肢体不自由疑似体験
先週の金曜日、軽くではありますが、足首を捻ってしまいました。そうじゃなくても、最近は膝が痛かったり、外反母趾が痛かったりで、階段の昇降が辛かったのですが、これはもうたまりません。
それでも最近はどこの駅に行っても、エレベーターやエスカレーターが設置されているので、「出かけるのを諦める」などという事態は避けられます。おそらく、20年前だったら「上がらないのは足なのに『お手上げ』とはこれいかに!」なんていうことになったのではないでしょうか。
冗談はさておき、週末から今週の頭にかけて、相方に連れて歩いてもらい、日暮里、王子、東中野に出かけたのですが、それぞれの駅で辛い思いをしました。
まず日暮里ですが、たまたま足を捻る少し前に、別件で訪れていました。そのときには、エレベーターやエスカレーターが充実しているほうの出口を利用するところだったのでまったく気づかなかったのですが、今回訪れたときの訪問先は逆側の出口から行くように案内されていました。こちら側は、ホームから改札へ、そして外の道へのアクセスが全て階段です。しかも、陸橋のようになっている駅の延長部分から下の道へ降りる階段は、これがやたらと長いのです。しかも、その階段を下りていったら、目と鼻の先に先日訪れたほうの出口に近い広場が見えるというのです。またタクシー乗り場も、その広場のほうにしかないというのです。凄く大変な思いをしてえっちらおっちら階段の上り下りをした苦労は何だったのかと、思わずへたり込みそうになりました。
翌日は、乗換えで王子駅を利用しました。JRから地下鉄南北線への乗り換えだったのですが、相方が表示を見ると、南北線の乗り換えはこれまた階段しかないほうが案内されていました。反対側のほうにいた私たちは、ホーム1本分くらいテクテク歩き、一所懸命降りて改札を抜け、「ほうほう、確かに南北線の入り口はすぐだった」と喜んで入ろうとすると、ここにもエスカレーターもエレベーターもありません。南北線は、比較的新しい路線で、ホームドアも付いているような「障害者に優しい」駅という印象があったのですが、この入り口はちっとも優しくなさそうです。新しいということは、深さもそれなりにあるということで、それを降りていく気にはなれず、またまた相方に表示を見てもらい、エレベーターのある入り口に異動することにしました。ところが、結果的にはまたテクテク歩くはめに。なんと、さっき延々と歩いたJRのホームに沿って歩き、さらにその先まで歩いて、やっとたどりつきました。
読者の皆さんは、これでやれやれとほっとされたでしょう。
ところがどっこいです!
下に下りてみると、ホームへ下りるエレベーターのある改札の傍には券売機がない!誘導してくれる人と電車に乗る場合、半額ずつで乗ることができるので、切符を買うことにしています。だから、券売機がないと困るのです。またホーム1本分くらい歩いてたどりついた改札の傍で切符を買い、二人で改札を通ると、ここにはエレベーターはないけれど、エスカレーターが2本ありました。当然一つは下りエスカレーター…と思いきや、両方とも上りでした。
有人改札の駅員さんに「階段を使わないでホームに下りられないのは困る。エスカレーターはなぜ両方上りなんですか」と尋ねると、「時間で決まってますから」との答え。さらに、「エレベーターは?」と尋ねると「この階段を下りていただきましてホームを通って…」と説明し出す。こちらが何のためにエレベーターのことを尋ねているのかをまるで理解していない、というより頭を働かせる気がないらしいのです。
結局、いったん通った改札ですが、元の改札まで戻ることになり、電車に乗ったときにはもうヘトヘトでした。
そして今週の火曜日、これはもう分かっていたので仕方がないのですが、東中野でもエスカレーターの恩恵に預かれない出口を利用しました。でも、このときは、足もずいぶん良くなってはいたので、10分近く遠回りになることを避けて、意識的に階段を上り下りして目的地へ行ったのでした。
とはいえ、本当の車椅子利用の方であれば、それだけで遠回りを余儀なくされてしまうのだなと思ったら、駅や街にはまだまだバリアーがあるのだなぁと、やるせない気持ちになってしまいました。
また、一般の元気な人が乗り込んだエレベーターを見て乗り込むことを諦めては何度も見送って、やっと乗れるなんていうことがあるという話を、、車椅子ユーザーの知人に聞いたことがあるし、実際にそんな様子を目撃したこともあります。
設備だけでなく、一般の人の意識のバリアーもなんとかしなくてはいけません。小中学生のうちに、車椅子で街を移動してみるなどの体験カリキュラムを設けて、自分が歩けなくなったらどんな風に困るのか、想像できる心を養ってほしいものです。
「20年前を思えば、遠回りでも、エレベーターやエスカレーターが付くようになっただけましだろう」などという向きもあるかもしれません。
確かに、ここまで駅を改善してきてくださった関係各位には、感謝の気持ちでいっぱいです。
でも、「これでよし」とするのではなく、「まだまだ改善中」だとして、どの改札も車椅子利用ができるように、どんな鉄道会社でも検討していってほしいものだと、身を持って感じた日々を過ごしたのでした。
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