[スポンサードリンク]
春うらら
トップページ » 2008年06月

人情の街-門前仲町

 先々週、まとめてお送りしたバリアフリー上映情報の中に、
「江東区古石場文化センターの音声ガイドボランティア養成講座発表会、
『野菊の如き君なりき』」というのがあったのをご記憶でしょうか。
 この講師をお引き受けしていた関係で、
 このところしょっちゅう門前仲町界隈をうろついていました。
 というか、2006年にも2クール程この講座の講師をやらせていただいて、
『二十四の瞳』『幸せの黄色いハンカチ』の上映発表会をやっていたので、
この街はすっかり親しみ深い街になっているのです。

 東京メトロ東西線と都営地下鉄大江戸線の2線が通るこの街は、
いわゆる下町です。時代劇などでおなじみの深川は、ちょうどこの辺りです。
 なぜ「門前」仲町なのかというと、
ここは深川不動尊の門前の街として大変活気があるからです。
また、不動尊の傍には、富岡八幡宮という大きな神社もあり、
縁日ともなればそれはそれは賑わう街なのです。
 多くの面白そうなお店が立ち並び、中でも飲食店の数は物凄いのです。
アサリを使った名物深川飯(炊き込み)や深川丼(味噌仕立てのぶっかけ飯)の店、
信じられない程安いのに美味しい魚介類がてんこ盛りで出てくる居酒屋さん、
冬場には泡ぜんざいを食べさせてくれる甘味所など、
魅力的なお店が軒を連ねています。

 そして、この街の魅力は、そんな楽しさや美味しさばかりではないのです。
 ある時、私の仲間であるバリアフリー映画推進団体CityLightsの
リーダー・平塚千穂子さんとコンビニに入り、
「M銀行はないかなぁ。お金下ろしたいけど、他の銀行じゃ手数料かかるし。」
などと話しながら買い物を済ませ店を出ると、
後から出てきたお姉さんがヒールの音を響かせ近づいてきて、
「M銀行をお探しでしたね。それだったら」と道案内してくれたのです。
何のえにしもない人間の話を通りす
がりに小耳に挟んだだけなのに、心配して声をかけてくれたのです。
 また、サツマイモのお菓子の専門店「三咲堂(みさきどう)」に初めて
入ったときには、大学いも、お芋のパイ、スイートポテトや
お芋のシュークリームなど、
いろいろ並ぶ美味しそうなお菓子にすつかり迷っていると、
元気な若い女店員さんが、すっごく嬉しそうに「どれも美味しいんですけど、
私が一番好きなのは」と言って、お芋のパイを進めてくれました。
そのときも、こちらから「お薦めは何?」と聞いたわけではなかったのですが、
本当にフレンドリーに声をかけてくれました。
しかも、自分の働いているお店の品を本当に愛しているのが伝わってくるような、
嬉しくてたまらないというような説明のし方だったのです。
 どこにも例外はあるものですが、
それでも、どのお店に入ってもたいていはほっこりする会話を楽しめるのです。

 だから、チェーン店みたいなところは避けて、
地元ならではのお店を選んで入っていたのですが、
つい昨日、成り行きでファミレスのジョナサンに入ってしまったのです。
「せっかく門仲にいるのに、つまらないな」などと思いながら入ったら、
嬉しい誤算でした。
 席に案内してくれたさわやかで優しい話し方をするウェイターさんは、
なんと、いきなりクロックポジショニング*で渡しに説明してくれたのです。
「お客様、6時の位置にお水を置きますね。」といった具合に!
まるで、一流ホテルのレストランにいったような驚きでした。
 また、帰り際には、レジで「雨の日の夕方5時以降に使える割引券」というのを
くれたので、思わず「ええ!そんなのあるんだぁ!」と笑いながら驚いていると、
レジのお姉さんが「ええ、あるんです」と、これまたとても嬉しそうに
気持ちの良い笑い声を立てていました。

 ボランティア講座の今回のクールはあと2回で終わってしまうので、
この街とも当分疎遠になってしまいそうで残念なのですが、
今度はお仕事でなく、ゆっくり歩き回りに行こうかと思っているところです。
 皆さんも、東京の下町を堪能しに、この笑顔のあふれる街、
門前仲町を訪れてみて はいかがでしょうか。


* 「クロックポジショニング」というのは、
たぶん航海士の発想から出てきた物だと思うのですが、
視覚障害者に位置を説明するために、
目の前のお皿やテーブルをアナログ時計の文字盤に見立てて
説明する方法のことです。つまり、今回の例でいうならば、
お水を私の正面、一番手前に置いてくれたということになるわけです。
これ、便利ですよ!


