[スポンサードリンク]
春うらら
トップページ » 2009年12月

30年近い時を越えて

30年近い時を越えて
(美月めぐみ)

 昨日、恒例のアメディアフェアが開催され、私は相方の鈴木大輔と共に、今年も司会を務めさせていただきました。
 このアメディアフェア、なんと今年で第20回!!うーん、私もそれなりの年齢になるわけだ。ふぅー。

 そんな想いを胸に秘めつつ、浅草橋の東商センターの会場で朝1でお迎えしたゲストが、東京大学教授の福島智先生。ご存知の方も多いかと思いますが、福島先生は盲ろう二重障害の身でありながら、都立大学を卒業後、金沢大学助教授、東京大学助教授を経て、現在は同大学の教授となられた方です。
 この福島先生の講演『点字が切り開いた我が人生』が、今回のアメディアフェアのイベントのメインディッシュでした。
 福島先生は、とにかくお話しが楽しいので、司会の身でありながら、私は前々からとても楽しみにしていました。

 そして登壇されるに当たってのご紹介で、私は見事に会場の皆さんに告白しました。じつは、私は筑波大学附属盲学校の高等部普通化にいたころ、福島君とクラスメイトだった時期があることを!同じ教室で机を並べていた仲間でも、かたや天下の東大の
教授先生、かたやしがないバイト人をしながらの役者生活、みたいなことを言ったら、
会場からしっかり笑いをいただきました。
 そんなわけで、オフィシャルなプロフィール紹介ではやむなく「福島先生」という呼称を使ったものの、プライベートな話題になったときには、ついつい「福島君」とかニックネームである「トム」とか呼びそうになるところを、ぐっと堪えて「福島さん」と申し上げてました。(笑)

 今回のお話しの内容は、主に高校時代、既に失っていた視力に加え、聴力まで奪われていった過程とそのときの気持ち、そんな中で孤独になっていく魂を救ってくれた点字の本たちの話、そしてお母様が突然彼の指に指を重ねて点字タイプのように言葉をつむぎ出した「指点字」の始まりのこと。そこから想いを馳せて、バルビエの軍用文字から視覚障害の青年ルイ・ブライユが今の点字の原型を作ってくれたことへの感謝の気持ちまで語られましたが、私のような視覚単一障害の者たちよりも遥かに重み
のある言葉でした。

 印象に残ったことが幾つかあります。
 指点字を使うようになっても、トランプなどをしていて今一つ面白くない状況に突き当たり、ゲームその物が可能かどうかの問題ではなく、そこでゲーム参加者各自が発する言葉やちょっとした反応などに接することができないのがつまらなさの原因であることに思い至ったこと、それに気づいたのが、1対1のやり取りにだけ指点字を使うのでなく、他の人が話したことを“通訳”してもらうようになって、もう一度ト
ランプをやりながら楽しさを取り戻したときだったということ。
 また、実家で悶々としていたときに神戸の点字図書館から借りられた本は名著・名作の文学
らしい文学に偏り、芥川、太宰、三島、川端など「あれ?もしかして…!」と思わされるラインナップの本たちによって、、海底まで沈みこんだ後、その海底の砂を蹴って浮上できたと感じたこと。この2点は、非常に胸に刺さりました。

 そして、何より心打たれたのは、聴力と耳の良し悪しは違うのだと改めて感じさせられたこんな一言でした。
 「聞こえなくなってから知り合った人は、直接指点字で語り合っても声として想像ができないけれど、会場にいる人の中で、美月さんの声だけが、20うん年前の若々しい声のまま再現されてます。なぜなら、美月さんとは聞こえていた頃に知り合っていたからです。」
 「なるほど」と思うと同時に、私はあるコンサートを思い出していました。聞こえていた頃、とてもよく響く素敵な声で、見事なピアニストっぷりで弾き語りしていた福島君が、聞こえなくなって暫く経ってからのそのコンサートで、歌こそ歌わなかったものの、見事なピアノ演奏を披露していたことです。
 彼の耳には、聞こえていた頃の蓄積があり、それを30年近く経った今でも、頭の中で再生できるのだと気づき、変な言い方ですが、とても耳の良い人なのだと思ったのでした。

