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春うらら
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暗黙のマナーに物申す!…申したいけれど…

 先週、アメディアのメーリングリストで、
エスカレーターのことが話題になりました。
それをきっかけに考えたことがあるので、少し書いてみたいと思います。

 話題の発端は、東京メトロ東西線の木場駅のエスカレーターでの事故の話でした。
 2歳の女の子を連れた母親が、エスカレーターを歩いて通ろうとした
人の邪魔にならないよう左側によったところ、
その女の子のゴム長靴がステップ端の5ミリの溝に
はまってしまって動けなくなり、足の甲を骨折するという
重傷を負ってしまったということでした。

 よく、エスカレーターでは、安全を喚起するために、
「ステップ中央にお乗りください」というアナウンスが流れています。
にも関わらず、ここ20年くらい、東京周辺では、
ちゃんと立ち止まって乗る人は左に寄って、
右側は自力で上り下りする人のために空けておかなければならないというのが、
暗黙のマナーみたいになってしまっています。
大阪周辺では、もっと前から、左を空ける乗り方が定着していました。
 主に都内で活動している私も、
「ほう、これは合理的だな」などとのんきに考え、
視覚障害者であるにも関わらず、
急ぐときには右側族の仲間入りをしていたこともありました。
 けれど、よく考えると、「ステップの中央にお乗りください」というのは、
「端に寄り過ぎると、ステップの溝に挟まれて動けなくなり、
エスカレーターの到達地点では巻き込まれて怪我をする危険性がありますよ」
ということなのです。
 しかも、片側に寄って、もう片側をドスドスと上り下りされると、
重量のバランスが悪くなり、エスカレーターの故障の原因にもなるといいます。

 そもそもエスカレーターは、足腰をいたわりたい人のために存在する物であって、
急ぎたい人が自力だけでは足らずに機械の力もプラスして
急ぐための機械ではないはずです。
つまり、歩行弱者に優しくなければいけないはずです。
 ところが、片側通行を許すということは、
エスカレーターの寿命をおびやかすだけでなく、
片麻痺などで、どちらか片方の手でしかベルトにつかまることのできない
障害者にとっての大きな妨げにもなっているのです。
 「だったら、そういう人はエレベーターに回ればいいじゃないか」
という声も聞こえてきそうだけれど、
エスカレーターの本来の意味合いを考えるなら、
いま自力でエスカレーターを上り下りしている人たちこそ、
「そんなに元気なら階段をお使いなさい」と言われてしかるべきだと思います。
 また、設置する側も、横幅の狭いエスカレーターを設置し、
自力で上り下りしたい人たちが自動的に階段を利用するように
促すようなことは検討できないものでしょうか。

 とにかく、本来立ち止まるべきエスカレーターで、
人が通る側を空けていないということで罪悪感を感じたりしなければならない、
この変な「暗黙のマナー」をなんとか無くす方法はないものでしょうか。
 と書いていても、見掛けによらず小心者の私は、
今日もエスカレーターの左側に立って、ため息をついてしまうのでしょう。

 この件、ぜひご意見など寄せていただければと思います。


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)



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