方法】
以下の内容に従って、メールでお申し込みください。
件名に『カールじいさん』申し込み、もしくは仮参加と書いて宛先は同行鑑賞会専用アドレス doukou@citylights01.org

 ▼本文に以下1~7の項目を明記してください。
1:お名前(ハンドル名でも可)
2:申し込み、または仮参加
3:参加人数(複数人数で参加の方は、視覚障害者と晴眼者の内訳)
4:誘導の要・不要(晴眼者の方は、誘導ボラとご記入ください。)
5:集合場所(西武線・大江戸線)
6:当日連絡が取れる電話番号、
7:お茶会参加の有無(予定変更になる場合は早めにお知らせください。)


 二つ目 『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』
劇場: 新宿武蔵野館
日時: 12月27日(日) 午後最初の回(時間は21日に決定)
集合: 上映一時間くらい前にJR新宿駅東口改札。
    (中央東口とお間違えにならないように)

 内容はこちらをご参照ください。(urlが複数行にまたっていたら、つなげてから
アクセスしてください)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%80%AA%E7%8D%A3%E3%83%90%E3%83%88%E
3%83%AB_%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A9%E9%8A%80%E6%B2%B3%E4%BC%9D%E8%A
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 【申込方法】
以下の内容に従って、メールでお申し込みください。

件名に『ウルトラ』申し込み、もしくは仮参加と書いて
宛先は同行鑑賞会専用アドレス doukou@citylights01.org

 ▼本文に以下1~6の項目を明記してください。
1:お名前(ハンドル名でも可)
2:申し込み、または仮参加
3:参加人数(複数人数で参加の方は、視覚障害者と晴眼者の内訳)
4:誘導の要・不要(晴眼者の方は、誘導ボラとご記入ください。)
5:当日連絡が取れる電話番号、
6:お茶会参加の有無(予定変更になる場合は早めにお知らせください。)

 【申込締切】
 一つ目と二つ目、共に12月23日(水) 24時
※誘導をご希望の方で、参加したいが時間による。でも鑑賞希望ではある。
という方も、ボランティア確保の都合上、ひとまず仮参加の連絡をください。
 上映時間決定後、受付担当者より、参加確認メールを差し上げますので、
最終締切日の12月23日 24時までにご返信ください。
※参加を予定している方は、速やかなお申し込みにご協力お願いいたします!
※集合場所以外の待ち合わせは対応することができません。ご了承ください。

持ち物: FMラジオ、鑑賞料 1000円。(晴眼者も一律)
ガイド方式: 音声ガイドはライブの実況で行います。
       ラジオは、FM周波数88.5MHzに合わせて下さい。

 普段の生活空間とは懸け離れた状況のアニメや特撮は、ちゃんと理解するにはどうしても音声ガイドが不可欠です。目の不自由なお母さん・お父さんと晴眼者のお子さん、その逆で晴眼者のお母さん・お父さんと目の不自由なお子さんにも、ぜひこの機会に鑑賞会に参加していただき、冬休みの素敵な体験にしていただけたらと想いましてご案内してみました。
 ちなみに、小さいときの私のように、画面解説なしで音声だけで聞いて分かった気になってると、その作品がアニメなのか特撮なのかも分かっていないということにもなりかねませんので、一言お伝えしておくと、一つ目の『カールじいさんの空飛ぶ家』はアメリカで製作されたアニメ映画で、二つ目の『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』は私が物心付く寸前からシリーズが始まったバリバリの国産特撮tvドラマ『ウルトラマン』シリーズの流れを汲む特撮映画です。

 今回の話題は、東京周辺の人にのみ有益といった感じになってしまいましたが、全国ネットのTV番組も頑張ってくれています。
 日テレ系アニメ『それいけ!アンパンマン』やNHK教育テレビの道徳の授業のための人形劇『ざわざわ森のがんこちゃん』など子供向けの番組にも、副音声による楽しい画面解説が付くようになっています。大前提のキャラクターの姿形などを説明するシチュエイションがないのはかなり残念ではありますが、ストーリーとしてはばっちりです。
 こういった番組の情報にもアンテナを向けて、家族の会話を弾ませてみてはいかがでしょうか。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)


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『さなぎの時代』レポート(3、最終回)

ついに、『さなぎの時代』の公演から一月以上過ぎてしまいました。早いものですねぇ!

 ということで、この話題もここまでで終わりなのですが、今回は客演で重要な役割を担ってくれた“彼女”の文章もありますので、最後までお読みいただければ幸いです。

 さて、私のやった役、五十嵐由香奈(いがらし ゆかな)が登場する経緯を話そうとすると、物語の核心部分に触れてしまうので、簡単にいきます。
 由香奈は、中途失明で、あきらの盲学校時代のルームメイトだった女性です。今は、都内にある「アイゾーン」というITショップで働いています。(笑)芝居の後半に出てきて、悠稀の部屋のパソコンにスキャナをつないだり、ソフトをインストールしたり、そして使い方の指導までしていく、ほんわか明るいお姉さんといった役どころ。一部の友人からは、「めーたんが今までやった役の中で、一番めーたん自身に近
いイメージだったね」と言われました。(てれ笑)
 また、最近知り合ったばかりの晴眼者の友人からは「なんであんなにしゃきしゃきセッティングできるの?」と驚いてもらえました。「なんちゃってセッティング」だったんですけどね。(笑)

 そして、これはもう、超核心部分なので説明をオミットすることも大変なんですが、由香奈の弟(原作では兄)で、実は悠稀のスキー仲間だったことが判明する五十嵐貴也(いがらし たかや)が、悠稀に対する手紙を読み上げる場面が出てきます。
 あきらという存在の登場と共に、この手紙が悠稀を変える物になっているのですが、この貴也を演じたのが、ばっかりばっかりレギュラーメンバーの実力派・石津正幸でした。
 芝居巧者な石津は、今回は細かい役をいろいろ担当していましたが、この最後のほうに出てくる貴也がメインです。
 他には、劇外劇の喫茶店のウェイター、悠稀に失明宣告をする眼科医、そして本人も周りも一番楽しんでいた謎のタクシー運転手を演じていました。運転手は、毎回のアドリブがとにかく楽しかったので、2回観にいらしてくださったお客さんも、新鮮な楽しみを得られたことでしょう。

 というわけで、10年前に『メディアナウ』に連載させていただいた拙作は、和風まくだ煮Lのアイディアがギュギュッと詰まった脚本と、8人の素晴らしい仲間たちのアンサンブルの良さで、活き活きとした素敵な舞台となりました。

 この場をお借りして、素敵な仲間たち、関わってくださった全てのスタッフさんたち、協力・協賛してくださった方々、そして当日観にきてくださった皆様に、心からお礼申し上げます。本当にありがとうございました!!

 また、今回お越しいただけなかった皆様も、私たちはいつでもお待ちしておりますので、次回の公演にはぜひいらしてくださいね!そして、視覚の有無を超えて、共に芝居を作る仲間たちを、共に楽しむ客席の雰囲気を、ぜひ味わってみてください。

 では最後に、今回客演で入ってくれた私の親友、佐藤敏美さんからのメッセージを掲載させていただいて、連載を締めたいと思います。


【「さなぎの時代」で生きて。】
 この脚本の原作である「さなぎの時代」を美月さんから読ませてもらったのは、彼女と知り合ってから、まだ日が浅かった頃。
 作品中の人々のあたたかさ、勢いのある展開は、まさに美月さんのひととなりを現すように心地よく、物語がすーっと心に沁み込んできたことを思い出します。その小気味よさは、脚本となり、さらに進化したお芝居に転じ、大成功で公演を終えました。

 このたび配役して戴いた「あきら」の「先天盲で声楽家」という設定は、たいへん難しいものでしたが、それらを模索し、「私の中にいるあきら」にあてはめていく作業は、思い悩みつつもやりがいのある大きな喜びでした。
自分にないそれらの特徴について考え、感じようとすることは、そういった特徴を持つ友人達に想いを寄せることでもあったからです。

 そして、公演を観た友人達の感想、「視覚障害者向けと聞いていたが、お芝居は内容についていけないことが多い私向けでもあった。
舞台や状況の説明で楽しめた」「小学生の子どもが心配だったが、帰りの電車では笑顔で会話が弾んだ」更には、公演一日目に若いお嫁さんと観劇した友人が「良かったから」と、二日目には高齢のお母様を伴って、再度足を運んでくれた事などは、この公演が視覚の有無に限らず、様々な人に柔軟に受け入れられ楽しんでもらえた証として大切な宝物です。

 このような柔らかな想いと楽しい笑いにつつまれた公演に招かれ、「あきら」として生きることができたことに心から感謝しています。

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 17:29  | Permalink

『さなぎの時代』レポート(2)

 本文に入る前に、ちょっと語らせてください。
 先週は、急にコラム欄をお休みしてしまい、大変失礼しました。「鬼の霍乱」と言われそうですが、寝込んでしまいました。
 じつは、私が芸名を決めるに際してその音だけいただいて当て字させていただいたという、敬愛して止まない舞台人、元宝塚花組トップスターの大浦みずきさんが、去る11月14日に53歳の若さで他界されたのです。肺がんでした。
 その訃報を受けて以来、毎日毎日思い出しては涙に暮れているうちに、体のほうもまいってしまったようです。今週に入り、ようやく体調の回復と共に立ち直ることができてきたところです。
 他のメディアでも書いたのですが、いつまでもめそめそせず、新たな舞台に向けてちんと立ち上がることこそ、彼女への最大の供養になり、いつしか私自身が死を迎えたときに、彼女に恥じることなく旅立つことができるようになるのではないかと、そう考えるようになれました。
 そして、ようやく心から言えるようになりました。「大浦さん、私に舞台に立つ勇気と希望を与えてくださって、本当にありがとうございました!!どうぞ、安らかに眠ってください。心からご冥福をお祈りします!」

 さて、ここからは前回・先々週のコラムの続きです。
 去る11月7日・8日に行いました、私の所属する『演劇結社ばっかりばっかり』の芝居公演『さなぎの時代』のご紹介です。

 次に、母親聡子がピアノの出張稽古先から連れ帰った青年・杉山あきらが、初めはさわやか好青年として悠稀の部屋に現れますが、聡子が姿を消したとたん、「お前、昼間っからベッドに埋もれてるなんて、スケベなヤツだなぁ!」と、いきなり悠稀のタオルケットを引っぺがします!
 のみならず、彼は、「かーぐわしいー百合の花ー」と口から出任せの歌を裏声の高音で歌い始めます。
 母聡子の音大の後輩に当たるというこの青年が、やけに威勢が良く、福祉にも詳しく、そして母と親しげであることにくやしさを感じる悠稀。
 ところが話が進んでいくと、あきらは全盲の声楽家であることが判明します。

 このあきら役を担当したのが、私の10年弱前からの大事な友人・佐藤敏美さんでした。細身で長身、まろやかな低音の声の彼女の陰のニックネームは「オスカル様」。その中性的な魅力でまたまたファンを増やしたようです。ここ数年前から取り組んでいる市民ミュージカルで鍛えてきた歌唱は綺麗なファルセットもよく通る地声も生かされていて、歌手であるあきら役にぴったりでした。
 また、彼女は晴眼者なのですが、私たちとの付き合いも長いこともあり、視覚障害者に混じって視覚障害者を演じていても、さほど違和感はなかったようです。
 (さすがにその逆、つまり、視覚障害者が晴眼者に混じって晴眼者を演じるのは、お客様に対しての違和感は否めないので、うちの劇団ではやりませんが)

 この公演は、このメルマガの発行元でもある(株)アメディアが協賛に入ってくださていましたが、あきらはアメディア商品を初めとする視覚障害者向けIT関連機器の説明も含め、悠稀に新しいことをいろいろと教え、風のように彼の中の霧を吹き払い、太陽のように彼を暖め、凍てついた心を溶かしていきます。

 その後、エリカとの波乱なども含めて、話はそっちこっちに転がりながらも、着実に明るいほうへと変化していきます。
 この明暗というか暗明(?)は、照明の工夫でさらに強調されていました。というのも、ストーリーの最初のほうでは、照明はほとんど悠稀自信のことしか映し出していないのですが、心に映る風景や人の顔などが、だんだんはっきりしてくるにつれて照明もはっきりとした物になっていくのです。
 また、その様子を含め、このストーリーが映画であるという体で描かれている芝居ですので、冒頭で音声ガイド製作を依頼された“大輔”が、舞台上の別空間に小さなデスクとその上にポータブル型のDVDプレイヤーを置いて、その場で適宜音声ガイドを挿入したり、客席に向かって「音声ガイド」についての説明を加えたり、自分の感想を述べたり、ときには登場人物につっこみを入れられたりしながら、狂言回しの役割も担って話が進んでいくのでした。

 と、今回はここまでです。
 次回でこの話題はラストになる予定です。そう、まだ私が登場してないってこと、読者の皆さんはお気づきでしたか?(笑)

(つづく)


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 15:58  | Permalink

『さなぎの時代』レポート(1)

 演劇結社ばっかりばっかりの芝居『さなぎの時代』の公演、無事終了しました。
 ご来場いただいた皆さん、本当にありがとうございました!!
 お陰さまで、既に再演を希望するお声も多数いただいてはいますが、まずは公演終了ということで、ストーリーに触れてご紹介してみようと思います。

 まず、これは毎公演行なっていることですが、主宰鈴木大輔は、前説で舞台の大きさや舞台上のセットを、自分が歩き回りながら話すことによって、視覚障害者のお客さんに空間を認識してもらいます。(昨年の『トイメン』では石津が行なっていました)
 前説が終わりBGMが盛り上がってから止まると、お辞儀していた鈴木大輔が、すっと頭を上げます。このとき彼は、“大輔”という存在になり、いつの間にかこの舞台は喫茶店となっています。
 ここに、バリアフリー映画鑑賞推進団体“City Lights”の平塚リーダーとして、こんやゆうこが登場してきます。
 彼女は、1枚のDVDを取り出し、“大輔”に手渡し、「画面が暗くて地味だが良い作品なので、多くの視覚障害者の人とも一緒に楽しみたいから、音声ガイドをつけてくれ」と以来します。(引き受けてもらった直後、うっかり禁煙の店でタバコに火をつけウェイターに店から追い出されてしまうのですが…)
 ここから、その映画作品『さなぎの時代』に、“大輔”が音声ガイドをつけていくという仕掛けで、本編の物語が展開していくのです。

  ちょっと陰のあるテーマソングが流れると、まもなく急ブレーキの音と軽い衝突音、そして主人公織笠悠稀の部屋へと変化し、彼のモノローグとなります。
 彼を取り巻く物は、闇というには暗くなく、霧や靄というには明るくない、徹夜明けで飛び込んだ映画館のスクリーンのように、ぼーっと薄汚れた“何か”だと言います。
 その彼の心象風景を打ち破るようなカーテンを開ける音に続き、母親聡子の明るい声が響きます。
 「ただいまの時刻は午前10時なり!ほら、ほっぺたに当たるお日様がわからないの?」
 そんな母親に食って掛かる悠稀は、その後のモノローグで、3ヶ月前に、恋人エリカとの待ち合わせに急ごうとしていて車に跳ねられ事故を起こし、全盲になってしまったことを語ります。

 この冒頭部分から暫くの間は、なんと、悠稀以外の登場人物の顔には照明が当たらず、判然としないのです。これはもう、前代未聞の照明演出です!

 この主人公悠稀役は、稽古が始まった9月時点では悠稀と同じ21歳だった、現役の全盲大学生・大河内聡之。そして、なんと母親・聡子47歳を演じたのは、今回のメンバーの最年少、現在二十歳の某大学の芸術学部生・客演の河村有美さんです。
 大河内は、本人は気にしてはいたけれど、周りがタブー視して見て見ぬフリをしてきた恒音性機能障害で「キ・シ・チ・ニ・ヒ・リ」とそれに付随した拗音が不明瞭だったのですが、昨年、あるお客さんから厳しいご指摘をいただいたことをきっかけに、真正面からその発音の矯正に取り組み、見事克服したのです。
 その覚悟を持って臨んだ主役でしたから、もちろん演技力の向上にもぬかりはなく、2時間出ずっぱりでの膨大な台詞を、活き活きと語りまくりました。
 原作者である私は、最終的に目の前に出現した生身の“織笠悠稀”の存在に、胸を熱くすることとなりました。
 細身・中背の河村さんは、大学ではミュージカル関係の勉強をしているらしく、その発表会としてのミュージカルには出演したことがあったそうですが、こんなにはっきりとした台詞がいっぱいあるメインキャストでの芝居はほぼ初舞台だったといいます。
 にも関わらず、自分より一つ年上の悠稀の母親役を見事明るく大らかに演じきったのです!
 この河村有美さん、私がmixiの演劇関連のコミュで募集して参加してくれたのですが、なんとこれからも「ばっかりばっかりでお世話になります」と言ってくれました!
 とても美しい声の持ち主で、ソプラノの歌声も素晴らしいですので、次回作ではその辺りも生かしてもらえるような役を担当してもらえたらと思っています。主宰に頼んでみようっと。(笑)

 さて、3ヶ月前の事故のときに「待ちくたびれたから早くきて」と携帯電話で甘えてしまった恋人・エリカは、事故後何度も悠稀に会いにきていたのですが、毎日拒絶されていました。
 そのエリカが、悠稀の退院した情報を得て、また今日も面会を申し込んできたというのです。
 しかし、香り高いピンクの百合の花束を抱えて現れたエリカとは、そのまま喧嘩別れしてしまいます。彼女の幼いわがままと、失明のショックからまったく立ち直っていない悠稀のわがままが衝突した結果でした。

 エリカ役は、22歳の女子大生・田中ゆかりさん。彼女は、ついこの前まで、小さな劇団の主宰だった人で、エリカの描写そのものの、「小柄で茶髪のよく似合う丸顔の女の子」でした。
 最初、やはりmixiでの募集を見て連絡をくれたのですが、「福祉的配慮をした舞台に興味があります。」と言ってきてくれたのです。
 若いながらも舞台経験は多く、このすぐ後にも予定が決まっているそうで、ばっかりばっかりのメンバーとして残ることはありませんでしたが、「ばっかりファミリーになります」と、この先も出演してくれそうな雰囲気です。しかも、“City Lights”の活動に興味を持ったそうで、今後字幕朗読ボランティアとか音声ガイドにもチャレンジしそうな勢いがあります。

 さて、ちょいと長くなってしまいました。この後のストーリー展開と、残りの面子の紹介は、次回のお楽しみにとっておかせてください。

(つづく)


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 16:37  | Permalink

高い工賃を目指すのなら経営の王道を学ぼう

     望月優

 障害者の就労問題に関わっていると常に課題として挙げられるのが福祉作業所での工賃だ。
中小企業家のとある勉強会で福祉作業所の方が工賃が8千円ぐらいの人もいると説明したところ、聞いていた経営者の一人がどうしても理解できない様子で、「それは1日ですか」と聞き返していた場面に
遭遇した。これは決していやみで言っていたのではなかった。
心底質問者は信じられない様子だった。
さて、福祉作業所では、本人の出来高払いで工賃が決まる。
だが、その出来高に対する単価は非常に低い。
もしも私が作業をやらせてもらって、出来高払いで工賃を頂いたとしても、作業所で働いている平均的な障害者よりも高い工賃を頂くことは難しいであろう。
 ここまで突き詰めると、工賃が安いのは障害者本人の作業効率が根本原因ではないことが判る。工賃が安い根本原因は、利益を生み出す仕組みが作れていないからにほかならない。
 昨年、中小企業家同友会の障害者問題全国交流会で記念講演を行なった宋文州氏は、企業を成功させる秘訣は業務の細分化・見える化だと教えてくれた。
 特定の優秀な社員にしかできない業務を極力少なくし、ほとんどの業務が誰でも行なえるようにシステム化することこそ大事だと語った。
 実は、この経営の王道は働き手が障害者のときにもまさにばっちりの考え方だ。
 業務を以下にシンプル化できるかが事業体としての生産性向上のキーである。
 そのシンプル化した仕組みの中に障害者をどんどん投入して事業体として高い業績を上げ、障害者従業員達に堂々たる給与を支払っている特例子会社がある。
 その会社は、大東コーポレートサービス株式会社。
山﨑 亨社長は、業務を細分化・シンプル化し、障害者の社員に大活躍の場を与えている経営者だ。
 その山﨑社長の話を聞ける会が11月18日、午後6時半から渋谷商工会館で行なわれる。
 山﨑社長の実践報告は、福祉作業所を運営する人達にとっても、会社を経営する私などにとっても大きな学びになることは間違いない。
 是非、皆様、おこしください。

「可能性を信じれば誰でも活躍!障害者雇用から学ぶ社員活性化の秘訣」
http://www.tokyo.doyu.jp/tokyo-doyu/common/meeting.php?meeting_id=5518

by amedia  at 15:22  | Permalink

小道具はダイソーで

 いよいよ、私の所属する劇団・演劇結社ばっかりばっかりの公演『さなぎの時代』の本番が近づいてきました。そんなわけで、来週のこのコラム欄は、私じゃない誰かが書いてくださることになりそうです。

 で、既に私の頭の中は芝居のことでいっぱいなので、今回もまた改めまして芝居関連のお話しです。

 実は、うちの劇団は極めて弱小劇団ですので、小道具担当なる物がいません。
 また、大掛かりな装置を組む大道具担当もいません。
 そんなわけで、一昨年上演した『だからこそ愛』も、去年の『トイメン』も、そして今回上演する『さなぎの時代』でも、実際の物を使わず、マイムといって振りだけで何かをしているしぐさを表現することが多いのです。
 ところが、普通の動作さえ晴眼者と同じとはいかない先天性の視覚障害者にとって、このマイムはかなりつらいものです。
 そこで、どうしてもはっきりとした対象物を見せたい場面も出てくるわけですが、そんなときの小道具購入に際しての強ーい味方が、百円ショップなのです。とりわけ、私の地元である町田には、「ギガダイソー」という5フロアーもあるダイソーがあるので、大変重宝しています。
 とはいっても、さすがに5フロアー全部が百円というのには無理があり、中には千円以上するような品物もあります。
 それでも、本来専門のお店で買ったらいくらかかるか分らないような物でも、大変安価で買えるので助かっています。
 今回の芝居の小道具については、いささかネタバレになってしまうのでここで触れるのはやめておきますが、『だからこそ愛』を例に取ると、運動会のシーンで使ったホイッスルやタンバリン、お葬式のシーンで使った菊の花の造花、りんごを剥くシーンで使ったまな板と果物ナイフとお皿とウェットティッシュなど、全て百均でした。
 こうして、ちょっとでもポイントになるところのシーンで使う物を用意できれば、日常生活とはほとんど変わりない状態で演じることができるので、視覚障害者が視覚障害者の役で舞台に立っている範囲ではとても楽に動けるようになるのです。

 今回は、食器類とねぇ…、おっといけない、これ以上は話せません。
 ということで、何をどんなシーンでどんなふうに使うのか、ぜひとも新宿・シアターミラクルまで足をお運びいただいて、その目で、その耳で確かめてみてください。

 チケットの予約状況ですが、おかげさまで7日14時の回が完売間近です。その他はまちまちで、中にはまだまだ寂しい回もあります。どうぞ皆様お早めにご予約いただけますようお願いいたします。

 それでは、以下に、公演詳細情報を貼り付けておきますので、宜しくお願いいたします。
 そして、私は、7日と8日、劇場で皆様のお越しをお待ちすべく、あと9日間、頑張って稽古に励みたいと思います。


演劇結社ばっかりばっかり 第五回公演『さなぎの時代』

 見えなくなった僕の前に現れたのは、一人の「物の怪」だった…

原作…杉森寿美「さなぎの時代」(『メディアナウ』連載)
脚本・演出…和風まくだ煮L
協力…響き工芸、点字あゆみの会、バリアフリー映画鑑賞推進団体CityLights、日本
盲人会連合
協賛…都立松が谷高校同窓会、(株)アメディア

日時…11月7日(土)・8日(日)
会場…新宿・シアターミラクル
   新宿区歌舞伎町2-45-2 カイダ第3ジャストビル4F(エレベータ有り

交通…西武新宿駅北口より徒歩1分、JR新宿駅東口より徒歩5分。
※ ご希望により、駅からの誘導をいたします。ご相談ください。
料金…前売り2500円、当日2800円、ペアチケット4000円(前売りのみ)

◆ストーリー
 『僕の目の前を覆うのは、上映開始前のスクリーンのような物なのだ。しかも、徹
夜明けで飛び込んだ映画館のそれのように、ぼーっと薄汚れている…』
 交通事故で失明した大学生悠希(ゆうき)。彼を包む闇ならぬ闇は、如何にして、
誰によって剥がされていくのか。
 全盲作家・杉森寿美(美月めぐみの別名)が描くハートウォーミングストーリーを
、座付き脚本家和風まくだ煮Lがコメディ仕立てで煮込んだ一品。
 視覚障害学生役者・大河内聡之、初主演作品!!