 その他にも、ハイテク機器の進歩は盲ろうの人たちにとっては必ずしもありがたいことばかりではないという事例として語られた、音声体重計の登場によって触読式の体重計が手に入らなくなり何十年前かに買った体重計を使い続けている話や、指点字通訳など必要な援助を受けるための社会制度が確立されていないことなど、本当に盲ろうの人の目線に経つと、解決したり切り開いたりしていかねばならない問題が山積しているのだと、今回の講演を通して、改めて認識できました。

 そんな困難な話を、会場に笑いを振りまきながらさわやかに語る福島君は、今や東大教授!状況を見つめなおしながら、私は、元クラスメイトとしての誇らしさだけでなく、本当にグレートな人なのだと心から思えた講演でした。
 福島先生、月並みな言葉しか出てこないわたしのボキャブラリーの貧困さを呪いたくなるけれど、これからもどうか元気に頑張っていってほしいと願っていますよ!

 さて、このコラムは、今年最後のコラムとなりました。
 読者の皆さん、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。


目の見えない子を支援するなら~点字定規セット「点字サポーターへの道」


(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 17:31  | Permalink

親子で楽しむ冬休み

 私自身の活動の都合上、どうしてもエンターテインメント系の話題に偏ってしまうことをお許しくださいね。
 今回は、親子のどちらかが目が不自由なファミリーが、共通の話題で盛り上がれる映像メディアのお話しです。

 以前から私が話題にしているバリアフリー映画鑑賞推進団体CityLightsは、「音声ガイド」という画面の説明を、ライブ、ないし録音した音声をFM電波に載せて送信し、それを視覚障害の観客がポケットラジオのイヤフォンで聞きながら映画を楽しむという活動をメインにしています。
 でも、じつはこれ、大人向けの作品ばかりを取り上げているわけではありません。
 来週末の土日には、それぞれファミリーで楽しめる映画の同行鑑賞会が企画されています。
 今回は、その鑑賞会のご案内です。

 一つ目 『カールじいさんの空飛ぶ家』
劇場: ユナイテッドシネマ としまえん
日時: 12月26日(土) 午後の回お希望中(時間は22日に決定)
集合: 上映一時間くらい前に、西武池袋線豊島園駅改札、
    もしくは大江戸線豊島園駅改札

 内容はこちらをご参照ください。(urlが複数行にまたっていたら、つなげてから
アクセスしてください)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%98%E3%81%84%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%AE%E7%A9%BA%E9%A3%9B%E3%81%B6%E5%AE%B6

 【申込方法】
以下の内容に従って、メールでお申し込みください。
件名に『カールじいさん』申し込み、もしくは仮参加と書いて宛先は同行鑑賞会専用アドレス doukou@citylights01.org

 ▼本文に以下1~7の項目を明記してください。
1:お名前(ハンドル名でも可)
2:申し込み、または仮参加
3:参加人数(複数人数で参加の方は、視覚障害者と晴眼者の内訳)
4:誘導の要・不要(晴眼者の方は、誘導ボラとご記入ください。)
5:集合場所(西武線・大江戸線)
6:当日連絡が取れる電話番号、
7:お茶会参加の有無(予定変更になる場合は早めにお知らせください。)


 二つ目 『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』
劇場: 新宿武蔵野館
日時: 12月27日(日) 午後最初の回(時間は21日に決定)
集合: 上映一時間くらい前にJR新宿駅東口改札。
    (中央東口とお間違えにならないように)

 内容はこちらをご参照ください。(urlが複数行にまたっていたら、つなげてから
アクセスしてください)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%80%AA%E7%8D%A3%E3%83%90%E3%83%88%E
3%83%AB_%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A9%E9%8A%80%E6%B2%B3%E4%BC%9D%E8%A
A%AC_THE_MOVIE