ながら仕事でもホームページが楽しめる音声ブラウザ・ボイスサーフィン


(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)



視覚障害者に好評~役所からの書類ならお任せの音声読書機・よむべえ


by amedia  at 16:05  | Permalink

点字のお手紙事始-ある傷痍軍人さんとの思い出

 先日、ある演劇ユニットの脚本・演出家の方から、
「傷痍軍人(しょういぐんじん)をメインにした芝居を作るので、
目の見えない人のことについていろいろ教えてほしい」という相談をいただき、
お会いしてお話する機会を持ちました。
私たち「演劇結社ばっかりばっかり」の稽古場に、
失明傷痍軍人役の方と一緒にみえて、
いろいろ私たちの話を聞いてくださったのですが、
そのとき話している中で、思い出したことがありました。
もう何年も忘れていたことだったので、自分でも驚いてしまったくらいでした。

 そもそも、その思い出すきっかけになった話というのは、
「点字を使えるのは、ほんの一握りの視覚障害者だけで、
多くの中途失明者は点字を知らない」ということを説明したことでした。
年配の失明者の方の多くは「今から覚えようとしても、疲れるだけだ」と言って、
あえて点字にチャレンジしないのだと説明しているうちに、ハタと気づいたのでした。
今は、音声パソコンの普及と、読み書きを助けてくれるボランティアの充実もあって、
無理して点字を習得しなくても、あまり不便を感じないで暮らせるから、
中途失明の方の点字離れが顕著になったのではないか、ということに。
もしかすると、戦後まもない頃には、点字を習得せざるを得ない状況があり、
視覚障害者の数に占める点字人口のパーセンテージは
もう少し高かったのではないかと。

 そこで浮かんできた思い出というのは、
私が生まれて初めていただいた点字のお手紙のことでした。
薄い茶封筒に入れられた点字用紙1枚分のお手紙。
残念ながら、もう手元にはないのですが、
それは福島県いわき市の実家の近くで治療院を開業しておられた、
正に、元傷痍軍人のおじいさんからいただいたものでした。
 そのおじいさんは、戦争で失明してしまったばかりでなく、
片腕を肘のすぐ下から飛ばされてしまったという痛々しい障害も
負っておられましたが、鍼灸・按摩の腕が素晴らしいということで、
その界隈ではとても評判の治療師さんで、
うちの両親も祖父母もお世話になっていたようです。
なんと、飛ばされてしまった腕の痕が癒えてツルンとなったところで
器用に揉まれるのがまた格別気持ち良いというのです。
今思えば、自分にとってハンディになっている部位を隠すどころか、
それを利用して治療されていたこのおじいさんは、
ものすごい人だと改めて尊敬してしまいます。
もちろん鍼の腕前も素晴らしく、幼い私の記憶の中にも、
ぎっくり腰で動けなくなった母が、
帰りには歩いて帰ってきたという奇跡のような出来事が鮮明に残っています。
 ルールどおり、裏の4・9・14行目に折り線を入れて
きちんとたたまれたその手紙の文面は、もうほとんど忘れていましたが、
誤字一つなく、綺麗に分かち書きされたものだったと記憶しています。
覚えているのは、「めぐみちゃんも点字を覚えられて良かったですね。
これからしっかりお勉強しなさい。」といったような内容だったと思います。
盲学校の小学部1年生の冬頃だったと思いますが、
くすぐったいような、嬉しいような気持ちでその「おてがみ」を大事に
机の引き出しに仕舞ったことを憶えています。
 千葉さんというそのおじいさんは、もうとっくに故人となられましたが、
ご存命中にもっといろいろお話を伺っておけば良かったと、
今回改めて残念な気持ちになりました。

 今回ご相談にみえた演劇ユニットの公演は、
終戦の日近辺に上演されるようですが、詳しい情報が分かり次第、
またこのコラム欄でご紹介したいと思います。
 演出家の方・役者さん、共にまだお若いお二人は、
とても真面目に視覚障害者について考えていこうとなさっているし、
また観劇上でのバリアフリーも検討していってくださるようなので、
本当に応援したいと思ったのでした。


ながら仕事でもホームページが楽しめる音声ブラウザ・ボイスサーフィン4


(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)



ダイエットしなくてもスリムに見える~下着ファッション

by amedia  at 12:24  | Permalink

音声ガイド付き上映会続々!

