私が“道徳”を語るなんて!!
昨日、杉並区立井草中学校の公開授業のゲストティーチャーとして呼ばれ、中1の生徒123名とその保護者の皆さん、および数名の教員の方々の前で、なんと、この私が“道徳”の授業を行なうはめにったのです。
この中学校は、以前から福祉教育などでもモデル校的な役割を果たしていて、3年生は高校受験があるにも関わらず、自主的にボランティア活動をするなど、素敵な取り組みを行なっています。
今回の授業もそんなカリキュラムの一環のようなのですが、全体のテーマは「生きる強さ」とのこと。パワフルな美月さんは、正にこのテーマにふさわしい」などと、妙におだててくださる先生方数名。別に、私には「生きる強さ」などという意識は無かったのですが、「強く生きるためのノウハウとしての『支えあう力』についてならお話できる」ということでお引き受けした次第です。
まずは、例によって、私がピアノ伴奏して、『隣のトトロ』の中の「さんぽ」を生徒たちに歌ってもらい、場をほぐしてみます。次に、私の所属劇団、演劇結社ばっかりばっかり主宰にして我がつれあいでもある
鈴木大輔と、点字の活用や「支えあう力」としてのデモンストレーションを兼ねて、絵本「ちいさなあおいさかな」を朗読劇風に読みます。彼は原本を生徒たちに向かって見せながら、そして私は点訳された物を机の上で、読み合いました。内容は、か弱かった青い魚が先輩魚に励まされ成長し、やがて次の世代の魚に勇気を与えていくという、支えあいの連鎖みたいなお話なので、今回のテーマにもなんとかひっかかるのではないかと取り上げた物でした。続いて、軽く自己紹介。このとき、私の問いかけに手を上げるだけで答えた生徒にたいして、鈴木から「みんな、目が見えない人に手をあげるだけで伝わるかい?」との問い返し。「あ、そっか」など、ちらほら反応する生徒たちに「きちんと声で答えて行こう」と鈴木からのアドバイスが飛ぶと、皆「はい」と答え、そこからはきちんと声を出して発言するようになりました。 ここで、生活上工夫されたグッズなどを紹介しながら、盲学校での生活訓練の話や、小学生からの寮生活を余儀なくされて、いやがうえにも生活能力が付いていくことなどを話ました。
次に、映画音声ガイド作りを通じて鈴木と出合い、自分の夢である芝居のキャストとして舞台に上がることを実現するに至ったことなどを話ました。もちろん、ここまでくるには、両親、教員、友人たちの支えが
大きな役割を果たしてきたのだということも大事な要素として語りました。 それを受けて、鈴木から、「見えない彼女でも、いろいろ支えてくれてるんだよ」という話。軽いお話としては、停電になった夜に、何もできなくなった彼を私がサポートしたことや、積み上げられた荷物の中に埋もれている物を探し出す
「魔法」みたいな話、もう少し日常的名ことでいえば、彼よりハイテク技術を持っている私がパソコンの面倒をみていることや、タイピングをしてあげていることを、「支えられている」と表現してくれていました。最後に、街で視覚障害者の人を見かけたときの声のかけ方や誘導のし方をレクチャーし、50分間の授業を駆け抜けていきました。
今回の私の話の中で特筆しておきたいのは、「自分一人でなんでもやろうとすると苦しくて倒れちゃうから、もっと人に頼ってもいいんだと思ったほうがいいよ。でも、頼るだけじゃなくて、頼られる自分になって、他の人を支えることも大事。自分のためだけにしっかりしなくちゃと思うより、人を支えられる自分でありたいと思って、努力、いや、工夫していくことが大事なんだと思う。」と語らせていただいたことです。
どれだけ伝わったか分からないけれど、「支えあう」って、とっても強くなれることだと思うから、心の片隅にでも感じていてくれたら良いなと思って放したのでした。
私たちからの話が終わった後、代表のクラス委員の男子が述べてくれた挨拶は、本当に心のこもったものでした。予め考えていた内容ではなく、今の授業を踏まえてしか語れない内容の感想付きの挨拶は、とても心に染み入りました。
10月には、高校2校の福祉の授業を数回ずつ引き受けています。もう“道徳”なんて語るのは嫌だけれど、高校生にも何か感じてもらえる授業をしてきたいと思っているところです。
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