 【申込方法】
以下の内容に従って、メールでお申し込みください。

件名に『ウルトラ』申し込み、もしくは仮参加と書いて
宛先は同行鑑賞会専用アドレス doukou@citylights01.org

 ▼本文に以下1~6の項目を明記してください。
1:お名前(ハンドル名でも可)
2:申し込み、または仮参加
3:参加人数(複数人数で参加の方は、視覚障害者と晴眼者の内訳)
4:誘導の要・不要(晴眼者の方は、誘導ボラとご記入ください。)
5:当日連絡が取れる電話番号、
6:お茶会参加の有無(予定変更になる場合は早めにお知らせください。)

 【申込締切】
 一つ目と二つ目、共に12月23日(水) 24時
※誘導をご希望の方で、参加したいが時間による。でも鑑賞希望ではある。
という方も、ボランティア確保の都合上、ひとまず仮参加の連絡をください。
 上映時間決定後、受付担当者より、参加確認メールを差し上げますので、
最終締切日の12月23日 24時までにご返信ください。
※参加を予定している方は、速やかなお申し込みにご協力お願いいたします!
※集合場所以外の待ち合わせは対応することができません。ご了承ください。

持ち物: FMラジオ、鑑賞料 1000円。(晴眼者も一律)
ガイド方式: 音声ガイドはライブの実況で行います。
       ラジオは、FM周波数88.5MHzに合わせて下さい。

 普段の生活空間とは懸け離れた状況のアニメや特撮は、ちゃんと理解するにはどうしても音声ガイドが不可欠です。目の不自由なお母さん・お父さんと晴眼者のお子さん、その逆で晴眼者のお母さん・お父さんと目の不自由なお子さんにも、ぜひこの機会に鑑賞会に参加していただき、冬休みの素敵な体験にしていただけたらと想いましてご案内してみました。
 ちなみに、小さいときの私のように、画面解説なしで音声だけで聞いて分かった気になってると、その作品がアニメなのか特撮なのかも分かっていないということにもなりかねませんので、一言お伝えしておくと、一つ目の『カールじいさんの空飛ぶ家』はアメリカで製作されたアニメ映画で、二つ目の『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』は私が物心付く寸前からシリーズが始まったバリバリの国産特撮tvドラマ『ウルトラマン』シリーズの流れを汲む特撮映画です。

 今回の話題は、東京周辺の人にのみ有益といった感じになってしまいましたが、全国ネットのTV番組も頑張ってくれています。
 日テレ系アニメ『それいけ!アンパンマン』やNHK教育テレビの道徳の授業のための人形劇『ざわざわ森のがんこちゃん』など子供向けの番組にも、副音声による楽しい画面解説が付くようになっています。大前提のキャラクターの姿形などを説明するシチュエイションがないのはかなり残念ではありますが、ストーリーとしてはばっちりです。
 こういった番組の情報にもアンテナを向けて、家族の会話を弾ませてみてはいかがでしょうか。


ながら仕事でもホームページが楽しめる音声ブラウザ・ボイスサーフィン


(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)


by amedia  at 16:41  | Permalink

『さなぎの時代』レポート(3、最終回)

ついに、『さなぎの時代』の公演から一月以上過ぎてしまいました。早いものですねぇ!

 ということで、この話題もここまでで終わりなのですが、今回は客演で重要な役割を担ってくれた“彼女”の文章もありますので、最後までお読みいただければ幸いです。

 さて、私のやった役、五十嵐由香奈(いがらし ゆかな)が登場する経緯を話そうとすると、物語の核心部分に触れてしまうので、簡単にいきます。
 由香奈は、中途失明で、あきらの盲学校時代のルームメイトだった女性です。今は、都内にある「アイゾーン」というITショップで働いています。(笑)芝居の後半に出てきて、悠稀の部屋のパソコンにスキャナをつないだり、ソフトをインストールしたり、そして使い方の指導までしていく、ほんわか明るいお姉さんといった役どころ。一部の友人からは、「めーたんが今までやった役の中で、一番めーたん自身に近
いイメージだったね」と言われました。(てれ笑)
 また、最近知り合ったばかりの晴眼者の友人からは「なんであんなにしゃきしゃきセッティングできるの?」と驚いてもらえました。「なんちゃってセッティング」だったんですけどね。(笑)