 今月から来月にかけて、いろいろな規模のバリアフリー上映会が目白押しです。
 中には、私自身がガイド作りに関わった物もありますので、
ぜひまとめてご紹介したいと思いました。
 字数の関係で最低限の情報になっていますので、
 映画の内容等は、検索していただけますようお願いいたします。
 今回は、横浜市、東京都江東区、豊島区、武蔵野市、調布市、
静岡県浜松市の情報です。お近くの上映会、または、
お好きな映画の上映会に、どうぞ足をお運びください。


■シネマ・ジャック&ベティ主催 音声ガイド付き上映会
「サラエボの花」「靖国」
日時: 6月28日(土) 
   10時~11時40分 「サラエボの花」 
   12時50分~15時 「靖国 -YASUKUNI-」 
場所: シネマ・ジャック&ベティ
 (神奈川県 横浜市 中区 若葉町 3-51)
最寄駅:京浜急行「黄金町(こがねちょう)」/横浜市営地下鉄「阪東橋」
鑑賞料:1作品800円 (晴眼者も一律)
問合せ: 045-243-9800

■財団法人江東区地域振興会 古石場文化センター主催 音声ガイド付き映画上映会
「西鶴一代女」(1952年 新東宝 モノクロ)
日時:6月28日(土)
   昼の部14時上映開始 (13時30分会場)
   夜の部18時30分上映開始(18時会場)
場所:江東区古石場(ふるいしば)文化センター 二階大研修室
(江東区古石場2-13-2)
最寄駅:東京メトロ・都営大江戸線「門前仲町」/JR京葉線「越中島」
鑑賞料:500円
申し込み:03-5620-0224(江東区古石場文化センター)

■シーンボイスはままつ主催 字幕・音声ガイド付き上映会
『ふみ子の海』(原作:市川信夫)
日時:6月29日 (日) 15:30~
場所:松菱劇場 (浜松市中区肴町317-4)
最寄駅:JR東海「浜松」
鑑賞量:大人 1,800円
    中学生・小学生・シニア・身障者手帳を お持ちの方および介助者 1,000円
    大学生・高校生 1,500円 
    幼児 800円
問合せ:090-1989-0484(シーンボイスはままつ)
内容:新潟県の高田盲学校で教鞭をとり、
生涯を視覚障害者教育に捧げた実在の盲女性・粟津キヨさんの少女時代を描く。

■立教大学ボランティアセンター主催 バリアフリー上映会(トークセッション付き)
「ツォツィ」
日時:2008年7月5日(土)13:30~17:00
場所:立教大学池袋キャンパス 8号館8101教室
最寄駅:JR/西武池袋千/東武東上線/
東京メトロ有楽町線・丸の内線・副都心線「池袋」
入場料: 無料(申込不要)
誘導希望の方: 池袋駅からの誘導を希望される視覚障害の方、
車椅子利用の方は(車椅子スペースに限りがあるため)
6月25日までに申し込みが必要です。
問合せ:立教大学ボランティアセンター
    TEL/03-3985-4651
    メール  volunteer@grp.rikkyo.ne.jp
※ 聴覚障害者の方向けに、映画には日本語字幕が、
トークセッションにはPC文字通訳と手話通訳が付きます。

■武蔵野市社会福祉協議会主催 「七夕のつどい」バリアフリー上映会
「しゃべれどもしゃべれども」
日時:7月6日(日) 午前・午後の2回上映
   午前の部 10:00~(開場9:30)
   午後の部 14:00~(開場13:30)
場所:武蔵野市民文化会館 大ホール(中町3-9-11)
対象者:市民社協会員
※当日入会できます(個人会員 1口 1,000円/年)
鑑賞料:無料
問合せ:0422-23-0701(武蔵野市民社会福祉協議会)
※ 日本語字幕、手話通訳付き。

