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春うらら
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自書できないというだけで(後編)

 先週のお話の続きです。

 カード会社系でもこれなのですから、10年くらい前に聞いた友人Kさんの、
大手金融会社「武富士」で受けた対応がひどかったという話も納得できようというものです。
 書類の代筆に関しては前号のOMCとほとんど同じ。
たちが悪いのは、「視覚障害者は受けていただけないということですね?」の問いに対する答えです。
「いいえ、そうは申しておりません。全部自筆で書いていただけさえすれば、
目がご不自由でも審査に入れます。」話を間接的に聞いた私の方が、
その想像力のかけらもないような答えに驚き呆れてしまったものです。
 しかも、帰り際、誘導を依頼したKさんに、「声だけで誘導します。こちらの職員に
振れていただく形で誘導しまして、万が一お怪我などされますと、
責任問題になりますから私の声のする方についてきていただくだけにしてください。」と言って、
中途半端な誘導をされたというのです。

 今回のOMCの一件でそのことを思い出した私は、「武富士」に連絡を取り、
広報部の方と話をしてみました。

 最初に電話に出られた方に、「自書できないと利用できないんですか」と聞いてみると、
やはり「法律で決まっていますので」との答え。
「知人の話では、そのような法律はないようだとのことですが、
どんな法律なんですか?」という質問に対しては、「よくわからない」との答えでした。
 それで、このKさんの話をして、「もう10年以上前の話のようなので、
この10年で変わっているかもしれないと思いまして。
もし、そんな理不尽な状況のままだという誤解が視覚障害者の間で
風評として流れていたのではそちらさまにも申し訳ないと思いますので、
この際、正しい見解を伺い、福祉コラムで知らせたいのですが」と話を持っていきました。
 広報部のBさんは、その状況を全て聞いてから、少しショックを受けられたようで、
その事柄自体の理不尽さを個人的には感じてくださったようでした。
 しかし、後日かかってきた電話の答えは、「大変申し訳ありませんが、今も同じ状況です。
私どもの方では、同じ対応しかできないということになりました。ご理解ください。」とのことでした。
 誘導の件も含めてそうなのかとも聞きたかったのですが、
よく考えてみれば、利用できない以上、誘導のことなど考えられもしないはずだし、
“ご理解”も“お許し”もできない心境になったので、「わざわざ調査報告いただきまして、
ありがとうございました」と言って電話を切りました。

 いずれにせよ、貧に窮している私にとっては、
“ご利用は計画的に”できそうもないお話しなので無縁なのですが、
視覚障害者の所得も千差万別、利用したいケースもあるかもしれませんので調査してみたわけです。

 クレジットカードに関して言えば、今はサインレスのところも多いし、
私などはイニシャルサインを使ったりしています。
そしてまた、ICカードを利用してのクレジットカードも増えつつあるので、
サインの心配は減っていく傾向にあるらしいのですが、
書類を自書しなければならないということに固執している会社はなんとか改善していっていただきたいものです。

 世の中、「見えて当たり前」と思っている視覚健常者たちがマジョリティの立場で暮らしています。
その人々のおかげでいろいろ助かっていることもあるのですが、
多くの人々は視覚障害者=マイノリティな立場の我々には接することなく暮らしているのが普通です。
 よく「アイマスク体験」などで見えない状態で「歩く」体験などをする企画などはあるのですが、
文字の読み書きなどの、「情報障害」としての体験も、
2・3日くらいずつ体験してもらいたいと思ってしまった美月でした。

ながら仕事でもホームページが楽しめる音声ブラウザ・ボイスサーフィン

(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

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