素晴らしいコンサート
去る4月15日火曜日、日比谷公会堂で行なわれた
「視覚障害者の視覚障害者による視覚障害者のためのコンサート」を観てきました
これは、ライオンズクラブ330-A地区の主催で実現した、
視覚障害者の実力派ミュージシャン(特に、歌う人たち)を集めたコンサートで、
障害者とその付き添いの人たちをご招待くださった企画でした。
ライオンズクラブ関係者による挨拶が何人分か続き、
その後コンサートに入りました。
トップバッターは、増田太郎さん。
以前、チャリティミュージックソンで森山直太郎さんと組んで
ライブをやっていたのを聞いたことがありましたが、
今回もとてもさわやかな歌声でした。
バイオリンを弾きながら歌う、画期的なスタイルで活動してらっしゃるのですが、
歌声のみならず、そのバイオリンの腕前も見事なのです。
光沢のあるつやつやとした音色のバイオリンは、
いつまでも聞いていたくなるようでした。
見えるとか見えないの問題ではなく、こんなミュージシャンは
他にはいないのではないでしょうか。
お二人目は、アメディアのメーリングリストに
このコンサートの情報をアップしてくださったフォーク青年、板橋かずゆきさんです。
その著書の中でも語られているという、
幼い日の思い出=不治の目の病を告げられたお母様の絶望を
幼子だったかずゆきさんの一言が救ったというエピソードが
元になっている曲は、ストレートに心を打ちました。
また、場内を大いに盛り上げた「大丈夫」という曲は、コンサートから二日経った
今も、心の内側から勇気付けてくれているように響いています。
3人目は、堀内佳(けい)さん。
10数年前、私がJBS日本福祉放送のパーソナリティをしていたころに
何度か聞かせていただいたりインタビューさせていただいたりしていたのですが、
久々にその甘やかな歌声に接して、しびれました!
特に、以前も聞かせていただいた「やじろべえ」は、ますますせつなさを増して、
胸に迫りました。
ギターの弾き語りなのですが、独学で覚えたという堀内さんの演奏スタイルは、
ギターのネックを右側にして持ち、コードをネックの上から右手で押さえて、
左手で弦を弾くという独特な物です。
でも、鮮やかなストロークで、とても心地よいのです。
ここで休憩と思いきや、「ライオンズクラブタイム」として、
ガバナーの飯田氏と、来場者代表の視覚障害者・世田谷区の
視覚障害者団体の代表の大竹博さんと、千葉県の職員で盲導犬のことに関する著書を
お持ちの松井進さんとその盲導犬ロミオ君が登場してのトークコーナーとなりました。
後半のトップバッターは、ピアノの弾き語りの木下航志(きしたこうし)君。
幼いころから、『天才音楽少年』としてTVでも取り上げられていた彼は、
大変小柄な青年ですが、『和製スティービー・ワンダー』と評しても過言ではないほどの
パワーとテクニックを持っています。ピアノも素晴らしいですが、
その歌声はさらに素晴らしく、去り際の「竹田の子守唄」のアカペラは圧巻でした!
そして、今回のコンサートの紅一点、私の憧れの先輩、
ソプラノ歌手塩谷靖子(しおのやのぶこ)さんの登場です。
赤いドレスをお召しだったそうなのぶこさんは、
「アメージンググレイス」や日本歌曲の「くちなし」など数曲を歌い上げられました。
今回は、若手の室内楽アンサンブルの皆さんの演奏に合わせて歌われていて、
新たな響きとして聞くことができましたが、
やはり柔らかな高音の響きが素敵でした。
ラストには、ご自身が訳詩を書かれたという「千の風」を歌われたのですが、
作曲者自らが登場してピアノ伴奏をしてくれるという、サプライズ企画もあって、
とても温かなひとときでした。
最後は、この日のスペシャルゲスト、ご自身は視覚障害者ではありませんが、
視覚障害のシンガー・長谷川清さんとお友達だという山本コウタローさんの登場です。
『山本コウタロー&ほぼウィークエンド』という名前のグループで登場した
コウタローさんは、なんと今年で還暦を迎えられたとか。
おなじみ「走れコウタロー」を、「21歳のときのスピードでやったら
歌い終わったころには死んでしまう」などとジョークを言いながら、
少し落ち着いたスピードで歌われるなど、
楽しいトークを交えてのライブを聞かせてくれました。
長谷川さんとのエピソードは、ともすると外側からの目線で
視覚障害者のことを語ってしまいがちな主催者の皆さんとは一線を隔す
「生きたバリアフリー」を感じさせてくれるお話でした。
そして、ラストナンバー、私も大好きな「岬めぐり」は、出演者総出で、
しかも客席も巻き込んでの大合唱となりました。
このときに、おなじみのリコーダーの音に絡めた
増田さんのつやつやバイオリンのオブリガートが、とても印象的でした。
その後、主宰のライオンズクラブの会計の方からの閉会の挨拶でお開きとなりました。
こんな楽しい機会を与えてくださったライオンズクラブさんには、大変感謝しております。
でも、できれば、ライオンズクラブの方々ご自身も、
「一緒に楽しんでましたよ!」といった、
外から目線ではない感想なども聞いてみたかったところです。
また、今後は、障害者の入場を無料にするのではなく、
「付き添いの人と二人で一人分」くらいの料金割引程度にして、
純益を福祉関係や環境問題あるいは国際協力などの募金に当てるなどして、
障害があるほうの側にも、共に社会貢献できるような
企画を立てていただけたら素敵だなと思いました。
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