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春うらら
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罰当たりな占い女を撃退!

 前回の最期にお話したように、今回は、私が、生み育ててくれた母や家族に対し
て、どんなに感謝しているのかを痛感したエピソードを書いてみたいと思います。

 あれは、私が盲学校を卒業して、雑司が谷のぼろアパートで初めての一人暮しを
始めたばかりのころでした。大変オープンな、ようするに「セキュリティ」などと
言う言葉からはおおよそ縁遠いようなその部屋には、妖しい宗教勧誘などが、しょっ
ちゅう押しかけてきて、日々悩まされていました。
 ある日、またもや「ごめんくださーい!こんにちは!」という若い女の声。無視
してやり過ごそうとしても、なかなか帰らず、入り口のガラスの引き戸をジャンジャ
ン叩き続けています。たまりかねて出てみると、「私、占いの修行中なんで、無料
で手相を見て差し上げてるんですけど、いかがですか?」とのこと。なんだかちょっ
と怪しいなとは思ったんですが、興味の方が勝ってしまい、手のひらを差し出して
しまいました。
 暫く私の手を眺めてから、彼女は、こんなことを言い出したのです。
 「あなた、ご先祖様への感謝の気持ちっていう物を持っていませんね。」
 「はあ?」
 「自分の苗字を尊び、ご先祖さまを敬わないと、不幸になるわよ。」
 「はあ?」
 「そのためには、まず、きちんとした印鑑を持たなくちゃだめよ。」
 ここに及んで、初めて気づきました。その当時横行した詐欺まがいの霊感商法な
のです。気合入れて、撃退してやるぞと思っていると、そんな気負いがなくても、
撃退する流れになりました。彼女は、私の心の地雷を、想いきり踏んづけたのです。
 「だって、そうでしょ?見えない自分を生んだお母さんを恨んでるってことは、
惹いてはご先祖を敬うことはできないってことにつながるでしょ。」
 瞬間!!私の中で、何かが弾けました。26歳で障害児を生んだ若かりし頃の母
親が、どんな想いをしたのか、そこからどうやって立ち上がったのか、生後四ヶ月
の赤ん坊を抱えて、あちらこちらの眼科を渡り歩いたり、無理解な周囲の人達から
の心無い言葉を浴びたりしつつも、けなげに私を守り育ててくれたこと、片道10
キロの通学をさせるために大嫌いな車の運転をする決心をし送り迎えしてくれたこ
と、娘の最大の楽しみのために、苦しい生活の中にありながら中古のピアノを買い
習いに行かせてくれたこと、心豊かな子にしたいと思ってたくさん本を読み聞かせ
てくれたことなどなど、一気に胸に押し寄せてきて、眼から溢れ出したのです。
 「感謝こそすれ、親を恨んだことなんて、ただの一度もありません!!」
 叫んだ私にたじたじとなりながらも
 「それは綺麗事でしょ?」
 と言いかけたけれど、
 「どうして、障害者が親を恨んでるってことを大前提にしてるんですか?!両親
も祖父母も、どんなに私を大事にしてくれたか分かりもしないくせに、いいかげん
なこと言わないで!」
 と返したら、何も言わずに逃げていってしまいました。
 その夜、実家に電話をかけ、「お母さん、いろいろありがとね。」って言ったら、
気味が悪いと笑われてしまいました。

 機会があれば、いずれまた、「障害者と家族」をテーマに、何か書いてみようと

ながら仕事でもホームページが楽しめる音声ブラウザ・ボイスサーフィン

(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

思います。
by amedia  at 11:34