◆キャスト
大河内聡之
石津正幸
河村有美
こんやゆうこ
佐藤敏美
田中ゆかり
美月めぐみ
鈴木大輔

◆スタッフ
脚本・演出…和風まくだ煮L
脚本補・演出補…美月めぐみ
音楽…久保さとし・美月めぐみ
照明…中山仁(アートプラス)
音響…山脇葉
宣伝イラスト…キャンディーサトウ
車両…石津正幸
宣伝美術…こんやゆうこ
制作…こんやゆうこ

◆日程
11月7日(土)…14:00~  19:00~
   8日(日)…13:00~  18:00~
※ 開場は各公演開始時間の30分前です。

【お問い合わせ・ご予約先】
TEL 090-3818-6424
Eメール otegami@bakkaribakkari.net
 ご予約の際は、以下の内容をお知らせください。
お名前
枚数
観劇希望日時、
視覚障害者と晴眼者の人数の内訳
駅からの誘導希望の有無
誘導ご希望の場合は、西武新宿駅北口にするか、JR新宿駅東口にするか(高田馬場でも乗り換えやすいし、劇場までの距離も圧倒的に近いので、西部新宿駅をお勧めしてます)
当日緊急連絡の取れる携帯番号点字パンフご希望の有無もお知らせ下さい。(CDによる音声パンフは、視覚障害者の方全員に差し上げます)


 ※ アメディアは、美月の所属する劇団『演劇結社ばっかりばっかり』第五回公演
『さなぎの時代』に協賛しています。

結社ホームページ
http://www.bakkaribakkari.net/

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 16:41  | Permalink

五十肩とアトピー-痛みもかゆみも…

 この夏くらいに、アメディアのメーリングリストで「右の上腕が、後ろに回したり
遠くに延ばしたりすると痛くてたまらない」と相談したところ、それは五十肩ではな
いかと多くの人にアドバイスをいただきました。
 しかし、忙しさに取り紛れて病院に行かないでいるうちに、左の腕も痛くなってき
ました。これはいよいよ行かなくてはと、9月中ごろにようやく重い腰を上げ、整形
外科を受診しました。
 結果、優しそうなおじいちゃん先生が発した言葉は、「四十肩ですね」の一言でし
た。なーんだ、五十じゃなくて四十なら、ちょっと若いじゃん、と思って喜んで帰っ
てきてネットで調べてみたら、「五十肩は1960年代くらいまでは四十肩と呼ばれ
ていた」と書かれていました。ガーン!!やっぱり五十肩だったわけですね。

 結局両肩に注射を打たれ、塗り薬をもらってきたのですが、やっぱりある一定の動
きをすると、ブワーッと痛みが走り、筋肉が悲鳴を上げ、ついでに私も悲鳴を上げる
状態が続いています。これはもう、とほほとしか言いようがありません。

 一方、私の相方で演劇結社ばっかりばっかりの主宰である鈴木大輔は、小さい頃か
ら抱えている持病のアトピー性皮膚炎が、この時期になって悪化してきて、大変なか
ゆみにバリボリ状態なのです。夜も熟睡できず、集中力を持続させることも困難な状
況が続いています。
 塗り薬を強くすると、一時的に肌の状態が良くなりかゆみが軽減したりするのです
が、皮膚が薄くなり、ちょっとかいただけでも出血してしまいます。飲み薬の強いの
を飲むと、24時間ほど激しい眠気に捕らわれてしまいます。真夜中、いびきをかい
て完全に眠った状態のまま、激しくボリボリしている姿を見ていると、その計り知れ
ないかゆみがいかばかりの物なのかと、せつなくなってくるほどです。
 私たちのような普通の肌の者は、よく小さい頃から、「かゆいときにはかくと余計
にかゆみが強くなるからかかないようにしなさい」と言われたものですが、その理屈
は分かっていても、大の大人が人前でもかかずにはいられなくなる激しいかゆみとは
どんな物なのか、計り知れない物です。
 しかも、芝居のときには、それをぐっと堪えて長時間演じているのですから、これ
はもう尊敬せざるを得ません。

 腕の痛みに耐えている私、そして全身のかゆみと必死で折り合いをつけている彼。
お互いのつらさを、自分の経験による尺度では想像することはできないけれど、その
範囲を超えているのだと考えることで互いを思いやることができているのだと思いま
す。

 こんな風に、自分の経験してきたことの範囲で想像できないことは、人間同士いろ
いろあるものです。
 視力の強弱、聴力の強弱、体力の強弱、瞬発力、持続力、走る速度…そしてそんな
力の強弱があるなら、忍耐力、努力など、全てに人それぞれの持つ力というのがある
し、尺度もあります。

 じつは最近、アメディアのメーリングリストなどで、歩行能力に関する話題が盛り
上がっているようです。
 その中で、ガイドヘルパー制度の否定論が見受けられ、少し悲しく思ったので、今
回違う角度から「他人の痛みや持ちうる力の差と、それを思いやること」について書
いてみたくなったのでした。
 私は、たまたま自由を求める気持ちが強かったので、恐怖心に打ち勝つ力や自分の
姿を人に見られることや見知らぬ人に声をかけることに関する羞恥心やちょっとした
億劫さに打ち勝つ力を強化できて、一人歩きができるようになったわけです。でも、
その自由を求める気持ちが弱い人、またはその気持ちが強くなるようなきっかけに恵
まれなかった人にとっては、恐怖心と羞恥心の壁は本当に大きな物だと思います。
 また、一度は歩行能力を身につけた人でも、年齢や体力や判断力などの衰えにより
、人と一緒でないと歩けなくなってしまう人もいるでしょう。それがたまたま頼れる
友人の少ない人だったなら、やはりその人にとってはガイドヘルパーの存在は必要な
物なのだと思います。

 他人の痛みやかゆみは分からなくても、分からないなら分からないなりに、その向
こうにある程の物なのだと思いやれる気持ちを持ちたいものです。もしかすると、「
思いやり力」にも強弱は存在して、それはしかたのないことなのかも知れないけれど


 ※ アメディアは、美月の所属する劇団『演劇結社ばっかりばっかり』第五回公演
『さなぎの時代』に協賛しています。
 この芝居は、美月が別名義の「杉森寿美」として、10年前に本社発行の雑誌に連
載していた小説を舞台化する物です。
 同劇団では、チケットの予約を行なっています。
 詳しくは、
http://www.bakkaribakkari.net/
をご参照下さい。

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

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『新三銃士』を観ていて気づいたこと

 今週の月曜日から、NHK教育テレビで、久々に大型人形劇の放映が始まりました。アレクサンドル・デュマのあの名作を新感覚で人形劇化した『新三銃士』です。
 しかも、脚本を手がけているのは、『笑いの大学』の脚本や『ザ・マジックアワー』の脚本と監督を務めた三谷幸喜さんです。TVドラマの脚本でいうと「古畑任三郎」や大河ドラマ「新撰組!」を手がけた人です。
 声の出演は、語りに爆笑問題の田中裕二さん、アトス役に山寺宏一さん、アラミス役に江原正士さん、ポルトス役に高木渉さん(私の相方で我が演劇結社ばっかりばっかり主宰・鈴木大輔の養成所時代の1年先輩です)、ミレディー役に戸田恵子さんと、実に豪華メンバーです。
 また、エンディングテーマは、三谷さんが書いた詩に平井堅さんが曲をつけて歌った物です。
 もう、いやがうえにも期待が高まりました。
放送日は、1話~5話 10月12日(月)~16日(金)、6話~10話 10月19日(月)~23日(金)、11話~40話 毎週金曜 10月30日~平成22年5月28日、だそうです。時間は、18時~18時20分。

 というわけで、さっそく今週の月曜日の第1回から観ています。
 これは、期待以上の面白さで、もちろん聴覚的にはBGMも含めて大満足です。
 で、相方と一緒に観ていて、実に当たり前のことなのにあまり気に留めていなかったことに気づきました。それは、セットの中で動いているのは人形たちだということです。
 見える人たちと冷静な視覚障害者の人たちからは「何をいまさら」と言われそうですが、画面の情報を言葉で補ってくれていた相方が発した「ほほう、これは凄い!よくできてるなぁ!」との一言で、ふと我に返り、「そういえば、これ、人形劇だったんだぁ!」と再認識させられたのでした。
 思えば、小学生の頃、『新八犬伝』や『真田十勇士』にはまり、中学生の頃は『三国志』に夢中になっていた私は、言葉では人形劇だと思っていても、耳から入るストーリーにすっかり引き込まれるあまり、人形が動くビジュアルを想像することはなかったのでした。
 しかも、どの作品でも、数多くの登場人物の声は、限られた声優さんたちが一人何役もこなして演じているのに、まったく違和感がないのです。
 今回も、上に挙げた声優さんたちが、本当に一人何役もなさっています。今は、一部の友人から『声優の声だけはすぐ判るオタク耳のダメ絶対音感』と言われる能力を備えてしまったので、どんなガヤ(その他大勢の群集など)の声でも誰が演じているのか判ってしまうのですが、それでもストーリーには十分のめりこむことができています。

 声優というのは、何かの動きに声を合わせて演ずることが多いので、普通のドラマに比べて、ちょっと大げさに演じることが多く、「声優さんだな」と判る独特の演技があります。
 人形劇のときにもその傾向はあり、本職の声優さんではない俳優さんたちがキャスティングされてもやっぱりそんな風に聞こえます。
 ちょっと違いはあるけれど、うっかりぼんやり聞いているとアニメと同じように感じてしまうこともあります。
 それでいうと、人外の物がいろいろ出てくる特撮物などでも、アニメだと思い込むこともありました。小学生の頃に放映されていた『ロボコン』などは、その最たる物で、今の相方と一緒になりいろいろ特撮について話している中で初めてあれが特撮だったということを知ったのでした。ちなみに、この『ロボコン』をアニメだと思い込んでいた視覚障害者は、私以外にもけっこういたようです。

 このように、耳で馴染んでいる物の中には、視力がないがゆえに勘違いしていること、基本を忘れていることはあるものです。
 また、日常生活の中で接することのない物を想像することも困難なことが多いです。こんなことは、普通の生活をしている上では特に不便でもないことなのですが、ちゃんと認識していないと、それが小さなバリアになります。一般的な共通認識に置いていかれ、ひいては「見えない人は、勉強ができたとしても、物を知らない」なんていうふうに誤解されてしまいかねない要素ともなります。
 想像力を鍛えていくことは大事ですが、それだけではなく、見える家族・友人たちといろいろ語り合って、自分の知識をより確実にしていくことはとても大事だし、楽しいことだと思います。
 また、機会があれば、日常生活の中では触れないような物には積極的に触って、その形を認識していきたいものです。
 私も、相方とたくさん話して、もっともっと知識を高めていきたいと思っています。もちろん、お返しに、私が知っている知識もたくさん伝えていきたいと思っているのですが。

 さて、人形劇の人形たちに触る機会が、いつかおとずれないものでしょうか。
 『新三銃士』、今日の放送もとても楽しみにしている美月でした。

※ 『新三銃士』、今からでも遅くないので、こちらでストーリーを読んで、ご鑑賞ください。
http://www.nhk.or.jp/sanjushi/


 ※ アメディアは、美月の所属する劇団『演劇結社ばっかりばっかり』第五回公演『さなぎの時代』に協賛しています。
 この芝居は、美月が別名義の「杉森寿美」として、10年前に本社発行の雑誌に連載していた小説を舞台化する物です。
 同劇団では、チケットの予約を行なっています。
 詳しくは、
http://www.bakkaribakkari.net/
をご参照下さい。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)


by amedia  at 15:54  | Permalink

読書案内 -坂木司作「引きこもり探偵シリーズ」-

 物凄い台風でしたね。
 被害に遭われた地域の皆さん、心よりお見舞い申し上げます。

 さて、今回は読書の秋にお薦めしたい小説をご紹介したいと思います。ミステリーをほとんど読まない私が、あっという間にはまり込んでしまったミステリーです。
 坂木司(さかき つかさ)さんという作家の方が書かれた、『青空の卵』『仔羊の巣』『動物園の鳥』の3作から成る「引きこもり探偵シリーズ」です。

 ミステリーファンの中には不満に思われる方もおられるかもしれませんが、このシリーズでは殺人事件は起きません。でも、放っておいたらどうなったかとひやりとさせられるようなことは多少あります。それを未然に解決してしまうところが、このシリーズの優しさでもあると、私は思うのですが。

 外資系の保険会社の営業担当をしている青年・坂木司の一人称形式で書かれるこの小説の主役は、本人ではなく、その相方の青年鳥井信一(とりい しんいち)です。
 鳥井は、コンピュータプログラマーとして自立した生活を営んでいますが、じつは強度の引きこもりで、親友である坂木が一緒でなければ近所での買い物さえできません。しかも、抜き身のナイフみたいに他人を傷つける危険性のある言葉を放つくせに、自分自身も物凄く傷つきやすい。そんな鳥井が唯一心を許し、大切に思っているのが坂木なのです。
 そして、坂木はといえば、この上ないお人よしで心優しい人物です。彼の願いは「誰もが笑顔でいられること」です。
 この対照的な二人が、どうして唯一無二の親友になったのか、鳥井がどうしてこんな精神を抱えることになったのか、といった物語の根幹に関わることがらを少しずつ描きながら、近所で起こる人間臭い出来事を解き明かしていく幾つかの物語が綴られていきます。
 解き明かすのはもちろん「引きこもり探偵」こと鳥井です。彼はマンションの一室にいて、坂木が持ち込んでくる厄介事を、鋭い洞察力と分析力であっという間に解決に導いていきます。
 また、鳥井は、引きこもってはいますが、探偵物にありがちなぐうたら探偵ではなく、とてもまめな人間で、特に料理の腕は並外れています。食いしん坊の私などは、ぜひとも鳥井の部屋にお邪魔して一口お相伴に預からせていただきたくなってしまいます。

 ここまでご紹介したところでも面白さはある程度伝わっているかもしれませんが、このシリーズの面白いところは他にもいろいろあります。
 代表的なところでは、この物語ではそれぞれの事件の中心人物となった人が、当たり前にその後も良い味の脇役として残っていくことです。しかも、その脇役たちの中には、いつの間にか鳥井の食卓に座るはめになっている人物もいたりするのです。
 きっと、「ズボシ」という抜き身のナイフで切りつけて膿を出す鳥井と、その傷口を優しく縫合して包んでしまう包帯のような坂木の名コンビが、関わる脇役たちを癒しているからなのかもしれません。

 また、1作目の『青空の卵』から登場する中途失明の青年がいるのですが、彼を巡る様々な事柄を読んでいると、作者の坂木さん自身、ちゃんと視覚障害者と関わったとしか思えないほど、よく描かれているのです。これには本当に驚かされました。
 いったい、坂木さんという作家さんはどんな人なのだろうと、物凄く興味が湧いたのですが、残念ながらこの人、顔はおろか、性別さえ公表していない覆面作家さんなので、その正体はようとして知れないのです。自身の書いた作品の登場人物の名前をペンネームにしている坂木さん其の人こそが最もミステリアスな存在のようです。

 このシリーズを先に読んでいたうちの相方は、既に他の作品も読んでいるのですが、「いずれもアタリ」とのことなので、暫くはこの作家さんの作品を追いかけてみようと思っているところです。
 ちなみに、私が最初に読んだ『短劇』という短編集も、いろんな色の作品がいっぱい入っていて、とても面白かったので、長編が苦手な人にはこちらをお薦めしておきたいと思います。

 今回ご紹介した、『青空の卵』『仔羊の巣』『動物園の鳥』『短劇』は、いずれもないーぶネットでダウンロードできますので、視覚障害者の皆さんもぜひ読んでみてください。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 17:15  | Permalink

可動式ホーム柵の重要性-尊い命を護るため(後編)

 前回お話ししたように、視覚障害者に限らず、多くの人々のために、可動式ホーム柵は必須アイテムなのです。

 ところが、設置に際してネックになることが幾つかあります。
 一つは、路線によっては車両の数の違う編成の電車が混在していること。私の住んでいるところの最寄である小田急線もいろいろ走っていて、各駅停車しか止まらない最寄駅では、ホームのアナウンスに耳を傾けていないと、思いどおりのところに乗れないこともあります。各停が6両と8両、準急は10両なのです。
 ただし、これは素人考えですが、もし可動柵を設置するなら、必ず頭を合わせるように停車させればなんとかなるのではないでしょうか。
 最近、嬉しいことに、可動柵のドアの脇に、点字で車両番号とドア番号が貼られている路線も増えてきましたが、頭をそろえるようにしておけば、その表示もそのまま生かせます。
 二つ目のネックは、可動柵のドアと車両のドアを上手く合わせて開くこと。自動制御が可能なところも多いようですが、運転手の技術に頼っているところもまだまだ多いようです。
 そうなると、駅に到着した電車の停車位置の微調整、乗降客の完全な入れ替わりを
確認してのドアの開閉など、気を遣わなければならないことがいっぱいあります。
 それで、今までは乗降客の多い駅や路線では可動式ホーム柵の導入は難しいとされてきたのですが、気づいてみれば東京メトロ丸の内線という、都内の地下鉄では最も乗降客数が多いような路線に、全駅設置されていたのです。
 また、前回もご紹介したように、あの…、あの“山手線”に、8年越しで可動式ホーム柵を設置する予定だというのですから、驚いてしまいます。
 もう、そのあたりのことはあまりネックにはならないのかなと思っているのですが、運転手が全て操作するだけで、駅員の配置を無くしてしまおうということで自動かも進んだ結果として実現しているというのは、何か少し本末転倒のような印象もあります。
 「ドアに挟まっちゃったらどうするの?」「押されて転んじゃったらどうするの?」
 やっぱり心配事は尽きません。
 可動柵があった上で、きちんとホーム上の安全性を見守る駅員さんの存在は、欠くべからざるものだと激しく思うのです。
 意味合いは違うけれど、夜更けの地下鉄の駅などは、見えていても怖いと感じる女性は少なくないと思います。
 可動柵が増えることは大変歓迎すべきことではありますが、それによってホーム上の駅員さんがいなくなってしまうのは、本当に困ることです。
 で、そのいなくなった駅員さんは、いったいどこに行ってしまうというのでしょうか?
 時間を厳守すること、少しでも早く移動できる手段としての電車を追求することに血道を上げ、戦々恐々としている鉄道会社は、利用客の安全性をどんな風に考えているのでしょうか。

 でも、ここでもう一つ考えなければならないことがあります。
 そんな鉄道会社の体質を生み出したのは、いったい誰でしょう。
 小田急線の遅延は最近では日常茶飯事ですが、せかせかしていない私にとっては、3分とか5分の遅れはさほど気になるものではありません。
 でも、この春頃だったと思いますが、都心に向かって乗り込んだ電車の中で、嫌なことに出くわしました。私は連れと一緒に一番後ろ、つまり車掌さんに近いところに乗っていたのですが、隣駅でそこへ乗り込んできた30代中ごろと思しきサラリーマン風の男性が、6分の遅れについて延々と車掌さんに文句をたれているのです。言いたいことだけ言った男性は、平謝りしている車掌さんを尻目に前の車両のほうに移動していきました。ほっとして気づいたのですが、この駅は後ろ寄りには改札が無く、後ろのほうが便利だという人意外は普通はこんな後ろに乗り込んだりはしません。しかもこの男性は、言うだけいうと前の方へ移動した。つまり、文句をぶちまけるためだけに、車掌さんのところにきたのでした。
 彼がどんな仕事を抱えていたのかはわかりません。でも、6分遅れて困るくらいなら、なぜ20分くらい早く出かけてこられなかったのでしょうか。そして、6分を争うほどに彼を急き立てていた先方にはどんな人が、どんな用事が待ち構えていたのでしょうか?そして、遅延の原因になったわけでもない車掌さんは、小田急という会社全てをその肩に乗せたように平謝りしながら、どんなに傷ついていたことでしょうか。

 キリギリス生活の舞台役者ふぜいの私が論じるのは大変におこがましいとは思いますが、世の企業戦士たちはあまりにも時間に縛られすぎてはいないでしょうか。
 過労死してしまうほどの過酷なサービス残業に追われているサラリーマンやOLたち。その一方で就職難だとかニートだとかの問題が山積している今の世の中、あまりに偏っていすぎるんじゃないでしょうか。
 もっと人を雇用して、加重の大きすぎる企業戦士たちを楽にしてあげられないものでしょうか。ニートに甘んじている人たちだって、がんじがらめに働かされている人々をみて、恐れを成してしまうのではないでしょうか。
 もっと多くの人たちがゆったりと仕事に就けるようになり、お金が多くの人に行き渡っていけば、定額給付金の配布なんかよりずっと「金が天下を回る」ことになるのではないんでしょうか。

 責任の重さや過労を苦に、あるいは仕事に就けないことを苦に、今日もまたどこかで誰かが“人身事故”を起こしているかもしれません。しょっちゅうです。本当にしょっちゅうそんな事故が起こり、電車が止まり、人々はイライラを募らせ、その怒りは別な同僚や部下に向けられ、そして新たな犠牲者が……!
 残念ながら、私は経済学にも政治学にも経営学にもトンと疎い人間です。だから、だれがいつどこでどうやってこの悪循環の糸を断ち切ればいいのか、考えても考えても、結論が出てきません。でも、とにかく、この偏った時間に追われるこせこせした社会を、ドッテーンとひっくり返したい気持ちでいっぱいになるのです。

 可動式ホーム柵のことを考えているうちに、そんなどうしようもないことまで考えが及んでしまい、ついつい長文になってしまいました。
 無知ゆえの暴言も多々あったかと思います。どうぞご容赦ください。そして、できれば読者の皆さん、とりわけ鉄道に詳しい皆さんからのご意見をたくさん伺えればと思います。

(おわり)


 ※ アメディアは、美月の所属する劇団『演劇結社ばっかりばっかり』第五回公演『さなぎの時代』に協賛しています。
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by amedia  at 17:59  | Permalink

可動式ホーム柵の重要性-尊い命を護るため(前編)

 9月13日の夕方、東横線多摩川駅のホームで、エレベーターから降りてきたおばあさんが車椅子ごとホームを滑り、線路に転落してしまい、頭を強く打った結果、翌日亡くなられたという痛ましい事故が起きました。
 実は、同じ駅の同じホームで、2年前にも車椅子のおばあさんの転落事故があったいうのですから驚いてしまいます。なぜ東急は、2年前の事故の直後に対策を練ろうともせずに再び同じことを繰り返してしまったのでしょうか。
 皮肉なことに、この同じ駅でも、目黒線のホームには可動式ホーム柵が設置されているのですが…。

 私たち視覚障害者は、とかくホームからの転落というと自分たち視覚障害者特有の事故だと思いがちですが、こんな事故も起きてしまっているわけですね。
 しかも、ホームからの転落事故は、何も障害者に限ったことではありません。2001年の新大久保駅の事故など、健常者の転落も少なくないということです。
 かつての私は、傲慢にも、積極的に一人歩きしている視覚障害者なのに一度もホームから転落したことがないのは、私自身が人一倍注意を払って歩いているからだと公言していたのですが、数名の転落経験者の知り合いから、ホームでめまいを起こしたとか貧血を起こしたのだという話を聞き、ぞっとしました。いくら健康だからと言っも私も45歳です。いつそんな状況にならないとも限りません。
 などとつらつら考えていて、やはりホームと線路を隔てる可動式ホーム柵は、元来必須な物なのだと感じました。
 「元来」と表現するとちょっと大げさに感じるかもしれませんが、ホームから線路までの高さ(いやむしろ深さ?)が1.2メートルあるというのですから、普通の橋として考えればぜったい欄干が必要になるはずです。ただ落ちただけでも怪我するし、打ち所が悪ければ今回の多摩川駅で転落したおばあさんのように死に至ることもあります。転落しただけでもこれほどの危険がある上に、タイミングが悪ければ寸分違わずその場所に突進してくる怪物=電車という存在も加わるのですから、鉄道の長い歴史の中、近年までそういう対策が成されてこなかったことのほうが不思議です。

 そんなことを思いながら、稼動柵の普及状況などをwikiで調べていたら、面白い記述に出会いました。
 なんと、昭和初期・中期に鉄道技術者としてデゴイチの設計に関与し、後に新幹線計画の実現に大きく貢献したという島秀雄さんという方が、既に戦前からホーム柵の設置を主張していたというのです!
 それから数えて60年近く経って、ようやく実現し始めたというのですから、なんとも気の遠くなる話でした。ようやく技術的に可能になってきたということなのかもしれませんが、それにしてはその後の普及が遅いようにも思えます。また、技術者の方も懸念してきたことだったホーム柵を、もっと簡易な形ででも早期に実現されていれば、尊い命をいくつ救ってこられたのかと思うと、なんだかやりきれない想いにもかられます。

 とはいうものの、国内のホーム柵やホームドアも、2009年秋現在、かなり増えてきてはいますので、全線設置されている線のみ列挙してみます。

東急目黒線、首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス、名古屋臨海高速鉄道西名古屋港線、札幌市営地下鉄東西線、埼玉高速鉄道線、東京地下鉄丸ノ内線・南北線・副都心線、都営地下鉄三田線、横浜市営地下鉄ブルーライン・グリーンライン、名古屋市営地下鉄上飯田線、京都市営地下鉄東西線、大阪市営地下鉄今里筋線、福岡市地下鉄空港線・箱崎線・七隈線

 この他にも、来年以降全線ホーム柵が設置される線がいろいろあります。
 極めて朗報だと感じているのが、JR山手線で、2017年までに29駅全部に可動式ホーム柵が付けられるということです。まず手始めに、来年度、恵比寿駅と目黒駅に付けられるそうなので、今からとても楽しみです。

 とはいえ、まだまだ地方の小さな駅などはどうなるか分かりません。駅員さんのいない駅を利用されている方などは、ずいぶん不安な想いをなさっていることでしょう

 鉄道各社には、人の命の重みを感じていただいて、今後真剣に取り組んでいっていただきたいものです。

 次回は、稼動柵設置のネックになることとして、なんとこの私にしては珍しく、社会のあり方についてまで問うてみたいと思っています。

(つづく)


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by amedia  at 16:19  | Permalink

井草中学校にて

 毎年恒例となってますが、今年も杉並区立井草中学校のゲストティーチャーをやってきました。

 この中学校は、地域とのつながり、職場体験、ボランティア体験、福祉体験など、いろいろな人々との交流を大事にしている学校で、この日は、3年生を対象にした福祉関係の特別授業でした。
 3年生100人強を12の班に分けて、それぞれにゲストティーチャーが付き、まったく違う内容の授業を一コマ行い、その後体育館でそれぞれが学んだことを発表し合うという授業が一コマ。給食後の眠たいであろうひとときを共に過ごしたわけですが、みんなとても集中して楽しんでくれました。

 それぞれの班の授業内容は、次の通り。
 ○学校の近所の高齢者施設で、お年寄りと語り合ったり歌ったりしてきた班が二つ。
 ○UD製品について学びながら、点字の名刺を作った班。
 ○手話の勉強をした班。
 ○視覚障害者の生活について学んだ班。
 ○この日以前に行なった保育園でのお手伝いを踏まえ、保育園の園長さんに「生き方」などについていろいろ感じさせてもらった班。
 ○色弱眼鏡でその状態を体験し、どんな配慮が必要かを学んだ班。
 ○音楽療法を学んだ班。
 ○車椅子のスラローム競技を体験し、車椅子の操作を学んだ班。
 ○障害のある仲間たちとできるいろいろなレクリエーションを学んだ班。
 ○電動車椅子や介護用ベッドなどの体験をした班。

 そして、私の班では、相方鈴木大輔と共に、視覚障害者向けの画面説明の音声ガイドについて説明し、ライブガイドの体験をしてもらいました。
 映画の一部では分かりにくいということで、今回は以前に高校でやった授業を簡易にした授業ということで、『ドラえもん』の一作品を題材にしてみました。
 と言っても、さすがに50分の授業では全部は無理だったので、半分くらいまでにして、一度椅子ごと後ろを向いてもらい、音だけで鑑賞してもらいました。ここで、音だけで聞いていたときの印象を聞いてみたら、「ストーリーはなんとなく分かるけど、見たことのないアイテムがどうなってるかが気になりました」という、とても素直な感想が帰ってきました。
こんどは、また頭から再生し、映像を観ながら半分の長さのさらに半分のところまでを鈴木がライブガイドを行ない、ガイドの雰囲気を感じ取ってもらいました。その後、残りの全体の半分までのところを、何の解説もなしで2回再生し、その部分のガイドを何人かの生徒にチャレンジしてもらいました。
 私たちは高校生にやってもらった経験を踏まえて構えていたのですが、すっかり度肝を抜かれました。なんとこの中学生たちは鋭い感性と読解力を持っていて、初めてとは思えない的確な画面解説をやってのけたのです!
 学校全体としていろいろな人たちとの交流を大事にしてきているからなのか、国語の教育が良いのか、その両方なのか分かりませんが、その素晴らしい力に本当に驚かされました。
 しかも、全体会で発表に立った班長の少年も、与えられた4分という時間を有効に使って、音声ガイドとは何か、音声ガイドのキーポイントにゆなることは何かなどを、重要なポイントをしっかり押さえて簡潔に発表してくれました。

 全体会終了後、校長先生たちとの短い交流会をしている中で、今回視覚障害者の生活について知る班のゲストティーチャーできていらした杉並区の視覚障害者福祉協議会の会長さんが、「子供のうちから障害者と接する機会を持ってもらうことによって、偏見のない社会が実現していくのではないか。そんな機会を与えてもらってとてもありがたい。」というようなことをおっしゃってましたが、まったくそのとおりだと、深く頷いていました。こういう取り組みをする学校が、もっと増えていってほしいものです。(って、この願い、もうこのコラムで何度も書いているかもしれませんね)

 そうそう、楽しいことを書き忘れるところでした。
 今回は今までと違い、班の代表の生徒たちと一緒に、給食をいただくことができました!
 お盆やお皿を時計に見立てて中身を説明する「クロックポジショニング方式」について説明したところ、班長さんは全体会での発表で、これについても触れてくれて、私たちもとても嬉しかったです。
 などという真面目な報告は置いておくとして。
 給食、とても美味しかったです!全部校内で手作りされているという給食は、校長先生のご自慢でもありましたが、本当に美味しかったです。
 今回のメニューは…。
 ○きつねうどん(味付け卵入り)
 ○おはぎ(あん入りきなこおはぎ)
 ○大豆とじゃこの甘辛揚げ
 ○りんご
 以上、エネルギー 901    タンパク質 39.5でした。(エネルギー表示は、なんと同校のHPに献立表が掲載されていたので引っ張ってきました!)
 このおはぎの大きいこと、美味しいことといったら!!元々大好物なので、かなり大喜びしてしまいました。

 給食につられるわけではありませんが、またこれからも井草中学の授業を担当させてもらうことを楽しみにしているのでした。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 17:11  | Permalink

月間『メディアナウ』の連載小説を舞台化!

