[スポンサードリンク]
春うらら
トップページ » コラム » 福祉コラムを読んで…

福祉コラムを読んで…

『もう少し互いに努力しなければ』


 共用品としての「点字表記」については、以前より関心を持ち普段の買い物の折にも、注意して商品を見るようにしています。

 きっかけは、点字表記のある豆腐容器に、偶然にも店頭で触れやはり驚いた経験があったからです。 その容器にの底に点字で『きぬ』と表記してありました。 もちろん横に並んだ豆腐の容器の底にも『もめん』と表記してありました。

 私の視力は、片眼が0、もう片眼も光覚が残る程度で、やっと眼前の人影が視認できるかどうか…と言うほどの視力障害者です。
そんな私ですが、普段の買い物は、近所のスーパーマーケットで一人で済ませることが多いです。 その折に、商品に点字表記があるものが、どれくらいあるのか調べてみたことがあります。

 やはりユニバーサルデザインなどが普及してきた影響でしょうか。
『点字表記』のあるものは、少しずつ増えているように思われます。

 アルミホイル、救急絆創膏、ソース、ケチャップ…などなど。
しかし実際に買い物をしていて、このような点字表記のある商品に出会うことは、大変うれしいのですが… まだ問題があるのです。

 たとえば… カゴメのケチャップには、容器に『ケチャップ』と
点字が表記されており、それは外袋の上から触れても判読できとても便利です。 ですが、同じように容器に点字表記があるアオハタジャムの場合、確かにジャムと他の瓶詰め商品との区別はできるものの、それは慣れた店内であれば、置いてある棚などの場所からも判断できることでしょう。 しかしジャムの場合は同じメーカーの同じ瓶に入ったジャムは、何種類もあり、それがジャムと知れることよりも、それが「イチゴジャム」なのか?
それとも「オレンジ・ママレード」なのかと言うことのほうが実際に、その商品を買う場合には重要になるのではないでしょうか。

 ケチャップには種類はありません。 でも、豆腐やジャム。
またはソースやドレッシングのような、同じメーカーで、同じ容器を使用し、そして中身の種類が異なるものに、同じ点字表記は配慮と言えるのでしょうか?

 点字表記ではありませんが、キッコーマンの醤油のボトルは「濃口」と「薄口」では、ボトル表面の凹凸のデザインが違いそれと知れれば、触っただけで判別できます。 これは同じような主旨でデザインされたと思われるシャンプーなどにも同様のものがありますね。

 本当に一人で買い物していて、点字表記がほしいと思う商品に調味料があります。 特に同じ容器に入った香辛料、また同じ箱に入ったカレールゥやシチューミックス。 中華料理用合わせ調味料。
いくら視覚的には違っても、触っただけでは同じ箱です。

 まだまだ他にも、点字表記があれば…と思うこともありますが私としては、気になることが他にもあります。 それは一人で買い物している盲人が、どれくらいいるのだろう…と言うことです。

 私も近所のスーパーマーケットには一人で行きますが、駅前や大きな店舗での買い物には、家人やガイドヘルパーさんの援助を受けています。 そうなると、よほど言われない限り、商品に点字表記があることには気づかないし、また買い物それ自体に不便を感じないので、点字表記などへの関心は切実なものにはなりません。 一人で買い物してこその点字表記なのです。

また同じようなことが、他でもあるのではないでしょうか? 手引きされて歩いている時は、さほども気にならないものにエレベーターのボタンがあります。 それぞれの階で停止させる上り下りの矢印ボタンです。 これは一人で利用する時にはとても探すのに苦労します。 苦労して、ジタバタしてる時によく偶然に点字の案内板を見つけることがあります。 「ああ… こんなところに案内があったんだ…」

 いくら点字の案内板や表示があっても、それと気づかねば盲人には利用もできない。 存在も知らぬまま通り過ぎる。
だが反面、一人歩きしない盲人が多いのなら、点字の案内など不用なのか?…とも考えてしまいます。


 このままでは、せっかくの「共用品』の概念も、表面的なものになってしまうのではないでしょうか? メーカーは、実際に商品を購入する場合、何が必要な常法なのかを吟味するべきだし障害者側も実際に店頭で買い物し、その店舗の人達にも、こんな商品があることをアピールし、率先して店頭に置いてもらうように働きかけるべきだと思います。

 街頭で見つけた点字の案内板が、ほこりだらけで汚れていると利用されていないのだろうと思い、少し寂しく感じます。

 街頭の案内板も、店頭の商品も、それぞれに存在をアピールする必要もあるでしょうが、障害者のほうからも…『こんなものはないのか?』『こんなものがほしい』と言う声が、もっとあってもいいような気がします。 そして、もしも出会えれば、それを積極的に利用し、やはり同じハンデを持つ仲間に知らせる。
また、ただ漠然と利用するだけじゃなく、その使用感などの感想をメーカーなどに伝え、より良い改良と、末永い継続に努力する必要があるように思います。


ライター:アデリーペンギンこと、上原喜美

おはなし文庫〈adelie club.〉

by amedia  at 13:46