芝居の準備・本番を通して感じたこと
大騒ぎしていた、演劇結社ばっかりばっかり公演「だからこそ愛」は、
好評のうちに幕を閉じました。
大勢の方にお越しいただきましたので、
この場をお借りしてお礼申し上げます。本当にありがとうございました!!
というわけで、今回は、この芝居の準備から本番打ち上げまでの中で、
印象に残ったことをいくつか書いてみたいと思います。
まず、台本を書く段階でのこと。
脚本家の和風まくだ煮L氏は、パソコンが苦手な鉛筆書きの人だったので、
私が代わりにテキストデータ化することになりました。
いわゆる口述筆記です。
自分がやってきたことが、思わぬところで役に立ちました。
また、この段階で、「音声ガイド無しでも、
視覚障害者に十分理解してもらえるような本にしよう」と決めていたので、
打ち込みながら分かりにくそうなところを指摘して、
改良していくことができました。 まさに、二人三脚のような作業でした。
次に、私を舞台上で誘導し、話の流れをリードしていく役割として、
盲導犬ドナという存在を擬人化し、活躍させることになり、
いろいろな参考情報がほしかったので、
アイメイト協会をお訪ねし、生まれて初めて盲導犬歩行を体験しました。
これまでも、盲導犬ユーザーの人と一緒に歩く経験なら
何度もしてきたのですが、実際に私が盲導犬に導かれるという体験は、
本当に新鮮でした。
リズミカルに歩を進める心地良さと、角々で止まっては支持を仰いでくる
盲導犬の優しさに感じる安心感は、
たちまち不安な気持ちを拭い去ってくれる物でした。
実際に取得しようとしたら、ずいぶん苦労があるらしいのですが、
「盲導犬歩行を体験したら、杖には戻れない」というユーザーの意見が
分かるような気がしました。
そして、これはちょっと残念なことなのですが、
私とずっと稽古をしていても、今一つ、
視覚障害者について理解しきれない仲間がいたことです。
それは、稽古している中で、汗と髪の毛が目に入り、
非常に痛い想いをしたので髪の毛を書き上げたことに対して、
共演者の男性から「それは、美月さんの生理現象であり、
この主役の豊子さんのものではないから、我慢すべきです」と
言われたことなどです。
私が視覚障害者の役ならあまり不自然でなくできるに違いないと言って
この役で舞台に立つことにしたというのには、
こういうことも含まれていたので、
「そここそ、健常者の役者とは違う部分なのだから、
理解してほしい」と頼んで、やっと納得(?)してもらえたのでした。
また、打ち上げの席では、この芝居の主役・豊子さんと
その親友のお二人の本物の皆さんにもゲストとして
参加していただいたのですが、私とゲストが到着したときには
すっかり座席が決められていて、結果として、
視覚障害者ばかりが寄せ集められ、
運ばれてきたお料理を取り分けたりする役の人が
いないという状態になっていて、驚いてしまいました。
私が一言言ったので、心優しい母役の女優さんが飛んできて
サポートに回ってくれたのですが、物理的なことのみならず、
「お話でもてなそう」という気持ちが仲間内から欠落していたのが、
とても残念に思えました。ずっと私と過ごしてきてたはずなのにと。
残念なことで終わってしまうのは嫌なので、
嬉しかったことをもう一つ。
この芝居の内容は、少し難しいかなと思っていましたが、
知り合いの小5の男の子が観にきてくれていて、
「すごく感動したよ!学校の友達や先生にも話したい」と言ってくれたのです。
今は、小4の授業で、障害者への理解を深めるような単元もあり、
素直に理解していける時代になってきたということもあるのでしょう。
とても嬉しい一言でした。
次回作はまだ内容未定ですが、また私も脇役で出演する予定です。
今回ご来場いただけなかった方も、ぜひいらしてくださいませ。
時期は来年5月の予定ですが、場所と演目については、
追々HPで発表していきます。宜しくお願いします。