 今だから明かします。
 かつて、アメディアが発行していた月刊誌『メディアナウ』の1999年の連載小説『さなぎの時代』と、2000年と2001年に連載していた『花のお江戸も世紀末!』の2作を書いていた杉盛寿美(すぎもり じゅみ)は、実は私でした。別人の顔を装って書いてたんですが、既にお気づきの方は多かったかも知れませんね。

 実はこの秋、この『さなぎの時代』を、私の所属する劇団『演劇結社ばっかりばっかり』で舞台化することになりました。
 原作者としてのペンネームも1文字だけ変えて「杉森寿美」とし、脚本製作は劇団の座付き脚本家の和風まくだ煮Lが担当して、コメディーテイスト倍増の楽しい作品になりました。

 この物語の主役は中途失明の青年です。この青年が、いかにして、いやいかなる手によって新たな自分の居所を見出すかという物語なのですが、お涙ちょうだいストーリーでないことは確かです。
 この物語の中では、IT機器が脇役の一つとして活躍するのですが、今回舞台化するに当たって、10年の年月の変化が最も顕著に現れたのがこの部分でした。
 あまり書くとネタバレになってしまうので詳しいところを例に取ることはできないのですが、簡単なところでいうと、99年に書いた原作にはこんな会話がありました。

 「WINDOWSは95?それとも98?」
 「一応98だよ。」
 「どっちにしても、WINDOWS3.1なんかじゃなけりゃ使えるけどな、98が動くぐらいの物なら、処理速度も速いし、快適だと思うよ。」

 うーん、今読んでみると、ぜんぜん快適じゃなーい!!(笑)
 正に、IT世界は日進月歩だったわけですね。

 簡単なところでは、そんな手直しもしつつ、軽妙な漫才的会話がポンポン飛び交う青春コメディに仕上がっています。というか、少なくとも脚本としてはそんな風にできています。

 また、一昨年の芝居『だからこそ愛』に続きまして、全盲のミュージシャン・久保さとしさんが、音楽スタッフとして、素晴らしい編曲の手腕を発揮してくれています。どんな曲をアレンジしているのかは、当日までのお楽しみです♪

 そして、先日9月6日から稽古が始まりました。
 従来の正規メンバー5人に加え、mixiでの募集に応じて参加してくれた演劇系女子大生二人+神奈川方面の市民ミュージカルなどで活躍中の友人一人、の3名の客演さんを向かえ、この作品に息吹を吹き込んでいくのです。うまく息を吹き込んでいければ、楽しさ倍増の脚本がさらにグレードアップしていくはず!
 というわけで、11月7日・8日の本番に向けて、2ヶ月の稽古で、どんな風に仕上がっていくか、どうぞ皆さん、新宿まで足を運んで確かめてみてください。

 ちなみに、今回は『メディアナウ』の発行元にもなっていた(株)アメディアの協賛も得ることができましたので、会場受付ではその10年の間の技術革新の一端である同社製品『よむべえ』のデモを見ることもできます。

 では、以下、チラシの内容を貼り付けます。


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演劇結社ばっかりばっかり 第五回公演『さなぎの時代』

☆スタッフ
原作…杉森寿美「さなぎの時代」(『メディアナウ』連載)
脚本・演出…和風まくだ煮L(ワフー マクダニエル)
脚本補・演出補…美月めぐみ
音楽…久保さとし・美月めぐみ
照明…中山仁(アートプラス)
音響…山脇葉
宣伝イラスト…キャンディーサトウ
車両…石津正幸
宣伝美術…こんやゆうこ
制作…こんやゆうこ

協力…響き工芸、バリアフリー映画鑑賞推進団体CityLights
協賛…東京都立松が谷高等学校同窓会、(株)アメディア

☆キャスト
大河内聡之、石津正幸、河村有美、こんやゆうこ、佐藤敏美、田中ゆかり、美月めぐ
み、鈴木大輔
日時…11月7日(土)・8日(日)
会場…新宿・シアターミラクル
   東京都新宿区歌舞伎町2-45-2 カイダ第3ジャストビル4F
交通…西武新宿駅北口より1分、JR新宿駅東口より5分。
※ ご希望により、駅からの誘導をいたします。ご相談ください。
料金…前売り2500円、当日2800円、ペアチケット4000円(前売りのみ)

お問合せ・ご予約
TEL 090-3818-6424
Eメール otegami@bakkaribakkari.net
結社ホームページ
http://www.bakkaribakkari.net/

【日程】
11月
7日(土)…14:00~  19:00~
8日(日)…13:00~  18:00~
※ 開場は各公演開始時間の30分前です。

【ストーリー】
 『僕の目の前を覆うのは、上映開始前のスクリーンのような物なのだ。しかも、徹
夜明けで飛び込んだ映画館のそれのように、ぼーっと薄汚れている…』
 交通事故で失明した大学生悠希(ゆうき)。彼を包む闇ならぬ闇は、如何にして、
誰によって剥がされていくのか。
 全盲作家・杉森寿美が描くハートウォーミングストーリーを、和風まくだ煮Lがコ
メディ仕立てで煮込んだ一品。
 視覚障害役者・大河内聡之、初主演作品!!

【『演劇結社ばっかりばっかり』とは】
 「観る側も、演じる側も、バリアフリー」をコンセプトに、言葉に拘ったエンター
テインメントを追求する結社です。
 ●“見えない人が特別な機材や音声ガイドなしで、見える人と一緒に丸ごと楽しめ
るような芝居作りをしている劇団”は、世界で(恐らく)ばっかりばっかりだけ!
 ●合言葉は、「視覚障害役者?普通にいますけど何か問題でも?」


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 14:13  | Permalink

頼りにされることの大切さ

頼りにされることの大切さ
(美月めぐみ)

 小さい頃、親や周りの大人に、命令されるのではなくて「新聞、取ってきてくれると嬉しいな」とか「とうもろこしの皮を剥いてくれると助かるんだけどな」と言われると、「よっしゃ!」とお手伝いモードになった記憶があります。
 また、「○○しなさい」と命令されたときでも、終わった後に、「助かったよ。ありがとね」などと声をかけられると、(またお手伝いしよう)という気持ちになったこともあります。大嫌いな雑巾がけも、「お母さんとお仕事分けっこしてくれる?」と言われると、とたんに責任感と使命感が沸いてきて、せっせと体を動かしたものです。
 むしろ苦手だったのは、「涼しいうちに宿題やっちゃいなさい」などという、自分のためにはなるけれど、人のためにはあまり役立ちそうもない命令でした。基本的に面倒くさがりの私は、涼しいうちに宿題をやるよりは、涼しいうちは快適に二度寝をするほうがラクチンだと思っていたのです。(笑)

 一概には言えないかもしれませんが、人の役に立てること、人に頼りにされることは、人間を成長させる原動力にもなるのではないかと、最近考えています。
 小さい頃は、命令を受けずに要請だけを受けて育つと、「やるべきこと」を自力で取捨選択する力が付かなくなるので、適宜「してくれる?」と「しなさい」を混ぜて教育したほうが良さそうだとは思うのですが、そのバランスをうまくとって教育されていくと、「自分が頼りにされる人間であるためには、それに見合うだけの知識と能力を持たなければならない。だから努力・工夫をしなければならない。」ということに気づくときがくると思うのです。
 私の場合、その時期がやっと最近、四十半ばにして現れたというところです。30台中ごろから、体型もあいまって「おやかた」というニックネームのある私ですが、何かそう呼ばれる度に、そこまでしっかりした物は持ってないのにとくすぐったい違和感を覚えていましたが、その違和感を無くすための解決作として、当たり前のことではありますが、自分をもっと成長させる必要があるのだということに、やっと気がついたのです。
 成長というと少し大げさですが、とりあえず今私がやろうと思っているのは、持っている技術をグレードアップしようとすることです。
 このところ、宴会部長みたいな役回りをすることが増えているのですが、インターネットを利用して良さそうなお店を選び、地図をプリントアウトして同行者に見せるという方法で、幹事業をこなしています。これも、最初は今ひとつ冴えない作業と結果だったのですが、ネットの検索能力が経験的に上がってきたことと慣れと感の良さのアップによって、参加者に「すごく良いお店だね!」と満足してもらえるようなところを選ぶことができるようになってきました。(と言っても、そうしょっちゅう飲んだくれているわけではありませんので、誤解のないように(笑))
 このようにネットでの検索技術が上がってくると、宴会だけではなく、シティライツでの同行鑑賞会の際の事前解説メールの作成などにも大いに役立つので、視覚的な要素以外の資料を構築することができるようになってきました。

 とはいえ、まだまだいろいろな技術が不足しています。今後は、エクセルの使い方を覚えたいし、録音物の編集や焼付けなどPCによるオーディオデータの扱いなども身に付けたいと思っているところです。
 決して不得意な分野ではなさそうなのですが、日々の生活に取り紛れてつい後回しにしてきてしまったことなのです。
 不得意なことは、どうしても頼る側に回らざるを得ませんが、せめて得意なことを増やす努力はして、「おやかた」のニックネームに恥じない人間に近づかなくてはと思う今日この頃なのです。
 あ、体系的な面での「おやかた」呼ばわりからは、早く脱却できるよう、頑張って体も動かさなくてはいけませんね。

 最後に、これは既に活用している方も多いかと思いますが、基本的に当てにしているグルメ情報サイト、グルナビのurlを載せておきますね。

http://www.gnavi.co.jp/

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 15:20  | Permalink

マニュアル化された対応の外にいる私

 取り留めのない話になってしまいますが、ひとときお付き合いください。

 「いらっしゃいませぇ!○○へようこそ!」
 某ファミレスに入ると、必ずこの歓迎メッセージが飛んできます。いわゆる「マニュアル化された接客」です。
 でも、私が入っていくと、そこからはマニュアル外の対応をせざるを得なくなります。テーブルへの誘導、メニュー紹介、ドリンクバーの利用など、いろいろ他のお客さんとは違う対応をしなければならないことがあるのです。
 でも、最初は戸惑っている店員さんも、何度か通っているうちに、親切になっていきます。店長の性格にもよるとは思いますが、そのお店の中での、視覚障害対応のルールみたいな物もできていったりします。

 ファミレスもファーストフードもコンビニも、サービスを合理化するために、それぞれの会社で決められたマニュアルに則った接客をするわけです。
 とは言え、それを基準とした上での臨機応変な部分で、個々の資質が問われてくるのです。また、店員の彼らを束ねる店長の性格は、同じチェーン店の中でもそうとうな違いを生み出しています。
 私の家から一番近いコンビニは、斜向かいに立っている2軒のコンビニです。
 片方のコンビニは、デザートは充実しているものの、品揃えはイマイチです。でも、店長さんがとても明るいおじさんで、バイトの店員さんたちもおおむね優しくて親切な人たちです。
 一方、その斜向かいにある売り上げ日本1の某コンビニは、お弁当やパンやお惣菜が、品数・味共に充実しているのですが、夕方以降に働いている店員さんたちがイマイチなのです。どうでも良さそうな口ぶりだったり、明らかにこちらを見ていない様子だったり、「ストローは要らないけど、お箸は入れてください」と言っても、意地悪じゃないかと思うほどしょっちゅう逆になったり、会計時に、プリンや焼きそばな
どを袋にボンボン投げ込むということに至っては、いったいどういう接客教育なのかと、頭を抱えたくなります。
 なので、どうしても後者のお店の物が食べたいというとき以外は、私は前者のお店を利用したいと思っています。

 マニュアル化されてる部分はやるけれど、通り一遍のことしかやらない従業員がいるのは、何も民間の店員ばかりではありません
 うちの地元の福祉行政には、首を傾げたくなることが多々あります。以前この欄でもお話しして、昨年のうちの劇団の芝居『トイメン』の中のネタにもさせてもらったエピソード、「点字ディスプレイを日常生活用具給付制度を利用して購入したいのですが」と電話で問い合わせたときの女性職員の一言、「は?点字でスプレーって何ですか?」と返され、一瞬固まってしまったことも、その一つの例です。この制度の業務に携わるなら、対象品目の用途くらいは勉強しておいてほしいもの
だと思ったのでした。
 しかも、問い合わせ当時に視聴覚二重障害の人にのみ認められていた給付が、それからあまり時が経たないうちに、視覚障害単一の障害者にも認められるようになっていたようなのですが、一度断られていたので諦めていた私は、実際に申請されるようになってから半年も立って、ようやく情報を入手したというていたらくでした。
 初めに「単一障害の方は認められていないんですよ」と言われた時点で、点字の読める視覚障害者にとって、点字ディスプレイが以下に役立つ物なのかということをできる限り噛み砕いて説明した上で、「もしも見直されて利用できるようになったらご連絡ください」と頼んであったのにも関わらず、一報もなかったのは、これまた意地悪されたのかしらと思ってしまいました。

 また、選挙直前の最近、地域の選挙管理委員会から、選挙に関する注意事項などが書かれた点字の小冊子が送られてきたのですが、なんと、これには普通文字の印刷物が、添え状として入っていたのです!「いや、それが入っていても、受け取った本人は読めませんから。」と思わずつっこみを入れたくなりました。この紙切れを作って入れることは大してお金のかかることではないでしょうけれど、まったく意味のないことなので、ちょっとした税金の無駄遣いだとも感じました。

 その選挙ですが、各政党とも、駅前等で必死の訴え賭けをやっています。ラウドスピーカーによる騒音に耳を傾けるより有効だと思って、配られているマニフェストなどいただきたく、「点字か録音の物はありますか?」と聞いてみると「ごめんなさい。ご用意してないんですよ」との答えが返ってきます。中には、こちらが近づいて行くと、そっぽを向いたり逃げちゃったりする候補者当人さえいるようです。
 点字投票は、婦人参政権よりも古い歴史を持っているのに、その判断材料が極めて乏しいままなのですから、困った物です。
 私は今、街頭で点字か録音のマニフェストを配ってくれる政党があったら、喜んで投票したいなと、半分は本気で考えています。
 いつかそう遠くない時期に、こんなこと思った自分を後悔させられるくらい、いろんな政党が視覚障害者も一人の有権者として意識してくれる時がくることを願って止みません。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 17:57  | Permalink

童謡・唱歌を歌いながら

 先月・7月31日に、杉並区のとあるおじさまのご依頼で、なんとこの私が、童謡を歌うコンサートをやりました。
 と言っても、極々小さな会場で、観客もたった10数名の物でしたが。

 これが、不思議ないきさつなのです。
 4月29日の昭和の日に、とあるカトリック教会で、知り合いのクリスチャンの若者が結婚式を挙げた際、私もご招待いただきました。そして、大変アットホームな教会の信者さんたちの手作りパーティーにも参加させていただき、とても祝いたい気分になったので、“me & my girl”というミュージカルのテーマソングを歌いました。
その歌詞の中に

♪小さな教会で集い合って確かめる
♪二人の愛ハッピー、それからいつも

というフレーズがあったので、その場にぴったりだと思いアカペラで歌ったのです。
 芝居ではあまり上がらないのに、音楽のステージでは足ががくがくになるほど緊張する私ですが、このときはとにかく興が乗ってしまったので、まったく緊張などしていなかったのも、歌声のリラックス度合いを高めてくれたのかもしれません。新郎新婦のみならず、多くの皆さんに温かい拍手をいただき、ちょうど良く回ったアルコールもあいまって、気分も最高でした。
 ところが、帰り際に、件のおじさまにつかまり、
 「こんど私の企画するイベントで歌ってくれませんか」
と声をかけられたのです!でも恐ろしいことに、そのときはとても気分が良かったので、ほいほいと承諾してしまったのでした。

 ということをすっかり忘れた6月のとある日、そのおじさまから連絡があり、ひっこみのつかない状態に陥りました。
 いわく
「あなたのゴスペルは、素晴らしかった!」
 そもそも、ミュージカルナンバーを「ゴスペル」と認識されていたのも物凄いのですが、
 「あのお声なら、高齢者の方向けの童謡や唱歌のコンサートもお願いできますよね?」
 と言われるに至っては、本当に驚いてしまいました。
 確かに、私は小さい頃から童謡や唱歌が好きというか、親が繰り返しかけてくれたレコードのお陰で、そういった歌が体に染み付いていました。また、その中でも幼児向けの歌は、絵本朗読の会などで合間に弾き語りなどしていたこともあったので、できないことではないと判断し、引き受けてしまったのです。

 でも、7月には、前回まで連載させていただいていたように、『改造人間哀歌』への出演その他のイベントが入り、結局このコンサートの準備は、たった10日しかないという状態になってしまいました。
 そのうえ、引き受けた当初には聞いていなかった「大正時代の作品を中心に」などの指示が、後から後から出てきて、アップアップしてしまいました。
 とにかくなんとか間に合わせようと思ったので、ないーぶネットで資料になるような童謡・唱歌の本を探し、曲を選び、それを元に曲の解説文を作り、私の下手なピアノでは弾き語りが難しいと判断した曲はピアノ伴奏だけ録音したカラオケを作り、本業は役者なのだからということで合間に読む絵本を選び、それを一緒に読んでくれる相方・鈴木大輔との稽古をし、作っておいた曲の解説の朗読を鈴木に頼み、そのタイミングなどを練習し、…等々、怒涛の10日間を経て本番に臨んだのでした。

 歌った曲は以下の通り。

『ゆりかごのうた』  北原白秋作詞、草川真作曲
『あめふり』  北原白秋作詞、中山晋平作曲
『村の鍛冶屋』   作詞・作曲者不詳
『我は海の子』 作詞・作曲者不詳
『夏は来ぬ』  佐佐木信綱作詞、小山作之助作曲
『青い眼の人形』  野口雨情作詞、本居長世作曲
『赤い靴』  野口雨情作詞、本居長世作曲  
『牧場の朝』  杉村楚人冠作詞、船橋栄吉作曲
『里の秋』  斎藤信夫作詞、海沼實(かいぬま みのる)作曲
『ふるさと』  高野辰之作詞、岡野貞一作曲
『森の小人』  玉木登美夫・山川清作詞、山本雅之作曲

 恐れていた通り、前半はかなり上がってしまいましたが、やはり私は役者だったと自覚し、ストーリー性のある歌を歌ったり絵本を読んだりしているうちに、すっかり落ち着くことができました。
 お陰さまで、ご来場くださった人たちから、「また歌ってください」とか「懐かしくて涙が出そうになりました」などの温かいお言葉をいただきました。

 本人としては、もうこんな緊張は勘弁してほしいという気持ちだったのですが、不思議なことにそれから20日も経った今でも、ふと気づくと「♪うーのはなーのにおう垣根に」と口をついて出てくるのです。そして、いつの間にか、「音楽療法ってあったよなとか「認知症のお年寄りが、懐かしい童謡で元気になったり意識がはっきりしたりっていう話も聞くわよね」などと、何かたくらみかけている自分がいるのです


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 16:06  | Permalink

バリアが外れていくとき(其の四-最終回)

 7月16日~20日まで上演された『改造人間哀歌2』関連のお話しの続きです。
 最終回の今回は、いつもの倍の長さになってしまいました。時間のあるときに、ゆ
っくりお読みください。

 千秋楽の後のウチアゲは、やはり大盛況でした!
 私も、この世界に入るまで知らなかったのですが、芝居の公演の千秋楽のウチアゲ
って、どこでもオールナイトのようです。
 宴会が得意ではない私は、毎回割りとうんざりしてウチアゲに臨むのですが、結果
的にはいつも楽しんでしまうのです。

 今回も、視覚障害者は私一人だし、馴染めなかったらどうしようと思うと、ウチア
ゲに対してはずっしりと重たい気持ちで臨まねばなりませんでした。しかし、相方鈴
木大輔の顔を潰してはならないし、なんとかにこやかにしていられるよう努力せねば
などと、「我慢、我慢」といった感じで気合を入れました。ところが、見事にそんな
想いは吹き飛ばされることになったのです。

 佐々木さんの乾杯の挨拶に続き、どの劇団でも恒例となっている「大入り袋(おお
いりぶくろ)」の分配となりました。これは、お客さんがたくさんきてくださったこ
とを祝しての習慣で、ポチ袋に「ご縁がありますように」の5円玉を入れた物を、そ
の場に居合わせた出演者とスタッフ全員に配るものです。この中身はできるだけさっ
さと使ってしまうのが善しとされています。それは、「お金を留めない→動かす→新
しい役を回してもらえるようにする」という縁起担ぎです。その替わり、ポチ袋は大
事に取っておく。これが大入り袋の儀式なのです。
 これを配るとき、受け取った人は、順番に挨拶をするのです。
 私も、皆さんにお世話になったこと、自分自身がとても勉強になったこと、そして
毎日佐々木さんにお気に入りの飴を差し上げて喉のケアーにちょっぴりだけ貢献でき
たのが嬉しかったことなどいろいろお話ししました。佐々木さんは、「いつもありが
とね。助かったよ」と優しく声をかけてくださいました。

 この儀式の後は、もう三々五々、いろんな人々と話し込むことになりました。
 印象に残った人について書いてみます。

 まずは、「仮面ライダー」シリーズなど多くの特撮作品やドラマのプロデューサー
として、また映画監督・助監督としても活躍されてきた平山亨さん。この方は、もち
ろん佐々木さんのお客様として千秋楽の公演をご覧になっていらしたのですが、実は
少し前に骨折なさっていて、松葉杖を使っていらしたのですが、階段しかない2階に
ある劇場まで、頑張って上がっていらしたのでした。御歳80歳ということも考え合
わせると、そのバイタリティと愛の深さに頭の下がる想いでした。
 相方鈴木と共に、この方とじっくりお話しすることができました。
 ご自分が深く関わってこられた「仮面ライダー」を心から大切になさっておられる
平山氏は、ライダーシリーズにインスピレーションを得て作られた今回の作品『改造
人間哀歌』に大変感動され、こちらもエレベーターなしの地下にあるウチアゲ場所の
居酒屋へもお越しくださり、涙を流しながら熱い想いを語ってくださいました。
 また、一線を退かれた今は、ご自身いろいろなボランティア活動をなさっていると
のことで、映画や演劇のバリアフリーにも大変関心を寄せてくださっておられました

 平山氏について詳しくお知りになりたい方は、以下のwikipediaのページをご参照
ください。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%B1%B1%E4%BA%A8

 そしてもうお一人、先々週のこの欄でちらっとお話しした、劇場の1階にあるホビ
ーショップの店長さんと、この席でゆっくりお話しすることができました。
 彼・今井さんは、私と同じ年頃の男性で、店番をしているときには、よくプラモデ
ルの製作などをなさっているのですが、公演期間中、私のサンダルが2度壊れたとき
、2度ともプラモデル用の接着剤で治してくれた優しいお兄さんでした。
 お店ではおとなしげな印象だったのですが、この宴席で、ひょんなことから私と時
代劇の趣味が合うことが発覚。お互いに小学生の頃、父親の影響で時代劇にはまった
という経験を持ち、萬屋錦之介(よろずや きんのすけ)の破れ傘刀舟(とうしゅう
)、中村梅之助(なかむらうめのすけ)の遠山の金さんと伝七(でんしち)親分は最
高だったと大いに盛り上がったのです。
 そして私が、「あなたのお店の品物は箱に入ってる物や何十万もするような高価な
フィギアとかマスクなんかなので、触るに触れないけど、本当はTVを観ててもどん
な形なのか把握できない私たちにとって、実際に触れたらどれだけいいかと思う。で
もなかなか買い集めるお金もないし…」と話したら、「うちのお店にある物は、なん
でも触ってもらっていいから、声かけてくださいよ。ちゃんと箱から出しますから」
という信じられないほど嬉しい答えが返ってきました。驚いて、「でも、買えるわけ
じゃないんですよ」と聞き返すと、「何を言ってるんですか。見えないんですから大
いに触っていただくべきですよ。僕は、ぜひちゃんと形を把握してほしいな。お友達
にも言っておいてくださいよ。僕のお店では、見えない人に触らせてあげないなんて
ことはあり得ませんから」と言い切られました。なんて素敵な人なんだろうと、これ
また感動してしまいました。
 もちろん、アドレス交換もさせていただきました。
 ここで、お店のことをちゃんとご紹介したいのですが、劇場と同じビルに入ってい
ますので、まもなく取り壊しで引越しなさるそうです。新しいお店の場所などが決ま
りましたら、この誌面でご紹介したいと思います。

 アドレス交換といえば、出演者やスタッフの人たちとも、この席でお互いのアドレ
スを赤外線でやり取りしました。
 せっかくなので、みんなとアドレス交換したいけれど、自分から人を捕まえるのも
難しいし、ピンポイントでお願いしていくのも、もしご迷惑だったら…と考えて、躊
躇していたのですが、思い切って「すみませーん。もし私とアドレス交換してもいい
よっていう方がいらしたら、良かったら声かけてくださーい!」って叫んでみました

 そしたら、来てくれること来てくれること、隅っこで眠りこけてた人たち以外は、
次々とやってきてはアドレスの交換をしてくれたのでした。
 そんなご縁もあって、mixiでのマイミクさんも、その翌日くらいに数名増えていた
のでした。
 やはり、友達も幸せの一部だから、「歩いてこない。だから歩いて行くんだね」と
、古い歌の歌詞に歌われているように、自分からアクションを起こさねばならないの
だと思いました。こうやって声をかけておくのは、相手の気持ちを尊重しながら自分
の意思も伝えられるので、なかなか有益な方法なんじゃないかなと思ったりしました

 他にもいろいろな人とのやり取りを紹介したいところですが、既にそうとう長くな
ってしまったので、ここまでにしたいと思います。

 こうして、多くの人たちと出会い、いろいろな経験を積ませていただいた日々は終
わりました。始発の電車が動き出した駒込の朝にふわりと流れ出した私たちは、同じ
方向へ帰る人々と集団下校のように帰途を共にし、山手線→小田急線と乗り継いで行
く中、一人、また一人と散っていったのでした。

 最後に、いろいろお礼を言わせてください。
 こんな素敵な機会を与えてくれた篠原さん、橋渡しをして引っ張り込んでくれた相
方の大輔、佐々木剛さんをはじめ私を受け入れてくださった出演者の皆さん、スタッ
フの皆さん、当日視覚障害者の誘導に協力してくださった皆さん、そしてご来場くだ
さった皆さん。本当にありがとうございました!!
 そして、この長い長いレポートに最後までお付き合いくださった読者の皆様、本当
にありがとうございました!!

 次回からは、いつもの単発コラムに戻りますが、今後とも皆さんに楽しんでいただ
けるような物を書いていきたいと思っていますので、宜しくお願い致します。

(『バリアが外れていくとき』 完)


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 16:36  | Permalink

バリアが外れていくとき(其の三)

 7月16日~20日まで上演された『改造人間哀歌2』関連のお話しの続きです。

 さて、観劇サポートのほうですが、18日終演後に、翌日来る視覚障害のお客さん
が点字ユーザーであることを思い出した私は、画期的なガイド方法を思いつきました

 つまり、予め、説明したい内容を点字のカードにして用意しておき、隣に座って、
説明を入れたいタイミングで順番に手渡していくという方法です。
 例えば、前半のほうで、場面と場面の間に一瞬だけ、中幕の合間に謎の女の後ろ姿
が浮かび上がり、こちらに振り向きかけるとき、にやりと笑いを浮かべた瞬間暗転に
なるという場面が挟まっていました。ここは、不気味な音楽のみで、その様子を知る
ことのできる台詞その他の音は何もありません。こんなタイミングで、
“コートを着た女の後ろ姿。ゆっくりと振り向くとき、にやりと笑いを浮かべる。暗
転。”
と書いた点字のカードをそっと手渡します。ベテランの点字ユーザーは、これを瞬時
に読み取ります。
 この方法は、左右に座った点字ユーザー二人までにしか有効ではありませんが、周
りに声が漏れる心配がないうえ、このサービスを受けていただいたご本人たちにも、
「今までで一番分かりやすかった!」と好評でした。
 ケース・バイ・ケースですが、この方法も新しい場面解説の方法としてこれからも
やってみたいものだと思いました。
 ちなみに、今回のカードは全部で20種類。楽日にいらした点字ユーザーのお客さ
んにも、とても喜んでもらえました。しかも、後述する「DVDへの音声ガイド」を
作る上でも役に立ちそうです。

 私は、この上演期間中毎晩行なわれていた「佐々木剛を囲む会」という、お客さん
と出演者・スタッフも巻き込んでの飲み会に、初日(16日)、中日(18日)、楽
日(20日)の3回参加してましたが、その中日の会で、主宰篠原さんと照明兼制作
の大村さんとじっくり話すことができました。
 ここで、出演者でもある私の相方の鈴木大輔と共に、視覚障害者にとっての「音声
ガイド」の必要性をはじめ、あらゆる障害の人たちに対する観劇上でのバリアを取り
除く方策について、お二人に対していろいろお話ししてみました。
 元々、福祉的視点を持っている篠原さんと、そして他の劇団での経験である程度観
劇のバリアフリーについての知識をお持ちだった大村さんは、私たちの熱い話を、と
ても熱心に聞いてくださいました。
 結果、今回の『改造人間哀歌2-星空の約束-』のライブDVDを発売するに当た
り、「音声ガイドを付けて出すことを検討したい」と、非常に前向きなお言葉をいた
だくことができました。
 正式に決定したら、この誌面でもご紹介します。
 また篠原さんは、これまで持ち小屋として使ってきたこの「タカタカブーン」のあ
るビル自体が建て直しされることになったということで、この秋には別なところで新
たに劇場「タカタカブーン」をオープンさせるそうなのですが、こちらの場所も階段
のない1階にするなど、バリアフリー的な配慮をしていきたいということも話してく
ださいました。

 結果的に私たちにとっても非常に実りの多かった5日間の公演もあれよあれよとい
う間に過ぎて行き、20日の千秋楽も無事終わりました。
 佐々木さんは、篠原さんがこの「改造人間」を書くに当たっての着想の原点ともな
った、あの「仮面ライダー」の2号だった人です。その佐々木さんの、仮面ライダー
2号に対する強い想いを含めて、今回の「改造人間」に対する愛をたっぷり感じさせ
てくださったカーテンコールでのご挨拶は、私の胸を大きく打つ物でした。あまりの
感動に、暫くの間はハンカチを目元から話すことができないくらいでした。

 お客さんが全て帰られた後の舞台の上で、出演者の集合写真を取るとき、みんなは
、声の出演だけだった私も温かく迎えてくれて、全ての集合写真に参加させてもらえ
ました。
 また、鈴木と二人で、佐々木さんを挟んでのスリーショット写真も撮らせてもらえ
ました。ぎゅっと肩に回された腕のぬくもりを思い出すと今も嬉しさがこみ上げてき
ます!!

