飲食店とのお付き合い
度々食いしん坊なネタで失礼します。
実は、最近全盲の友人と話していて、彼女が凄いチャレンジャーであることが分か
りました。
なんと、彼女は、同じく全盲のお連れ合いと一緒に焼肉屋さんでお食事をしたいと
思い、自宅のホットプレートで焼肉の練習を重ねて自信を付けてから、大手焼肉店『
牛角(ぎゅうかく)』へ行ったというのです!
ここで炭火焼の焼肉屋さんを知ってる人なら、「ああ、やばい!」と気づかれてい
ることでしょう。当然のことながら、ホットプレートと七輪では状況がまったく違い
ます。全盲のお二人は、あちこちから出ている炎の状況を掴むことができず、「クッ
パだけ食べて帰ろうか」と諦めかけていたそうです。
そこへ店員さんが現れ「よろしかったら、お焼きしましょうか」と申し出てくださ
り、お二人は大喜びで感謝しつつ、無事美味しい焼肉を召し上がってこられたそうで
す。
この友人は、元々どこへでも一人で行ってしまうチャレンジ精神の持ち主なのです
が、焼肉へのチャレンジには本当に脱帽でした。
しかし、それにも増して、この牛角の店員さんに対しても頭が下がる想いでした。
よもや、目の不自由なお客が、サポートしてくれる人無しで来店するとは想像だにし
なかったでしょう。ところが、突然全盲の二人連れが現れた。その二人が、炭火を前
にして呆然と途方に暮れる…。おそらく、あっけにとられ、ただ成り行きを見守り、
クッパだけを食べていく姿を見送る。多くの人がそんな反応になってしまうのではな
いかと思うのですが、本当に勇気のある、そして優しい店員さんだったのでしょう。
もちろん、牛角のマニュアルには、このような想定はないと思うので、牛角ならど
こでもどんな店員さんでもやってくれるという物ではないでしょう。彼の、あるいは
そのお店の店長さんの裁量の賜物だと思います。
こんなに嬉しい話はそうそうあるものではないと思いますが、気に入ったお店を行
きつけのお店にすると、そこの店員さんがどんどん親切になってくるということはあ
ります。たぶん、私を含めて、積極的に出歩き、美味しい物、楽しい人間関係を自分
から求めていくタイプの障害者は、そのお店に嬉しい変化をもたらし、そのお陰で別
な障害者の人がそのお店を訪ねたとき、思いがけなくスマートで親切な接客を受ける
ことになるかもしれません。
以前にもこの欄で書いたと思いますが、私が昔住んでいたところの近所にあった回
転寿司がそうでした。最初とまどっていたお店の人たちが、私の希望を受け入れて、
食べたい物を言うと、回っていれば取って、回っていなければ握って、レーン越しに
お皿を手渡してくれるようになったのです。お陰で、それ以降にその回転寿司を訪れ
た全盲の友人が、「美月さんちの近くの回転寿司、凄く親切だったよ」などと話して
くれました。
食べる行為には直接的に影響はないけれどけっこう悩みの種になるのが、麺類の食
べ方です。白い服を着ているときのカレーやケチャップもしかりで、汁やカレーやケ
チャップなどが衣服に飛ぶと、かっこ悪いだけでなく、洗濯も大変なことになります。
そういう物を食べにいく予定があるときには、私はなるべく大きなハンカチを持っ
ていって、胸元にかけたり膝に広げたりするようにしています。
でも、持参しなくても大丈夫なお店もあります。普通のラーメン屋さんなどにはな
いサービスとして、焼肉屋さんの一部やカレーウドン専門店などでは、使い捨てのエ
プロンを出してくれます。これは、障害者に対してだけではなく、誰に対してでも出
される物です。
実は、これは視力の有無に関わらず、飛ばしてしまいがちな食べ物だからなのでし
ょう。本来の価格より100円程度上乗せされても、これこそバリアフリーな、誰に
でも嬉しい配慮だと思います。
こんな配慮があちらこちらのお店で実現できたら、私たち障害者の外食も、とって
も便利で楽しくなることでしょう。
しかし、リーズナブルなお店は、人件費を削減して安くしているところが多いよう
で、そんなお店に行って、いろいろな要求を適えてもらうのは心苦しいものです。お
寿司の手渡しくらいであればさほどの負担にはならないと思いますが、例えば、ファ
ミレスのドリンクバーやサラダバー、ビュッフェスタイルのバイキングのお店、ハン
バーガーショップやカフェテリアなどセルフサービスが基本になっている飲食店です。
でも、そんなお店に気軽に行きたいこともあります。300円程度の上乗せ価格で
、サポートがマニュアル化されたら、私は少しは心安く入店できるのではないかと思
う今日この頃です。
もちろん、お財布に優しいお店を、お財布に優しいまま使いたいときには、なるべ
くお友達と行くなどの、使い方バリエーションも考えてみたいと思うのですが。
このように、お店の種類、価格帯、込み具合などに応じて、お店の人と私たち自身
が臨機応変に思いやり合いながら、楽しくお付き合いしていけたらと、またそんなこ
とを考えているのです。
最後に、紙エプロンを常備していてくれる、味もすこぶる美味しいカレーウドン専
門店「古奈屋(こなや)」のURLをご紹介しておきますので、それぞれの支店を利用
できそうな方は、ぜひいらしてみてください。また、このページには、お取り寄せ便
もあり、それぞれの商品には、音声で楽に聞ける食べ方レシピも付いてますので、来
店できない方もぜひゆっくり覗いてみてください。
http://www.konaya.ne.jp/
ながら仕事でもホームページが楽しめる音声ブラウザ・ボイスサーフィン