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春うらら
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エレベーター事故

先日、開いたエレベーターから外に出ようとした高校生が、突然動き出したエレベーターの床と外枠の天井にはさまれて死亡したという痛ましい事故があった。

実は、このニュースを聞いて、別の痛ましい事故を思い出した。

時は1987年6月、場所はスペイン、当時スペイン盲人協会(ONCE)の会長だったアントニオ・ビセンテ・モスキーテ氏(全盲)は、エレベーターのドアが開いたので乗ろうと思って踏み出したところ、ゴンドラがなく、10数メートル下に転落して死亡した。

このニュースは、19年前に来日した当時世界盲人連合(WBU)事務局長を務めていたスペイン人のペドロ・スリータ氏から聞いた。

英語で話していたが、自分の聞き違いではないかと思い、何回も聞き返したほど、私自身信じられない自己のニュースだった。

全盲の私にとって、駅のホームは緊張する場所の一つだが、エレベーターで緊張することはない。機器を信じきっているのだ。

今回のシンドラー社のエレベーター事故の場合には、目が見えていても逃れられないものだったが、ゴンドラが来ていないという場合には、目の見えている人は驚くことはあっても落ちたりはしないだろうと思う。

実際に自己にならなければマスコミは取り上げないので、案外ゴンドラがきていないといったようなケースもあるのかも知れない。と、以前聞いた全盲者の自己の話をふと思い出して連想した。

電車に乗るときには、連結部分ではないことを確認するためにかならず足よりも杖を先に車体の床に着地させるのだが、エレベーターでもこれからはそのように気をつけたいと思う。

(「週刊福祉情報」ライター・マジオ)

2006年6月8日号「福祉コラム」に掲載

by amedia  at 10:12