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春うらら
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読書機がほしい!!

私の住んでいるところは、東京郊外のM市です。直木賞受賞作「まほろ駅前多田便利
軒」のモデルにもなった、東京の飛び地みたいな場所です。ここに越してきて、僅か半年
ですが、福祉に関しては少し遅れているような感じを受けています。
 まず、福祉タクシー券が、まったくないことに驚きました。今住んでいるところは、駅
からとても近いところなので、実質的な不便は感じていないのですが、メインになるよう
な駅ではないので、買い物に行くときなど、タクシーを利用したいシチュエーションが無
いわけではありません。で、(ああ、ここは、あまり裕福な市ではないのだな)と納得す
ることにしました。
 でも、役所関係、とりわけ福祉関係のお知らせなど、点字かSPコード付きの文書で
送ってもらえないものかと尋ねてみると、(この人は何を言ってるんだろう)というよう
な雰囲気で、それらの用意がないことを告げられました。特に、SPコードについては、
(それって何のこと?)みたいな態度なのです。でも、そのときも、まあしょうがないか
と思って帰ってきました。

 後日、日常生活用具の制度が変わるに当たって、はたと思いつきました、「そうか!自
力で役所の書類を読む方法があったぞ!」と。そうです!アメディア製品でおなじみの
「よむべえ」を、日常生活用具として申請するのです。それを使って、書類を読み上げる
のです!
 しかし、日常生活用具としては、音声読書機ではなく、拡大読書機としてしか申請でき
ません。このよむべえは、幸いなことに、両方の機能を持っています。しかも、いろいろ
なところで、拡大読書機としてなら申請が通っているという話も聞いていました。
 そこで、さっそく、市の福祉事務所に申請してみました。
 ところが、「あなたは、全盲だから、拡大読書機を使ってもしようがないですね。」と
言われ、検討時間をくれるようにということだったので、おとなしく待っていました。
 1ヶ月以上が経過し、もう待ちきれなくなったので問い合わせたところ、「よむべえは、
拡大もできますが、主たるところは音声ですから、日常生活用具給付対象として認めるわ
けにはいきませんので、諦めてください」と言われてしまいました。
 待たされたあげくのつれない返事に、すっかりがっかりしてしまいました。
 確かに、制度としては致し方ないのですが、役所側が「点字の書類も無い」、「SP
コードって何物だ?」、という対応しかしてくれない状況の中、やっと見つけた自力で書
類を読む手段も絶たれてしまった私、一人暮らしの視覚障害者は、どうしても赤の他人の
目を借りなければ、円滑な市民生活を送ることを許されないんでしょうか。
 そもそも、拡大読書機が日常生活用具給付対象品目になっているのに、音声読書機が認
められていないこと自体、何か不公平な物を感じてしまうのです。

 役所からの結論が出て、既に二月以上経過しましたが、折に触れて思い出しては、悔し
さを噛み締める今日この頃です。

 皆さんのお住まいの地域ではいかがですか?

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 16:42