 これだけでも思い出いっぱいのひとときだったのですが、最終日のオールナイトウ
チアゲが、これまた素晴らしい思い出となりました。

 というわけで、来週はそのお話しをして、この「バリアが外れていくとき」の最終
回としたいと想います。

(来週へ続く)


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by amedia  at 17:26  | Permalink

バリアが外れていくとき(其の二)

 7月16日~20日まで上演された『改造人間哀歌2』関連のお話しの続きです。

 初日前日、舞台の仕込み作業をやっている日、私は楽屋の片隅で持ち込み仕事をしながら、出演者の皆さんと交流していました。
 ワンフロアー分の大きな楽屋に、主役の佐々木さんを含め、みんな一緒に詰め込まれていますが、実に楽しい雰囲気でした。
 佐々木さんはとても歌うことがお好きで、若いころに出されていた歌も含めて、よく歌っておられました。終演後10日経った今も、頭の中に佐々木さんの歌声が響いている程です。
 ここは、主宰篠原さんの持ち小屋なので、一つの建物の中に、稽古場、楽屋、劇場が全て揃っています。4階が稽古場、3階が楽屋、そして2階が劇場です。
 ちなみに、1階は篠原さんのお知り合いだという店長さんが店番をしているホビーショップです。この店長さんも実に面白い人で、嬉しい話があるので、これはまた来週の話題の一部にしたいと思っています。
 仕込みや稽古などで、みんなどたばたと出入りしています。当然のことながら、鈴木も出演者ですので頻繁に動き回っています。
 というわけで、私は、4階と1階にしかないトイレに行くことも含め、自分で探検してフロア間の移動はどんどん自力でできるようにしました。自分でできることは自分でやる。当たり前のことですが、これをちゃんとやらないと、人にお願いしたいことも言えなくなります。だから、移動している私に、スタッフの人が「大丈夫ですか?」と声をかけてくれたとき、嬉しい思いで「はい、慣れましたので」と笑顔を向け
ることができました。

 16日、初日が開けました!
 この日は夜の部のみで、午後にはゲネプロ、つまり本番さながらのリハーサルが行なわれました。まだ客席も設置されていない中、わりと前方の上手(舞台に向かって右側)のほうに椅子を一つ出してもらい、そこでじっくり見学。前回稽古を観たときから比べて、みんなグレードアップしてるし、効果音やBGMもフルで入った状態の物を聞いたのはこれが始めてだったので、大興奮でした。例の、私のラジオの声も、芝居にすんなりなじんでいて、なんだかにんまりしてしまいました。
 このときから、私は自分が音と台詞だけではわからないところを、気をつけてチェックし始めました。そこを覚えておいて、後で鈴木に説明してもらい、それを踏まえて私以外の視覚障害のお客さんにちゃんと説明できるようにするためです。
 私のホームグラウンドである「演劇結社ばっかりばっかり」の芝居は、ステージ上に私と大河内君という2名の視覚障害者が乗っていることもあって、脚本や演出の段階から、視覚のハンディがあっても全て把握できるように工夫されているから何の憂いもなく観劇できるのは当たり前なのですが、他の劇団の物でも、普通の台詞の分量があれば、だいたい把握できます。しかも、シノハラステージングの作品はかなり台詞が多いほうなので、解説なしでも十分楽しめるのですが、ところどころ、説明したほうが圧倒的に心情が伝わるというような場面がありました。
 この日の夜には、視覚障害のお客さんはいませんでした。私は、さらに食い入るように神経を研ぎ澄まして観劇しました。
 この日から、毎公演、自分で気づいたり、鈴木に説明してもらったりで、この作品への理解度が高まっていきました。

 翌日からは、昼の部には視覚障害の人が必ず観にきているという状況になりました。まだ17日は私も不完全だったのですが、翌日からは、視覚障害のお客さんの隣に座って説明してあげられるようになりました。
 この頃になると、楽屋でも、私が疑問に思ったことを、鈴木以外のメンバーが率先して説明してくれるようになっていました。
 また、さりげなく誘導などでサポートしてくれる人も増えてきましたし、差し入れのお菓子を分けてくれたり、芝居の話、グルメの話、その他いろんな話で一緒に盛り上がれるようになっていました。
 また、17日の朝、喉の調子が良くないと嘆いておられた佐々木さんに、私が持っていた蜂蜜の飴を差し上げたところ、大変気に入ってくださったので、それから毎日二つずつ差し上げていました。いつもうれしそうに「ありがとね!」と声をかけてくださる瞬間が、とても幸せな瞬間でした。

 さて、観劇サポートのほうですが、18日終演後に、翌日来る視覚障害のお客さんが点字ユーザーであることを思い出した私は、画期的なガイド方法を思いつきました

 ということで、次回はそのお話しからにしましょう。

(来週へ続く)


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バリアが外れていくとき(其の一)

 7月16日から20日まで、一月前にご案内しましたシノハラステージング公演『改造人間哀歌2~星空の約束~』の楽屋と劇場に張り付いていました。
 お陰さまで、連日満員御礼の大盛況で、音声パンフの配布しかしていなかったにも関わらず、全盲のお客さんも5名ほどきてくださいました。
 この場をお借りしてお礼申し上げます。
 実は、私、この公演に声の出演をさせていただいたのです!初恋のヒーロー、仮面ライダー2号・一文字隼人(いちもんじはやと)役の佐々木剛(たけし)さんと、うちの相方の鈴木大輔が共演できるとあってとても喜んでいたら、私まで「声の出演」という形で間接的に共演させていただけたというわけです。
 この公演に関する詳しいお話しは、アメディア発行の姉妹メルマガ「アメディアレポート」の7月28日号でお届けしたいと思いますので、そちらもお楽しみに。

 今回書きたいと思ったのは、この公演の稽古場、公演期間中、および打ち上げの席での、劇団員さんたちと私の関わりについてです。

 稽古場には、4回伺いました。
 他所の劇団に顔を出すっていうのは、なかなか緊張するものです。彼らは皆、視覚障害者と接したことのない晴眼者たちばかりなのですから。
 1度目は、とにかく声の出演で使っていただけるようにお願いしようと思っていたので、とりあえずの顔見せを兼ねて、通し稽古を見せていただいたのです。
 この日は、実際この舞台に参加する我が相方の鈴木大輔が私を、自分のマネージャー、兼パートナー兼自分のところの劇団員として、皆さんに紹介してくれました。
 どうやら、この日より前から、鈴木は私のことを紹介していてくれたらしく、稽古場の片隅の椅子にかけるやいなや、この劇団の看板女優の百合香さんが飛んできて、とても明るく丁寧に挨拶してくださいました。
 また、忙しい最中でしたが、この劇団の主宰にして脚本・演出家の篠原さんも、私を軽んじたりはなさらず、とてもフレンドリーに声をかけてくださいました。
 ただ、全体的には温かく迎えてくださっていたものの、まだ少し遠巻きに見られている感じがしました。
 そこで、通し稽古終了後、篠原さんにこっそり「皆さんに、音声パンフレットCDにお声を録音させていただけないか伺いたいんですが」と切り出すと、稽古のダメ出しの後に、ちゃんと私から皆さんに話をさせていただける時間をとってくださいました。
 「鈴木が出演するということで、私と同様に視覚に障害のあるお客さんが何名かいらっしゃると思います。その人たちに、少しでも理解していただけるツールとして、
CDによる音声パンフレットを作ろうと思っています。つきましては、音の顔写真の変わりに、お一人づすお声を録音させていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」
 まぁ、そんなことを話したと思います。すると、皆さんから、「了解!」との嬉しい声が帰ってきました。
 この日は、「後日機材を持って改めて録音しにきます」と告げてそのまま帰りました。

 すると翌日、篠原さんから鈴木を通じて連絡があり、「パニックを起こした人々のガヤの中の一人にと思ってたけど、ラジオのキャスターの声を」という嬉しいお申し出をいただきました。さっそく台詞をテキストデータでお送りいただき、自動点訳すると、鈴木との掛け合いで1分半ほどの会話になっていました。
 しっかり読み込んで、翌日再び稽古場へ。皆さんより1時間ほど早く到着し、いただいた台詞を、ちょいとNGを出しながらもなんとか録音していただきました。
 編集したのを聞かせていただくと、我ながらなかなかの女性キャスターっぷりです。「これならちゃんとラジオに聞こえるね!」と篠原さんからも安心の一言をいただきました。

 その翌日、三度稽古場へ。このときには、PTR1とマイクを持っていき、キャストインタビューに成功しました。
 もちろん、あの憧れの佐々木さんからも、とても渋いお声でのメッセージをいただけました。(普通に入力できるなら、ここにハートマークを付けたいところですが…)

 そしてまた数日後、舞台の仕込みの日に、もう一人の声の出演(というとまるで私がそのお方と同列みたいになっちゃって穴がなくても掘ってでも入りたいくらいの想いに駆られるのですが)、悪役声優でおなじみの渡部猛(わたべ たけし)さんの、
悪の首領の声の収録があり、そこにお邪魔させていただき、音声パンフ用の録音もさせていただきました。快くお引き受けくださった渡部さんは、短めの一言ですが、大サービスの悪役声を聞かせてくださいました。間近で聞く迫力の悪役声に、私はしびれまくってしまいました。

 この夜、他のお客さんたちに配るパンフレットと同じ内容を鈴木が朗読して録音し、材料が出揃ったところでぼちぼちと音声パンフの編集を始めながら、mixiの日記でその作業について書いたら、篠原さんからのコメントが入りました。
 「これ、開場してお客さんが入ってくる間のBGM代わりに、場内に流しましょうか」
 考えてみれば、佐々木さんのお声も、渡部さんのお声も入っているのです。確かにこれは、インパクトがありそうです。
 でもそれより何より、観劇後自宅に帰ってからでないと聞いてもらえないと思っていた音声パンフの内容を、視覚障害者自身も開演前に聞くことができるという事態に、私は大喜びしてしまいました。
 そこで、初日には視覚障害のお客さんはいらっしゃらないから2日くらいかけてゆっくりやろうと思っていた作業を、大急ぎで巻きまして、夜なべで完成させたのでした。
 今までそんな機会がなかったため、劇場のバリアフリーを意識していらっしゃらなかった劇団の主宰・篠原さんが、はっきりこちらを向いてくださったことを感じた瞬間でした。

(来週に続く)


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)


by amedia  at 16:18  | Permalink

飲食店とのお付き合い

 度々食いしん坊なネタで失礼します。

 実は、最近全盲の友人と話していて、彼女が凄いチャレンジャーであることが分か
りました。
 なんと、彼女は、同じく全盲のお連れ合いと一緒に焼肉屋さんでお食事をしたいと
思い、自宅のホットプレートで焼肉の練習を重ねて自信を付けてから、大手焼肉店『
牛角(ぎゅうかく)』へ行ったというのです!
 ここで炭火焼の焼肉屋さんを知ってる人なら、「ああ、やばい!」と気づかれてい
ることでしょう。当然のことながら、ホットプレートと七輪では状況がまったく違い
ます。全盲のお二人は、あちこちから出ている炎の状況を掴むことができず、「クッ
パだけ食べて帰ろうか」と諦めかけていたそうです。
 そこへ店員さんが現れ「よろしかったら、お焼きしましょうか」と申し出てくださ
り、お二人は大喜びで感謝しつつ、無事美味しい焼肉を召し上がってこられたそうで
す。
 この友人は、元々どこへでも一人で行ってしまうチャレンジ精神の持ち主なのです
が、焼肉へのチャレンジには本当に脱帽でした。
 しかし、それにも増して、この牛角の店員さんに対しても頭が下がる想いでした。
よもや、目の不自由なお客が、サポートしてくれる人無しで来店するとは想像だにし
なかったでしょう。ところが、突然全盲の二人連れが現れた。その二人が、炭火を前
にして呆然と途方に暮れる…。おそらく、あっけにとられ、ただ成り行きを見守り、
クッパだけを食べていく姿を見送る。多くの人がそんな反応になってしまうのではな
いかと思うのですが、本当に勇気のある、そして優しい店員さんだったのでしょう。
 もちろん、牛角のマニュアルには、このような想定はないと思うので、牛角ならど
こでもどんな店員さんでもやってくれるという物ではないでしょう。彼の、あるいは
そのお店の店長さんの裁量の賜物だと思います。

 こんなに嬉しい話はそうそうあるものではないと思いますが、気に入ったお店を行
きつけのお店にすると、そこの店員さんがどんどん親切になってくるということはあ
ります。たぶん、私を含めて、積極的に出歩き、美味しい物、楽しい人間関係を自分
から求めていくタイプの障害者は、そのお店に嬉しい変化をもたらし、そのお陰で別
な障害者の人がそのお店を訪ねたとき、思いがけなくスマートで親切な接客を受ける
ことになるかもしれません。
 以前にもこの欄で書いたと思いますが、私が昔住んでいたところの近所にあった回
転寿司がそうでした。最初とまどっていたお店の人たちが、私の希望を受け入れて、
食べたい物を言うと、回っていれば取って、回っていなければ握って、レーン越しに
お皿を手渡してくれるようになったのです。お陰で、それ以降にその回転寿司を訪れ
た全盲の友人が、「美月さんちの近くの回転寿司、凄く親切だったよ」などと話して
くれました。

 食べる行為には直接的に影響はないけれどけっこう悩みの種になるのが、麺類の食
べ方です。白い服を着ているときのカレーやケチャップもしかりで、汁やカレーやケ
チャップなどが衣服に飛ぶと、かっこ悪いだけでなく、洗濯も大変なことになります。
 そういう物を食べにいく予定があるときには、私はなるべく大きなハンカチを持っ
ていって、胸元にかけたり膝に広げたりするようにしています。
 でも、持参しなくても大丈夫なお店もあります。普通のラーメン屋さんなどにはな
いサービスとして、焼肉屋さんの一部やカレーウドン専門店などでは、使い捨てのエ
プロンを出してくれます。これは、障害者に対してだけではなく、誰に対してでも出
される物です。
 実は、これは視力の有無に関わらず、飛ばしてしまいがちな食べ物だからなのでし
ょう。本来の価格より100円程度上乗せされても、これこそバリアフリーな、誰に
でも嬉しい配慮だと思います。

 こんな配慮があちらこちらのお店で実現できたら、私たち障害者の外食も、とって
も便利で楽しくなることでしょう。
 しかし、リーズナブルなお店は、人件費を削減して安くしているところが多いよう
で、そんなお店に行って、いろいろな要求を適えてもらうのは心苦しいものです。お
寿司の手渡しくらいであればさほどの負担にはならないと思いますが、例えば、ファ
ミレスのドリンクバーやサラダバー、ビュッフェスタイルのバイキングのお店、ハン
バーガーショップやカフェテリアなどセルフサービスが基本になっている飲食店です。
 でも、そんなお店に気軽に行きたいこともあります。300円程度の上乗せ価格で
、サポートがマニュアル化されたら、私は少しは心安く入店できるのではないかと思
う今日この頃です。
 もちろん、お財布に優しいお店を、お財布に優しいまま使いたいときには、なるべ
くお友達と行くなどの、使い方バリエーションも考えてみたいと思うのですが。

 このように、お店の種類、価格帯、込み具合などに応じて、お店の人と私たち自身
が臨機応変に思いやり合いながら、楽しくお付き合いしていけたらと、またそんなこ
とを考えているのです。

 最後に、紙エプロンを常備していてくれる、味もすこぶる美味しいカレーウドン専
門店「古奈屋(こなや)」のURLをご紹介しておきますので、それぞれの支店を利用
できそうな方は、ぜひいらしてみてください。また、このページには、お取り寄せ便
もあり、それぞれの商品には、音声で楽に聞ける食べ方レシピも付いてますので、来
店できない方もぜひゆっくり覗いてみてください。

http://www.konaya.ne.jp/


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 18:36  | Permalink

『改造人間哀歌2』

 突然ですが、私の相方にして、演劇結社ばっかりばっかり主宰の鈴木大輔が、外部出演することになりました。
 なんと、私の小学生の頃の初恋のヒーローの一人、仮面ライダー2号・一文字隼人(いちもんじ はやと)役をやっていらした佐々木剛(ささき たけし)さんとの共演です!!
 タイトルは、『改造人間哀歌2~星空の約束~』です。
 「2」ということは、当然「1」もあったわけで、じつは昨年しっかり観劇させていただいてました。
 もちろん、佐々木さんは主役だったのですが、このタイトルからも分かるように、改造人間のお話しです。「仮面ライダー」という言い方こそ出てきませんが、どうやらこの主人公もかつて改造手術を受け、そして正義の味方として大活躍していた過去があるようです。でも今は、ある程度の年齢に達して、「正義の味方」も引退していたのですが、結局そうは問屋が卸してくれず…。悲哀とカッコ良さの同居した、とても素敵な作品でした。
 その続編なのか、続きではないのか、第2弾として上演されるお芝居に、鈴木も出演することになったというわけです。といっても、そんなに大きな役をいただいているわけではないのですが、日々、楽しげに稽古に通っております。

 ところで、この主役の佐々木さんですが、やく40年弱程前にヒーロー一文字隼人役をはじめ、多くのドラマで善悪様々な役柄を演じ順風満帆のように見えていましたが、35歳のときに自宅が火事になり、そのときに負った大火傷のため、TV俳優にとっての命ともいうべき顔の皮膚を何度も移植しなければならなくなったのだそうです。その後、仕事は激減し、家族を抱え、路頭に迷い、ついには離婚にまで至るなどの不幸に次々と見舞われ、ぼろぼろになったのですが、10年ほどの後、石橋正次さんら・俳優のご友人たちの励ましで舞台俳優として立ち直って行かれたということです。
 そして今は62歳。渋く豪胆な演技を見せてくださる、素晴らしいベテラン俳優さんです。

 もちろん、我が相方を観ていただきたいということもありますが、ぜひともこの佐々木さんの姿を、声を堪能しにいらしていただきたいと思ってご紹介した次第です。
 以下、詳細情報です。

○シノハラステージング公演
『改造人間哀歌2~星空の約束~』
出演
佐々木剛
永野百合香
こぶしのぶゆき
鈴木大輔

2009年7月
16日(木)
19:30
17日(金)
14:00/19:00
18日(土)
14:00/19:00
19日(日)
14:00/19:00
20日(祝)
14:00/18:00
※開場は上記開演時間の30分前からとなります。
※各回終演後、佐々木剛さんのサイン会を催します。
※各夜の部終了後、駒込駅前「やるき茶屋」にて佐々木剛さんを囲んでの飲み会があ
ります(人数限定、有料)。
会場◎STUDIO・TAKA TAKA BOON!(スタジオ・タカタカブーン)
(JR駒込駅より徒歩10分ほど)
※ 会場への行き方は下記をご参照ください。
http://home.interlink.or.jp/~staging/studio/komagomekaranomap.html

チケット:
前売り3,000円

※今回は外部出演の為、駅からの誘導や音声ガイドなどのバリアフリー的配慮はあり
ません。ご容赦下さい。
音声パンフレットのみ作成の予定です。視覚に障害をお持ちの方は、ご予約の際に音
声パンフレット希望』とお申し付け下さい。
※各夜の回終了後の佐々木剛さんを囲む会に出席をご希望の方も、ご予約と併せてお
申し付け下さい。
☆お問い合わせ・ご予約は演劇結社ばっかりばっかり↓↓↓
mail@bakkaribakkari.com
または
09038186424
まで。

 その他、前回公演の様子なども含めて詳しくお知りになりたい方は、下記サイトを
ご参照ください。
http://home.interlink.or.jp/~staging/syborgelegy/top.html

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 18:32  | Permalink

献杯、そして合掌

 今年の初夏は、悲しい別れの連続となりました。

 まず、5月2日、日本の個性派ロックシンガー・忌野清志郎(いまわの きよしろう)さんが、癌性リンパ管症でこの世を去られました。享年58歳。
 80年代前半高校生だった私は、深夜のラジオ放送から流れてきた彼の歌声に度肝を抜かれました。その曲は「雨あがりの夜空に」という、ちょっと危なくちょっと甘く悲しい歌でした。そしてどことなく優しく刺激的な詩と歌声に「何だろう、この人は!?」と思っていると、「ぼくの好きな先生」「パパの歌」などの暖かな曲もあるではありませんか!また、「デイドリーム・ビリーバー」や「イマジン」などの海外
アーティストの歌もとっても楽しく愛情深い味付けにしたりして、常に魅力を発し続けてきたミュージシャンでした。

 次に、5月26日、私が愛して止まぬ小説家栗本薫さんが、膵臓癌のため逝かれました。56歳でした。
 彼女の書かれていた「グインサーガ」は、一人の小説家が自力のみで書いた作品としては、世界最長と言われる物で、実に30年という年月をかけて126巻まで刊行された時点で完結を見ることなく逝かれたのでした。
 詳しくは、アメディア発行の姉妹メルマガ『アメディアレポート』の6月9日号のトピック欄をご参照ください。
 とにかく、多彩な表現者で、心から尊敬できる方でした。

 そして、6月13日、私の相方も含めて多くのプロレスファンを魅了してきた三沢光晴さんが、広島での試合中、不慮の事故で帰らぬ人となってしまいました。享年46歳、あと5日生きていれば、今日6月18日で47歳になるところでした。
 プロレス音痴の私ですが、相方が彼の入場テーマの「スパルタンX」を携帯の着メロにしている程の惚れ込み様であることは知っていたので、もらい泣きしていました。
 彼らをそこまで魅了してきた三沢さんという人がどんな方だったのか、私なりに気になってwikiで調べてみると、試合の様子だけではない、大きな魅力のある人なのだということが伝わってきました。
 義理・人情に厚く、常に真剣な人、まっすぐな人、それでいてやたらと人間臭さのある人物像が浮かび上がってきました。
 困っている人がいれば、仲間のみならず、恩讐を超えて手を差し伸べた人だったといいます。
 「プロレスリングノア」という団体の代表取締役でしたが、その団体の枠を超えて、プロレス界全体を盛り上げようとしておられたし、ノアに所属していたプロレスラーが他の格闘技に転向する際も温かく支えになってあげていたようです。
 エネルギーと技術と多くの人望を抱えたまま、一瞬にして旅立たれてしまったのです。

 こうして、悲しい別れが続く中、私の極身近なところでも別れがありました。
 実は、この欄でもときどき書かせていただいていた宮城の祖母が、6月3日に、病院で叔父、つまり祖母の息子家族に見守られながら静かに息を引き取ったのです。享年満101歳の大往生でした。
 なんと、祖母の死への旅支度は、生前の祖母が数年前に自ら縫っていたという白装束でした。そのことを語ってくれたのは、ここ数十年姑である私の祖母に優しく尽くしてきてくれた義理の叔母でしたが、肩の荷を降ろしてほっとしたであろう彼女こそが、出棺の際、誰よりも号泣していたのでした。それを見ているうちに、その胸中を思ったら、それまで以上に胸が詰まり、祖母と叔母双方への想いが目から溢れて止まらなくなりました。

 片や四十・五十の働き盛りで多くの人に惜しまれながら旅立った人たち、そして片や天寿をまっとうし家族・親類に温かく見送られて旅立った祖母…。人の運命とは、なんと不思議な物なのかと考えさせられた今年の初夏でした。

 ああ、プロレス観戦も大好きだったちょっとおてんばなおばあちゃん、もしかすると今頃、「三沢さん、あんだもこっちさ来たのすか?面白い試合見せてけらいんね。
」なんて話しかけているのかもしれません。
 そんなことを思いながら、改めて亡くなられた皆さんのご冥福を祈って献杯したいと思います。…合掌。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)



視覚障害者の情報文化を紹介するメルマガ「アメディアレポート」

by amedia  at 18:24  | Permalink

みなさんに感動してもらえてうれしいです」

 この言葉は、先日行なわれた「第13回バン・クライバーン国際ピアノコンクール」の優勝者・全盲のピアニスト辻井伸行さんが、優勝の感想を聞かれたときに口にした言葉の一説です。審査員をはじめ、観客となった人々に感動してもらえたことを、本当に素直に喜んで発せられたこの一言の純粋さに、彼の足元にも及ばぬながらも表現者の一人として感動しました。
 もちろん、その言葉だけでなく、各情報番組で少しだけ流される演奏も、技術力といい、表現力といい、十二分に感動できる物でした。

 さて、今回の彼の素晴らしい功績を讃えるマスコミのほとんどが、日本、いやアジアで初の優勝者であるということに加えて、必ず「全盲」であることを強調しています。それに対して、多くの視覚障害者が反発を禁じえない様子で、「なぜ、全盲だということをことさら強調するのか」などとマスコミを批判する声が上がっています。
 でも、果たしてマスコミのこの報道の仕方は間違っていると言い切れるのでしょうか。私はそうは思いません。マスコミの立場としては、これは大きな話題となる要素なのです。
 例えば、日本人初、アジア初である優勝者が、超絶美人だったとしたら、おそらくマスコミは「超美人ピアニスト」という冠をつけて報道するのではないでしょうか。
それに対して「美人なことは、ピアノの実力とは無関係なのに」という批判は、そうは起こらないと思うのです。
 確かにこの例の場合、美人であることはピアノの実力とはまったく関係はありません。それでも批判はほとんど起こらない。
 むしろ、今回の辻井さんのように、全盲であることなら、ピアノの実力を考える上で、少しは関係があることになります。それなのに批判されてしまうのはちょっと残念です。楽譜を読めないハンディはもちろんのこと、単純にいうと、離れた鍵盤へポーンと飛んで着地する奏法など、その感覚を掴むために、普通に目でコントロールするところから始まる人たちの何倍もの熟練を要するのです。単に「才能が豊か」というだけではどうにもならない、努力と工夫の積み重ねがあるのです。もちろん、この辺りの技術的ハンディを補って演奏活動をしている視覚障害者は、辻井さん以外にも大勢いますが、その上に素晴らしい感性と表現力をどっさりトッピングした状態の彼が「全盲である」ということで注目されることにより、他の多くの視覚障害ピアニストの存在にもスポットが当てられていくかもしれないのです。
 そして、そうやって多くの視覚障害ピアニストが世間に認められるようになっていけば、やがて「全盲であること」は特筆するような事柄ではなくなっていくかもしれません。
 でも、残念ながら、今はまだそうなっていないのですから、「大いに知ってもらう時期」だと捕らえて、この報道に甘んじていても、何等問題はないと私は思うのです。こんなこと、ピアノをかじっていたのに自主挫折してしまった私が言っても説得力はないかもしれませんが、私の知っている中にも多くの素晴らしい全盲ピアニストがいて、あちらこちらでコンサートを開いていますし、指導者としての分野でも活躍し
ておられます。こういう皆さんに、もっともっとスポットライトが当たったり、お弟子さんが増えたりしていったら、本当に素敵だと思いませんか?
 これ、実現できないことではないと思います。
 なぜなら、既に日本では、お琴や三味線、琵琶などの和楽器の分野で、何百年という年月の中、視覚障害者の演奏家や作曲家が活躍してきたおかげで、その分野では全盲であることが特筆されることが少なくなっているからです。お正月によく耳にする「春の海」を、「この作曲家の宮城道雄さんって、全盲だったのに凄いねぇ」なんていう言い方をする人はあまりいないようです。

