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春うらら
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手作りのバリアフリー上演

 私は、無類の芝居好きです。多いときには、月に5回以上は観劇するほど。
 先日も、役者をやっている友人S君が客演した芝居を観ました。
 普段私は、特にバリアフリーに配慮した物でなくても、内容的に面白そうだと思
うと、何でも観に行ってしまいます。もちろん、最近は、イヤフォンによる音声ガ
イド付き上演や点字パンフを用意してくれる劇団も、ずいぶん増えてきました。
 しかし、今回S君が出演した劇団は、稽古が始まったばかりの時点では、多くの
劇団と同様に、劇団としてのバリアフリー的配慮は全くありませんでした。それで
も、内容的に面白そうだったので、とても楽しみに観に行こうと決めていたのです。
 ところが、たまたま視覚障害者である私と親しくしてきたS君は、独自で動いて
点字パンフと音声解説テープを作成してくれたのです。ただ、自分自身の劇団では
ないため、かかった経費は全てS君自身の出費となりましたが。(笑)
 さて、この点字パンフですが、内容は一般の観客に配られるそれとは違い、身長
や服装などもこまやかに解説したキャラクター紹介や、理解を深めるための小さな
ネタバレを含むものでした。つまり、紹介文のほとんどが、S君のオリジナルだっ
たわけです。
 また、解説テープは、開演前に聞いてもらうことにして、舞台セットの説明を、
クロックポジショニングと言う、舞台を時計の文字盤に見立てた方法で説明したり、
出演者の協力を得て、一人一人の役者さんに、役目イと芸名をそれぞれの生の声で
録音してもらったりした物でした。個性的なキャラクターが多い芝居だったので、
このキャスト紹介は、本当に観劇上役立ちました。
 今回は、どうしても空回りの感がぬぐえない、簡易なバリアフリー的配慮となっ
てしまいましたが、これらのツールを利用してしっかり芝居を楽しむことができた
視覚障害の観客が、私の知っている範囲でも、10人以上いたと言う事実は、劇団
主催者側にも、しっかり印象づいたことでしょう。
 客演の一出演者が地味に行なったことでも、小さな種を蒔いたことになったはず
です。
 で、私の感想ですか?
 それはもう、ものすごく楽しい歴史ファンタジーでした!こんな素敵な台本を書
ける主催者さんなら、いずれきっと、劇団としてのバリアフリー的奈配慮も考えて
下さるようにもなるのではないかと、明るい希望を持った一時でした。もちろん、
S君からの要請を受けて、今回既に、点字パンフでの小さなネタバレを許してくれ
たり、出演者の皆さんの声を録音することを許可してくださったと言うご配慮は、
その曙光のように心に染みることだったのです。
 最期に1句。
 「むりせずに、できることからバリアフリー」

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 17:23