せっかくの配慮だから(part2)

 最近一つ気づいたことがあります。
フライドチキンで有名な某ファーストフード店でのことです。
 ここの飲み物、なんと、蓋に、「コーヒー」「紅茶」「その他」という点字がついてるんです。
それが、別々の蓋にではなく、一つの蓋にその三つ全てが付いているのです。
 そして、この工夫がすごい!なんと、3方向に書かれたそれぞれの品目の側に、
直径7ミリくらいの凸点が付いていて、店員さんが、中身に応じて、
該当する凸点を指で反対側に押し、凹ませて手渡してくれるようになっています。
これで、中身がコーヒーなやのか、紅茶なのか、それ以外の物なのかが、
触って判断できるようになっているわけです。
 本当に、この仕組みには驚きました。
確かに、「その他」だった場合、「コーラ」なのか、
「メロンソーダ」なのか「ジンジャーエール」なのかはわからないけれど、
カフェインアレルギーの人などには役に立つし、視覚障害者のみで来店した場合などに、
それぞれの中身が少しは分りやすくなるので、とてもありがたい配慮だと思うのです。
 ところが、せっかくの仕組みが、末端の店員さんには伝えられていないようなのです。
 最初は、晴眼者と行くから、特別な配慮はしないのかなとも思ったのですが、
一人で行ったときにも、やはり、その蓋の仕組みは利用されていなかったのです。
しかも、その店舗の店員さんは、大変に親切な人で、レジカウンターの列に並ぼうと
しておたおたしていた私のところに飛んできて、丁寧に誘導してくれたし、
おつりも種類別に分けて返してくれたりもしていました。
それなのに、私の頼んだコーラの蓋の凸点は、どれも押されていませんでした。
これはもう、せっかくの仕組みなのに、上からの通達がなく、無駄になっているとしか思えません。

 また、いくつかのファミリーレストランでは、点字のメニューが用意されているにも関わらず、
店員さんがその存在を知らずにいるというケースも多いようです。
 私はたまたまそのメニューの存在を知っていたので、
「点字のメニューがあると思うんですが、持ってきていただけますか?」とお尋ねし、
探し出してきてもらうことができたりするのですが、まったくその存在を知らない点字ユーザーは、
せっかく作られた点字メニューを活用せずじまいになっているケースも少なくないのではないかと思われます。

 こういった配慮を、末端まで行き届くように説明しておいてもらわなくては、
本当に宝の持ち腐れというかなんというか、とてももったいないことだと思います。
 有名飲食店各社のサービス担当の皆さん、もしこれをお読みでしたら、
ぜひ、ご自分の会社の状況を調べてみてください。
 また、そういうお店で働いている方は、ご自分の職場に、
そんな配慮がないのかどうか、ちょっと調べてみてください。
 せっかくの配慮や、アイディアを、なるべく有効活用できるように、皆さん、宜しくお願いします。
 また、点字ユーザーの方は、点字メニューの有無を尋ね、
置いていないお店にも、その必要性を感じてもらえるように行動していきましょう。
それは、自分のことだけではなく、他の点字ユーザーへの思いやりにもつながっていくはずですから。

 最後に、もう一つだけ、店舗側の方へお願いがあります。
 目の見えない人、イコール、点字が読める人とはかぎりません。
だから、点字のメニューがあるからと言っても、メニューの説明を求められたときには、
ぜひとも親切に対応していただけますよう、お願い致します。

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(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

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