 ということで、マスコミの「全盲強調式報道」、私は大いに歓迎するとまでは言わないものの、あまり批判めいたことを言いたくないと思ったので、今回一言書いてみました。

 最後になりましたが、辻井さん、本当におめでとうございました!これからワールドツアーも予定されているようですが、体に気をつけて、多くの人々に感動を与えてきてください。
 そうそう、私もCDを購入しなければ。皆さんも、こちらのサイトからお求めになってはいかがでしょうか。

http://tinyurl.com/mf3llg

「今日の風、なに色?―全盲で生まれたわが子が「天才少年ピアニスト」と
呼ばれるまで 」
http://tinyurl.com/n2am63


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 18:37  | Permalink

山中湖マラソン完走

          望月優
 先週の日曜日、5月31日に2度目の山中湖マラソンを走ってきました。
私しか伴走したことがないという保険代理店シリーの丸山さんの呼びかけで集まった仲間が30人。その中で、目が見えないのは私一人です。
今回も丸山さんに伴走してもらい、8千人の集団の一番後ろに位置取りしてゆっくりスタートしました。
 しかし、やはりスタート地点は大変な人ごみでなかなか前に進みません。
そうこうしているうちに、私はトイレに行きたくなったので、早くも1キロ過ぎのところでトイレによりました。
 すると、人ごみの集団はみんな先に行ってしまい、非常に走りやすい状態になっていました。
 ここから私と丸山さんのペースで走りましたが、対して早く走っているわけではありませんが、次々と人を追い越していく快感。
一番どん尻に下がったので、追い抜く人しか存在しません。
 道路脇からの応援の声がとても身近に聞こえ、今年はこれらの応援に返事をする余裕があり、11キロ過ぎの子供の応援に対しては、ハイタッチで答えました。
 ところが、1週間前に軽いぎっくり腰を起こしていたので、6キロ過ぎの上り坂とその後の下り坂のときに右の足腰に痛みが走り、ひどくならないよう願いながら走りつづけました。
 結局、平坦なところで痛みは和らぎ、11キロ過ぎの突然の大雨にもへこたれず、何とか13.6キロを1時間50分ぐらいで完走しました。
 今回、初参加の東京中小企業家同友会の仲間二人もばっちり完走しました。

 なお、私は、第2・第4日曜日に代々木公園で行なわれているアキレス・トラッククラブの練習会に参加しています。
 9時半に山手線原宿駅の渋谷よりの出口に集合して練習会に行きます。
 視覚障害者の伴走に興味のある方、そして視覚障害者で走る練習をしたい方、是非どうぞ。

アキレス・トラッククラブ
http://achilles-track-club.hp.infoseek.co.jp/

タックペーパーにも打てる、高品質印字の各種点字プリンタ

by amedia  at 16:52  | Permalink

小田急線での嬉しいふれあい

 ITが確立してきた現在、日常生活の中で「見えたらよかったのにな」と思うシチュエーションはほとんどありません。
 まぁ、宝塚ファンとしては、日ごろ歌や音楽や台詞やステップの音でも十分浸りきっているのですが、やはりきらびやかな舞台を目にしたいと思うことがないわけではありません。とはいえ、自分が舞台に立つことに関しては、もう視覚障害の熟女、もとい、中年おばさんの役に徹しているのでそれなりに満足はしています。
 いずれにしても、今の私にとって視力という物は、「まぁあったら便利だろうね」といった程度の物です。(なんて言ってて、ある日突然見えるようになってたら狂喜乱舞しそうですが(笑))

 そんな私ですが、本当に「この瞬間、見えてたらな」などと思うことが、たまーにあります。
 それは、親切な方に声をかけていただいたときです。乗り物などで座席を譲ってくださろうとする方の様子が、声だけでは図りかねることがあり、本当はとっても疲れているお顔だったらどうしようなどと躊躇することがあるのです。基本的にはありがたく座らせていただくことが増えてきているのですが、やはりとても気になります。また、譲っていただいた後でも、その方が降りていかれるときや、反対に私が降りていくときに、一言お礼を言いたいのに、こちらから確認することができないのは、申し訳なさすぎて、ちょっと辛いと思うのですが、よくよく考えてみたら、自分が晴眼者だったらこんなシチュエーション自体がないんですよね。ある意味凄く矛盾したことなのですが、変に悩んでしまいます。

 昨日こんなことがありました。
 昨日はちょっとした記念日だったので、久々に新宿のデパ地下で美味しい物を沢山買い込み、夕方のラッシュ時に小田急線の急行に一人で乗り込んでいました。
 ぎゅうぎゅう詰めの人の合間に大荷物を持って変なかっこうでやっと立っている状況のとき、マナーモードにし忘れてた携帯が「旦那さんから電話だよーっ!」(着信ボイスです)と叫びだしたのです。恥ずかしいのなんので、必死に携帯を引っ張り出して通話ボタンを押したものの、耳に持っていくのが至難の業!ようやく一言二言会話して切ると、こんどはしまうのにえらく難儀してしまいました。やっとの想いでしまったと思ったとたんに、買い物袋の一つが床に落下!!
 (ひぇーっ!この中には京都の老舗の出汁巻きと鰻巻きが入ってるんだよぉ!誰かに踏まれたら大変だぁ!!)
 気持ちはあせるけれど、かがむにかがめない。
 と、その荷物側に立っていたご婦人が「あらまぁ、大変!拾ってあげましょうね」と言って、なんとその玉子焼きの袋を拾い上げて手渡してくださったのです!本当に嬉しくて、何度も何度もお礼を言いますと、 「だって、あなた杖も持ってらして、大変じゃないの。私は身軽だったから拾って
あげただけなのよ」
 と、優しいお声で言ってくださいました。
 その後、何度かドアの開閉があるうちに、人にもまれ、かなり移動してしまったので、どちらかが降りるときにご挨拶できなくなってしまうんじゃないかと、いつもの気まずい感情がわきあがってきていました。
 でも今回は、嬉しいことに、私と同じく新百合ヶ丘で急行を降りられたのです。しかも、降りるときにも私が難儀していると、「先程の者ですけど、ここで降りられるの?」と声をかけてくださり、一緒に降りてくださったのでした。
 もちろん、改めてお礼を申し上げ、気持ちよく別れを告げることができたのでした。

 込み合った電車の中、私の肩を鞄置き替わりにしたサラリーマンらしき人が不幸になればいいなどとは言いませんが、この親切なご婦人に幸いあれと思った、うれしいひとときでした。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)



気軽に一声かけましょう:目が不自由な方への声かけガイド

by amedia  at 16:11  | Permalink

美容院にて

 いよいよ、朗読会2日前です。お陰様で昼夜共完売いたしました。ありがとうございます!

 さて、本番も間近になったので、稽古に励む傍ら、自己メンテナンスも行ないました。

 まず、これは先月末のことでしたが、背中の真ん中くらいまであった髪を、15センチ程切りました。乱立する美容院の中で、分相応、つまりお財布に優しい美容院でカットしてもらったのですが、全体的にシャギーが入ったカット(髪の毛の裾のラインが綺麗にギザギザになるようなカット)はなかなか素敵に仕上がっているようです

 3年前まで、私の髪型は、ボブカットが基本で、それが長いか短いかという程度にしか変化していませんでした。あまりにも奇抜な髪型にするのは嫌だけれど、少しくらいならおしゃれがしたいと思っていたのですが、旨くアドバイスしてくれる人もいなかったので、まっすぐ切りそろえてふわっと内巻きになるだけのボブカットでそれなりに満足していたのです。
 けれども、現在のパートナーに出会うと、ボブカットが苦手だというのです。それで提案してもらったのが、現在の髪型です。
 また、人一倍髪の毛の分量が多い私は、ただカットしただけでは軽やかさが得られず、カットする度に内側の髪をすいて軽くしてもらっています。

 髪の毛のお手入れはこれで良いとして、前々からよく困っていたのが、眉毛のカットです。私は髪の毛だけでなく、眉毛もすぐにふさふさになるのです。ふさふさというとなんだかかわいらしいイメージに聞こえますが、言い方を変えるとぼうぼう眉ということになり、これはもう、「女性としてはちょっとどうなの?」といった感じになるのです。
 今までは、極たまに、実家の母や、行きつけの化粧品屋さんに頼んで、というより見るに見かねて「切ってあげようか?」と言われてからお願いする感じでカットしてもらうのみでした。
 でも、今回も去年の秋の芝居前に切って以来、もうぼうぼうだったので、髪を切ったときについでにお願いしてみようとしたら、そのお財布に優しい美容院では、「うちは眉カットはやってないんですよね」と断られしゅんとしてました。

 で、先日、「こういうときこそネット検索じゃないか!」と思い立ち、最寄の駅名と「眉カット」で検索してみたら、何軒かヒットしました。いろいろありましたが、家から5分もかからないようなところに最近オープンした美容院が、1050円で眉カットをしてくれるということが判り、今週の月曜日にようやく切に行ってきました。
 ところが、一人で行ったので、「どんな感じにしますか?」の質問に一瞬ひるんでしまう私。イケイケ姉ちゃん風な美容師さんは、しかしとても良い人でした。
 「じゃぁ、優しい感じに整えていきますね。」
 「はい、そんな感じで…」
 あいまいな感じで笑う私でしたが、髪の毛を切ってもらうときと違い、ガチガチに゜緊張してしまい、どんどん肩が凝ってきます。そんな私に、その日のとっても良いお天気についてなど話しかけてくるおねえちゃん美容師さん。イケイケだけど、決しておつむが軽いわけではなく、気づくといつの間にかリラックスさせられて、今週末に朗読会をやるのだという話をしていました。
 「へぇ、どうやって読むんですか?もしかして、点字ですか?」という興味津々のナイスつっこみ(?)!
 そこから始まって、彼女が駅や電車の点字表示について興味を持っていること、道に敷かれている黄色いぽつぽつ(彼女の表現です)は本当に役立っているのかということ、以前にCMで(おそらく公共広告機構の物かと思います)で黄色いポツポツの上に自転車なんかが置いてあって目の不自由な人が困っているのを見てから自分でもそういう自転車が置いてあるとどかしたりしていることなど、いろいろ話してくれました。
 ほんの10分強という短い時間でしたが、その美容師さんのおかげで、顔も心も優しくなれた私でした。
 お会計直後に、持参していたブレイルメモポケットを見せてあげたら、声を挙げて喜んでくれました。

 美容師さんだけではなく、多くの視覚障害者の方が従事している鍼灸按摩マッサージのお仕事も、やはり1対1でお客さん(患者さん?)と接する大変なお仕事ですが、やはり話題を豊富に持っていて、お客さんをリラックスさせてあげられるのは素敵なことだと思います。十羽一絡げで評するのは如何かとは思いますが、“言葉”に生きる視覚障害者にとって、心も体も癒せるお仕事は、やはり向いているお仕事ではないかと思いながら、僅か5分の家路をたどった私でした。


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タックペーパーにも打てる、高品質印字の各種点字プリンタ

by amedia  at 16:38  | Permalink

人の“縁”とは素晴らしい!

 私の所属する「演劇結社ばっかりばっかり」の朗読会も近づいてきて、私の生活はもっぱら稽古と宣伝に明け暮れております。(おかげさまでお昼の回は完売です!)

 そんな中、とても嬉しい出会いがありました。
 mixiの音訳関連のコミュニティに自己紹介を書いたら、それを見てくださった方が何人か私のトップページを訪れてくれました。
 その中のお一人が、アクセスする2日前に、4年前に他界されたお母様の品物を整理していたとき、偶然「幸せを開くカギ」のシングルCDを見つけたというのです。じつはこれ、私が19年前に作詞・作曲して歌った、日本点字百周年記念のイメージソングで、昔懐かしい細長い紙ジャケット入りの小さいCDなのです。
 そしてやり取りするうちに、この方のお母様は、私が90年代前半にお世話になっていた音訳グループのお仲間の方だったということが明らかになりました。お母様は80年代にそのグループで活躍され、十数年にわたる闘病生活の末、4年前に亡くなられたそうなので、私は直接お会いしてはいなかったのですが、どうやらそのグループの方がお見舞いとして私のCDを差し上げたということらしいのです。
 私は、心臓が飛び上がるほどどきどきと興奮しました。その品をずっと大事にしていてくださったのでしょう。幾分でも病床のご苦労を癒すツールになっていたのかもしれません。
 そして、私と同い年だというこの方は、お母様が亡くなられた後、自然にお母様の意志を継がれ、3年前から音訳者として活動されているというのです。何か、涙が出るようなお話だとは思いませんか?
 この方とはさっそくマイミクシイとして登録し合い、仲良しになりました。
 ところが、ご縁はそれだけではなかったのです。
 この方は、気になった新聞・雑誌の切抜きをコレクションしているそうなのですが、私とのマイミク登録の2日後、こんどはそのコレクションした物を整理しようと眺めていて、なんと私が代表を務める「バリアフリー読書サークル YAクラブ」の事務局長がインタビューされている雑誌の切抜きを見つけたというのです!もちろん、私は、mixiのプロフィールにYAクラブのことを書いていたので、またまたその偶然
にびっくりなさったというのです。
 ここまで偶然が重なると、もう私と彼女は赤い糸で結ばれていたんじゃないかと考えたくなってきます。「縁は異な物、味な物」とはよく言ったものですね。

 その彼女が、朗読会にご来場くださるというので、私はお会いできるのをとても楽しみにしているところです。しかも、お母様の後を継がれて音訳を始めた彼女は、私がとてもお世話になっていた、アメディアとも浅からぬえにしのある、音訳者でフリーのアナウンサーでもある方と、一緒にいらっしゃるというのです。
 初めての人との出合い、そして懐かしい人との再会…おそらく、終演後の朗読会場は、かなりにぎやかなことになりそうです。


 さて、降って湧いたような偶然がもたらすえにしも素晴らしいのですが、大事にしていきたい“縁”という物もあります。
 じつは、本誌291号(4月9日発行)のこの欄で、こんど朗読することになった作品の著者・佐川芳枝さんがおかみさんをやっておられる「名登利寿司」をご紹介しましたが、先日、ご挨拶かたがたチラシを持って再訪しました。
 もちろんおかみさんは覚えていてくださったのみならず、嬉しいニュースを持っていてくださいました。
 なんと、私が書いた記事を読んだ神奈川県の視覚障害者のご夫婦が、「わざわざ食べにきてくださった」のだそうです。しかも、私の書いた文章をプリントアウトして行かれたそうで、それを見たおかみさんは本当に嬉しかったと言ってくださいました

 私の文章を読んで出向いてくださったというそのご夫婦と、それを覚えていて伝えてくださったおかみさんに、心から感謝しました。
 これも大切にしたい“ご縁”なのです。

 最後になりましたが、まだ朗読会の夜の部にはかなり余裕がございますので、改めて詳細を貼り付けておきます。ご予約お待ちしております!!
 素敵な“ご縁”を結びましょう。

演劇結社ばっかりばっかり 第4回公演 
「朗読ディナー~昼の部あり~(食事なし)」
日時  2009年5月23日(土)
    昼13時~(完売)、夜17時~(お待ちしてます!)
場所  ギャラリー・ハセガワ(東京都渋谷区神宮前1-19-5)
     ※JR山手線「原宿」駅竹下口から徒歩2分
出演  石津正幸、大河内聡之、こんやゆうこ、美月めぐみ、鈴木大輔
料金  1,000円(完全予約制)
【申し込み方法】
 お申し込み・お問い合わせは、メールか電話でお願いします。
 なお、お申し込みの際、お名前、人数をお知らせ下さい。(夜の部のみ受け付け中)
 また、障害をお持ちの方で原宿駅からの誘導をご希望の方は、その旨お知らせ下さい。
定員  各回30名。
締切  先着順でお受けして、定員になり次第締め切らせていただきます。
Email  
mail@bakkaribakkari.com
TEL   090-3818-6424(代表)
※ 純益の一部は、前回公演「トイメン」の会場での募金と合わせて、東京盲ろう者友の会に寄付いたします。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)



ゲーム感覚で自然に点字が身につく点字学習ソフト・ろくてん満天

by amedia  at 18:20  | Permalink

エレベータの恐怖

 アクティブに一人歩きするようになった10代半ば頃からよく観る悪夢があります。

 それは、見知らぬホテルだったり、大きなビルだったりするのですが、その建物のエレベータに乗った私が、行き先ボタンを確認できずにいるうちに箱が動き出し、何回だかわからないところに止まってドアが開き、降りてみても周りの様子がさっぱりわからないというものです。これを何度も繰り返し、途方に暮れているうちに、箱の動く速度がどんどん速くなっていったりするのです。
 想像してみてください、その怖さ…!
 いや、速度が速くなるのは誰にとっても怖いことだろうけれども、高層階の見知らぬフロアに、何の手がかりもなく降り立つ恐怖は、しかし視覚障害者にとっては笑い事で済まされない、現実にもありかねない恐怖なのです。

 現実の世界でいうと、若いうちは4階5階ぐらいまでなら、その恐怖を避けるために階段を使ったりもできましたが、やはり高層階にいくときは無理でしたし、最近では少し膝が悪くて(はい、重みのせいです、ごめんなさい)、低層階への移動でも、ついついエレベータを利用するのですが、自動音声案内が付いていないエレベータにはいつでも大変スリリングな想いをさせられます。

 とはいうものの、現実の世界は、ありがたいことにここ数年でかなりユニバーサルデザイン化され、駅やホールなどの公共の建物を初めとするエレベータには、自動音声案内や点字表示が充実してきていますので、大変助かっています。
 でも、どうせ音声案内を付けるなら、より判りやすい物をつけてほしいというのが人情です。というか、安全性や利便性を考えても、より適切にすべきなのに、ちゃんと一人歩きしている視覚障害者にリサーチしたのだろうかと思うことが多々あります。

 まず、最近車椅子の人たちがバックで出なくても住むように、通り抜け式になった優れもののエレベータが増えているのですが、この場合のメッセージです。
 一番適切に感じたのが、「このエレベータは、乗ったほうと反対側のドアが開きます」という物でした。これは本当に完璧です。
 次に、これに近いくらい良い物としては「奥側の扉が開きます」という物があります。
 困ってしまうのは、「こちら側のドアが開きます」という物です。いちおう、両方のドアのところにそれぞれスピーカーがついているのですが、音の出どころが明確には判らないことがあるのです。人間の耳は、どうやら左右の定位は判別できても、前後に対しては鈍いようです。
 さらにやっかいなのは、ホームと改札を行ったり来たりするだけでなく、全部で3フロアにまたがって移動するタイプの物です。下では入り口A、真ん中では入り口B、上ではまたAというように。これはもう、「こちらのドア」方式しかありません。
 ここまで読んでこられた方の中には、「そんなのドアが開けば判るからいいじゃないか」と言われる方もおられるのではないでしょうか。でも、開く前に判っていればスムーズに行動でき、同乗者の人たちに迷惑をかけずに済むのです。

 もう一つ、音声案内で大事だと思うのは、タイミングです。
 私は、一般のデパートなどのエレベータガールさん方式で、まずは乗っている人に対して、それから乗ろうとする人に対してという優先順位でアナウンスするべきではないかと思います。
 具体的にいうと、ドアが開く瞬間に、そのフロアが何階なのかなどの情報、その後、ドアが開ききったあたりで、そのエレベータの行き先を告げるという順番が望ましいと思います。
 ところが、都営地下鉄三田線の三田駅では、ドアが開いた瞬間に行き先を案内し、動き始めたときに次の到着フロアを告げるのです。
 慣れないうちは、ドアが開いた瞬間に「地下1階、三田線改札口」という言葉が耳に飛び込んできて、「え?さっき乗り込んだところじゃーん!」と驚き、ドア口付近で下りて良いのか箱に戻るべきかとまどい、他の方に舌打ちされたりもしました。
 しかも、このアナウンスのタイミングが、場所によってまちまちなので、さらにとまどうことになるわけです。

 もう、私がよく観る悪夢のような状況になることはかなり少なくなってきているにせよ、音声案内の言葉の選び方やタイミングなどについては、もっと一人歩きをしている視覚障害当事者にリサーチして決めていってほしいと思うのでした。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 18:21  | Permalink

泣き虫めーたんのディズニー・レポート(長文)


(美月めぐみ)

 前号のコラムには、MLや個人メールなども含めて何人かの方から感想をお寄せいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
 そのご感想を読ませていただいて、改めてディズニーの魅力を知ることができました。やはり、他のテーマパークとは一線を隔しているようですね。

 そして、お約束どおり、こんどは身を持って体験してきました!そう、予定通り、ランドではなく、シーのほうに行ってきたのです。
 私は、どうも涙腺が緩いようで、今回も、本気でお客さんを楽しませようとしている人々の温かさに触れて、最初から涙ぐむことしばしといった状態でした。

 まずは、JR京葉線の舞浜駅の傍から出ている「ディズニーリゾートライン」というモノレールに乗り込むと、もう明るいディズニーの音楽が流れ、アニメ声の女性のアナウンスが流れています。つり革と窓枠が、大きな丸い耳のミッキーの顔の輪郭になっています!これだけのことと思われる方もいらっしゃると思いますが、このつり革などに触れながら、既に私の頬っぺたにはつうーっと流れる物がありました。

 ディズニーシーステーションで降りて、シーのゲートに向かう道の途中には、ドナルドダックの大きな像が立っているので、まずこれをチェック。少し高いところにあったので下半身しか手が届かなかったのですが、気分を盛り上げるには十分です。

 メインエントランスの広場に入ると、既に着ぐるみ(きぐるみ)に身を包んだキャラクターたちが、元気に私たちを迎えてくれています。
 私は、背の高いグーフィーにハグされ、肩に手を回されての記念撮影でもうどきどきです!
 さらに、次に出会ったリスのキャラクター「チップとデール」のデールは、着ぐるみキャラクターの掟に従い口こそ利かなかったものの、私の手を取り、自分の特徴である大きな丸い鼻や耳や目、そしてもう一つの特徴である前歯にも触らせてくれて、近くにいたスタッフを手で呼んでくれ、説明をしゃべらせて、自分がデールであることやその特徴を一所懸命伝えてくれました。いよいよ写真を撮ろうと思ったら、さら
に尻尾をふりふりしながらそのしっぽにも触らせてくれました。
 見える人には一目瞭然で判ることを、見えない私に必死で伝えようとしてくれていたのです。もう大感動で、写真に涙が写らないようにやっとの想いでこらえていました。

 涙を拭いながら向かったインフォメーションでは、シーの全体図と各エリア別の触地図とその説明の点字パンフが一つづりになっている物とディズニーランドとシーのいろいろな説明が聞けるCDパンフをいただきました。
 また、代表的なキャラクター数体分のリアルな形のしゃべる人形(それぞれの台座には点字で名前が書かれていました!)や、各アトラクションの構造や乗り込む物の形がわかる精巧な模型にも触らせてくれました。
 そして、各エリアや建物やトイレの情報が聞ける音声ガイドシステムをお借りして、園内を散策することとなりました。(このシステムは、千円の保証金がかかりますが、返却の際にバックしてもらえるものです)
 このシステムは、残念ながら大雑把過ぎるようですので、アナウンスする内容も込みでまだまだ改善の余地がありそうです。

 予めネットで調べてめぼしをつけておいたアトラクションに、次から次へとチャレンジしていきましたが、どのアトラクションのスタッフの方もとても親切で、どんなアトラクションでどんな動きをするものなのか、乗り込む物に到達する前には階段やスロープがどの程度続くかなどを詳しく説明してくださって、いやみなど微塵もない雰囲気でさりげなく「大丈夫ですか」と気遣ってくれていたのが、とても暖かな気持ちにさせてくれました。また、ところどころのアトラクションでは、インフォメーションにあったような模型を用意していてくださり、じっくりと確認させてくれていたのも嬉しい配慮でした。
 また、アトラクションから出ていく通路も、歩きやすいところやエレベータなどに案内してくれるなどの安全確保もとてもありがたかったです。

 この日は、新しいパレードが始まるより前の日だったこと、ランドの方には『モンスターズインク』の新しいアトラクションができてそちらにお客が流れていたこと、そして雨降りだったことが重なり、どのアトラクションもまったく待つことなく、すいすい乗れたので、途中休みをいれながらも、8時間めいっぱい遊ぶことができました。

 「タワーオブテラー」「レイジングスピリッツ」やインディジョーンズのアトラクションなど、スリリングな物はいろいろあって、どれもこれも印象深いものでしたが、私が特に印象に残った物は、次の三つでした。
 「シンドバッド・ストーリーブック・ボヤッジ」というアトラクションは、スピードはありませんが、ミュージカル仕立てになっているコースをゆったりとボートで進んでいく物で、とにかく音楽と歌が素晴らしく、その周りの様子とぴったり合致しているのが物凄く伝わってきて、またまた泣いてしまいました。
 「センター・オブ・ジ・アース」は、地底装甲車で、火山の地価を探検しているうちに大噴火が起こり、あっというまに地底から飛び出し山頂に駆け上がり駆け下りるというど迫力のアトラクションでした。
 そしてもう一つ、「ストームライダー」ですが、これは、その技術力の素晴らしさに感動して、また泣いてしまった物です。昔、後楽園遊園地にもシアター型の座席が傾いたりして、映像に合わせて体感するアトラクションがありましたが、この「ストームライダー」はその類の、もっともっと技術が発達した物のようでした。
 気象を研究しているチームが、嵐の中心を通る実験をするという想定のドラマがあって、そこから飛行機に乗って飛び立っていくということになってるのですが、無謀なキャプテンの行動でその飛行機がむちゃくちゃにアップダウンするのがストーリーと映像と体感とがあいまって伝わってくるのです。究極のバーチャルリアリティを体感できるのです!見えていなくても、離陸する感じ、飛んでいる感じ、着水する感じなどが、ものすごくリアルに伝わってくるのですが、その部屋は実際にはそこにあるままなのです。
 こういうことに対して、人を楽しませるために本気で取り組んできた人々のことを考えると、その想いの熱さに、涙を止めることができなくなっていたのです。

 ディズニーは、どんなに末端のアルバイトの売り子さんに至るまで、組織が一丸となって、人々を楽しませようとしているのです。
 私はディズニーの回し者ではありませんが、本当に素晴らしいと思いました。
 そして、その素晴らしさをより多く受け取るためには、やっぱり見える人に同行してもらって、一緒に楽しみながら、いろいろ説明してもらい、受け取る側としても、一所懸命楽しもうとするべきだとも感じました。

 よく、「ディズニーは恋人が別れる縁切り遊園地だ」などというデマが語られますが、こここそ、みんなで楽しく仲良く過ごせる、「縁結び遊園地」だと私は言いたいです。
 そして、最初のほうで書きましたが、音声ガイドシステムなど、改善してほしい点を、モニターになったつもりで会社側に伝えていって、より楽しめるような提案もしていけたらいいなと思いました。もちろん、視覚障害者だけのわがままにならないようにちゃんと考えて吟味しながらね。(^_^)

 日ごろの運動不足がたたって、翌日はふくらはぎがパンパンでしたが、本当に良い体験ができました。
 あ、ディズニーシーの水路の水かさが増していたら、きっと雨だけじゃなく、私の嬉し涙も混ざっていたかもしれませんよ。

※ タイトルの「めーたん」とは、私・美月のニックネームです。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 18:37  | Permalink

