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春うらら
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13日の金曜日

 今月の13日は、金曜日でした。
 そんな日、私は、用事があって、電車を乗り継ぎ、1時間ほどかけて、埼玉方面
へ出かけて行きました。
 小田急線沿線の小さな駅が、自宅の最寄駅です。ここを出たのが、朝の8時20
分前後でしたが、なんと、ホームに下りようとしていると、後ろからきた、恐らく
若い女性と思われる人物に、2度ぶつかられ、蹴落とされそうになりました。(若
い女性と思ったのは、ヒールをカツカツ言わせて駆け下りていたことと、ほのかな
コロンの香り、そして舌打ちしたときのかすかな超えから判断したのですが。)
 これを革きりに、いろいろな苦なんが始まりました。
 JR新宿駅のコンコースで、点字ブロックをたどって歩いていると、その賑わし
い話し声から判断して、どうやらご年配の方々であろうと推察される集団が、点字
ブロックをふさいで談笑しているのです。点字ブロックの上を空けて頂きたいと思
い、「すみません」という声を発したら、「はい、なんでしょう?」と言われてし
まいました。(苦笑)
 さて、無事乗り継ぎが終わり、埼玉の某ターミナル駅へ到着したのは良いのです
が、階段の位置を把握してなかったので、いつも一緒に歩いてくれる晴眼者の友人
に携帯で連絡し、「前の方に乗ってきたはずなんだけど、階段ってどのへんだっけ?」
と尋ねると、「うーん、駅員さんに話して連れてってもらったら?」と言う答え。
いったい、どれほど私と過ごしているのかと疑ってしまうような一言です。見えな
い私に、どうやって駅員さんを探せと言うのでしょう。駅員さんを探すくらいなら、
もっと不動で、もっともっと大きい階段を探す方が、どれだけ楽か分かりません。
そこで、ええいっ!とばかりにあてずっぽうで歩き、階段を発見しました。しかし、
これは、間違えると、ぜんぜん違う改札に出てしまうので、そうとうスリリングで
した。
 でも、感は的中。無事に改札を抜け、目的地の近くまで行くことができました。
 しかし、それだけでは終わっていません。目的地近くの高くて狭い歩道を、不慣
れな様子でたどっていると、ちょっと心もとない感じのおじいさんにぶつかりそう
になりました。おじいさんは、「ごめんなさいね」と言う私が眼を悪くしてるんだ
と気づき、「わしが、つれてってやろう」と言い出しました。優しそうなおじいさ
んだったので、誘導をお願いすると、とても喜んでくれたのですが、目的地に着く
寸前、私の手をプニプニと握ってきて、「おねえさん、柔らかくてきれいなおてて
だねぇ」ときました。けっこう気持ちが悪かったのですが、こういう判断というの
が、なかなか難しいのです。特に異性の場合、純粋に親切なのか、ちょっとした下
心があるかとかなどなど。
 帰りは、この駅のコンコースの作りをしっかり理解していなかったため、改札の
中に入ってから、おたおたしていました。そのとき、突然、横合いから私の前をす
りぬけようとした背の高い男性が、「おっと、失礼」と言った瞬間、彼の襟章だか
バッジだかが、私の右まぶたをギリッと傷つけて行きました。
 さらに、この日、帰りの新宿駅では、スペシャルアクシデントがありました。コ
ンコースを歩いていたら、やはり横合いから突っ切ってきた人を避けようとした瞬
間、私は見事にスッ転んでしまったのです。その痛いことと、恥ずかしいことと言っ
たら!!
 待ち合わせの相手と対面したときには、すっかりぼろぼろになった私がいました。
 ざっと、愚痴のごとく話してしまいましたが、本当に13日の金曜日って運が悪
いこともあるんだなと思った1日だったので、ちょいと軽めの文章になってしまい
ましたが、コラムとして出すことにしたのです。

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 14:54