Tue
Oct 17
2006
点字で読んだはじめての本の思い出
私は1965年4月に静岡県立静岡盲学校に小学部1年生として入学した。
当時、7歳、既に全盲になっていた。
盲学校に入学すると、早速点字の教科書が配られ、点字を読む練習から始まった。
「あいうえお」から学ぶのではなく、点字で書かれた単純な模様を触ることから始まった。
点字の点すべてを打った文字は「メ」だが、最初、「メ」が1マス置きに並べられた模様や、4つの点の塊である「レ」や2つの点の「ウ」で書かれた線を指でなぞったりした。
このようにして、7歳の少年の指感覚の鍛錬から入った。
どのぐらいの間そんな模様ばかりを触っていたのか今はよく覚えていないが、やがて「あいうえお」を教わり、短い単語を指で読めるようになった。
意味のある文が少し読めるようになると、今度は本が読みたくなった。
だが、訓練を始めたばかりの小学生は本当にゆっくりとなぞり読みするしかできない。
1ページ読むだけでもう飽きてしまう。
そんなとき、ある休みの日に遅いながらも没頭できる本に出会った。
トルストイの 「イワンの馬鹿」だった。
今振り返って、時間にしてどのぐらい没頭していたのか全く思い出せない。
しかし、なぜか36ページ連続で読んだという印象がやけにはっきりと残っている。
指先がジンジンしびれて、もう読み進むことはできなかった。
はじめて内容を心に受け止めながら読むことのできた本の思い出だ。
by amedia at 17:40
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