 そして、これはもう、超核心部分なので説明をオミットすることも大変なんですが、由香奈の弟(原作では兄)で、実は悠稀のスキー仲間だったことが判明する五十嵐貴也(いがらし たかや)が、悠稀に対する手紙を読み上げる場面が出てきます。
 あきらという存在の登場と共に、この手紙が悠稀を変える物になっているのですが、この貴也を演じたのが、ばっかりばっかりレギュラーメンバーの実力派・石津正幸でした。
 芝居巧者な石津は、今回は細かい役をいろいろ担当していましたが、この最後のほうに出てくる貴也がメインです。
 他には、劇外劇の喫茶店のウェイター、悠稀に失明宣告をする眼科医、そして本人も周りも一番楽しんでいた謎のタクシー運転手を演じていました。運転手は、毎回のアドリブがとにかく楽しかったので、2回観にいらしてくださったお客さんも、新鮮な楽しみを得られたことでしょう。

 というわけで、10年前に『メディアナウ』に連載させていただいた拙作は、和風まくだ煮Lのアイディアがギュギュッと詰まった脚本と、8人の素晴らしい仲間たちのアンサンブルの良さで、活き活きとした素敵な舞台となりました。

 この場をお借りして、素敵な仲間たち、関わってくださった全てのスタッフさんたち、協力・協賛してくださった方々、そして当日観にきてくださった皆様に、心からお礼申し上げます。本当にありがとうございました!!

 また、今回お越しいただけなかった皆様も、私たちはいつでもお待ちしておりますので、次回の公演にはぜひいらしてくださいね!そして、視覚の有無を超えて、共に芝居を作る仲間たちを、共に楽しむ客席の雰囲気を、ぜひ味わってみてください。

 では最後に、今回客演で入ってくれた私の親友、佐藤敏美さんからのメッセージを掲載させていただいて、連載を締めたいと思います。


【「さなぎの時代」で生きて。】
 この脚本の原作である「さなぎの時代」を美月さんから読ませてもらったのは、彼女と知り合ってから、まだ日が浅かった頃。
 作品中の人々のあたたかさ、勢いのある展開は、まさに美月さんのひととなりを現すように心地よく、物語がすーっと心に沁み込んできたことを思い出します。その小気味よさは、脚本となり、さらに進化したお芝居に転じ、大成功で公演を終えました。

 このたび配役して戴いた「あきら」の「先天盲で声楽家」という設定は、たいへん難しいものでしたが、それらを模索し、「私の中にいるあきら」にあてはめていく作業は、思い悩みつつもやりがいのある大きな喜びでした。
自分にないそれらの特徴について考え、感じようとすることは、そういった特徴を持つ友人達に想いを寄せることでもあったからです。

 そして、公演を観た友人達の感想、「視覚障害者向けと聞いていたが、お芝居は内容についていけないことが多い私向けでもあった。
舞台や状況の説明で楽しめた」「小学生の子どもが心配だったが、帰りの電車では笑顔で会話が弾んだ」更には、公演一日目に若いお嫁さんと観劇した友人が「良かったから」と、二日目には高齢のお母様を伴って、再度足を運んでくれた事などは、この公演が視覚の有無に限らず、様々な人に柔軟に受け入れられ楽しんでもらえた証として大切な宝物です。

 このような柔らかな想いと楽しい笑いにつつまれた公演に招かれ、「あきら」として生きることができたことに心から感謝しています。

目の見えない子を支援するなら~点字定規セット「点字サポーターへの道」

(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 17:29  | Permalink

『さなぎの時代』レポート(2)

