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春うらら
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身だしなみとおしゃれ

 9月下旬からいきなり寒くなりましたが、読者の皆さんは風邪などひいておられませんか?「これぞ季節の変わり目」とばかりのこの変化に、私も少し体調を崩しかけています。お互いに気をつけましょう。

 さて、そんな季節の変わり目に付き物なのが「衣替え」です。ということで、この機会に身だしなみとおしゃれについて感じていることをつらつらと書いてみたいと思います。

 私たち視覚障害者の場合、自分で鏡などを見て客観的に自分のミテクレをチェックすることは不可能です。だからといって、「見えないんだからしかたない」と言ってしまっては、箸にも棒にもかからない変な人になってしまいます。
 「身だしなみ」というのは、そのミテクレを醜くなく、一人のきちんとした人格を持った人間として見てもらえるようにする最低限のマナーともいうべき物です。髪の毛や肌を清潔に保てているか、歯に海苔などの食べかすがくっついてたりしないか、衣服に染みやほつれがないか、衣服全体に極端な皺がないか、色あせたり毛玉が付いて古ぼけて見えたりしないか、そして変な臭いがしないかなど、こまめに意識して外出し、相手に不快感を与えないようにすることは、自分をきちんとした人間として見てもらえるようにするためだけでなく、相手に対する思いやりにもなっているんですね。衣服の汚れなど、自分では判断しかねる場合は、家族や友人に積極的に見てもらうようにしましょう。これこそ「聞くは一時の恥」で済むことなのですから。
 この辺りがきちんとできている視覚障害者は多いと思いますが、晴眼者の友人の話によると、視覚障害者の男女共に見られるのが、鼻毛の処理ができていない人なのだそうです。普段あまり意識できないことだろうけれど、爪をきちんと切りそろえておくことと共に、この鼻毛の処理というのも気をつけてみたほうが良さそうですね。私もつい2年くらい前まではほとんど意識していなかったことなので知らなかったのですが、電動式の鼻毛シェーバーなども売られているので、簡単に処理ができます。
 また、夏場などは、女性に欠かせないのが腋毛の処理です。欧米ではこの処理をしていなくて、自然のままでノースリーブを着ている女性が大井ようですが、日本ではやはり気にされるマナーの一つです。うっかりつり革にでも掴まったりしたら大変!!
 まぁ、これくらい気をつけておけば、良識ある人間として、ちゃんと認めてもらえるはずです。

 さぁ、ここからはもう一歩踏み込んで、おしゃれについてです。
 視覚の有無に関わらず、おしゃれに関しては関心の持ち方の度合いが人それぞれです。特に、視覚障害者の友人と話していると、、「無難ならいいや」という人がけっこう多いようです。そのコツとしては、「上下そろいでない物を切るときには違う柄物を組み合わせない」とか「白、黒、ベージュなどは間違いが少ない」とか、「流行に捕らわれない定番の服装にする」などといったところでしょうか。それはそれで否定する物ではありません。
 でも、どうせなら、親しい人のアドバイスを受けながら、流行の服を触りにいった
り、どんなイメージに見られたいかを考えながら新しい服を買い求めたりしてみてはいかがでしょうか。友達同士の会話を気をつけて聞いていると、自分とセンスの合いそうな人が誰なのかが見えてきます。その誰かに付き合ってもらってアドバイスしてもらうと、とてもぴったりくるようなコーディネートも考えられるようになっていくと思います。
 メイクもまたしかりで、アイメイクの色使いやチークの入れる位置などにも流行があって、毎年ちょっとずつ変わっていたりします。デパートでメイク用品を何か一つ買って、ついでに売り場の人に頼むとフルメイクしてくれます。そのときに親しい晴眼者と行って、しっかりメイクのし方をチェックしておいてもらい、後で練習に付きあってもらうなどという方法も良いかもしれません。
 でも、私の場合はどうやらあまり器用ではないらしいので、ある程度大雑把に無難なメイクをすることしかできません。塗ってもらうときの感触を顔の皮膚で覚えていて、なんとなく整えていくことはできるんですけどね。もちろん、鏡に向かって自分の顔を生かせるメイクをすることもできないので、親しい人の手を借りて仕上げてもらうようにしています。
 こうして、「身だしなみ」から一歩踏み込んで「おしゃれ」を楽しんでみると、「きちんとした人」から「センスの良い人」に評価が変わったりするかもしれません。それって、なんだか嬉しいことじゃありませんか?

 そ・れ・か・ら…
 おしゃれは必ずしもお金をかける必要はないというのが最近の持論です。 これも、見える人のアドバイスが大きな役割を果たしますが、リーズナブルでセンスの良いお店の情報を仕入れておいて、一緒に行ってもらい、似合う服を探してもらうと良いでしょう。
 今年の秋口の流行を見ると、長袖のハイネックシャツに半袖のふんわりした襟ぐりの広いカットソーを組み合わせるのが多いようで、私も何枚か買ってみましたが、動きやすさや着心地の良さ込みで、とても楽しく着用しています。
 晩秋、そして冬へ向けて、こんどはどんな服が出てくるのか、お財布の紐をキュッと締めつつ楽しみにしているところなのです。

 今回は、主に私と同じ視覚障害者の皆さんへのメッセージのようになってしまいましたが、見える皆さんへも最後に一つだけお願いしたいと思います。視覚障害のお友達からアドバイスを求められたら、ぜひとも協力してあげてください。もちろん、「身だしなみ」についても指摘してあげられるくらい仲良しになってくれたら嬉しいなと思います。そして、お友達のセンスが少し光って見えたら、その人の鑑の変わりになって、「素敵ね!」って、フィードバックしてあげてくださいね!


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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)



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