たかがトイレ、されどトイレ
十日ほど前になりますが、アメディアのメーリングリストで、視覚障害者が公共
のトイレに入る際の誘導に関することが話題になりました。
私も、大変興味深く読ませていただいていましたので、ここで雑感をお話してみ
たいと思います。
(1) 車椅子対応トイレについて。
MLでの意見は、大きく分けて二つ。一つは、「実際に車椅子の人がきたときに
申し訳ないので、肢体健常者である視覚障害者は使用すべきではない」と言う否定
派の意見。そして、もう一つは、「異性の誘導者に案内してもらったときに便利。」
「他人に気兼ねすることなく、自由に場所を確認して使用できるので積極的に利用
したい」と言う肯定派の意見でした。
さて私ですが、この折衷意見です。同性の誘導者がいる場合には、なるべく使用
しません。一番必要としている人が困る事態にならないようにと言うことだけでな
く、実際は、普通の個室の方が、狭い分、空間認知がしやすいのです。劇場などで、
何度か「障害者用トイレ」に案内されましたが、「障害者だからと言って、十羽一
絡げに考えないでくださいね。広くて場所の位置関係を把握しづらいので。」と、
説明したりしました。もちろん、誘導者に、中の様子をちゃんと説明してもらえば
使用しづらいと言う点はクリアーできるのですが、そこまでして使用するのはどう
も気が引けてしまうのです。
でも、最近、よく男性の誘導者と歩くことが多いのですが、こういうときには、
積極的に利用するようにしています。なぜなら、こういうトイレは、たいてい男子
でも女子でもないところに設置されているからです。さすがに、女子トイレまで誘
導してもらうわけにはいきませんので。
さらに、最近では、「障害者用」だけでなく、「多目的トイレ」とか「誰でもト
イレ」などと明記されていて、使用しやすい雰囲気にもなっています。もちろん、
車椅子の人が使いたいかもしれないと思うと、気が気ではないので、スピーディー
に出てくることを心がけてはいますが。
(2)トイレスペース内での誘導について。
ある男性誘導者から、こんな打ち明け話を聞きました。
「男子の場合、小のときには、どうしても、手を使うよね。でも、水道まで案内
するとき、その手で捕まれるわけで……、ちょっと微妙な感じ。」と言うのです。
確かに、それはそうだろうなとうなってしまいました。
私は女子ですが、やはり個室から出た後に水道まで誘導してもらうとき、なるべ
く誘導者に直に触れないように、腕をひっかけるだけにしたり、相手につかんでも
らったりするようにしています。もちろん、普段の誘導ではそんな導き方は、怖い
のでタブーですが。
誘導する方の率直な意見として、件の男性誘導者の話を聞けたことは、貴重な体
験でした。
(3) その他
他にも、切実な問題として、流すところが分からないと言うことがありました。
便座との位置関係だけでなく、単純に押せば良いのか、手を触れるのか、ただか
ざすだけか、単純に離れれば良いのか、などなど、多様化しすぎて困り果てること
が多々あります。
せめて、触知板などが設置されているところでは、流し方の説明なども、点字で
付記してくれると、少しは便利なのではないかと思います。
たかがトイレ、されどトイレなのです。かなり切実な問題なのです。
ということで、このテーマで、またいずれお話することになるかもしれませんが、
ひとまず今回はここまでにしておきましょう。