 本文に入る前に、ちょっと語らせてください。
 先週は、急にコラム欄をお休みしてしまい、大変失礼しました。「鬼の霍乱」と言われそうですが、寝込んでしまいました。
 じつは、私が芸名を決めるに際してその音だけいただいて当て字させていただいたという、敬愛して止まない舞台人、元宝塚花組トップスターの大浦みずきさんが、去る11月14日に53歳の若さで他界されたのです。肺がんでした。
 その訃報を受けて以来、毎日毎日思い出しては涙に暮れているうちに、体のほうもまいってしまったようです。今週に入り、ようやく体調の回復と共に立ち直ることができてきたところです。
 他のメディアでも書いたのですが、いつまでもめそめそせず、新たな舞台に向けてちんと立ち上がることこそ、彼女への最大の供養になり、いつしか私自身が死を迎えたときに、彼女に恥じることなく旅立つことができるようになるのではないかと、そう考えるようになれました。
 そして、ようやく心から言えるようになりました。「大浦さん、私に舞台に立つ勇気と希望を与えてくださって、本当にありがとうございました!!どうぞ、安らかに眠ってください。心からご冥福をお祈りします!」

 さて、ここからは前回・先々週のコラムの続きです。
 去る11月7日・8日に行いました、私の所属する『演劇結社ばっかりばっかり』の芝居公演『さなぎの時代』のご紹介です。

 次に、母親聡子がピアノの出張稽古先から連れ帰った青年・杉山あきらが、初めはさわやか好青年として悠稀の部屋に現れますが、聡子が姿を消したとたん、「お前、昼間っからベッドに埋もれてるなんて、スケベなヤツだなぁ!」と、いきなり悠稀のタオルケットを引っぺがします!
 のみならず、彼は、「かーぐわしいー百合の花ー」と口から出任せの歌を裏声の高音で歌い始めます。
 母聡子の音大の後輩に当たるというこの青年が、やけに威勢が良く、福祉にも詳しく、そして母と親しげであることにくやしさを感じる悠稀。
 ところが話が進んでいくと、あきらは全盲の声楽家であることが判明します。

 このあきら役を担当したのが、私の10年弱前からの大事な友人・佐藤敏美さんでした。細身で長身、まろやかな低音の声の彼女の陰のニックネームは「オスカル様」。その中性的な魅力でまたまたファンを増やしたようです。ここ数年前から取り組んでいる市民ミュージカルで鍛えてきた歌唱は綺麗なファルセットもよく通る地声も生かされていて、歌手であるあきら役にぴったりでした。
 また、彼女は晴眼者なのですが、私たちとの付き合いも長いこともあり、視覚障害者に混じって視覚障害者を演じていても、さほど違和感はなかったようです。
 (さすがにその逆、つまり、視覚障害者が晴眼者に混じって晴眼者を演じるのは、お客様に対しての違和感は否めないので、うちの劇団ではやりませんが)

 この公演は、このメルマガの発行元でもある(株)アメディアが協賛に入ってくださていましたが、あきらはアメディア商品を初めとする視覚障害者向けIT関連機器の説明も含め、悠稀に新しいことをいろいろと教え、風のように彼の中の霧を吹き払い、太陽のように彼を暖め、凍てついた心を溶かしていきます。

 その後、エリカとの波乱なども含めて、話はそっちこっちに転がりながらも、着実に明るいほうへと変化していきます。
 この明暗というか暗明(?)は、照明の工夫でさらに強調されていました。というのも、ストーリーの最初のほうでは、照明はほとんど悠稀自信のことしか映し出していないのですが、心に映る風景や人の顔などが、だんだんはっきりしてくるにつれて照明もはっきりとした物になっていくのです。
 また、その様子を含め、このストーリーが映画であるという体で描かれている芝居ですので、冒頭で音声ガイド製作を依頼された“大輔”が、舞台上の別空間に小さなデスクとその上にポータブル型のDVDプレイヤーを置いて、その場で適宜音声ガイドを挿入したり、客席に向かって「音声ガイド」についての説明を加えたり、自分の感想を述べたり、ときには登場人物につっこみを入れられたりしながら、狂言回しの役割も担って話が進んでいくのでした。

 と、今回はここまでです。
 次回でこの話題はラストになる予定です。そう、まだ私が登場してないってこと、読者の皆さんはお気づきでしたか?(笑)

(つづく)


ながら仕事でもホームページが楽しめる音声ブラウザ・ボイスサーフィン


(「週刊福祉情報」コラムニスト・美月めぐみ)

by amedia  at 15:58  | Permalink