■財団法人江東区地域振興会 古石場文化センター主催 
「映画音声ガイド制作ボランティア養成講座」上映発表会
「野菊の如き君なりき」(1955年松竹 モノクロ。
原作:伊藤左千夫『野菊の墓』)
日時:7月9日(水) 午後1時30分開場 午後2時上映開始。
場所:江東区古石場文化センター 2階 大研修室
最寄駅:東京メトロ・都営大江戸線「門前仲町」/JR京葉線「越中島」
参加費:無料
問合せ:03-5620-0224(同センター)
 ※門前仲町駅から会場までの誘導をご希望の方はお申込み時にお伝えください。

■調布市文化・コミュニティ振興財団主催 調布シネサロン
「大魔神」(1966年 大映映画)
日時:7月15日(火) 15時の回/18時30分の回
場所:調布市グリーンホール
最寄駅:京王線「調布」(南口からすぐ)
鑑賞料:無料
協力:シティライツ
問合せ: citylights@tokyo.email.ne.jp (シティライツ事務局)
※ 調布駅からの誘導をご希望の方は、その旨お伝えください。


 私が関わったのは、「ツォツィ」「野菊の如き君なりき」「大魔神」の3作です。
「ツォツィ」ではアパルトヘイトの爪痕に戦慄しつつ青年の心の再生に感動し、
「野菊」では美しい純愛に滝涙を流し、
古い特撮時代劇「大魔神」では見事な勧善懲悪に燃えました!

 最後に、亡くなられた映画評論家水野晴郎さんを偲んで一言。
 「いやぁ、映画って本当にいいものですねぇ!」


ながら仕事でもホームページが楽しめる音声ブラウザ・ボイスサーフィン


(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)



視覚障害者に関する情報なら~日本盲人社会福祉施設協議会

by amedia  at 16:38  | Permalink

板割り体験

 5月3日から四日間、幕張で行なわれた成功の9ステップという自己啓発セミナーで、板割りを体験しました。 これは、3cmの松材を空手家よろしく、一突きで打ち割る演習です。 講師のジェームス・スキナーが壇上でそのコツをとくとくと話し、実際にやって見せるのです。そして、いよいよ実践の始まりです。全員がいくつかのグループに分かれて次々とトライしていきます。 私は、一番難しそうな女性のグループに組み分けされ、順番を待ちました。このグループは、ジェームス・スキナー自らが接板を構えて受けてくれます。 ほかのグループでの板割りが次々と進行していく中、私のグループは弱者グループのためもっとも進行が遅く、その中で最後尾に配置された私は、ほかのすべての人がこの演習を終えて、皆が私一人に注目する中でトライするはめとなりました。 会場全体に私を応援する絶叫が響き渡る中、ジェームス・スキナーが直接私の手を取って、「板の位置を目標にするのではなく、板を持っている自分の胸に思いっきり突っ張りをかますつもりでやるように」、ということを教えてくれます。
結果、何と2回目で3cmの松の板を見事に割ることができました。
 実は、板を割る前に、手渡された板の表と裏に文字を書きました。
 表に解決したい自分の悩み、裏に実現したい思いを書くのです。
 私は表に「赤字」と書きました。
 裏に「株式配当」と書きました。
 アメディアは昨年度は僅かながら赤字でした。
 6月決算の今期は黒字の見通しです。
 そして板は割れました。

この記事は本誌第244号の福祉コラム「火渡り体験」の続きです。成功の9ステップ・セミナー全体の体験記事は6月25日発行の点字ジャーナル7月号に掲載されます。点字ジャーナルは、東京ヘレンケラー協会(東京都新宿区大久保3-14-4毎日新聞社早稲田別館内、03-3200-1310)から発行されている点字月刊誌です。

成功の9ステップ・セミナーそのものについては、以下をご覧ください。
http://tinyurl.com/3nvvcx

望月優

盲人が開発した本物のブラインドタッチ特訓ソフト・スパルタイプ

by amedia  at 17:06  | Permalink