声のお仕事
視覚障害者のお仕事っていうと、まずは鍼灸按摩マッサージ、
いわゆる三療業が、まだまだ主流です。
一方、視覚障害者と言っても女性の方に多かった「電話交換手」というのは、
技術の発達によりダイヤルインで直接各部署に電話がつながるようなシステムが
確立されてきてからは、どんどん衰退の一途をたどっている職業となっています。
元来、視覚をほとんど必要とせずに活かせる能力といえば、
手と頭と口(声)を使うことです。主に手を使うのが三療行であり、
頭を使うことは学者・弁護士・教師・ケースワーカー・カウンセラーなどであるわけです。
そして、口(声)を使う職業として電話交換手というのがあったわけですが、
それが危機的な状況になっているとなれば、
それ以外の声のお仕事も開拓しなければなりません。
なぜなら、個人の資質として、手を使うことより、声を使って何かを伝えることの方が
断然得意という人もいるからです。
だいぶ以前からそんなことを考えていた私ですが、
最近、お小遣い稼ぎ程度ではありますが、面白いお仕事をいただきました。
今回で3回目になるのですが、それは、商店街に響くナレーションのお仕事です。
「×月○日、☆祭りを開催致します」などというあれです。
原稿をメールでいただき、自動点訳し、プリントアウトして、
一番伝えたい内容はどんなことか、立てるべきフレーズはどこか、
ボリュームで強調するか、音の高さで強調するか、
ゆっくり発音することによって強調するかなどを検討しながら、何度か読み上げてみます。
それを持って、録音現場に行き、ディレクターさんからのアドバイスももらいつつ、
明るくにこやかに声をマイクに乗せます。
もちろん、自分自身が商店街を歩いているときに聞こえてくるナレーションの声などを耳に
返しつつ、通りすがりの人たちに耳を留めてもらえるような話し方を
心がけて話す努力も怠りません。日頃の研鑽が、こんな形で活かせたことに、
喜びを感じつつ担当させてもらいました。
まだ他にも、コンビニやスーパー、家電製品やエレベーター、
バスや電車のナレーションなど、できそうなことはいろいろあります。
選挙カーの鶯嬢なども、外の様子などを伝えてもらいながらであればできなくはないと思います。
それらの声のお仕事がどんなシステムでどんなルートで行なわれているのかはわかりませんが、
何かの形で開拓していけたらと思うのです。
本誌の読者の方で、そういったお仕事をした経験のある方がいらしたら、ぜひご一報ください。
最後になりましたが、今回録音したナレーションについてお知らせします。
場所は、小田急線・京王井の頭線の下北沢駅北口側、「下北沢一番街商店街」で、
明日8月10日から流れます。内容は、主に阿波踊りとポイントラリーのお知らせです。
もし、近々その辺りを通る予定のある方がいらしたら、思い出していただけると嬉しいです。