素敵なお寿司屋さんと朗読会のお話

 桜も満開を過ぎて、いよいよ春真っ盛りですね!
 私の所属する「演劇結社ばっかりばっかり」も、もう恒例となった春の朗読会に向けて、稽古真っ盛りです。

 さて、二月ほど前に、素敵なお寿司屋さんに行ってきたので、そのお話をしましょう。
 それは、東京は東中野にある「名登利寿司(なとりずし)」という小さなお店です。ご夫婦お二人だけで切り盛りしてらっしゃるお店ですが、この奥様・佐川芳枝さんという方が大変に文才のある方なのです。お寿司屋さんの女将さんとして日々経験したことや感じたこと、そして旬のお寿司の美味しそうなお話をエッセイとしてたくさん書いて出版しておられるのです。
 私も全てを読んだわけではないのですが、中の1冊を読ませていただいただけでも、お寿司が、とりわけこのお店のお寿司が食べたくてたまらなくなります。
 最初、ラジオか何かで紹介されていて、音訳されたのを聞いたのがもう10年くらい前だったでしょうか。そのときは「お寿司って奥が深いな」とか「そのうち食べにいきたいな」で済んでしまったのです
 ところが、元々寿司好きだった私は、1年ほど前から、それに輪をかけて「マイブームはお寿司よ」という状態になっていました。でも、もちろんお財布の都合があるので、どうしても回転寿司レベルに留まってしまいます。そんなおり、ふと思い出して、また佐川さんのエッセイを読みたくなり、ネットで点訳データを検索してみたら、10冊ほどヒットしました!
 夢中で読んでいるうちに、もう矢も盾もたまらなくなり、相方に頼んで、誕生日にこの「名登利寿司」に連れていってもらうことにしてしまったのです。(実際には、その日は予約が一杯だったので、3日遅れになったのですが)

 JRの東中野からも、東京メトロ東西線の落合からも程近いところにあるこのお店に行ってみると、本当に小ぢんまりとしたお店でした。
 しかし、外まで出迎えてくれた芳枝さんは、本当に優しくて品のいい明るさを持ったご婦人でしたし、旦那さんである親方も、感じの良さと気風(きっぷ)の良さを併せ持った好人物でした。
 そして!!もちろん、味は最高!!!3000円で「お任せ」で握っていただいた中には、私が初めて食べるホウボウの昆布締めなど、江戸前の仕事をきっちりしてある種もあり、これだけでも満足だったのですが、せっかくだからということで、お好みで車えび・煮アナゴ・ウニを握っていただきました。
 どれもこれも美味しかったのですが、嬉しかったのが親方のご配慮です。晴眼者の相方には、全て付け台の上に並べていってましたが、私に対しては、煮アナゴなど、崩れやすいお寿司は、わざわざ小皿に取って、「このほうが食べやすいでしょ」とおっしゃって、手元に置いてくださったりなさるのです。
 初めて訪れた客である私に、こんなに丁寧に親切にしてくださったことへの感謝と、そして赤ウニを、軍艦ではなく岩塩を載せて握ってくれたお寿司の、夢のような美味しさの記憶を胸に、家路に着いたのでした。

 実は、この訪問の折り、佐川婦人にお願いして、エッセイを朗読会で読ませていただくことをお許しいただいてきました。
 実際に、ブレイルメモポケットに彼女のエッセイを入れて持っていき、冒頭部分を少し朗読させていただいたのですが、とても喜んでくださったのです。
 ということで、今着々と稽古に励んでいるばっかりばっかりの朗読会では、この佐川芳枝さんのエッセイを読ませていただきます。

 他にも、思わず吹き出してしまいそうな作品、胸がキュンと鳴るような作品など、いろいろなお料理(?)を並べてみますので、皆さん、またどうぞ足をお運びくださいませ。

演劇結社ばっかりばっかり 第4回公演 「朗読ディナー ~昼の部あり~(食事なし)」
日時  5月23日土曜日、昼の部13時から、夜の部17時から。
場所  「ギャラリーハセガワ」
交通  JR山手線「原宿」駅竹下口より徒歩2分以内。(ご希望により、原宿駅か
らの誘導をいたします)
入場料 千円
お問い合わせ・お申し込みは、以下のアドレスへどうぞ。
mail@bakkaribakkari.com
出演者 石津正幸、大河内聡之、こんやゆうこ、美月めぐみ、鈴木大輔


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)



デイジーもあり~視覚障害者のスキルアップに役立つ各種録音図書

by amedia  at 18:22  | Permalink

仲良し飴

 冬から春に移るこの季節、花粉症や気管支炎など、様々なアレルギー症状でお悩みの方が多いようです。
 私は、花粉症はないのですが、毎年気管支炎に悩まされます。ようやくあまり咳も出なくなって落ち着いてきましたが、屋内・屋外の空気の違いや気温の違いで、突発的に咳の嵐が襲ってきたりするのです。これはもう、芝居やコンサートなどの客席にいるときには、手のつけようがありません。
 この花粉症や咳などのアレルギー症状を緩和してくれる物の一つが、各種の飴たちです。いま、スーパーやコンビニに行くと、様々な種類の飴が売られています。特に、喉飴の種類は多く、何を買ったら良いのか迷ってしまいます。
 花粉症の方向けのスースーする飴は、私にはミントがきつすぎて不向きだし、ノンシュガーのキシリトール系の飴は何個か舐めているうちにお腹の調子が悪くなってきます。
 意外なことに、薬用効果のまったくなさそうなチューレットキャンディーである森永ハイチュウが、口解けの良さが決め手になるのか、最も即効性があることに、今年になってから気づきました。ということで、最近咳き込んでは困る舞台を観に行くときには、なるべくハイチュウを持っていくようにしています。

 さて、これがなぜ福祉コラムになるのか、疑問に思われている方も多いことでしょう。大丈夫です。ちゃんとつながります。

 それは今月頭のことでした。その日は3月とは思えないようなかなり寒い雨催い(あまもよい)の日で、強風も吹きまくっていました。電車の本数の極端に少ない駅の夜の時間帯、私はパートナーと一緒にいました。事情があって半日以上タバコから切り離されていた彼はホームの喫煙コーナーで一服したがっていたのですが、体調の加減で私が嫌がったため、ちょっと気まずい状態になりました。「一人でいってらっしゃいよ」「いや、もう時間まないからいい」「じゃぁ、ハイチュウあげる」「要らない」ちょっとすねてしまったような声を聞いていたらせつなくなってしまい、とっさに出た言葉が「ハイチュウは仲良し飴なのに」という言葉でした。この時持っていたハイチュウは、4種類入っている袋入りのキャンディーだったので、「これは何味?」という会話をしながら食べると楽しいのです。もちろん、嫌いな味のが入っている
わけではないので食べてみれば何味かわかるのですが、袋から適当に取り出したのが何味なのかを見てもらったりしていると、だんだん楽しくなってくるんじゃないかと思ったのです。本当に険悪な仲であれば、ただうっとうしいだけになってかえってマイナスになると思うのですが、やはりこの「仲良し飴なのに」の一言は功を奏したようで、ついに彼のすねすねモードも解けて、ハイチュウは小さな予言どおり仲良し飴となったのでした。

 飴は、目的によってもいろいろ選ぶことになりますが、お友達同士で半分楽しみとして舐めるなら、ハイチュウに限らず、いろんな味の物が混在する飴でわいわい交換し合うのはきっと楽しいはずです。

 逆に、全盲の私が自力で何味か判ったら、一人で舐めていても楽しいかもしれないと思い、先日久しぶりに缶入りのサクマのドロップスを買ってみました。これには、いろんな味のドロップが入っているだけでなく、形も様々なので、もしかしたら形で味の違いが分るようになっていないかと思ったのです。
 でも、残念ながら、その法則性はないようでした。
 缶の中に入っている状態では、誰にも見えていませんが、缶からコロコロと手のひらに振り出したドロップが、色だけで「あ、ハッカだ」とか「お、オレンジだ!」などと分るのは、ちょっと楽しいことです。これが、出てきた形を瞬間的に触って分るようになっていたら、全盲の人も、色覚障害の人も、同じように楽しい気持ちになれるのではないかと思ったのですが、やはり、それぞれの色が様々な形をしているほうが、一般的には芸術的で楽しいということなのでしょうか。

 以前、ピーチ、マスカット、桜、さくらんぼの4種類が入った袋入りキャンディーを買ったことがあったのですが、この中の桜の飴というのが、桜の花の形をしていました。このように、別な形の型を使えば、それぞれの味の元になっているフルーツの形の飴を作り、それを詰め合わせれば、もしかするとユニバーサルデザインキャンディーができるのではないかと思ったものです。
 上に書いたドロップスでは、直接ドロップ本体に触ってしまうのでむりですが、個包装になっていれば、暗いところで見える人に好きな飴を選んであげられるかもしれません。

 ほんのちょっとの楽しみ合いなのですが、私の造語である「仲良し飴」を、さらに形を工夫することによって、「UD版仲良し飴」にしてくれる製菓会社がどこかにないものでしょうか。
 そんな甘ーい夢を見ている美月なのでした。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)



安定感のあるデイジー読書機プレクストークPTN1

by amedia  at 16:53  | Permalink

点字も墨字も相手を気遣って

 視覚障害者関連の用語ですが、点字に対して、一般的な文字のことを「墨字(すみじ)」といいます。これは、書道として書かれた墨を使った文字ということではなく、鉛筆・ボールペン・万年筆で手書きされた文字も一般の活字もパソコンからプリントアウトした文字も含めた全ての目で読む文字の総称です。おそらく、日本に点字が入ってきたのが明治時代で、その頃一般の文字は墨で書かれるのが普通だったからそう呼ばれるようになったのではないかと推察しています。

 さて、弱視の人を含めた多くの墨字ユーザーの中には、個人の資質や性格によって、綺麗に手書きできる人と、そうでもない人がいます。ただ、どんなに悪筆な人でも、小さい頃から「丁寧に」とか「綺麗に」とか「読みやすく」と耳にタコができるくらい言われて練習してきているはずです。しかも、小中学校で学んだ全ての漢字を使いこなせる人はそうはいないにせよ、この9年間、書き取りの授業をみっちりやって
、そうとうな数の漢字を覚えて読み書きできるようになっているのです。
 そして、大人も子供も、自分のためのメモ書きは自分さえ判ればいいという程度に適当に書き、人の目に触れる文章では恥ずかしくないよう丁寧に書く、といった使い分けをしています。じつは、私は「恥ずかしくないように」というより、「人が読みやすいように思いやって」といった教育をしてほしいと思っているのですが。
 いずれにせよ、小さい頃から、「書く」という一点において、これだけ時間と気を遣ってきているのです。

 いっぽう、小さい頃から目が不自由な場合、その分点字を学ぶわけです。通常の点字の場合、日本語を表記するに当たっては、1種類のカナ文字に相当する物を覚えればどんな文章でも読み書きできます。つまり、6点漢字や8点式漢点字といった特別に開発されたシステムを除いて、通常の点字には漢字という物がないのです。ですから、学習障害との二重障害でなければ、小学部1年生のうちに、一通りの読み書きをマスターすることになります。
 ただし盲学校では、弱視の子たちが漢字の書き取りをしている間、ただぼーっとしているわけではなく、学習能力を高めるために、点字の速度撃ちや聞き書き、左手で点字を読みながら右手でそれを書き写す「転写」の訓練を行なっています。…少なくとも、1970年代前半に私の通っていた福島県立平(たいら)盲学校の場合はそうでした。

 こうして、シンプルに覚えられる点字ではありますが、それにも読みやすい点字と読みにくい点字があります。まず、点字は出っ張っているかどうかで判断する文字なので、中途半端な出方の点字や穴が空いて虫食いみたいになった点字は非常に読みにくいのです。しかも、1点でも違えば、ただ汚いというだけでは済まされず、別な字になってしまう恐ろしさがあります。例えばお料理の本で、「にんじん」と書くはずが、1点だけ違ってしまい、「にんげんを みじんぎりに して ください」などという風になり、料理本が一転恐ろしい殺人マニュアルになってしまうわけです。この場合、「し」は、1・2・5・6の点ですが、「け」は1・2・4・6の点で、ほんとうに1点ずれただけなのです。
 さらに、カナの羅列は読みにくいので、一定の分かち書きのルールを設け、読みやすいように工夫されているので、本当はこれもマスターしなければなりません。 ということで、点字ユーザーも「丁寧に書かなければならない」という意識を持っていなければならないのです。

 ところが、この意識は、墨字の本を点字に訳す「点訳者」にのみ多く求められ、肝心の点字ユーザー側はかなりいい加減な人が多いのが現状です。
 分かち書きや表記の仕方がしょっちゅう変動している中で、それを完全にマスターすることは難しいとは思いますが、人に読まれる文章はなるべく丁寧に書こうとする気持ちは、視覚障害者ももっと持っているべきなのです。「表記やルールの変動」ということでは、実は墨字の社会も「国語審議会」等の決め事で、やはり年々変動しているのですから、点字だけが特別なわけではありません。
 ただし、そこまで完全にルールを遵守するのでは常に勉強し続けなければならないので、とりあえず、読みやすくさえあれば良いのではないかと考えています。こう書くと「何を当たり前のことを書いてるのか」と思われそうですが、その当たり前のことをおろそかにしている人を多く見かけるのです。文節分かち書きが、「過去のどんなルールにもあった例がない」ような物だったり、あっちこっち書き損ねてつぶしたらしいけれど中途半端な出方になっていて判読の難しい点字だったり。
 しかも、図書館などでは、「ご用件は墨字の書かれていない紙をお使いください」
と行っているにも関わらず、チラシなどに平気で点字を打って送ってくるケースも多々あると聞いています。まぁ確かにエコロジー的な視点では悪くないかもしれませんが、読む相手に対する思いやりを欠く行為であることは否めません。

 この意識が(いや無意識というべきでしょうか)、パソコンによる文字入力にも現れているケースも見られます。
 よく見かけるのは、固有名詞の表記ミスです。先日も、mixi内の日記のコメントで、「黒はんぺん」の話題に対するコメントで「くろはんてん」と書いている視覚障害の方を見かけました。気を遣っているのか、誰からも指摘はなかったのですが、ちょっとの注意で避けられるミスだなと思い、なんだか少し悲しくなりました。
 また、多くの視覚障害者が集うメーリングリストで、物凄い当て字になっている文章をアップしてくる人もいます。その中のお一人が、「めんどうだから、全部入力してから一括変換しているのだ」と書いておられるのを見たときも、本当に悲しく思いました。

 点字にせよ墨字にせよ、そして目が見えるにせよ見えないにせよ、読んでいる人の立場に立って、読みやすい文字=丁寧な書き方を心がけていきたいものです。

by amedia  at 15:44  | Permalink

差別的表現の良し悪し

 差別につながる言葉を「放送禁止用語」として扱い、そういった表現を避けようという動きが始まってから久しいのですが、この考え方、賛否両論いろいろあるようです。
 この動きそのものは、私も大事なことだとは思っています。しかし、この動きを起こした人たちの中には、行き過ぎだろうと思う程に「言葉狩り」をする向きもあるようです。その結果、既に名作として知られている映画やテレビドラマの中の言葉までほじくり出し、その部分を無音にするため、つじつまが合わなくなったり、わかりにくくなったりすることが多々あります。
 その一方、無頓着なくせに妙にエリート気取りの若手脚本化が作り上げる小劇場系の舞台の中では、古式ゆかしき表現をしたいのか何なのかわかりませんが、この現代にはあり得ないような差別語を平気で使っていたりするケースも見られます。

 私はこう考えます。
 言葉は、それぞれの時代の象徴ですから、昔の作品まで穿り出して論い、「これは差別語だからカットしろ」というのは、理不尽だし、作品そのものを損ねる行為だと思うのです。特に、時代劇などにこのケースは多く見られます。むしろ、そんなふうに表現されてきた歴史もあるのだということを、忘れないようにするためにも、消さずに残しておくべきだと思います。
 最近、一つ良いケースの時代劇があって、「このドラマ中には、一部現代では不適切と思われる表現が含まれていますが、当時の作品のまま再現しますのでご了承ください。」といった内容のテロップが出ていたそうです。しかし、これはさべつを受ける側にある視覚障害者には伝わらないことなので、テロップと同時に音声でも挿入してもらえるとより良くなると思います。

 私は先天性の視覚障害者ですので、かれこれ45年ほど盲人をやっている、いわゆる「ベテラン盲人」ですから、もう何を言われても深く傷つくことはありませんが、やはり「メクラ」などと言われるとさすがに良い気持ちはしません。ですから、そういった言葉を使わないようにしてもらうことは、歓迎すべき動きだとは思っているのです。
だから、これから生み出されていく作品に関しては、きっちり表現を検討して使ってほしいとは思っているのです。
 そんな中、先日、知り合いの役者が出ているコントを観にいったら、上にも述べたように、無頓着に差別表現を使っていて、ひやりとしました。もちろん私自信もあまり良い気持ちではなかったけれど、他に障害を持っている観客がいたら、どんな気持ちになるのだろうと思ったからです。このコントを書いていたのは、どうやら私より少し下の世代の女性だったようなのですが、おそらく昭和初期の小説なども読むようなエリートさんなのではないかと推察しました。その頃の小説には往々にして差別語が使われているのです。また、言葉としてだけでなく、異様に手の長い女というのを出してきて、それをネタにして面白おかしく表現していたのも、なんだか居心地の悪い感じがしました。せっかく全体的には面白いコント作品だったのに、なんだか後味の悪い舞台になっていました。

 また、最近、私の大好きな「ハリー・ポッター・シリーズ」を書いたイギリスの作家・J.K.ローリングさんが発表した「吟遊詩人ビードルの物語」の中に、ちょっとひっかかる表現が出てきて、これまたとても面白い作品なのに、嫌な感じを持ったところがありました。
 一つは、ある怪物の描写として「盲目的に獰猛な」と表していたところ。もう一つは、ホグワーツ魔法魔術学校の問題教師が角が取れて穏やかになってきたという話のところで「手足が1本と半分しかないのでは大人しくならざるを得なかった」というような、面白さを演出するためだけとしか思えない蛇足分があったことです。後者に関しては、私もうっかり吹き出してしまったのですが、これはもしかして、肢体不自由の人が読んだら、ちょっと嫌な気持ちになるんじゃないかしらと、胸がキュッとしました。
 ローリングさんも私と同世代の人だし、翻訳者の松岡さんも言葉に敏感な人だと思うのにと、ちょっと寂しく思いました。
 原文でどう書かれているのか、訳す段階で何かできなかったのかと考えていたら、今朝はちょっと寝不足気味になってしまいました。

 「過去をありのままに認めながら反省し、今後を変えて(改善して)行く。」そんな考え方が私は好きなのですが、皆さんはどう思われますか?


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 18:21  | Permalink

食品サンプルとおままごと

 「百聞は一触にしかず」の話の続きみたいになります。

 先日、デリバリーのお寿司屋さんに行ったら、【ご自由にお持ち帰りください】と書かれた食品サンプルがあったとかで、うちの合方が『蟹イクラ丼』『甘エビイカ丼』と『煮帆立のにぎり』のサンプルを持って帰ってきました。 容器はまさにデリバリー用の発泡スチロールっぽい物でしたが、蓋はなし。恐る恐る触ってみると、何時間も置きっぱなしにして乾いちゃったみたいな感触の蟹とイクラがどっさり載ったご飯です。イクラは、本当にちょっとベタベタした感触なのに、離した指はさらりとしていて何も付いていないのです。要するに、触った感じも、見た感じ同様、かなり本物に近いイメージですが、明らかに作り物なのです。 でも、にぎり寿司とは違って、普段丼物には触らない(触れない?)ので、全体のレイアウトを直接的に把握できるこのサンプルは実に楽しいのです。そして、自分で盛り付けをするときの参考にもなります。
 そういえば、ここ数年のアメディアフェアのときには、甲斐商店の甲斐さんが、様々な食品サンプルを展示してくださって、私たち視覚障害者の人に自由に触らせてくださっていますが、やはり人気がある企画の一つになっているようです。

 ところで、先天性の視覚障害者の中には、お魚料理が苦手な人が多いようです。皆、お刺身は大好きなのに、特に焼き魚になると、嫌な顔をします。
 それは、骨が邪魔で食べにくいというのが最大の原因になっているようなのです。
 斯く言う私も、本当はお魚が大好きなのに、人前できれいに食べられないからという理由で、嫌いなふりをしていた時期がありました。
 でも、これってそうとうつまらない理由だと思うのです。お魚はとても美味しいし、体にも良いのです。だから、なんとかして、素直に食べたいものです。
 それには、まずそれぞれの魚の特徴を知る必要があります。比較的小さいお魚はそのままバリバリ食べられる物もあります。開きで焼いてある物は、左手の指でそっと端を押さえて、反対側の身をお箸で挟んで外側に引っ張ると、きれいに背骨から離れてくれて食べやすくなったりします。この食べ方で一番楽なのが、柳鰈(やなぎがれい)です。あまり生臭くないので、押さえるほうの指もそんなに臭いが付いたりしないし、身離れも良いのです。
 また、一緒にいる人に、食べにくそうかどうか聞いてみて、これは手に負えないと判断したら、素直に選り分け作業をお願いしてしまうのもありだと思います。
 こんなふうに、魚自体の構造を理解するのに、視覚障害児が遊びながら学習できるようなおもちゃがあれば良いと思います。一般に売れるかどうか判断は難しいのですが、20年以上前から小さな女の子たちの間で使われているおままごと『ままごとトントン』シリーズのように、食材が分解できて、またマジックテープでくっつけられるタイプの物の一つの形態として開発してもらって、盲学校の教材にするなど考えられないものでしょうか。お魚の身と骨が分けられるような物です。そうでなくても、布の絵本の製作ボランティアの人たちに協力してもらうなどして、同種のおもちゃ教材を作ってもらうと良いかもしれません。

 また、盲学校の卒業学年の特別授業に『テーブルマナー』というのがありました。
これも、実際にお皿の上のお肉を切ったり、パラポロと細かいミックスベジタブルをフォークに載せたりして食べる前に、お皿の上のレイアウトを再現した食品サンプルを教材にして、しっかり触らせたり、粘土やウレタンなどでステーキの感触に近い素材を研究して、それをお皿の上で切る練習をさせたりしてみてはどうでしょうか。もったいなくない素材で何度も何度も繰り返し練習すれば、自力の食事範囲も広がると思うのです。
 私はけっこう不器用な子だったので、お肉を切るのに夢中になっていると、付け合せのベジタブルがテーブルの上に集団移動していたりして、大分苦労したものです。
 今では、かなりましな食べ方ができるようになり、ハンバーグのように切りやすい物はしっかり自力でいただきますが、ステーキやソテーなどは一緒に食事している人をはらはらさせないように、お願いして一口大に切ってもらうことが多いです。

 このように、「百聞は一触にしかず」は何事においても生かされることです。直接触ってはいけない物を視覚障害児に理解・習得させるには、そういった工夫をどんどん取り入れていくことが大事だと思っています。

 などということをつらつら考えながら触って遊んでいたお寿司屋さんのサンプルは、押入れの天袋の敷居にひっかけて飾っておくことにしました。あまり手の届くところにあると、お腹が空いてしかたがありませんから。(笑)

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働くことによって得られる幸せ

-大山泰弘さんの講演から-

     望月優

昨日、全国重度障害者雇用事業所協会(全重協)と東京中小企業家同友会の共催で、
「中小企業のための障害者雇用推進セミナー」が行なわれました。
そこで、日本理化学工業の創業者であり現在は取締役会長の大山泰弘さんのお話を伺いました。
日本理化学工業は、約50年前から障害者雇用をしており、
現在は全従業員数の約7割が知的障害者です。
「約7割」と言っても、総務や営業などの部門は基本的に健常者で構成されていますので、
ダストレスチョークを製造する工場では、
12人の障害者と一人の健常者といった割合で仕事をしているとのことです。

さて、その中で、「人の幸せ」についてお話されました。
人が幸せを感じるのは、
1.愛されているとき
2.褒められているとき
3.人の役に立っているとき
4.人に必要とされているとき
だそうです。

そのうち、「愛される」ことは家庭や福祉施設でも体感できますが、
2.から4.の要素は働く場でしか得られない実感です。
「福祉施設に帰すよ」というと泣いていやがる知的障害の社員たちは、
褒められ、役に立ち、必要とされる幸せを会社で感じているからにほかなりません。
企業は人に幸福を与える場である。
これを昨日の大山さんの講演から学びました。
--

日本理化学工業が「日本で一番大切にしたい会社」という
本の中で詳しく紹介されています。

日本で一番大切にしたい会社
http://tinyurl.com/bm2ltf


点字を学ぶなら~点字定規セット「点字サポーターへの道」

by amedia  at 17:36  | Permalink

日本理化学工業

皆さんはこの会社名をご存知ですか?
誇りの出ないダストレスチョークで日本1の会社、そして障害者雇用で日本1の会社です。
アメディアが全国重度障害者雇用事業所協会(略称「全重協」)に入会した1991年、日本理化学工業の大山泰弘会長は、全重協の会長をされていました。
つい先日、「日本でいちばん大切にしたい会社」(あさ出版)
http://tinyurl.com/bm2ltf
を読み、約50年前から毎年重度知的障害者を雇用しつづけている日本理化学工業の偉大さを実感しました。
会社案内のページには、
----------
当社では従業員の50%以上の重度知的障がい者が働いています。
従来の作業法法を彼等に教えるのでなく、彼等の能力にあわせて作業を改善すれば立派な労働力として活躍してくれています。
----------
と書かれており、障害者の戦力化が実現されている職場だということがよく判ります。

実は、今月25日に、全重協と東京中小企業家同友会共催の障害者雇用セミナーが行なわれます。
ここで、日本理化学工業大山会長の障害者雇用の実践例を直接伺うことができます。
是非、私も直接大山さんのお話を伺い、障害者の戦力化事例から全社員の力が発揮できる職場作りを学びたいと思います。
こちらのセミナーの詳しい情報は下記ページからどうぞ。
http://www.tokyo.doyu.jp/tokyo-doyu/common/meeting.php?meeting_id=4785


全国の三療治療院を網羅~鍼灸あん摩マッサージ治療院カタログ

by amedia  at 18:38  | Permalink

またまた博物館

 先々週ご紹介した岩手県盛岡市の桜井博物館の桜井政太郎先生からお電話をいただきました。
そこで新たに判ったことをいくつか、ご報告と訂正かたがたお知らせしてみようと思います。

 まずは、この博物館の名前ですが、「桜井博物館」というのは通称のようなもので、先生ご自身は「視覚障害者のための手で見る博物館」と名乗っておられます。名刺にはそのように記載なさっているそうなので、こちらが正式名ということになるそうです。

 また、休館日に関しては特にないということでしたが、今は冬季はなるべく避けていただきたいとのことでした。その他、毎週木曜日も、ご都合があって、なるべく他の曜日にご予約いただきたいとのことでした。

 現在は、世界遺産のレプリカを収集・作成中だそうです。 人間の手で把握できる物の大きさには限りがあるので、小さ過ぎる物は大きく、大き過ぎる物は小さくして、視覚障害者が自力で把握できるようにして触らせてくださるのも、桜井先生の工夫なのです。世界遺産に触れるようにするということは、その
「大き過ぎる物を小さくする」方に当たります。
 そこで私は、10年ほど前に参加したバスツアーで「東武ワールドスクウェア」を訪れたときのことを思い出しお話しました。テーマパークとして、ある程度の縮尺を施した「万里の長城」や「ピサの斜塔」などが園内に配置されていたのですが、それぞれの造形には柵が巡らされ触れないようになっていたのです。区の福祉課主催の障害者を対象としたツアーだったので、その辺りの配慮は成されているのかと思っていたのですが、がっかりすることになってしまいました。結局お土産物屋さんにあった、細部までは把握できない程の小さい模型に触れてやっとなんとか楽しめたという経験談です。先生は深くうなずきながら私の話を聞いてくださり、「やっぱりね。」と共感してくださいました。
 「テレビなんかでもよく世界遺産が映るから、見えてさえいれば当たり前に知っている物になっているんだけれど、見えないといくら言葉を尽くして説明してもらってもやっぱり判らないですからね。」
 と、熱く語っておられました。

