大里さん、医師国家試験合格おめでとう

第99回医師国家試験に合格した大里晃弘さん(1955年1月5日、茨城県ひたちなか市生まれ)は全盲。30年近く前の東京医科歯科大学4年生の頃から、視力が落ち始めたという。

医科歯科大学では、通常6年で終了する医学部を、どんどん衰えてくる視力と闘いながら8年で卒業した。

最後の年は各地の病院を廻っての実習だが、これも同級生等の協力を得、拡大読書機を駆使して何とか卒業にこぎつけた。

卒業時点で、大里さんの視力はわずかに残っていたため、当時の法律でも受験OKとの厚生省の言質を取って受験。拡大読書機を用いて挑戦したが、さすがに写真の出題に対応できず涙を飲んだ。

その後はさらに視力が衰え、医師国家試験の受験も不可能となり、盲界に足を踏み込むこととなった。

視覚障害者の施設に勤め、所沢の職業リハビリセンターでコンピュータを学び、一般企業に就職したがその会社が倒産したため盲学校の理療科に入学してあんま鍼灸の免許を取って改行するなど、大里さんの闘いは続いた。

一方、視覚障害者の地位や生活向上のための市民活動にも積極的に関わり、 全日本視覚障害者協議会 の役員を務めていたこともある。

2001年にお母様を事故で亡くし、実家に戻って細々とあんま鍼灸治療で生活していたところ、法律が改正されてどんな障害者でも医師国家試験を受けることができるようになったという吉報が入った。

それから大里さんの医師への夢が再び広がった。

法律改正後の2003年に早速受験したが、自己採点でも全く歯が立たなかった。

一昨年の8月に自宅の治療院を閉じて、受験勉強に専念し、医師国家試験に突進して今回の快挙となった。

各科をローテーションで廻っていく2年間の研修医としてのお勤めをどのようにこなすかなど、今後の課題も甘くないと冷静に分析する大里さん。

私は彼が間違いなく良い医者になるだろうという確信を得た。

(「週刊福祉情報」ライター・マジオ)

2005年4月7日

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