 ということで、今年の夏か来年になるかわかりませんが、今度は世界遺産を触るのを楽しみに、また桜井先生の博物館にお邪魔しようと決めました。
 そして、今度はそういったレプリカを作ってくださる協力者の方のお話も伺って、このコラム欄でご紹介できたらと思っています。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 17:30  | Permalink

お鍋の季節に寄せて

 大寒を過ぎ、暦ではまもなく立春になろうとしていますが、実際はまだまだ、というか、ますます寒くなっていきますね。
 こんな季節に嬉しいのが、鍋料理、いわゆる「お鍋」ですね。湯豆腐・水炊き・すき焼き・しゃぶしゃぶ・鱈ちり・牡蠣鍋・豆腐チゲ、数年前からはカレー鍋なんてのもありますね。
 ところが、この美味しいメニューの数々は、晴眼者と一緒の時でないとなかなか食べる勇気が出ないものなんです。もちろん、一人で、しかも自宅でやるならできなくはないのですが、やっぱり煮え具合などを見て取り分けてくれる人と一緒でないと、外では無理なようです。いったん口に入れてみて、「あれ?これはまだあんまり煮えてないや」などということになっても、鍋に入れなおすなんていう無作法なことはできませんから。
 というわけで、私は視覚障害者より晴眼者の人数が多いときには、そういった鍋料理を食べに行けたりするととても嬉しいものです。(比率が逆のときには、見える人の負担が大きくなり申し訳ないので、この手のお料理は避けるようにしています)

 そこで、今回は、それらの鍋の他に、見える人と一緒じゃないと食べにくい物を考えてみました。
 まずは、焼肉!特に、美味しい炭火焼の場合、自力でお箸で取ろうとすると、網目からお肉が落ちてしまい、炭の山を形成してしまう危険性があります。
 自力で焼くタイプのお好み焼きにもんじゃ焼き、これもうまく形を作れないし、お好み焼きの場合にはひっくり返すのも失敗しそうです。
 そして、ビュッフェとかバイキングと言われる、セルフサービスの食べ放題のお店!これは何よりお手上げです。
 ただし、ウィークデーの昼間だけ食べ放題をやっているピザのチェーン店「シェーキーズ」は、一人か二人で行った視覚障害者に対してなら、嫌な顔をせずにどんどん持ってきてくれます。とは言っても、あまり好き嫌いの多い人は負担をかけることになってしまうので、控えたほうが良いかもしれません。
 あと、できれば見える人と一緒だと助かるのが、回転寿司です。一人で行きつけの回転寿司を開拓したばかりの頃、「ま、好き嫌いはないから、適当に取って食べるのもロシアンルーレット的で面白いや」と思っていたら、板だけが載ってるお皿とかわさびだけが載ってるお皿などを取ってしまい失敗したことがあったので、それ以降はむやみに手を出したりしないようになりました。
 しょっちゅう行くようなお店なら、よく話して理解しておいてもらえば、注文は全て口頭で伝え、お皿は手渡ししてくれるようになるはずです。(というか、そうならないお店なら、こちらから願い下げで、行かないことにすれば良いのですが)

 自力で行けるお店か、誰かと一緒じゃないと行けないお店かは、そのお店のシステムや忙しさなどを考慮して判断し、気持ち良い外食を楽しみたいものです。もちろん、鍋で体を温めたら懐が寒くなったなどということがないように、お財布と相談しながらね。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)



デイジー図書も聞ける、印刷物を読み上げる音声読書機・よむべえ

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百聞は一触にしかず

 ずっと以前にも、視覚障害者にとっての博物館見学に関して書かせていただきましたが、先日改めて感じるところがありましたので、再び書いてみようと思います。

 先日訪れたのは、兵庫県宝塚市にある「手塚治虫(てづか おさむ)記念館」でした。
 元々は、宝塚歌劇のファンの私ですので、今回も花組で公演中の壮大なミュージカルファンタジー『太王四神記(たいおうしじんき)』を観に行き、もちろん大変感動したのですが、漫画好きの同行者にも十分宝塚界隈を楽しんでもらおうということで、大劇場から歩いて5分程度のところにあるこの記念館に立ち寄ったわけです。

 当然ながら、私も手塚先生の作品には、TVアニメやラジオドラマといった形で十分に触れて育ってきた世代ですので、興味がないはずもなく、わくわくしながら訪れたのです。
 こぢんまりとした建物の前庭の地面には、手塚先生の作品中に出てくる様々なキャラクターの、先生が想定されたとおりの手形や足形が掘り込まれていて、私はしゃがみこんでアトムやブラックジャック先生の手形に自分の手を当ててみて、にこにこしてしまいました。
 中に入り、入館料をチェックすると一人500円だということです。それで二人分払おうと思っていたのですが、障害者手帳があれば無料になるとのこと。さらに、同行者一人も、付き添いということで無料になったのです。料金がかからないのはちょっと助かりますが、ここで私は少し嫌な予感がしました。
 入ってまもなく、その予感が的中していることに気づきました。b1から2階までの3フロアで構成された館内は、やはり、触れられない物、眼で見るだけの物のオンパレードです。
 予算的なことなどもあるでしょうし、一般のお客さんにはそうとう満足できる展示物に違いないのですが、入館料は一般の人と同じように払ってもまったくかまわないので、あちらこちらにキャラクターの等身大レプリカなどを置いて、それに自由に触れたりしたらどんなに良いだろうと思ってしまいました。
 現状で私が一番楽しめたのは、1階少し奥にあるスペースで、在りし日の手塚先生のインタビューや、藤子不二雄A先生や故・石ノ森章太郎先生からのコメントなどの映像を流しているコーナーでした。そこには椅子が数脚置いてあり、じっくり観ることができるようになっていました。
 次回訪れたときに、まだ展示物に変化がないようなら、今度は私だけそこに腰を据えて、じっくり先生方の話に耳を傾けて楽しんでみようかなと思った次第です。

 一方、宝塚駅までの帰り道では、思いがけない収穫もありました。それは、宝塚大劇場から駅まで続く一段高くなった道、「花の道」の途中に、等身大のオスカルとアンドレ(池田理代子原作の宝塚ミュージカル『ベルサイユのばら』の登場人物です)の寄り添う像が飾られていて、じっくり触ることができたことです。実は、私はここで触るまで、オスカルの髪の毛があんなに長いとは想像できていなかったので、改めて驚いてしまいました。よく考えてみれば、アンドレがオスカルのことを思って歌う歌に「♪ブロンドの髪翻し」とあるのですから、ある程度の長さは想像していてしかるべきだったのに、彼女が軍人だというイメージが強くて、かってに短髪だと思い込んでいたんですね。
 そして、愛しげにオスカルの腰に右手を回してたたずむアンドレ!泣きそうに感動しました!
 これは一つ、手塚記念館にもお手紙を書いて、お願いしてみようかななどと、改めて思った次第です。

 以前、ご紹介した、盛岡にある私設博物館「桜井博物館」の館長で、元岩手県立盲学校で教鞭を取っておられた桜井政太郎先生がおっしゃっておられた「百聞は一触にしかず」という言葉を、身を持って感じることのできた瞬間でした。

 桜井先生は、ご自身も全盲で、触ることの大切さを感じて生きてこられ、そして退職後、それまでに収集してきたあらゆる物を、ご自宅を改造して展示し、「桜井博物館」として無料で観覧できるようにしてくださったのです。 私も一度伺い、10億分の1の太陽と太陽系の惑星それぞれの大きさの比較に感動
し、鮫の歯の鋭さとその機構におののき、寝殿造りの貴族の屋敷の模型に夢を広げてきました。
 「桜井博物館」には休館日というのは特にないそうですが、予め電話で予約を入れてくださいとのことです。
申し込み・お問い合わせ  019-662-4172
 また、こちらのサイトで、詳しい紹介があるようですので、ご参考になさってください。
http://www.bunkanken.com/archive/today_universal/uni_sakurai1.html
 ユニバーサルミュージアムに興味を持ってくださる皆さんには、ぜひ一度は訪れていただきたい博物館です。

by amedia  at 18:16  | Permalink

点字メニューは嬉しいけれど

 度々点字メニューを話題にしてるような気もしますが、また改めて感じたことがあるので書いてみたいと思います。

 先日、凄い土砂降りの夜にお腹が空いて飛び込んだのが、すかいらーく系の和食ファミリーレストランの「夢庵(ゆめあん)」でした。
 よくファミレスを利用する私は、この夢庵の他の店舗にも何度となく訪れていたのですが、今回初めて、ここにも点字メニューがあったことを知りました。
 しかし、残念なことに、今回もその情報を知ったのは、同行していた晴眼者が入り口の表示を見て教えてくれたからだったのです。
 私は明らかに白杖を誇示して座席に着いたのですが、ウェイトレスさんは特に反応することもなく、普通にお水とお絞りを運んできただけでした。
 今、多くのファミレスで点字メニューを置いてくださっているのですが、私が入ったお店で積極的に「点字メニューがございますが、お使いになりますか?」と聞いてくださったのはほんの数店に過ぎません。その数店というのも、新規オープンしたばかりのお店や、行きつけのお店(具体的にはカレーハウス「CoCo壱番屋」西早稲田店)で初めて点字メニューを置いたときくらいのものです。多くの店舗では、「こちらには点字メニューがあるはずなんですが、持ってきていただけますか?」とお願いすると、「そうなんですか?ちょっと聞いてきます。」と言って、しばし待たされることになってしまうのです。
 せっかくある程度の予算をかけて点字メニューを用意しても、それを活用する人に情報が伝わらないのでは意味がありませんし、もったいないと思うのです。
 点字メニューを配備したチェーン店に、点字毎日やJBSなどの視覚障害者向けマスメディアを知ってもらえるような工夫はできないものでしょうか。
 また、そういった飲食チェーン店の運営会社では、各店舗の末端の従業員まで情報を徹底して通達してもらえないものでしょうか。

 確かに、視覚障害者の中で点字をすらすら読める人はほんの一握りにすぎません。
でも、私を含めたその一握りの人にとって点字メニューというのはとてもありがたく、便利なツールなのです。人の手を煩わせず、自力でメニューを吟味する楽しさは、なかなか他では得られないものです。
 ただ、ここにまた、点字の使える人とそうでない視覚障害者の間に不公平が生じてしまうのも事実です。

 そこで、どれほどの予算がかかるかはわからないながらも、ちょっとしたアイディアを思いつきました。
 いま、カラオケボックスなどで、食事メニューを注文するための装置があります。
あれをタッチパネルではなくボタンスイッチにし、音声読み上げ機能を搭載するというのはどうでしょう?そして、階層的なメニュー形式にし、飲食物のジャンル選択をしてから各料理名と値段の一覧を出し、心に留まったメニューに合わせてクリックするとそのお料理の詳細情報を読み上げるというような装置を作り、いろいろな飲食系のお店で使うということです。この端末の音声は、切り替えスイッチ一つで、しゃべったりしゃべらなかったりして、視覚の有無に関わらず誰でも必ず使えるメニュー端末とするのです。もちろん、この端末は各テーブルに常備するなり、お水やお絞りと共に持ってくるメニューの変わりに運んできてもらうなり、特別な物としてではない扱いにするのです。どうでしょう。
 こうすれば、点字が読めない視覚障害者にもメニューを選ぶ楽しさが味わってもらえるはずだし、わざわざ忙しいお店の従業員さんの手を煩わせなくて済むでしょう。
 また、誰もが使う物であるならば、特別な情報通達も要らない……でしょうか?いいえ、やはりそれでも、その端末が音声対応の装置に切り替わるのだという説明を、誰かが視覚障害者に伝えなければやはり意味はありません。それに、そのような装置を作ったからといって、今度はせっかくの点字メニューをやめてしまったら、視覚・聴覚二重障害の人は困ってしまいます。
 要するに、何か美味しい物を作ったらそれを一人でも多くの人に食べてもらいたい、何か便利な物を作ったらちゃんと使ってもらいたいという想いを、バイトに至るまで会社ぐるみで持っていなければ、理想的なサービスなど出来ないということに、多くの人に気づいてもらわないと、根本的な解決はできないでしょう。

 などとつらつら考えを巡らせながらも、冷たい雨と風に冷え切った体をかき鍋で暖めていたのでした。

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

点字、インターネットなどの視覚障害者の情報文化や偉大な先駆者の業績を紹介~盲人の歴史

by amedia  at 16:47  | Permalink

誘導者への気遣い

 皆さん、明けましておめでとうございます。本年も、日々感じたことをいろいろ書き綴っていきたいと思いますので、宜しくお願いします。

 さて、私は昨年末、みんなの強ーい味方、カジュアルファッションの国内大手メーカーのお店Uで、ダウンジャケットもどきを買いました。色は、なんと黄色です!!膨張色なので、ちょっと気になったのですが、パートナーいわく「とても綺麗な黄色」なのだそうで、買ってみることにしたのです。彼にとってこの色は、膨張色であることよりも、私のイメージに合った明るい色であるということのほうがポイントになったらしいのです。
 そして、このジャケットはなかなか好評なのでほっとしたのですが、それだけじゃなくてもう一つメリットがありました。それは、混雑したターミナル駅で衝突してくる人が減ったような気がするということです。
 ある程度一人歩きに慣れている私は、ぶつかられることに慣れっこになっているのですが、誘導して一緒に歩いてくれる人は、少しでも私に痛い思いをさせないようにと、とても気を遣ってくれているようです。そんな気遣いを緩和するのに、この黄色いジャケットは一役買ってくれたというわけです。
 黄色は、一緒に選んでくれる人の目を信じられないと選べないような色ですが、誘導者の気遣いを考えるととても有益です。
 黄色に限らず、誰かにアドバイスしてもらいながらコーディネートを考えて、悪くない目立ち方を研究してみるのは、誘導してもらう側のさりげない気遣いになるのではないでしょうか。誘導してくれるような関係の人に相談してコーディネートすれば、その人もわざわざおかしな格好をした人を連れて歩くのは避けたいものでしょうから、親身になって考えてくれるのではないでしょうか。

 でも、秋・冬はやはりシックなファッションで行きたいということなら、それはそれで誘導者への気遣いを忘れないようにしたいものです。つっこんできそうな足音がしたら、なるべく誘導者の後ろに回って幅を狭めるとか、電車やエレベーターへの乗り降りの際には自分の体の向きをケース・バイ・ケースでコントロールするとか、白杖はきちんと人から見やすいように持つとか、自助努力でできる配慮もいろいろある
はずです。
 視覚障害者の中には、誘導してくれる人がいるとさっさと杖をたたんでしまう人も見受けられますが、それはぜひとも考え直していただきたいと思います。ぶつかられるのを防止するためのマークとして持つというだけでなく、せめて自分の足元くらい自分で責任を持って歩くべきだと考えるからです。また、視覚障害者と歩くことに、精神的に慣れていない晴眼者の仲にも、本人以上に白杖の存在が目立つのを恥ずかしがる人も見受けられますが、それもぜひとも考え直していただきたいと思います。障害者のお出かけには、安全確保が必須なのだとご理解いただければ幸いです。

 新年早々、ちょっぴり辛口のコラムになってしまいましたが、やはりこれも、常に相手を思いやる気持ちを大事にしていきたいという、私の根本的な想いですので、少し熱く語ってしまいました。

 さて、明るいジャケットに身を包み、近所までお買い物に行ってきますね。

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

ホームページを音声で読み上げる音声ブラウザ・ボイスサーフィン

by amedia  at 17:36  | Permalink

アメディアフェア雑感

 去る12月23日は、第19回アメディアフェアでした。多くの皆様にご来場いただきまして、本当にありがとうございました!!

 さて、私はパートナーの鈴木と共に、今年もイベント会場の司会を勤めさせていただいていたので、最初から最後まで会場に詰めていましたが、もう既に19回目というのを実感する一コマがありました。
 というのは、終了後、友人に出会って、「あら、来てたの!」と、女性特有のノリでわいわい盛り上がりかけたとき、彼女から出た一言が「で、めーたんは今日何してたの?」だったのです。しばし呆然として、「あのー…私、イベント会場の司会だったんだけど…」と答えると、「ああ、そーっかぁ!私、イベント会場の方はぜんぜん観に行ってないから。あっはっはー」と明るーく笑い飛ばされました。
 こんなこと、最初の頃のアメディアフェアでは考えられなかったと思います。いくら、展示会場とイベント会場に分かれているからとはいっても、司会者が判らないほどの規模になっていたとは本当に驚きです。
 イベント会場は、それぞれの企画毎にお客さんの層は違っていても、いつもかなりの入りで、特に「再生機器に合わせたデイジー図書の作成方法」には、音訳ボランティアの方が多く参加されていて、大変な賑わいでした。だから、それだけ賑わっていたにも関わらず、いちどもイベント会場に顔を出さなかったという人もいるというのが驚きだったわけです。

 しかも、ふと気づけば、最初の頃は10あるかないかだった出店団体が、今回に至っては、視覚障害者の中では最も有名な日本点字図書館・日本盲人会連合・東京ヘレンケラー協会・桜雲会なども含めた28社に及んでいたのです。もう数年前からの出展にはなりますが、大手企業のNTTドコモ、NECなども出展しています。
 いまや、「サイトワールドのちょっとちっちゃい版」みたいな感じになっていて、会社としての成長も実感させられました。

 イベント会場は1時間イベントがあって、30分休みという、少しゆったりしたスケジュールだったのですが、まとめて展示会場を見るほどの時間には至らず、最新機器がいろいろ出てきているにも関わらず触れることができなかったのがとても残念でした。イベント会場終了後のちょっとの時間に少しでも見られれば良かったのですが、私は結局甲斐商店にはまりこんで、あれやこれやと買い物をしたり、食品サンプルを触って喜んだりしているうちに、すぐに閉会式となってしまったのでした。

 そういえば、今年は「しゃべる麻雀卓」のデモンストレーションが、イベント会場でも展示会場でも、抽選会場でもないところで行われていて、そこにはりついたままの方もいらしたようでした。
 アメディアフェアというイベント自体、いろいろなスタンスで参加できるイベントになったので、お客さんそれぞれにとっての「アメディアフェア」がどんな物なのかという辺りも伺ってみたくなりました。

 来年は、いよいよアメディアフェアは20回目、そして、アメディアという会社自体2月14日で20歳になります。 どんな振袖を着せてお祝いできるのか判りませんが、一人前の「大人」として、ますます社会に貢献できる会社になっていってもらいたいと思うし、一バイト人にすぎない私も、少しでもその役割に貢献できたらと思っている2008年の暮れなのでした。
 読者の皆さんも、どうぞ良い年末年始をお過ごしください。そして、2009年が皆さんにとっても素晴らしい物となりますようにお祈りいたします。


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タックペーパーにも打てる、高品質印字の各種点字プリンタ

by amedia  at 17:30  | Permalink

大きなお友達とも交流

 まずは、ご報告から。
 先日来しつこくお知らせしてきました、私の所属する劇団「演劇結社 ばっかりばっかり」の芝居『トイメン』の公演9公演を、無事終了することができました。ご来場いただいた皆さん、そして応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました!!

 さて、今回はまるっきり違う話題です。
 この芝居の前後に、二つの高校と一つの専門学校に福祉の授業の講師として行ってきました。

 専門学校は中野区にあり、ホテルマンやツアーコンダクターのような人たちを養成する学校でした。既に20歳を超えているような人も何人か見受けられ、楽しみながらもちょっぴり大人な真剣さでお話を聞いてくれました。ここは、点字の授業の一環として、視覚障害当事者である私の生活について話したり、誘導の仕方のレクチャーをしたりという内容でした。
 嬉しいことに、その受講生だった青年がマイミク申請してくれたばかりか、今回のお芝居も観にきてくれたのです。きっと、素敵なホテルマンやツアコンさんになってくれることでしょう。

 二つの高校のうち、芝居の翌日に行ってきたばかりの杉並区の学校について少し詳しく書いてみたいと思います。 この学校で私が今回担当したのが、「点字を使ってバリアフリーに遊べる物を作る」という授業のモニターの役割でした。
 びっくりしたのが、ここで打たれていた点字が全て点字テプラで作成されていたことです。うーん、確かに手軽だけど、それってどうなんだろう…と、疑問に感じました。
 4・5名ずつに分かれて作業を進めてきたという高校生たちは、ある班はトランプに、ある班は同じくカードゲームの「ウノ」に点字を張っていました。また別の班では、絵本に点字を張っていました。
 カードの真ん中に張られたテプラ点字はまだ良いのですが、これも両サイドに張られていないとちょっと不便だったのでその旨は伝えておきました。
 かなり読みにくかったのが絵本に張られた点字です。というか、テプラのテープの幅が上下に広いので、綺麗に並べて張られた点字は、行間が物凄く広い点字になってしまい、なんだか文章としてのつながりがわかりにくかったのです。
 また、最初に点字の指導をしてくれた人はちゃんと説明してくれていたらしいのですが、話を聞いていた生徒とそうでない生徒がいたようで、「は」「へ」「う」の表記や大まかなマス空けのルールの出来に極端な差が生じていました。
 読みにくかったけれど、独自のアイディアが素晴らしかったのが、クリスマスツリー型に切った画用紙に、点字の双六を作った班でした。いろいろなアトラクションをこなしていくと、やがてクリスマスパーィーが開かれるというストーリーになっていて、ゴールはツリーのてっぺんです。これこそ、テプラの幅が邪魔して苦労しましたが、本当にそのアイディアに脱帽でした。
 いずれにしても、どの班の生徒たちも、私という一視覚障害者と、普通に一緒に遊べたことに喜びを感じてくれているのが伝わってきて、私も暖かな気持ちになりました。
 もう少し時間があれば、テプラで打つ点字のメリット・デメリットというか、ふさわしい用途について説明したかったなと思いました。

 来月から2ヶ月にわたって、同じ高校の別なクラスで、こんどはわたしが毎回見てあげられる状態での授業を予定しています。どこまでやれるか、私としてもチャレンジ精神で臨みたいと思っているところです。


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点字、インターネットなどの視覚障害者の情報文化や偉大な先駆者の業績を紹介~盲人の歴史

by amedia  at 16:28  | Permalink

アメディアフェア

望月優

今年で19回目を向かえるアメディアフェアが23日の火曜日(天皇誕生日)に浅草橋駅近くの東商センターで行なわれます。近頃陛下の具合が思わしくないようですが、陛下が絶好調に戻られるようなフェアにしたいと念願しています。

今年は、出展社数も28社と過去最高になりました。

自由参加なので、参加者数は正確には読めませんが、500人の方がいらしていただけることを期待しています。

今年始めての試みとして、千葉大学、芝浦工業大学の皆さんに研究成果を展示会の場で発表していただくことになりました。ケージーエス、シナノケンシそして弊社などのこの分野での大手メーカーと並んで、大学の研究室で開発している視覚障害者に役立つ福祉機器を展示いただけるのがとても楽しみです。

イベント・コーナーでは、
・裁判員制度と視覚障害者
・視覚障害者と保険の選び方
といった視覚障害者の社会参加にとって意義深い講演会やシンポジウムが行なわれます。

加えて、音訳ボランティアの皆様にお勧めの「再生機器にあわせたデイジー図書の作成方法」や、視覚障害者にお勧めの「通帳と新聞をよむべえ」といった企画もございます。

来場者の方が1回は引けるというお楽しみ抽選会では、
・新型よむべえ
・CDダブルラジカセ
・PTN1
などが当たる可能性があります。

また、スワンベイカリー十条店に出店いただき、おいしい焼きたてパンを食べながらイベントや展示会を楽しめます。

皆様、お誘い合わせの上、是非ご来場ください。

第19回アメディアフェア
http://www.amedia.co.jp/event/amediafair/

なお、視覚障害者を駅と会場の間でガイドしてくださるガイドボランティアの方を募集しています。
http://www.amedia.co.jp/event/amediafair/guide.html

朝9時半から可能なお時間までで構いませんので、お手伝いいただければ幸いです。

障害者や高齢者に優しいWEBサイト作り「ウェブアクセシビリティ入門」

by amedia  at 16:56  | Permalink

視覚障害者にとって「対面朗読」とは?

 よく「読書の秋」などと言いますが、秋に限らず、寒い冬や暑い夏、エアコンの効いた室内から出たくないような時期は、本当に読書にいそしみたくなるものです。
 つまり、これからどんどん寒くなっていくこの時期には、やはり自宅で録音図書を聞いたり点字図書を読んだり、さもなければ図書館の対面朗読室にこもって、好きな本を読んでもらったり興味の赴くままに何かを調べてもらったりして過ごしたくなるのです。

 さて、対面朗読について少し考えてみましょう。いわゆる小説なら、わざわざ対面朗読してもらわなくても、録音された物を図書館から借りたり、OCRソフト、アメディア的にいうと音声読書器「よむべえ」に
読み上げさせるなどしてじっくり楽しめば良いのですが、生の肉声での朗読という物はそれはそれでヌクモリノある物でもあります。 また、一方では、これが対面朗読の真骨頂だとも思えるサービスもあります。例えば、その場でいろいろ調べたりするような読み物は、正に「目の代わり」となって、文字を追ってもらったりしなければなりませんし、ケース・バイ・ケースでディスカッションしながら資料の中の任意の場所に飛んだりして参照するようなこともあります。言い方としては対面「朗読」ですが、一般にいうところの「朗読」とは一味も二味も違う物になっています。
 図書館によっては、持ち込み資料の朗読を断るところもあるようですが、図書館の利用には、内部資料の閲覧や貸し出しの他に、「静かな場所で勉強する」などということも含まれているのですから、パーソナルな資料を持ち込んで対面で読んでもらうということも重要なサービスになるはずだと、私は思っています。これを具体的に行っている進歩的な図書館も、少数ながら存在しています。 実際、視覚障害者がプライベートな物を、何の利害関係もなく、守秘義務が重んじられているところで読む自由は与えられてしかるべきだと思っているのです。それこそ、図書館の対面朗読室が最適な場所だと思えるのです。

 などといろいろ書いてきましたが、そんな諸々の要素を盛り込んだ、地味だけれど画期的なコメディ芝居が、この前からお話している、今度私たちの劇団、演劇結社ばっかりばっかりが取り組む書き下ろし芝居『トイメン』なのです。 ある現役の図書館職員の方に綿密な取材をさせていただいて出来上がった
このお芝居、一人でも多くの方に観ていただきたいと思っています。 もう、本番まで1週間を切ってしまい、集中的な稽古期間に入っています。そして、おかげさまで完売してしまった回もあるのですが、まだまだお席に余裕のある回もあるのです。 ぜひこの機会に私たちのお芝居を観て、 そして、一緒に「対面朗読」について考えてみませんか? というわけで、このコラムでは最後のお誘いです。
しつこいようですが、以下に公演詳細情報を貼り付けますので、
ぜひいらしてください。お待ちしております!!


演劇結社ばっかりばっかり 第三回公演『トイメン』
作・演出…和風まくだ煮L(ワフー・マクダニエル)
脚本補・演出補…美月めぐみ
出演…石津正幸、大河内聡之、こんやゆうこ、美月めぐみ、鈴木大輔
日時…12月10日(水)~14日(日)
会場…原宿・ギャラリーハセガワ
交通…JR山手線原宿駅竹下口より徒歩2分以内
※ ご希望により、駅からの誘導をいたします。
料金…2000円
定員…各回30名様完全予約制。
※ 極めて小さな会場ですので、必ずご予約下さい!
※ ご予約の際は、日時と枚数、障害をお持ちの方は
誘導希望の有無をお知らせください。
お問合せ・ご予約は、
TEL 080-6724-5981
Eメール mail@bakkaribakkari.com

【日程】
12月
10日(水)…19:00~(夜の部のみ)
11日(木)…14:00~  19:00~
12日(金)…14:00~  19:00~
13日(土)…14:00~  19:00~
14日(日)…14:00~  19:00~
※ 開場は各公演開始時間の30分前です。
※ 上演時間は90分程を予定しています。

結社ホームページ
http://www.bakkaribakkari.com/

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

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by amedia  at 16:47  | Permalink

ホンコン小旅行報告

株式会社アメディア 代表取締役 望月優


11月12日から15日まで、ホンコンに行ってきましたので、レギュラーの美月めぐみさんを今週は押しのけます。

1. 交通事情
 空港からホテルまでのバスの中で、現地人の旅行者の方が、「ホンコンは歩行者優先ではなくて車優先です」と言われました。 そこで、少し心配になりましたが、幸運にも緊張する場面には出くわしませんでした。 街中は地下鉄が何本か走っていて、東京や大阪のような日本の都会と同じ雰囲気です。 結構随所に点字ブロックが敷かれていて、これも日本の雰囲気と似ています。ただ、点字プロックの特記の度合いが薄い感じがしました。 地下鉄では明瞭な社内アナウンスが中国語と英語でされていて、言葉がわかれば視覚障害者も一人歩きし易い印象を受けました。 随所に音響信号機がありましたが、音の出し方は日本とは随分違っていて、「カタカタカタ」という機械音がしています。この機械音が、青になるとリズムが変わるのです。 おそらく、この「カタカタカタ」音は、目の見える日本人の旅行者には、視覚障害者向けの音響信号とは気がつかないと思います。というのは、赤のときと青のときのリズムの違いはかなり微妙ですし、何かある種の工事音のようにも聞こえるからです。 ある地下鉄で、点字案内板を見つけました。案内板のスタイルは日本で見るものとおおよそ同じですが、その在り処を示す方法がエレガントでした。 日本の点字案内板は、何も音で知らされていないか、または知らせるときでも「ピンポーン」という音を出しています。私がホンコンで見つけた点字案内板は、「エリーゼのために」を美しく奏でていました。

2. 視覚障害者事情
 14日にホンコン盲人協会を訪れました。 ホンコンの人口は700万人、それに対して視覚障害者の数は7万人だそうです。1パーセントという数は、1億2千万に対する30万人の日本の0.25パーセントよりも随分比率が高いです。 ホンコン盲人協会では、職業訓練として、マッサージを教えているそうですが、私が訪れたマッサージ店では、視覚障害者は働いていませんでした。 盲人協会の設備は充実していて、100ページにも及ぶ分厚い新聞をノルウェー製の高速点字プリンタで毎日700部ほど印刷して配っているところを見せて頂きました。


 最後に、ホンコンは税金が非常に安く、多くの資本家が世界中から集まってくる金融都市です。
 そのホンコンでしか手続きができないイギリス系ファンドの金融商品を申し込んできました。こちらに関心のある方は、このメルマガへの返信でお知らせください。

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by amedia  at 10:08  | Permalink

方向感覚を鍛える『動物村探検ゲーム』-晴眼者にもチャレンジしてほしい!

 最近、私は芝居の稽古や諸々の雑事の合間を縫って、『動物村探検ゲーム』というwindows版のゲームをやっています。
 このゲームは、声と音だけを頼りに、一歩ずつ座標を移動して行き、ゴールの「タヌキ村」を目指して行くのを1ラウンドとして重ねていき、31ラウンドの楽園に向かっていくゲームです。31ラウンドには、最終ゴール地点となる「タヌキ御殿」を目指すための、それまでにはないアトラクションがあり、最後の最後まで気を抜けない楽しいゲームなのです。
 一つのラウンドは、最初は9掛ける9、合計81マスの村を旅するのですが、これが10ラウンド以降には少しずつ広がっていき、最終的には30掛ける30、合計900マスの、とても広い村を探検することになります。
 このゲームは、なんと、画面には何も映し出されていないのです。つまり、視力の有無に左右されることなく、健聴者であればだれでも同じ条件で遊べるのです。上にも書いたように、頼りになるのは声によるメッセージのみです。
 例えば、「7コンマ3 ライオン リス」などという声がします。これは、「上から7列目の左から3番目にいますよ。周りには、ライオンとリスがいますよ」ということです。しかし、この「周り」というのが、上下左右どこかにいるというだけで、具体的には示さないので、それまで進んできたところの様子を頭に描きながら、「きっとライオンは上だな」とか「リスは左に違いない」などと、地図を想像する力と感をフル回転させながら対処するのです。この場合、猛獣であるライオンは、間違えてその座標に踏み込むと、食べられてゲームオーバーになってしまいますから、持っている猟銃か弓矢で撃らなければならないのです。いっぽう、リスは、その座標に踏み込むと、そのラウンドのゴールである「タヌキ村」の場所を教えてくれるし、保護動物だから撃ってはいけないことになっています。だから、やらなければならないのは、うまくライオンを撃ち、リスに会いに踏み込むということになるわけです。
 また、「岩山」という、通り抜けのできない座標や、「ゾウ」という、どこかに飛ばされてしまう動物がいる座標もありますので、うまく迂回しながら進まなければならないところもあったりします。
 これはもう、否応無しに、方向感覚が鍛えられます。つまり、視覚障害者の歩行訓練にも役立つのではないかと、このゲームのファンの間では言われているのです。

 画面に何も映っていないということもあるのか、、本当は晴眼者の人たちにも一緒に楽しんでほしいのに、なかなかやっている人を見つけることができません。やったらきっと楽しいのに。
 私たち視覚障害者がいくら望んでも、一般のゲームをやることが困難な状況は変わりません。でも、逆にこの「動物村」なら、その気にさえなってくれれば、晴眼者にも遊べる物なのです。
 今私は、mixi内にこの「動物村」専用のコミュニティ「集まれ!動物村の仲間たち!」というのを立ち上げて交流しているのですが、いつかこのコミュに、晴眼者のユーザーも参加して、共に語り合えたらいいのにと、淡い希望を抱いているところなのです。

 このゲームの元になった、ユリーカ版の動物村探検ゲームは、今、ラビットという視覚障害者向けのIT関連の販売とナビゲーションを行っている会社の社長をしておられる荒川さんが、今から15年ほど前に作った物でしたが、それを楽しんだ一人の視覚障害者・ハンドルネームいくらどんさんという人がDOS版→windows版と育て上げてきたソフトで、現在フリーソフトとして公開されています。荒川さんもいくらどん
さんも全盲の立場でプログラミングなさっているということで、それだけでもまた1本コラムが書けそうなのですが、それはまたの機会に譲ることにして、今回はこのゲームその物をご紹介してみました。

「いくらどんの島」=『動物村探検ゲーム』を落とせるHP
http://homepage2.nifty.com/count_nine/index.html

『集まれ!動物村の仲間たち!』=mixi会員限定コミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=3739066

※ mixiは、18歳未満の方は参加できません。と言っても、基本的にはいかがわしくはないのでご安心ください。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)



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by amedia  at 16:46  | Permalink

痛快福祉系コメディ登場!!

 前号で第一報をお伝えした、私の所属する劇団・「演劇結社ばっかりばっかり」の芝居の公演についてご紹介したいと思います。

今回の芝居のタイトルは『トイメン』。
 舞台は、とある図書館の一室。
 ここに現れたのが、カルチャー教室で朗読を勉強中だという女性。いささか勘違い気味の彼女がそこで出会うのは、無責任館長、誠実な障害者サービス担当職員、そして個性的な視覚障害者二人。
 はたして、彼女は何に出会い、何を知り、何を感じるのか…。
 福祉的要素の強いジャンルを、『ぷふっ』『むふっ』と思わず笑いながら、頭で理解するのではなく、心で感じてもらえたらと、メンバー一同稽古に励んでいます。

 今回の作品は、座付き脚本家の和風まくだ煮L(ワフー・マクダニエル)が、私と一緒に出席したとある図書館関係の勉強会で見聞きしたことに着想を得て書き下ろした新作です。
 見る人によってはうなずきの連続、また別な人にとっては目からうろこがぼろぼろっと落ちるような作品になっていると思います。

 今年の初めに入団した全盲の青年・大河内君も、めきめき実力をつけて舞台に臨みます。稽古すればするだけ成長していく彼を見ていると、私たち古参のメンバーもさらに頑張らねばという気持ちになり、日々切磋琢磨して精進しています。

 また、今回も昨年の『だからこそ愛』同様、脚本や演出の段階から気を配り、音声ガイド無しでも視覚障害者のお客さんにも十分楽しんでいただけるよう工夫しています。
 会場も、駅から程近く、車椅子のお客さんにもあまりご負担のないように、スロープだけで入れるところを選んでいます。
 残念ながら、力及ばず聴覚障害のお客さんへの配慮ができていなくて申し訳ないのですが、今ばっかりばっかりは、「観る側も演じる側もバリアフリー」という、とても語呂(ごろ)も良いコンセプトで活動しています。
 どうぞ、皆様お誘い合わせのうえご来場くださいませ!!(入場ご予約受付を開始しました!)
 以下、公演詳細をご参照ください。


演劇結社ばっかりばっかり 第三回公演『トイメン』
作・演出…和風まくだ煮L
脚本補・演出補…美月めぐみ
出演…石津正幸、大河内聡之、こんやゆうこ、美月めぐみ、鈴木大輔
日時…12月10日(水)~14日(日)
会場…原宿・ギャラリーハセガワ
交通…JR山手線原宿駅竹下口より徒歩2分以内
※ ご希望により、駅からの誘導をいたします。
料金…2000円
定員…各回30名様完全予約制。
※ 極めて小さな会場ですので、必ずご予約下さい!!
お問合せ・ご予約は
TEL 080-6724-5981
Eメール mail@bakkaribakkari.com

【日程】
12月
10日(水)…19:00~(夜の部のみ)
11日(木)…14:00~  19:00~
12日(金)…14:00~  19:00~
13日(土)…14:00~  19:00~
14日(日)…14:00~  19:00~
※ 開場は各公演開始時間の30分前です。
※ 上演時間は90分程を予定しています。

結社ホームページ
http://www.bakkaribakkari.com/

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 16:45  | Permalink

遠藤さん、ありがとうございました!--その想いをつないで

 去る10月24日、私の大恩人・沿道貞男さんが逝かれました。 今現在、首都圏に住んでいる芝居好きの視覚障害者で、享年86歳でこの世を去られた彼の事を知らない人はいないのではないでしょうか。
それ程に、その功績は素晴らしい物でした。私もそのご他聞に漏れず、大変お世話になりましたが、近年お体を壊されてからはなかなかお目にかかることもできずにいました。そして突然の訃報。無理にでもお会いしにいって、お世話になった者として孝行すべきだったと後悔しても、神に召されてしまった氏に届くべくもなかったのだけれど、せめてものお見送りにと、カトリック大宮教会で行われた告別式に出席してきました。

 遠藤さんが成し遂げられたこと、それは、視覚障害者に演劇を楽しむ機会を与えてくださったということです。 ご自身は、長年にわたり日本銀行に勤務されていた傍ら、多くのジャンルの演劇、とりわけ新劇を愛し、あのお硬いイメージの日銀の中にあって、有史を集めて演劇部を発足し、演出・出演の両方を
しっかりこなしておられた程のめりこまれていたようです。 また、27歳頃にカトリックの洗礼を受け、敬虔なカトリック教徒として熱い信仰を持たれ、それゆえかどうか、視覚障害者のためのボランティアとしても活躍されていました。演劇をなさっていた部分と、信仰に根ざした深い愛から自発的に他人のために尽くす活動をしていた部分の接点として、遠藤さんは対面朗読ボランティアとしても活躍され、多くの視覚障害者のご友人を持たれていたのです。その対面朗読の活動の中で、ある中途視覚障害男性がふと漏らした一言「ああ、またお芝居を観られたらなぁ」という言葉に衝撃を受けた遠藤さんは、その実行力を生かし、視覚障害者にも演劇を楽しんでもらいたいという想いをどんどん実現していかれたのです。
 その第一歩として、1976年、劇団民芸の「奇跡の人」という、サリバン先生とヘレン・ケラー女子を巡る重い感動のストーリーを、最前列で視覚障害者に堪能してもらおうという観劇会を開かれたのです。
以後、この民芸と俳優座を中心にいろいろな新劇の劇団に働きかけ、最前列での観劇や公演毎の点字パンフレットの作成と配布などを実現してこられ、その功績が認められ「ヘレンケラー・サリバン賞」という、視覚障害者の福祉増進・文化向上に活躍された方に送られる賞も受賞されました。

 さて、その第1回目の観劇会「奇跡の人」の奈良岡朋子さん演じる素晴らしいサリバン先生にすっかり心を奪われて、客席最前列で呆けたようになっていた12歳の全盲少女がいました。…、何を隠そう(いや何も隠していませんが)、それが私、美月めぐみだったのです。その後、紆余曲折ありましたが、最終的に舞台役者の道を選んでしまった私の、それが大きな原点だったと、今回の遠藤さんの死で、改めて自覚させられると共に、大きな感謝の気持ちが胸に湧き上がり、はちきれそうになり、眼からぼろぼろと溢れ出してしまいました。
 その後も、私が本格的に劇場通いするようになった21歳の頃のきっかけは、やはり遠藤さんが主催してくれた、俳優座の「セツアンの善人」の観劇会でした。
このお芝居は、主役の栗原小巻さんに惚れ込み過ぎて三日間も通い詰め、さすがの遠藤さんにもすっかりあきれられ、あちこちの講演の際に「こんな芝居バカの全盲の女の子もいます」という例として語られてしまった程でした。

 告別式には、視覚障害者の参列者を含め、多くの方が集っておられたのみか、有名な役者さん・芸能人の方・アーティストの方からもたくさんの弔電が届いていたようで、改めて氏の功績に驚かされました。 また、カトリックの厳粛な儀式であったにも関わらず、今まで出席したどんな告別の儀式よりも、故人に対する想いをたっぷり詰め込んだ素晴らしいお式でした。参列者ばかりでなく取り仕切った外国人の神父さんまで、個人的な想いも込めた心からのお祈りを捧げておられ、悲しさの中にもとても暖かな空気に満ちた儀式となっていました。私は、初めて個人的に遠藤さんとお話させていただいたとき、その穏やかな話し方に、「遠藤さんって、もしかして神父さんかなんかしてらっしゃるんですか?」とお尋ねしてしまい、「とんでもないよ。僕はただのじじいです。」と照れくさそうに苦笑されたことを思い出し、思わず泣き笑いしそうになってしまいました。

 最後に、まだまだ話しきれなかったことがありますので、遠藤さんについてもっと詳しくお知りになりたい方に参照していただけるページを探してみました。ここにurlを貼り付けておきますので、ぜひアクセスしてみてください。生前の記事のようです。

http://www.seibonokishi-sha.or.jp/kishis/kis0012/ki03.htm


 さてさて、少しオマケです。
 そんな遠藤さんに、現世から少しでも恩返しできるように、さらに舞台に精進していこうと決意した私が次に立つ舞台をご紹介します。 詳しくは、また近々書かせていただくことにして、簡単な第一報です。

 演劇結社ばっかりばっかり第三回講演『トイメン』
場所:原宿・ギャラリーハセガワ
日時:12月10日(水)~14日(日)(5日間9公演)
各会30名様、完全予約制
料金:2000円
原宿駅からの誘導あり。
お問い合わせ:TEL 080-6724-5981

 対面朗読を巡る、痛快福祉系コメディーです!
 ぜひお越しください!!


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 18:49  | Permalink

素敵な夜に紅茶で乾杯!

 前回の最後の方で少し触れたように、10日金曜日の夜、地元に新しくできたカラオケ屋さんに、mixiの地域コミュで知り合った新しい仲間たちと「歌い初め(うたいぞめ)」に行ってきました。

 もっと以前にも書きましたが、私たち障害者が生きていく上で、地元の人たちに顔を知っていてもらうことはとても大事なことだと思うのです。ここで言う「顔」とは、自分のパーソナリティ(個性)部分という意味です。そんな意味で、カラオケであればある程度得意とすることでもあったので、受け入れてもらいやすい集まりだなと感じたのです。なので、少し若い世代の人たちが中心の集まりではありましたが、思い切って参加してみたわけです。 結果、とても楽しいひとときを過ごすことができ、その後、メッセージのやり取りや日記へのコメントの付け合いもする仲良し、いわゆる「マイミク」としてのお付き合いが始まった人も何人か現れたし、駅で「あ、めーたん!」と気軽に声をかけてもらえるようにもなりました。

 集まったメンバーは全部で10人で、初参加は私と私のつれあいだけ。その他の人たちはどうやら既に1回か2回くらいは面識があるようでしたが、その基盤があったからこそなのでしょうか、私たちのこともすうーっと受け入れてくれました。年齢的には、20代が中心で、中には私の子供だと言ってもおかしくないような年齢の人もいました。
 ここで彼らと私の橋渡し的なツールになってくれたのが、アニメソング。つまり、ほんの少しのオタクっぽさが、「類は友を呼ぶ」ことになったようで、次から次へと歌いついでいく歌は、打ち合わせしたわけではないのに、アニメソングや特撮ソングが中心となっていたのです。
 そんな歌をBGMに、隣に座った女の子に話しかけられてみると、なんと、彼女は仕事関係の企画で、視覚障害者を対象とした朗読鑑賞会を企画したことがあるというのです。そこから、映画の音声ガイドの話などに発展し、興味を持っていろいろ聞いてもらえたことを良いことに、こちらもいろんなことを話させてもらいました。
 また、このカラオケの入っているビルには点字ブロックやエレベータの点字表示・階数アナウンスなどがあるのでどうやらハートビル法に則って作られているらしいと話すと、この日の幹事さんだった女性が興味を持ってくれたようで、いわく「そういうのって、盲人会連合なんかで働きかけるんですか」と聞いてくるのです。「盲人会」でも「盲人連合」でもなくて、「盲人会連合」という言葉をチョイスしていたのが印象的でした。もしかすると、知り合いに視覚障害者がいて、「日本盲人会連合」という名の大きな組織があること、その組織が行政への働きかけをする力も持っていることを知っているのではないかと思われるのです。聞く機会を逸しているのですが、近々確認してみようと思っています。
 この出会いが、これからどんな風に私と新しい仲間たちを結びつけていくのかを楽しみに思いつつ、ノンアルコールのアイスティーで乾杯したのでした。

 今後も、ときおりこのコミュのつながりについてお話させていただきたいと思っているところです。

(注)「ハートビル法」に関しては、下記のURLをご参照ください。
http://info.pref.fukui.jp/shougai/ffmap/sisaku/heart/heart.htm


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)



気軽に一声かけましょう:目が不自由な方への声かけガイド


by amedia  at 16:47  | Permalink

地元地域を愛したいけど!

 まずは嬉しいニュースから。

 先日、都営交通機関の無料パスの更新のために、地元の障害福祉課に行ったついでに、ダメモトで点字ディスプレイの日常生活用具給付制度での補助を受けられないかどうか尋ねてみました。
 2年以上前に、同じことを電話で尋ねた折、電話口に出た福祉課の若い女性職員さんに「は?点字でスプレーってなんでしょう?」と問い返され絶句した挙句、電話のタライ回しに合ってようやく得られた答えが「盲ろう二重障害の人でないと認められません」とのお断りをいただいたということがあり、このコラム欄でもお話しました。その折、点字ディスプレイが点字を使う視覚単一障害者にとってもいかに必要性の高い物なのかを説明して、ぜひとも検討してほしいとお願いしていたのです。その後何も報告がなかったのですっかり諦めていたのですが、せっかくの機会だったので、再度お尋ねしてみたわけです。
 ところが、係の男性が暫く調べてくれた結果、なんと今年の4月から、単一の障害でも給付が受けられるようになっていたというのです。
 実は、私はパソコンのディスプレイ代わりとして使うだけでなく、気軽に持ち運びができて、どこでも点字読書ができる超小型の機種をほしいと思っているのですが、それも大丈夫だということだったので、さっそく見積書と商品カタログを取り寄せることにしました。恐らく、今月中には、PSPなみに小型の点字ディスプレイを手にすることができそうです。
 やはり、諦めてしまわないで、ちゃんと当事者の声として発してみて良かったと思うと共に、きちんと私の要望を取り上げて検討してくださった福祉課の皆さんに感謝しました。
 と、これがとても嬉しかったお話です。

 しかし、残念なお話もあります。
 それは、何かを給付してくれるとかくれないというお話ではないのですが、福祉課の職員さんの想像力というかちょっとした配慮の欠如を感じることもあったからなのです。
 まずは、今回役所を訪れた本来の目的である、都営のパスの申請に関してです。以前の更新までは、紙のカードに写真を貼り付け割り印を押してもらって出来上がりというパスでしたので、今回も700円のスピード写真を撮ってから出向きました。 余談ですが、私は生まれつきの全盲であるせいか、写真を撮られるのが大の苦手なのです。同行者にセッティングしてもらいながら、「もっと顎引いてとか「口角を上げて」とか「眉間に皺寄せないで笑って」などの指示に必死に答えながら、やり直しも含めてしばしの時間を取られヘトヘトになって役所に赴いたわけです。 ところが、係りの方は「あ、写真は2年前から要らなくなったんですよ。磁気カードになりましたから」とさらっとおっしゃるのです。「700円は?あの苦痛は?せっかく取った写真どうすんのよ?」などという想いが頭の中に渦巻き、はっきりテーブルの上にこけました。こけながらも聞かずにはいられませんでした。
 「すみません、そのことって、市の広報かなんかで告知されてましたっけ?一応、点字の広報はざっと読んでるつもりなんですが」 「いえ、特には告知は出してませんでしたね。まぁ、普通はいらっしゃる前に更新に必要な物を電話で問い合わせていらっしゃいますから、そのときにご説明してるんです」
 これまた、さらりとおっしゃられました。私の頭の中には、「あのぉ、それでごめんなさいとかなんとか、そういう言葉は出てこないわけ?」という怒りが湧きましたが、なんとかこらえていました。
 さらにもう一つ、帰り際に、日常生活用具給付制度の対象品目も変わっているからと『障害者サービスガイドブック』なる普通の活字パンフレットをくれたので、帰宅後つれあいに拾い読みしてもらうと、なんと「点字版、カセット版、デイジー版もあります」とのこと。なんで目の前に座った私が全盲なのに、それら活字でない資料を渡すどころか、それがあるという情報すら語らなかったのかと、またもや怒りが再燃
してしまったのでした。

 せっかく嬉しい変化があったのに、そのきっかけを投げかけた一人である私に連絡がなかったことも含めて、なんだかすっかりもやもやしてしまったのでした。 本来なら、もっともっと心の底から感謝して、そしてこの地域の福祉に信頼を寄せて、この市に喜んで住み続けていきたいのに、残念でなりません。

 明日10日は、以前にこのコラムで書きましたmixiの地域コミュのカラオケオフがあります。福祉課の対応にちょっとがっかりしている今、小さな民間のコミュニティーに参加することによって、この地域をもっと愛せるようになることを祈りつつ、古い機種の点字ディスプレイをよいしょと抱えて点字の歌詞を読みながら、楽しく歌ってきたいと思っているところなのです。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)



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by amedia  at 17:10  | Permalink

身だしなみとおしゃれ

 9月下旬からいきなり寒くなりましたが、読者の皆さんは風邪などひいておられませんか?「これぞ季節の変わり目」とばかりのこの変化に、私も少し体調を崩しかけています。お互いに気をつけましょう。

 さて、そんな季節の変わり目に付き物なのが「衣替え」です。ということで、この機会に身だしなみとおしゃれについて感じていることをつらつらと書いてみたいと思います。

 私たち視覚障害者の場合、自分で鏡などを見て客観的に自分のミテクレをチェックすることは不可能です。だからといって、「見えないんだからしかたない」と言ってしまっては、箸にも棒にもかからない変な人になってしまいます。
 「身だしなみ」というのは、そのミテクレを醜くなく、一人のきちんとした人格を持った人間として見てもらえるようにする最低限のマナーともいうべき物です。髪の毛や肌を清潔に保てているか、歯に海苔などの食べかすがくっついてたりしないか、衣服に染みやほつれがないか、衣服全体に極端な皺がないか、色あせたり毛玉が付いて古ぼけて見えたりしないか、そして変な臭いがしないかなど、こまめに意識して外出し、相手に不快感を与えないようにすることは、自分をきちんとした人間として見てもらえるようにするためだけでなく、相手に対する思いやりにもなっているんですね。衣服の汚れなど、自分では判断しかねる場合は、家族や友人に積極的に見てもらうようにしましょう。これこそ「聞くは一時の恥」で済むことなのですから。
 この辺りがきちんとできている視覚障害者は多いと思いますが、晴眼者の友人の話によると、視覚障害者の男女共に見られるのが、鼻毛の処理ができていない人なのだそうです。普段あまり意識できないことだろうけれど、爪をきちんと切りそろえておくことと共に、この鼻毛の処理というのも気をつけてみたほうが良さそうですね。私もつい2年くらい前まではほとんど意識していなかったことなので知らなかったのですが、電動式の鼻毛シェーバーなども売られているので、簡単に処理ができます。
 また、夏場などは、女性に欠かせないのが腋毛の処理です。欧米ではこの処理をしていなくて、自然のままでノースリーブを着ている女性が大井ようですが、日本ではやはり気にされるマナーの一つです。うっかりつり革にでも掴まったりしたら大変!!
 まぁ、これくらい気をつけておけば、良識ある人間として、ちゃんと認めてもらえるはずです。

 さぁ、ここからはもう一歩踏み込んで、おしゃれについてです。
 視覚の有無に関わらず、おしゃれに関しては関心の持ち方の度合いが人それぞれです。特に、視覚障害者の友人と話していると、、「無難ならいいや」という人がけっこう多いようです。そのコツとしては、「上下そろいでない物を切るときには違う柄物を組み合わせない」とか「白、黒、ベージュなどは間違いが少ない」とか、「流行に捕らわれない定番の服装にする」などといったところでしょうか。それはそれで否定する物ではありません。
 でも、どうせなら、親しい人のアドバイスを受けながら、流行の服を触りにいった
り、どんなイメージに見られたいかを考えながら新しい服を買い求めたりしてみてはいかがでしょうか。友達同士の会話を気をつけて聞いていると、自分とセンスの合いそうな人が誰なのかが見えてきます。その誰かに付き合ってもらってアドバイスしてもらうと、とてもぴったりくるようなコーディネートも考えられるようになっていくと思います。
 メイクもまたしかりで、アイメイクの色使いやチークの入れる位置などにも流行があって、毎年ちょっとずつ変わっていたりします。デパートでメイク用品を何か一つ買って、ついでに売り場の人に頼むとフルメイクしてくれます。そのときに親しい晴眼者と行って、しっかりメイクのし方をチェックしておいてもらい、後で練習に付きあってもらうなどという方法も良いかもしれません。
 でも、私の場合はどうやらあまり器用ではないらしいので、ある程度大雑把に無難なメイクをすることしかできません。塗ってもらうときの感触を顔の皮膚で覚えていて、なんとなく整えていくことはできるんですけどね。もちろん、鏡に向かって自分の顔を生かせるメイクをすることもできないので、親しい人の手を借りて仕上げてもらうようにしています。
 こうして、「身だしなみ」から一歩踏み込んで「おしゃれ」を楽しんでみると、「きちんとした人」から「センスの良い人」に評価が変わったりするかもしれません。それって、なんだか嬉しいことじゃありませんか?

 そ・れ・か・ら…
 おしゃれは必ずしもお金をかける必要はないというのが最近の持論です。 これも、見える人のアドバイスが大きな役割を果たしますが、リーズナブルでセンスの良いお店の情報を仕入れておいて、一緒に行ってもらい、似合う服を探してもらうと良いでしょう。
 今年の秋口の流行を見ると、長袖のハイネックシャツに半袖のふんわりした襟ぐりの広いカットソーを組み合わせるのが多いようで、私も何枚か買ってみましたが、動きやすさや着心地の良さ込みで、とても楽しく着用しています。
 晩秋、そして冬へ向けて、こんどはどんな服が出てくるのか、お財布の紐をキュッと締めつつ楽しみにしているところなのです。

 今回は、主に私と同じ視覚障害者の皆さんへのメッセージのようになってしまいましたが、見える皆さんへも最後に一つだけお願いしたいと思います。視覚障害のお友達からアドバイスを求められたら、ぜひとも協力してあげてください。もちろん、「身だしなみ」についても指摘してあげられるくらい仲良しになってくれたら嬉しいなと思います。そして、お友達のセンスが少し光って見えたら、その人の鑑の変わりになって、「素敵ね!」って、フィードバックしてあげてくださいね!


ながら仕事でもホームページが楽しめる音声ブラウザ・ボイスサーフィン


(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)



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by amedia  at 16:02  | Permalink

私が“道徳”を語るなんて!!

昨日、杉並区立井草中学校の公開授業のゲストティーチャーとして呼ばれ、中1の生徒123名とその保護者の皆さ